
TikTok Shopは、2025年6月より日本でのサービス開始が予定されている、TikTok内のEコマース機能です。
海外で先行して展開されているサービスであり、市場規模の大きさやユーザー数の多さから注目を集めています。
まだまだ情報も少ないため、
「TikTok Shopに参入すべき?」「そもそもどんな仕組みなの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2025年5月時点でわかっているTikTok Shopの基本情報から活用メリット・注意点、そして成果を出すためのポイントまで、網羅的に解説します。
TikTok Shopは特に若年層へのリーチを増やしたい企業や、アパレルやコスメなどを扱っている企業におすすめですが、それ以外の業種でも新しい顧客接点として大きな可能性を秘めています。ぜひ最後まで読んで、導入の参考にしてみてください。

監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
新卒で楽天グループ株式会社に入社し、ECコンサルタントとして
SOY(Shop of the Year)受賞店舗をはじめ多数の上位店舗を支援。
約2万人の社員の中から「楽天賞MVP」を受賞するなど、
高い実績と評価を獲得。
その後、大手企業のEC支援を行うコンサルティング会社を経て、
2020年にEC専門支援会社「ジャグー株式会社」を設立。
楽天市場やAmazonなど複数モールにおける売上拡大・運用最適化を総合的に支援している。
また、グループ会社にて自らもAmazonでの販売事業を展開。
自社ブランド製品はAmazonで「Amazonおすすめ」を多数獲得し、
販売開始から1年で月商1,000万円を突破するなど、売り手としても豊富な実績を持つ。
目次
TikTok Shopとは?

(画像出典元:TikTok Shop)
TikTok Shopとは、動画ベースSNSプラットフォーム「TikTok」内のEコマース機能です。ユーザーがTikTokアプリを離れずに商品の発見から詳細の確認、カートへの追加、決済までを一貫して行える点が特徴です。
2025年5月現在、東南アジア諸国やイギリス、アメリカなどで展開されています。2024年の世界売上高は330億ドル(前年比約135%増)と急成長しており、日本市場への展開も間近とされているため、EC事業者から注目を集めているのです。
日本でのサービス開始は2025年6月予定

日本貿易振興機構(JETRO)によると、TikTok Shopの日本市場における公式サービスは2025年6月開始と見込まれています。ただし、開始時期は変動する可能性があるため、TikTokの公式発表や信頼性の高いEC業界ニュースなど、常に最新の情報をキャッチアップしておきましょう。
TikTokは国内の月間アクティブユーザーが3300万人を超える大きなSNSプラットフォームです。
TikTok Shopではこの多数の潜在ユーザーに、動画コンテンツやライブ配信を通じた商品紹介や、アプリから離脱することなく購入まで完了させられるシームレスな購買体験を提供できるようになります。
既存のECモールとの主な違い

TikTok Shopは、楽天市場やAmazonなどの既存のECモールとは異なる点があります。主な違いは以下のとおりです。
- 商品が発見される仕組み
- 購買体験のシームレスさ
- コンテンツとショッピングの融合
順に解説します。
商品が発見される仕組み
TikTok Shopではユーザーが検索窓にキーワードを入力して商品を探すのではなく、TikTokのアルゴリズムがユーザーの興味関心に基づいて商品をおすすめします。
魅力的な動画コンテンツを通じて「こんな商品があったのか!」「これ、面白そう!」といった形で偶然商品を発見する機会が増え、潜在層へのリーチ増が期待できます。
TikTok Shopは「発見型EC」とも呼ばれ、ユーザーの潜在的なニーズを掘り起こし、衝動買いを誘発しやすいという、従来までのECにはない特徴があるのです。
購買体験のシームレスさ
従来のECモールでは商品の詳細情報を確認したり、購入手続きを進めたりするために、アプリやウェブサイトのページを何度も遷移する必要がありました。
ページ遷移の煩雑さが、ユーザーにとってはストレスとなり、途中で購入を諦めてしまう「カゴ落ち」の大きな原因の一つとなっていました。
しかしTikTok Shopでは、商品の発見から最終的な決済までがTikTokアプリ内で完結します。ユーザーにとってスムーズな購買体験を提供できるため、離脱率の低減とコンバージョン率の向上が期待できるのです。
コンテンツとショッピングの融合
TikTok Shopでは魅力的なコンテンツとショッピングの要素を、同時に届けられます。
ユーザーは面白い動画や役立つ情報を楽しんでいるうちに、自然な流れで商品に興味を持ち、購買に進むことが可能です。
つまりTikTok Shopは、単に商品を購入する場所ではなく、ユーザーに「楽しみながら買い物をする」という新しい体験を届ける場といえます。
この「ショッパーテインメント(Shoppertainment)」と呼ばれる体験を提供する点が、従来のECプラットフォームとの決定的な違いであり、TikTok Shopならではの強みといえるでしょう。
TikTok Shop運営にかかる手数料
日本国内におけるTikTok Shopの手数料体系は、2025年6月6日に明らかになりました。基本的な販売手数料は「流通総額の7%」で、月額費用はかかりません。
さらに、新規出店者向けのキャンペーンも用意されています。アカウント登録後45日以内に商品を3つ以上アップロードすると、その後の90日間は販売手数料が「3%」に引き下げられます。
手数料は売上から差し引かれる仕組みです。割引プロモーションや広告運用などを実施する際は、手数料率を考慮した上で価格設定や利益計算を行いましょう。
TikTok Shopが注目される背景
TikTok Shopが注目されている理由は以下の3点です。
- ユーザー規模の大きさと高いエンゲージメント
- 「発見型EC」としての新しい購買体験
- 若年層へのリーチと今後の市場性
順に解説します。
ユーザー規模の大きさと高いエンゲージメント
TikTokは、全世界で月間アクティブユーザー数が約15億人にものぼるといわれています(2023年時点の外部推計)。
Amazonの全世界アクティブユーザー数約3.1億人と比較しても、TikTokのユーザー規模の大きさを感じられるでしょう(2021年時点の外部推計)。
また、TikTokプラットフォーム内で生まれた「#TikTokMadeMeBuyIt(TikTok売れ)」というハッシュタグがついた動画の総視聴回数が、数十億回にも達している点も注目されています。
さらに日本国内での調査においては、TikTokの動画を見た後に「商品を検索したことがある」ユーザーは75.2%にものぼり、36.2%のユーザーが「美容商品を購買したことがある」と回答しています。
TikTokは単にコンテンツを見る場ではなく、購入のきっかけとなるプラットフォームであるといえるでしょう。
「発見型EC」としての新しい購買体験
TikTok Shopは従来の「検索型EC」とは異なる「発見型EC」としての側面が強く、ユーザーへの新しい購買体験を提供する場として注目を集めています。
TikTok Shopではエンターテインメント性の高い動画や、リアルタイムで双方向のコミュニケーションが取れるライブ配信を通じて商品が紹介されます。ユーザーはコンテンツを楽しむなかで「偶然良い商品を見つけられた」と感じ、楽しみながら自然に購買まで進むことが可能です。
「発見型EC」での購買体験は、従来のECサイトでは提供が難しかった新しい価値であり、ユーザーの潜在的なニーズを効果的に掘り起こし、購買行動を促進する大きな可能性を秘めています。
若年層へのリーチと今後の市場性
TikTokは他のSNSプラットフォームと比較して、特に10代の利用率が高いです。総務省の調査によると10代のTikTok利用率は60%を超えており、2023年には日本国内の10代の月間アクティブユーザー数が700万人に達しています。
そのため、特に若年層をメインターゲットとしている企業では、TikTok Shopでの成功が大きな成果をもたらす可能性が高いといえるでしょう。
さらにアパレルやコスメ、最新ガジェットなど、視覚的な訴求力が高くトレンドに敏感な若年層のニーズが高い商材を扱っている企業にもおすすめです。動画コンテンツとの相性も良く、新規顧客の開拓とブランド認知度の向上を見込めます。
(参考:総務省『令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』)
TikTok Shopの主な機能

(画像出典元:TikTok Shop)
2025年5月時点、海外で展開されているTikTok Shopの主な機能は以下の4つです。
- LIVE Shopping(ライブショッピング)
- Shoppable Video(カート付きショート動画)
- Shop Page(ショップページ)
- Shop Tab(ショップタブ)
順に紹介します。
※日本で提供される機能や名称は、海外の事例と異なる場合や、サービス開始までに変更される可能性があります。
LIVE Shopping(ライブショッピング)
LIVE Shopping(ライブショッピング)は、リアルタイムのライブ配信を通じて商品を販売する機能です。販売者自身や提携するクリエイターが、ライブ配信中に視聴者とコミュニケーションを取りながら、商品の魅力や使い方を紹介します。
ユーザーはライブ配信画面上に表示される商品アイコンや購入ボタンをタップするだけで、TikTokアプリを離れることなく、詳細情報の確認や購入手続きが可能です。
ライブ配信によるリアルタイム性と双方向性がユーザーの購買意欲を高め、購入を促進できます。
Shoppable Video(カート付きショート動画)

(画像出典元:TikTok)
Shoppable Video(ショッパブルビデオ)は、TikTokの通常のショート動画コンテンツに、特定商品へのリンクを直接埋め込める機能です。
ユーザーは動画を視聴している際に気になる商品を見つけた場合、画面上の商品情報をタップするだけで、商品の詳細を確認したり、そのまま購入したりできます。
動画によって商品の細かな点まで理解できている状態で、そのままシームレスに購入できるため、ユーザー離脱が少なく高いCVRが見込めます。
Shoppable Videoは、TikTok Shopにおいてメインの販売手法となるでしょう。CVRの向上には動画コンテンツのクオリティの高さが求められます。
商品ショーケース(ショップページ)
商品ショーケース(ショップページ)は、各ブランドやクリエイターが取り扱っている商品を一覧で表示する機能です。TikTokのプロフィールページに表示されます。
楽天市場の店舗ページやAmazonにおけるストアページと同様の機能と考えて良いでしょう。
ユーザーは特定のブランドやクリエイターのショップページを見れば、そのアカウントが販売しているすべての商品をカテゴリー別やおすすめ商品別に確認できます。
ショップページを整えておけば、商品が探しやすくなるだけでなく、関連商品のレコメンドによってショップ内の回遊性向上・客単価アップも見込めます。
Shop Tab(ショップタブ)
Shop Tab(ショップタブ)は、TikTokアプリのメイン画面に設けられる専用のタブです。例えるならTikTok内の専用「お買い物ページ」への入口のようなものです。
ユーザーはこのタブからTikTok Shopで販売中の商品を検索したり、注文履歴や配送状況を確認したりできます。
「発見型EC」としての側面が強いTikTok Shopですが、ユーザーが自発的に商品を探したい場合もあります。ショップタブは自発的に商品を探したいユーザーの受け皿としての役割を担うのです。
TikTok Shopを導入する5つのメリット

TikTok Shopを導入するメリットは以下の5つです。
- 若年層へ効果的なアプローチができる
- 他ECモールよりも購入に繋がりやすい
- 動画やライブ配信を通じてブランドの世界観を伝えられる
- エンターテインメント性の高い販売促進ができる
- クリエイターと連携し信頼性の高い発信ができる
順に解説します。
1. 若年層へ効果的なアプローチができる
TikTokは特にZ世代やミレニアル世代などの若年層ユーザーが多いプラットフォームです。
TikTok Shopを導入すれば、従来の広告手法や他のSNSではリーチしづらかった若年層に対して、彼らが日常的に楽しみ、情報を得ているTikTokのコンテンツを通じて自然な形で商品を訴求できます。
結果として、新規顧客の獲得やブランド認知の向上などを見込めるでしょう。
2. 他ECモールよりも購入に繋がりやすい
TikTok Shopでは、商品の発見から詳細の確認、購入完了までをアプリ内で完結できます。
ユーザーが手間と感じるページ遷移を最小限に抑えられるため、途中で購入を諦めてしまう「カゴ落ち」リスクを減らし、離脱率を低減することが可能です。そのため、他のECモールや自社ECサイトと比較して、CVRが高まりやすい特徴があります。
3. 動画やライブ配信を通じてブランドの世界観を伝えられる
魅力的な動画コンテンツや、ユーザーとのコミュニケーションを含めたライブ配信を継続的に発信することで、ブランドの世界観やストーリーを伝えやすい点もメリットです。
単に商品の機能や使い方を説明するだけでなく、商品の開発ストーリーやブランドが大切にしている価値観、ライフスタイルの提案などを丁寧に伝えられます。
そのため、単なる商品の宣伝だけではなく、ユーザーとの長期的な信頼関係を構築しやすいのです。信頼関係を構築し顧客ロイヤルティを高められれば、客単価やリピート率の向上につながるでしょう。
4. エンターテインメント性の高い販売促進ができる
「発見型EC」という新しい購買体験は、ユーザーに対して単に商品を買うという行為だけでなく、楽しみながら「新しいものを見つける」「面白い体験をする」という満足度の高い体験を提供します。企業側はTik Tok Shopならではの特性を活かし、これまでにない販売促進を行えるでしょう。
たとえば、以下のような販促活動が可能です。
- クイズ形式で商品の特徴を紹介する
- ユーザーからの質問にリアルタイムで答えながら商品を実演する
- 動画でしか伝えられない商品の細かなこだわりを熱量高く伝える
上記のようなユーザーの満足度を高める取り組みを継続的に行えれば、従来の広告や販売手法とは異なる視点から購買意欲の向上につなげられます。
5. クリエイターと連携し信頼性の高い発信ができる
TikTok Shopではアフィリエイトプログラムを利用し、多くのフォロワーを持つクリエイターと連携した訴求ができます。
ユーザーと同じ目線に立ったクリエイターによるリアルな商品レビューや使用感の紹介は、フォロワーからの信頼感も高く、企業からの直接的な広告メッセージよりも自然に受け入れられやすいメリットがあります。
自社商品やブランドの世界観と相性が良く、かつターゲット層への影響力が強いクリエイターと連携できれば、ブランドの信頼性の向上と広い範囲のユーザーへのリーチが両立可能です。
なお、クリエイター選定の際にはフォロワー数だけでなく、エンゲージメント率やコンテンツの質、ブランドとの相性を慎重に見極める点もポイントとなります。
TikTok Shopを導入時に知っておくべき4つの注意点
TikTok Shopを導入する際に知っておくべき注意点は以下の4つです。
- コンテンツ制作と運用にリソースがかかる
- 炎上リスクの認識と事前対策が必要
- 運用にかかる費用を明確にしておく
- 出品できない商品カテゴリがある
順に解説します。
1. コンテンツ制作と運用にリソースがかかる
TikTok Shopで成果を出すには、魅力的な動画やライブ配信を定期的に企画・制作し、発信し続ける必要があります。TikTok Shopでは注文から3営業日以内の発送が義務付けられており、購入者からのキャンセルや返品にもルール通り対応せねばなりません。
また、円滑な顧客対応のため、最低1名の日本語対応可能なスタッフを置くことが推奨されています。コンテンツ制作と安定したEC運営を両立できる体制を構築しましょう。
単に商品情報を並べるだけではなく、ユーザーニーズを満たしたコンテンツ企画力や、動画の制作・配信スキルが必要です。
また、注文処理や在庫管理、顧客対応などの通常のEC運営業務も発生します。特にTikTokでは動画が「バズる」と注文が短期間に急増するため、配送遅延や顧客対応の質の低下が起こらないような工夫も重要といえます。
そのため、コンテンツ制作とEC運営の両面で、十分なリソースを確保しなければなりません。社内での対応が難しい場合は、外部パートナーの活用も検討しましょう。
TikTok Shopの運営代行については、以下記事で詳しく解説したため、合わせて確認して下さい。
関連記事:TikTok Shop運営代行おすすめ3選!依頼できる業務や選定ポイントも解説
2. 炎上リスクの認識と事前対策が必要
TikTokに限った話ではありませんが、SNSを活用する以上「炎上」のリスクは常に存在します。
投稿したコンテンツが意図しない形で批判を招いたり、予期せぬ形でネガティブに拡散されたりする可能性を認識しておきましょう。
特にライブ配信のようなリアルタイム性の高いコンテンツにおいては、以下の点に注意しておく必要があります。
- 不適切な発言をしてしまう
- 誤解を招く表現をしてしまう
- ユーザーからの批判的なコメントに対する感情的な対応をしてしまう など
一度炎上すると、ブランドイメージに悪影響を及ぼし、長期的な信頼回復が難しくなる場合も少なくありません。事前にソーシャルメディアポリシーや投稿ガイドラインを明確に策定したり、万が一の事態が発生した場合の具体的な対応フローを準備したりしておくことが重要です。
3. 運用にかかる費用を明確にしておく
TikTok Shopの運営には、基本的な販売手数料に加えて、売上を伸ばしていくための費用もかかります。たとえば以下のような費用が挙げられます。
- 広告運用費用
- アフィリエイト報酬
- 物流コスト など
ショップの運用にかかるトータルコストを事前にしっかりと把握し、計画的に予算を管理しておきましょう。
また、TikTok Shopの特徴であるバイラル性(口コミによる拡散力)は、ある程度の不確実な要素も含まれます。安定的に成果を出し続けるには、継続的な質の高いコンテンツ制作への投資や、常に費用対効果を厳しく検証し、改善していく姿勢が求められるのです。
4.出品できない商品がある
出店を検討する前に、自社商品が出品可能かどうかの確認を行いましょう。TikTok Shopでは、安全性の観点から現在対応不可の商品が定められています。
2025年6月時点で出品不可の商品は以下のとおりです。
カテゴリー | 具体的な内容・品目例 |
バーチャル製品 | モバイルチャージなどの無形商品 |
中古製品 | 携帯電話、タブレット、ノートパソコンなど |
食品・飲料 | • 生鮮食品:野菜、果物、肉類、シーフード、卵、豆腐、キノコなど • 冷凍食品:デリ、即席ミール、ピザ、ケーキ、パンなど • アルコール類:ワイン、ビール、日本酒、スピリッツなど全般 |
健康・医療関連 | • ED治療薬、避妊薬、コンドーム、妊娠検査薬、医薬品全般 • 消毒ウェットティッシュ、救急用品、体温計、補聴器など • 伝統・代替医療(鍼治療用具など) |
ペット用品 | • 医療・ヘルスケア用品:犬猫用の医薬品、医療用フード、整腸薬、駆虫薬、ノミ・ダニ駆除薬、治療用シャンプーなど |
美容・パーソナル | • コンタクトレンズ関連:コンタクトレンズ、カラーコンタクトレンズ、洗浄液など • 女性用ケア:膣用クリーム、フェミニンケア用品など |
スポーツ・アウトドア | • 武器・ハンティング用品:マチェテ、アーチェリー用品、エアソフトガンなど |
自動車・バイク | • 自動車・バイク本体 • 部品(ホイール、タイヤ、エンジン部品など) • アクセサリー(水上交通機関、キャンピングカーなど) |
その他 | • ガーデニング・植物(観葉植物、生花、種など) • コレクションアイテム(コイン、紙幣など) |
上記の内容は2025年6月6日時点の情報です。今後TikTok Shopのポリシーが更新され、内容が変更される可能性があります。出店を検討する際は、必ず最新の公式情報を確認するようにしてください。
TikTok Shopの出店手続き6ステップ
TikTok Shopへの出店手続きは、オンライン上で完結できます。以下の6つのステップで進めていきましょう。手続きを始める前に、自身の事業形態に合わせて必要な書類を手元に準備しておくとスムーズに登録を進められます。
- 事業タイプを選択する
- 事業情報・登録書類の入力(法人の場合)
- 身分証明書をアップロードする
- 主要連絡作情報を確認する
- 住所確認書類をアップロードする
- 店舗情報(ショップ名)を入力する
【事前に準備しておくべき書類一覧】
▼法人・個人共通・身分証明書(運転免許証・パスポートなど)・日本国内の銀行口座情報・日本の電話番号
▼法人のみ・事業証明書類(登記事項証明書または印鑑証明書)
▼特定の場合のみ・住所確認書類(公共料金の請求書など)
順に解説します。
1.事業タイプを選択する
はじめに、セラーセンターの登録画面で「個人事業主」か「法人」か、自身の事業形態を選択します。この選択によって、後のステップで必要となる情報や書類が異なります。
2.事業情報・登録書類の入力(法人の場合)
法人として出店する場合、会社の基本情報を入力し、以下のいずれかの事業証明書類をアップロードします。
- 登記事項証明書(3ヶ月以内に発行のもの)
- 印鑑証明書(6ヶ月以内に発行のもの)
3.身分証明書をアップロードする
次に、本人確認のために以下のいずれかの身分証明書をアップロードします。個人の場合は自身の、法人の場合は代表者や主要な連絡担当者のものを準備しましょう。
- パスポート
- 日本の運転免許証
- 在留カード(就労期限がないもの)
4.主要連絡作情報を確認する
TikTok Shopの運営からの通知を受け取るための、担当者の氏名、メールアドレス、電話番号などを正確に設定します。
5.住所確認書類をアップロードする
パスポートで本人確認を行った場合、特定の条件下で住所の確認が求められます。その際は、以下のいずれかの書類をアップロードしましょう。
- 公共料金の請求書(ガス、水道、電気、電話)
- 銀行取引明細書
- クレジットカードの請求書
- 住民票
6.店舗情報(ショップ名)を入力する
最後に、ユーザーに表示されるショップ名を入力します。ユーザーに表示されるブランド名となるため、不備がないように設定しましょう。
以上の手続きが完了し、TikTokによる審査が承認されれば運営が開始できます。商品の登録やプロモーションを開始し、売上を伸ばしていきましょう。
TikTok Shopで売上を伸ばすためのポイント

TikTok Shopで売上を伸ばすためのポイントは以下の6つです。
- 魅力的なショッパブル動画を作成する
- 定期的なライブ配信でエンゲージメント向上を目指す
- ショップタブを活用し回遊性を高める
- クリエイターとの連携やUGC生成を促進する
- TikTok Shop広告を活用しリーチを拡大する
- 配送や顧客対応の品質を高め顧客満足度を向上させる
順に解説します。
1. 魅力的なショッパブル動画を作成する
TikTok Shopにおけるプロモーションの核となるのは動画コンテンツです。特に日本では、カート付きショート動画経由の売上が40%を占めると予想されているため、ショート動画のクオリティが売上を左右するでしょう。
ユーザーの指を止めさせ商品に興味を持ってもらうためには、短時間でインパクトがあり、テンポが良く、共感を呼ぶ動画を作成することが極めて重要になります。
具体的には、以下の項目を意識して動画制作を行うことがおすすめです。
ポイント | 概要 |
情報量が多く、かつ簡潔であること | ユーザーは短い時間で多くの情報を効率的に得ようとするため、商品の魅力や特徴を凝縮し、冒頭の数秒で「自分に関係がある」と思わせる工夫を入れる |
ブランドのストーリーが伝わるものであること | 単なる商品説明にとどまらず、ブランドストーリーや開発秘話などを入れることでユーザーの共感を呼ぶ |
魅力的でクリエイティブであること | TikTokのトレンドを意識しつつも自社ブランドならではのアイデアや演出を取り入れ、ユーザーに「面白い」と思ってもらう工夫をする |
2. 定期的なライブ配信でエンゲージメント向上を目指す
ライブ配信はリアルタイムでユーザーとのコミュニケーションを取れる点が特徴です。エンゲージメントを深められ、売上向上にもつながりやすいでしょう。
定期的な配信を行い限定クーポンや特典を提供できれば、ユーザーとの長期的な信頼関係構築にも効果的です。
ライブ配信を魅力的にするには、テーマ・商品・進行といった事前の計画が欠かせません。また、ターゲット層が最もアクティブな時間帯での配信が効果的であることや、出演者以外のコメント対応スタッフも必要な点も含め、リソースの確保も重要となります。
3. ショップタブを活用し回遊性を高める
TikTokアプリ内に設けられる「ショップタブ」や、自社のプロフィールページに表示される商品一覧の情報を充実させ見やすく整理することで、ユーザーに快適な購買体験を提供できます。日本においてはショップタブ経由の売上が50%ほどになると予想されています。
商品カテゴリーをユーザーが理解しやすいように分類したり、商品の魅力が伝わる高品質な商品画像を掲載したりすることで、ショップページ全体の質を高めましょう。
ページ全体の質が高まれば、特定の商品を探してショップページを訪れたユーザーが、他の関連商品やおすすめ商品などを発見しやすくなり、ショップの認知度向上とサイト内回遊率が向上します。
結果として、一人あたりの購入点数増加や、クロスセル・アップセルなどにつながり、売上アップが期待できます。
4. クリエイターとの連携やUGC生成を促進する
自社コンテンツ配信と並行して、クリエイターとの連携を進めることも重要です。
影響力があり、自社商品と相性の良いクリエイターにプロモーションを依頼します。クリエイター独自の商品紹介は、広告よりも自然に受け入れられやすく、高い訴求効果が期待できます。
また、実際に商品を購入したユーザーによるコンテンツ(UGC)の投稿促進も効果的です。ハッシュタグキャンペーンの実施や、質の高いUGCを自社アカウントで紹介するなど、さまざまな施策が考えられます。
UGCは企業発信の情報よりも信頼性が高いだけでなく、口コミ効果で潜在顧客へのアプローチに有効です。
5. TikTok Shop広告を活用しリーチを拡大する
TikTok Shopには、商品販売に特化した様々な広告フォーマットが用意されています。オーガニックリーチだけでは届かない広い範囲の潜在顧客へアプローチができ、リーチを伸ばすことが可能です。主な広告フォーマットには以下のようなものがあります。
広告メニュー | 概要 |
Video Shopping広告(動画ショッピング広告) | 通常のTikTok動画にショッピングオプション(商品リンクやカートへの追加ボタンなど)を直接追加して、商品を魅力的に宣伝する広告 |
LIVE Shopping広告(ライブショッピング広告) | 実施中のライブ配信自体を宣伝し、より多くの視聴者を集めるための広告。ライブ配信にショッピングオプションを追加することも可能 |
Product Shopping広告(商品ショッピング広告) | TikTok Shopに登録されている商品の詳細ページに掲載されている画像や情報を使用して、特定の商品をカタログ形式などで直接的に宣伝する広告 |
すべての広告を活用する必要はありません。自社のマーケティング目的やターゲット層、予算に合わせて最適なものを選びましょう。
また、広告配信後には表示回数やCTR、CVRなどを継続的に分析し、改善を繰り返すことが重要です。PDCAサイクルを回し、ROAS(広告費用対効果)を高めましょう。
6. 配送や顧客対応の品質を高め顧客満足度を向上させる
多くの注文を獲得しても、梱包や発送、配送通知、問い合わせ対応などのバックエンド業務の品質が低ければ、顧客満足度は高まりません。
特に、高品質な配送は顧客満足度の向上に直結します。発送は注文から3営業日以内に行い、配送業者はヤマト運輸や日本郵便、佐川急便など指定された中から選びましょう。
また、1日の出品上限は最大1,000件と定められています。コンテンツがバイラル(バズ)化し注文が急増した際も、配送遅延を起こさない安定した在庫管理や物流体制を整えておくことが重要です。
TikTok Shop 海外成功事例
先行してサービスが展開されている海外での事例は、日本でのサービス展開時に戦略を立てるための参考になります。代表的な海外の事例を2つ紹介します。
- Canvas Beauty
- Simply Mandys
Canvas Beauty(アメリカ)

(画像出典元:TikTok)
Stormi Steele氏が創業したCanvas Beautyは、ヘアケアおよびスキンケア製品を取り扱っています。2023年のブラックフライデーに実施されたライブ配信では、1回の配信で約200万ドル(日本円にして約3億円)という売上を叩き出し、TikTok Shopにおけるライブ売上の過去最高記録を更新しました。
成功の背景には、以下のような戦略がありました。
期待感の醸成 | ・ライブ配信の1ヶ月前からSNS投稿のたびに開催日を告知 ・カウントダウン動画やティザーコンテンツを配信し、イベントへの期待感を高める |
購買意欲の刺激 | ・ライブ配信力前に、数量限定のクーポンやタイムセール情報を公開 ・「今買わなければ損」という限定性を演出し、ユーザーの購買意欲を強く後押し |
ライブ配信中のコミュニケーション | ・ユーザーからの質問にリアルタイムで回答し、疑問や不安を解消 ・配信ホスト自ら製品デモンストレーションや使用感レビューを行い、製品の魅力を具体的に伝える |
購入後の信頼性向上 | ・実際の購入者によるレビュー(UGC)をTikTokやInstagramで紹介 |
Canvas Beautyの事例から、ライブ配信での成果達成に向けた計画的な準備や、ユーザー心理を丁寧に捉えた訴求、信頼性構築などの重要性がわかります。
Simply Mandus(アメリカ)

(画像出典元:TikTok)
Mandys Pena氏によって立ち上げられたSimply Mandysは、ヘアケア製品やコスメを扱っており、年間約2000万ドル(日本円で約30億円)を売り上げています。
売上の95%がTikTok Shop経由で達成されており、成功の要因としては以下のようなショート動画とライブ配信の組み合わせが挙げられるでしょう。
ショート動画による興味喚起 | ・製品の魅力や使用方法を15~60秒のショート動画でわかりやすく紹介 ・ユーザーの興味関心を惹きつけ、ライブ配信への期待感を高める |
ライブ配信中の限定施策 | ・ライブ配信視聴者限定の割引コード発行やプレゼント企画の実施 ・「今だけ」の特別感でその場での購入を後押し |
創業者・アンバサダーの出演 | ・創業者自身やブランドアンバサダーがライブ配信に出演し、ユーザーとの信頼関係の構築とブランドへの親近感を高める |
レビュー動画活用 | ・実際の購入者レビューや、使用前後の変化を示すビフォー ・アフター動画を紹介・商品の効果を明確に示し、信頼感を高める |
クリエイター連携によるリーチ拡大 | ・人気クリエイターと連携したアフィリエイト戦略を実施し、広範囲の潜在顧客へアプローチを行う |
Simply Mandysの事例から、ショート動画で関心を惹き、ライブ配信で購買へ転換させるという導線が、現代のEC戦略において効果的であることがわかります。
ユーザーが商品を発見してから購買にいたるまでの流れと、各段階における施策が明確になっており、それぞれがシームレスにつながっている点が成功のポイントといえるでしょう。
TikTok Shopで新たな顧客層を開拓しよう
本記事では、日本でのサービス開始が間近に迫るTikTok Shopについて、概要から主要機能、導入のメリットや注意点、そして売上を伸ばすための具体的なポイントまで解説しました。
TikTok Shopは、特に若年層へのリーチを拡大したい企業や、視覚的な訴求と相性の良い商品を扱っている企業にとって魅力的なプラットフォームだといえます。
その一方で、魅力的なコンテンツを継続的に制作・配信し、適切にEC運営を行っていくためには、相応のリソース(人材、時間、費用)が必要となることも事実です。
もし、自社だけでTikTok Shopの効果的な運用を行うことが難しいと感じる場合は、専門的な知識やノウハウを持つ運営代行サービスやコンサルティングを活用することも検討してみてください。
私たちジャグー株式会社は、EC事業成功の実績と最新デジタルトレンドへの知見を活かし、貴社のTikTok Shop戦略を強力にサポートします。アカウント初期設定から売れるコンテンツ制作、効果的な広告運用、データに基づく改善サイクルまで、トータルでお任せください。
「TikTok Shopで本気で成果を出したい」「競合に差をつけたい」そうお考えのEC運営担当者の皆様、ぜひ一度ジャグー株式会社にご相談ください。日本市場でのTikTok Shop成功を、私たちがサポートいたします。

TikTok Shopに関するよくある質問
Q.TikTok Shopの日本でのサービス開始はいつから?
A. 2025年5月現在、TikTok Shopの日本における正式なサービス開始日は公式には発表されていません。日本貿易振興機構(JETRO)の情報によれば、2025年6月からのサービス開始が示唆されていますが、あくまで予測であり、実際の開始時期は変更になる可能性もあります。最新の情報は、TikTokの公式サイトや信頼できる業界ニュースなどで確認しましょう。
Q.TikTok Shopはどんな店舗に向いている?
A.若年層向けのアパレルやコスメ、雑貨など、視覚的な魅力やトレンド性が高い商材と特に相性が良いです。一方で、生鮮食品やアルコール類、医薬品、中古品(一部)などは出品が禁止されています。自社の商材が出品可能カテゴリに該当するかを事前に確認しておきましょう。
Q. 個人でも出店できますか?
A.出店可能です。「18歳以上の日本国籍者、または有効な政府発行の身分証明書を持つ在留者」であれば個人事業主として出店できます。法人だけではなく、個人クリエイターや小規模事業者でも販売チャネルとして活用可能です。
Q.出店に必要なものはなんですか?
A.個人の場合は本人確認書類(パスポート、運転免許証など)が1つ必要です。法人の場合は、事業証明書類(登記事項証明書または印鑑証明書)が1つ必要となります。共通して、認証コードを受け取れる日本の電話番号と、売上金を受け取るための日本国内の銀行口座も必須です。
Q.TikTok Shopで売上を高めるためのポイントは?
A. TikTok Shopで売上を高めるためには、主に以下のポイントが重要です。
- ターゲットユーザーを惹きつけ、共感を呼ぶ、魅力的な動画コンテンツを継続的に作成・配信すること
- ライブショッピング機能を積極的に活用し、リアルタイムでの顧客とのインタラクションを通じてエンゲージメントを高めること
- 自社ブランドと親和性の高い、影響力のあるクリエイターと効果的に連携し、信頼性の高い情報を発信すること
- TikTok Shop広告を戦略的に運用し、効率的にリーチを拡大し、購買意欲の高いユーザーを獲得すること
- 迅速かつ丁寧な配送や顧客対応を徹底し、高い顧客満足度を維持し、リピーターを育成すること