
QSMはQoo10で店舗運営をするにあたって必要不可欠な販売管理ツールです。
Qoo10での出店を成功させるにはQSMを正しく活用する必要があります。
しかし、QSMについての情報はまだまだ少なく、うまく活用できているのか不安な担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事ではQoo10のQSMについて、正しく活用する重要性やQSMでできることなどを徹底解説します。
QSM操作で困った際に確認すべきポイントも解説していますので、Qoo10での店舗運営を成功させたい方はぜひ参考にしてみてください。

監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
QSMとは?

(出典:QSM管理画面)
QSM(Qoo10 Sales Manager)とは、Qoo10に出店している販売者が利用できる販売管理ツールです。Qoo10の店舗運営に必要な情報を一元管理できます。商品の登録や注文管理、売上確認、顧客対応など、店舗運営に必要なあらゆる情報を管理可能です。
Qoo10への出店登録が完了すると、QSMへのログインが可能になります。QSMを通じて、Qoo10の最新情報や販売に関するデータを入手し、効率的な店舗運営を実現しましょう。
関連記事:【2025年】Qoo10出店完全ガイド!出店方法から成果を出す具体策まで解説
QSMを正しく活用する2つの重要性
QSMを正しく活用する重要性は下記の2点です。
順に解説します。
1.ショップ運営をスムーズに進めるため
QSMには、注文管理や在庫管理、ユーザーからの問い合わせ対応など、Qoo10でのショップ運営に不可欠な機能が備わっています。QSMの機能を使いこなすことで、日々の業務を効率化し、スムーズな店舗運営が可能です。
たとえば、注文が入った際にはQSM上で注文内容を確認し、発送手続きを行います。また、ユーザーからの問い合わせにも、QSMを通じた対応が必要です。
QSMを正しく利用できないと、注文処理や問い合わせ対応が滞り、顧客満足度の低下につながる可能性があります。QSMの機能を理解し、適切に操作できることが円滑な店舗運営の第一歩となります。
2.パワーセラー獲得の一要素となるため
QSMの活用は、Qoo10の「パワーセラー」の獲得・維持に不可欠です。
パワーセラーとは、Qoo10が設けているショップレベルの1つです。
Qoo10では、ショップの販売実績に応じて下記の3つのセラーレベルが設けられています。
- パワーセラー
- 優秀セラー
- 一般セラー
パワーセラーを獲得すると、検索結果での上位表示や特別なゴールドマークの付与など、さまざまなメリットが得られます。
セラーレベルは主に直近12ヶ月の取引金額によって決定されますが、ショップの「サービスポイント」も重要な要素です。サービスポイントは、下記の4つのポイントから構成されています。
構成要素 | 内容 |
配送ポイント | 配送遅延がないかどうか |
発送処理ポイント | 発送スピードが早いかどうか |
クレームポイント | 販売店の理由によるキャンセルや返品、未受取申告がないか |
購入者の評価 | 購入者のレビュー評価の点数は高いか |
QSMを正しく活用していれば、発送予定日の入力漏れやクレーム対応の遅延を防ぎ、サービスポイントの低下を最小限に抑えることが可能です。パワーセラーを目指す場合、基本であるQSMの適切な利用は徹底しておきましょう。
QSMでできる9つのこと
Qoo10の運営には、商品管理や販売分析、配送管理など多岐にわたる業務が発生します。QSM(Quick Shop Manager)を活用すれば、これらの業務を効率的に管理し、売上向上や業務の最適化を図ることが可能です。以下では、QSMで行える9つの主要機能について詳しく解説します。
QSMを活用して行えることは下記の9つです。
順に解説します。
1.ショップ基本情報の確認

(出典:Qoo10大学)
QSMでは、ショップ名や運営会社の紹介文などのショップ基本情報やレイアウトデザインの変更が可能です。営業時間の設定や会社ロゴ、ショップバナーのアップロードも可能なため、ブランディングにも役立ちます。
また、配送状況や問い合わせ対応に関するユーザーからの評価も一覧で確認できます。
基本的な情報ではありますが、日々丁寧に確認を行うことでショップの改善点を見つけ、より魅力的なショップ作りに活かせるでしょう。
また、SEO対策の一環として、サイトのメタタイトルやメタディスクリプションを最適化したり、SNSやGoogleマイビジネスと連携したりすることで、検索エンジンからの流入増加も期待できます。
さらに、返品・交換ポリシーやプライバシーポリシーの設定、利用規約の公開なども設定・編集できます。
2.商品管理

(出典:Qoo10大学)
販売する商品の登録や商品画像の設定、販売価格や在庫数の設定など、商品に関するさまざまな情報の一元管理が行えます。たとえば商品登録時には、以下の項目を登録可能です。
- カテゴリ
- ブランド
- 商品名
- 販売情報(販売期間、販売価格、在庫数量)
- 商品画像
- オプション情報(色、サイズなどのバリエーション)
- 商品説明
- 送料
- 発送可能日
- 追加情報(原産地、メーカーなど)
また、在庫管理機能を活用すれば、SKU(在庫管理単位)ごとの在庫数をリアルタイムで把握でき、入荷予定日や在庫アラートの設定も行えます。

与えられた項目に対して正確な情報を登録できれば、商品ページが充実し、ユーザーにとって魅力的なショップページとなります。商品を詳しく理解してもらい、安心して購入してもらうことにもつながるため、できるだけ詳細に情報を登録しましょう。
3.販売分析

(出典:Qoo10大学)
QSMの「Qoo10 Analytics」を使用すれば、売上やアクセス状況を詳細に分析できます。期間や対象を絞って検索し、売上概要や商品ページビュー、コンバージョンなどを把握することができます。
売上を上げるためには以下3つをチェックしましょう。
1.日別・月別・年別の売上推移
2.商品売上・検索ワードランキング
3.新規/リピーター比率
順に説明します。
1.日別・月別・年別の売上推移
日別の売上推移を確認することで、当月の目標売上金額が現時点で達成するのか把握するために重要です。
期間ごとにデータを比較し、売上や注文数の変動を把握しましょう。

また、月別の売上推移を可視化することで、季節のトレンドを把握することができます。
季節ごとやイベントごとに人気な商品の特性を把握することができれば、商品開発にも役立てることができます。
2.商品売上・検索ワードランキング
ショップ内の検索ワードや売上、ページビューのランキングトップ10を確認することができます。
検索ワードトップ10を確認することで、どのキーワードにSEO対策をすべきかを見極めることができます。
例えば、ショップ内の検索ワードで「マウス」の検索数が多いことがわかると、「マウス」の需要が高いことが想定できます。そこで、マウスの掲載順位が下位だった場合、SEO対策をすればより売上を見込めることが想定できます。このように検索ワードランキングを確認することで、ユーザー需要も把握することができるため適宜確認しましょう。
3.新規/リピーター比率
新規顧客とリピーター顧客の構成から、リピート率の高い商品を把握できます。
リピート率が高い商品ということは、LTVが高い商品であるということなので、その商品にセール価格を設定して販売することで、顧客のリピート購入を増やすことができます。
データ分析はQoo10運営の基本です。Qoo10 Analyticsで得られたデータを基に、販売戦略の見直しや改善策の実施など、より効果的なショップ運営につなげましょう。
4.広告・プロモーションの管理
広告やプロモーションの管理もQSM上で行います。具体的には、Qoo10の大型セール「メガ割」への参加設定や検索広告である「プラス展示」などの広告出稿設定が可能です。
プロモーション枠の購入には「Qキャッシュ」と呼ばれるQoo10広告購入用のウェブマネーを使用します。
Qoo10の広告は、他のECモールと比較して比較的低コストで運用できるため、広告運用初心者の方や、Qoo10に出店したばかりの方でも取り組みやすい点が特徴です。Qoo10の広告については下記の記事で詳細に解説していますので、ぜひ併せて確認してみてください。
関連記事:【2025年最新】Qoo10広告を完全解説!種類や広告費、得られる効果とは?
5.配送管理
QSMでは、受注した注文の発送予定日や配送会社情報、送り状番号などを入力し、配送状況の管理を行います。また、注文ごとの配送状況をリアルタイムで確認できるため、発送の遅延や未配送の問題を素早く把握できます。
各種情報を正確に入力・管理することで顧客満足度向上につながり、結果としてショップの「サービスポイント」向上にも寄与します。
「2.パワーセラー獲得の一要素となるため」でも解説したとおり、サービスポイントはショップのセラーレベルを左右する重要な要素です。QSMの配送管理機能を正確に使用し、サービスポイントの向上を目指しましょう。
6.キャンセル・返品・交換対応
顧客満足度を維持するためには、迅速で適切なキャンセル・返品・交換対応が求められます。
QSMでは、販売者都合のキャンセルや返品・交換の対応が可能です。QSMの配送管理メニューから、対応できます。在庫切れや破損など、出店者側の都合によるキャンセルの場合はこのメニューから手続きを行いましょう。
ただし、ユーザー都合によるキャンセルの場合は、ユーザー自身でキャンセル申請を行う必要があります。ユーザーからキャンセル希望の連絡があった場合は、QSM上での申請方法を案内し、適切に対応しましょう。
7.SHOPクーポンの発行
QSMでは、販売者が費用を負担する「SHOPクーポン」を発行可能です。SHOPクーポンを利用して商品が購入された場合、クーポン割引額は精算代金から差し引かれます。
SHOPクーポン発行中の商品は、検索結果や商品ページにクーポン情報がタグで表示されます。ユーザーが商品名で検索したりキーワードで検索したりした際に、商品ページに入る前からお得な情報を表示できるため、CTR(クリック率)の向上につながるでしょう。
また、商品詳細ページ内にも「発行中のSHOPクーポンがあります」と表示されるため、ユーザーの購買意欲を刺激しCVR(コンバージョン率)の向上も期待できます。
8.売上金・精算金の確認
QSMの「販売内訳」ページでは、売上金と精算金の詳細を確認できます。注文ごとの細かな手数料もチェックできるため、正確な売上状況を把握可能です。
Qoo10では、下記のように商品カテゴリーごとに手数料が異なります。
カテゴリー | 手数料率 |
レディースファッション | 10% |
ビューティー・コスメ | 10% |
メンズ・スポーツ | 6〜10% |
家電・PC・ゲーム | 8〜10% |
スマートフォン・イヤホン | 8〜10% |
日用品・生活 | 6〜10% |
食品・サプリ・飲料 | 6〜10% |
ベビー・キッズ | 9〜10% |
エンタメ・eチケット | 6〜10% |
QSMを活用して、売上と手数料を正確に把握し、適切な価格設定や販売戦略に役立てましょう。
9.お問い合わせの管理
QSMでは、ユーザーからの問い合わせも管理できます。ユーザーからメッセージが送信されると「お客様メッセージ」に未読メッセージ件数が表示されます。回答済み、未回答など、ステータスごとに問い合わせを確認することも可能です。
その他、Qoo10からの重要なお知らせや、ユーザーからのレビューもQSM上で確認・管理できます。
ユーザーからの問い合わせは、ユーザーと直接コミュニケーションを取れる貴重な機会です。QSMをこまめにチェックし、迅速かつ丁寧な対応を心がけ、顧客満足度向上に努めましょう。
QSMの操作で困った際にチェックするポイント
QSMの操作に慣れないうちは、不明点が出てくることもあるでしょう。しかし、Qoo10はさまざまなサポート体制を整えています。QSMの操作で困った際に確認すべきポイントは以下のとおりです。
順に解説します。
QSMヘルプを確認する

(出典:Qoo10大学)
QSMヘルプは、QSMの操作で不明点が生じた際に活用できる機能です。QSMヘルプの枠内にキーワードを入力し、検索結果の中から解決策を探します。
たとえば「商品」と入力すると、関連するすべての回答のリストが表示され、その中から回答を探す形となります。もし自身の不明点が上手く言葉に出来ない場合は、項目の中から直接選択し、疑問を解決することも可能です。
QSMで不明点が生じた際には、まずはQSMヘルプを活用する習慣をつけると良いでしょう。
お問い合わせ機能を利用する

(出典:Qoo10大学)
QSMヘルプで解決できない問題は、「Qoo10へお問い合わせ」機能を利用して、Qoo10に直接問い合わせることが可能です。お問い合わせ機能は、日本語、韓国語、英語、中国語の4言語に対応しています。
特定の商品や注文に関する問い合わせの場合は、商品番号や注文番号が必要になるため、問い合わせ内容に応じて適切な情報を準備しておきましょう。
問い合わせへの回答は、登録したメールアドレス宛に届くほか、QSM内でも確認できます。
Qoo10大学を確認する

(出典:Qoo10大学)
「Qoo10大学」は、Qoo10が提供するショップ運営ノウハウをまとめたサイトです。QSMの操作方法に関する記事や、過去のセミナー動画などが掲載されており、Qoo10への出店を成功させるためのヒントが満載です。
QSMの操作に困ったときだけでなく、売上アップのための情報収集にも活用できます。Qoo10の店舗運営者は、ぜひ定期的にチェックしてみてください。
発送元が海外の場合は言語を変更した上でお知らせをチェックする

(出典:Qoo10大学)
QSMでは、日本語、韓国語、英語、中国語の4つの言語を選択できます。注意すべき点は、選択した言語によって、Qoo10からのお知らせの内容が変わる場合があることです。
お知らせ内容が異なる理由は、国によって配送ルールや手数料が異なるためです。日本以外から商品を発送する場合は、必ず発送元に適した言語を選択し、その言語で表示されるお知らせを確認するようにしましょう。
Qoo10はQSMを正しく活用してこそ売上が伸ばせる
本記事では、Qoo10の販売管理ツール「QSM」について詳しく解説しました。QSMは、商品の登録から売上管理、顧客対応まで、Qoo10での店舗運営に必要なあらゆる機能を備えています。
QSMを正しく活用することで、日々の業務を効率化し、スムーズな店舗運営を実現できるだけでなく、Qoo10の「パワーセラー」獲得にもつながります。
しかし、
「そもそもQoo10のことをあまり知らない」
「他のモールと仕様が異なり出店後に成果が出せるか不安」
と悩まれる方もいるのではないでしょうか。
そのような方はぜひお気軽にジャグー株式会社にご相談ください。
ジャクー株式会社では、さまざまなECモールでの豊富な経験と実績を持つコンサルタントが専門的なサポートを行っています。
Qoo10だけでなく、これまで数多くのECモールの店舗様を支援した実績を基に、ジャグー独自のノウハウ資料を無料で提供しています。
まずは資料をダウンロードしていただき、ECモール運営に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。