
Amazon定期おトク便は、ユーザーに割引価格で商品を継続的に提供できるAmazonが提供するサービスです。出品者にとってはリピーターの獲得により、ユーザー生涯価値(LTV)の向上と売上の安定化が期待できます。
しかし、「自社で導入できるのかわからない」「設定や在庫管理が複雑そう」といった疑問や悩みを持つ担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Amazon定期おトク便の基本的な仕組みから、出品者向けの参加条件やメリット、注意点を網羅的に解説します。
さらにAmazon定期おトク便によくある失敗事例とその対策も詳しく解説します。
Amazon定期おトク便の導入に悩まれる方はぜひ最後までご覧いただき、定期おトク便で安定した利益を確保するための参考にしてください。

監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
新卒で楽天グループ株式会社に入社し、ECコンサルタントとして
SOY(Shop of the Year)受賞店舗をはじめ多数の上位店舗を支援。
約2万人の社員の中から「楽天賞MVP」を受賞するなど、
高い実績と評価を獲得。
その後、大手企業のEC支援を行うコンサルティング会社を経て、
2020年にEC専門支援会社「ジャグー株式会社」を設立。
楽天市場やAmazonなど複数モールにおける売上拡大・運用最適化を総合的に支援している。
また、グループ会社にて自らもAmazonでの販売事業を展開。
自社ブランド製品はAmazonで「Amazonおすすめ」を多数獲得し、
販売開始から1年で月商1,000万円を突破するなど、売り手としても豊富な実績を持つ。
目次
Amazon定期おトク便とは?

画像出典元:Amazon
Amazon定期おトク便は、ユーザーが指定した商品を定期的に割引価格で自動的に配送してくれるAmazonのサービスです。
出品者は以下のような日用品や消耗品などのリピート購入が見込まれる商品を登録できます。
- 洗剤や化粧水
- サプリメント
- ベビー用品
- ペットフード
- 水/炭酸水
またAmazonの定期おトク便は出品者とユーザー双方にとって、以下のメリットがあるサービスです。
出品者 | ユーザー |
・定期購入により安定した収益が見込める ・ユーザーとの関係強化によりリピート率を増加できる | ・最大15%の割引特典がある(通常価格から 5%〜10%割引と3点以上まとめ購入で追加5%の割引) ・プライム会員でなくても送料が無料になる |
さらにAmazon定期おトク便について理解を深めるために以下3つの観点から解説します。
- Amazon定期おトク便の仕組み
- Amazon定期おトク便の参加条件
- 利用料と割引率の仕組み
順に解説します。
Amazon定期おトク便の仕組み
Amazon定期おトク便は、ユーザーが以下の仕組みで商品を定期購入できるサービスです。
最大15%の割引を受けられる | ・通常価格から 5%〜10%割引 ・同日同一配送先に3点以上で 追加5%割引 |
配送頻度の選択ができる | ・注文時に 2週間〜6ヶ月の範囲 で希望の配送サイクルを選択可能 |
定期的に受け取れる | ・指定したサイクルで商品を自動的 ・定期的に受け取れる |
契約期間が自由に設定できる | ・契約期間がなく配送頻度の変更やキャンセルをいつでも可能 |
定期おトク便の注文は、通常の注文方法と同じ商品ページから「定期おトク便」を選択して申し込みをするだけです。
また次回の配送日が近づくとAmazonから通知が届き、ユーザーは必要に応じて定期おトク便の設定を自由に変更できます。
この利便性の高い仕組みによりユーザーが利用しやすく、出品者にとってもリピーター獲得につながりやすいサービスと言えるでしょう。
Amazon定期おトク便の参加条件
出品者がAmazon定期おトク便のプログラムに参加するには、FBA(フルフィルメント by Amazon)の利用が必須条件であり、他にも以下の条件を満たす必要があります。
参加条件 | 条件の詳細 |
FBA商品かつ対象カテゴリーに属すること | ・FBAを利用している商品が対象カテゴリーであること(食品・飲料、日用品、ベビー・ペット用品など) ・リピート性が高い商品が中心であること |
アカウントの正常性とFBA利用実績の必要性 | ・過去にペナルティなし ・FBAを1ヶ月以上利用 ・出品アカウントが正常 |
割引率の設定 | ・0%・5%・10%の割引設定が可能 ・3商品以上をまとめて購入時は追加で5%割引(最大15%割引)(ユーザーにとって割引特典で魅力を出すためには5%以上の割引設定が推奨) |
出品者に求められるパフォーマンス基準 | ・顧客満足度維持(高評価レビュー・低返品率) ・在庫管理の安定性(欠品少・迅速な補充) ・取引履歴の信頼性(安定した販売実績・納期遵守) |
なお、出品者がAmazon定期おトク便に参加するための条件はAmazon公式のセラーセントラルから確認できます。
Amazon定期おトク便に参加するための必須条件であるFBAについては、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:Amazon FBAとは?儲からないは嘘?概要やメリット・黒字運営のポイントを徹底解説
利用料と割引率の仕組み
Amazon定期おトク便の参加には出品者が負担する利用料や登録料は発生しません。
Amazon定期おトク便で発生するコストは、FBAの利用料とユーザーに提供する割引分です。
なお、Amazon定期おトク便で扱われる割引の種類は以下3つに分けられます。
割引種別 | 割引内容・条件 | 負担者 | 最大割引率 |
---|---|---|---|
基本割引 | 出品者が5%または10%の割引率を設定 | 出品者 | 10% |
おまとめ割引 | 同一配送日に3点以上まとめて配送で追加5%割引 | Amazon | 5% |
クーポン割引(初回配送限定) | 初回注文のみ出品者が任意で専用クーポンを発行可能 | 出品者 | 金額(最低10,000円)または割引率(5%〜50%)で任意設定 |
ただし、これらの割引は利益を圧迫する要因にもなるため、割引導入前には利益率を計算して設定しましょう。
Amazon定期おトク便が表示される各種画面
Amazon定期おトク便に商品を登録するとAmazon内のさまざまな画面で割引情報が表示され、ユーザーへの露出機会が増加します。
ここではAmazon内で定期おトク便が表示される以下5つの画面を紹介します。
- 商品ページ
- スポンサーディスプレイ広告
- 検索結果画面
- ブランドストア
- Amazon定期おトク便ストア
順に紹介します。
商品ページ

画像出典元:Amazon
商品ページでは、通常の注文枠の下に「定期おトク便」の購入オプションが並んで表示されます。
ユーザーは「通常の注文」と「定期おトク便」の価格を一目で比較検討できるため、定期おトク便がより安価な購入方法として訴求できるでしょう。
また、この注文画面から数量や配送配送頻度を選択できるのも利便性が高く、ユーザーが定期おトク便を選びやすい要因のひとつと言えます。
スポンサーディスプレイ広告

画像出典元:Amazon
Amazon内で配信されるスポンサーディスプレイ広告にも、定期おトク便の割引情報が反映されます。
広告クリエイティブ内に「Amazon定期おトク便で10%が割引」といったバッジが表示されるため、広告の視認性とクリック率の向上が期待できます。
検索結果画面

画像出典元:Amazon
検索結果画面では、価格の下に「定期おトク便の割引適用で¥⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎(割引後の価格)」と表示されます。
他にも専用の割引ラベルが表示される場合もあるため、他の通常商品よりもユーザーの目に留まりやすくなるでしょう。
ブランドストア

画像出典元:Amazon|アサヒ飲料「おいしい水」ブランドストア内
自社ブランド専用のページであるブランドストア内にも、定期おトク便対象商品として「⚫︎%OFF 最初の定期購入の注文」というラベルが表示されます。
ブランドに高い関心を持つユーザーに対して、継続購入という選択肢を効果的に提示し、ファン化を促進する有効な手段となります。
Amazon定期おトク便ストア

画像出典元:Amazon|定期おトク便ストア
Amazonのサイト内には、定期おトク便の対象商品だけを集めた専用のページが存在します。
Amazon定期おトク便の対象商品を出品すれば、専用ページにも自社商品が表示される可能性があります。
定期おトク便の対象商品を狙って購入を検討しているユーザー層へ直接アプローチができるでしょう。
出品者がAmazon定期おトク便を導入する4つのメリット

出品者がAmazon定期おトク便を導入すると得られる以下4つのメリットを解説します。
- リピート購入で安定的な収益を見込める
- ユーザー生涯価値(LTV)の向上が期待できる
- 露出が増加して新規ユーザーが獲得できる
- ユーザー維持コストを削減できる
順に解説します。
1.リピート購入で安定的な収益を見込める
Amazon定期おトク便を導入するメリットの1つ目は収益の安定化です。
定期おトク便はユーザーが一度登録すると解約しない限り、設定された配送頻度で自動的にリピート購入が行われます。
そのため毎月の売上予測が立てやすくなり、売上の安定性が向上します。
また新規ユーザーの獲得に必要な広告費などのコスト割合が少なくなり、継続的な売上が見込めるストック型の収益モデルを構築できるでしょう。
2.ユーザー生涯価値(LTV)の向上が期待できる
ユーザー生涯価値(LTV)の向上が期待できるのも定期おトク便を導入するメリットのひとつです。
ユーザー生涯価値(LTV)とは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略で、一人のユーザーが取引を開始してから終了するまでの期間にもたらす総利益を示す指標です。
定期おトク便の平均リピート数は4回以上と言われている(※1)ため、通常購入だと一度の購入で終わったかもしれないユーザーが自然とリピーターへと転換できます。
その結果としてLTVが向上し、長期的な視点で収益最大化を実現できるでしょう。
※1 弊社運営店舗および支援企業の
3.露出が増加して新規ユーザーが獲得できる
Amazon定期おトク便を導入するとAmazon内での露出が増加して新規ユーザーへの認知拡大につながります。
上記「Amazon定期おトク便が表示される各種画面」で解説したとおり、定期おトク便の対象商品は、Amazon内の検索結果画面や専用ページなど、さまざまな掲載面に表示されます。
そのため露出機会が増加し、自社商品を知らない潜在顧客へのアプローチにつながります。
また、定期おトク便の導入で販売実績や顧客満足度を高められれば、カートボックスの獲得に貢献し、購入転換率(CVR)の向上も期待できます。
カートボックスの獲得は、売上拡大に重要な要素のひとつのため、まだ把握できていないという方は以下の記事をぜひ参考にご覧ください。
関連記事:【2025年最新】Amazonカートボックスとは?取れない原因と獲得率を高める8施策を解説
4.ユーザー維持コストを削減できる
定期おトク便を導入すれば、自然なリピート購入の増加につながりユーザーの維持コストも削減できるメリットがあります。
新規ユーザーを獲得し続けるためには広告出稿やレビュー獲得、SEO対策など大きなリソースが必要です。
定期おトク便を導入すれば、割引や利便性の提供で新規ユーザーを獲得しつつ、リピーターの維持率を高めやすくなります。
また定期おトク便の導入で削減したコストは主力商品や利益率の高い商品の広告費や販促キャンペーンといった販売戦略に活用できるため、事業全体の利益率改善につながるでしょう。
出品者がAmazon定期おトク便に参加する際の3つの注意点

Amazonの定期おトク便は多くのメリットがある一方で注意点も存在します。
ここでは事前に把握すべき以下3つの注意点を解説します。
- 割引による利益率の低下
- 在庫管理の負担増と欠品リスク
- 短期間のキャンセル率が高い
順に解説します。
1.割引による利益率の低下
Amazon定期おトク便でユーザーに魅力を伝えるためには割引の設定が不可欠ですが、割引率が高すぎると、通常販売に比べて利益率が低下するリスクがあります。
定期おトク便で出品者が負担するコストは上記「利用料と割引率の仕組み」で解説したとおり、FBA利用料を除けば通常の割引設定と初回配送限定のクーポン割引です。
割引率を設定する際には、費用対効果とLTVの向上によって得られる総利益とのバランスを考慮して決定しましょう。
2.在庫管理の負担増と欠品リスク
定期おトク便はユーザーからの継続注文が自動的に発生するため、適切な在庫数の確保と欠品のリスクに備えなければいけません。
そのためには定期おトク便の継続率や解約率を分析しながら、市場やトレンドの変化による注文数の増減に適切に対応しましょう。
万が一在庫切れを起こしてしまうと、販売機会を失うだけでなく、商品評価の低下やユーザーの満足度が下がり、定期購入の解約率の増加につながります。
FBA倉庫への納品リードタイムを考慮し、スケジュールに余裕を持った在庫計画が必要です。
3.短期間の解約率が高い
Amazon定期おトク便の設定はユーザー次第でいつでも変更できるため、初回割引を目的とした短期的な利用も多く解約率が高いことが注意点と言えます。
特に初回限定のクーポン割引率を高く設定すると、2回目以降の価格に魅力を感じなくなり、解約率が高くなってしまう可能性があります。
そのため、販売戦略や在庫計画を立てる場合は、短期利用の解約が一定数発生することを前提にしつつ、商品力の向上や適切な割引率の設定など、離脱されにくい施策も併せて検討する必要があるでしょう。
【画像で解説】Amazon定期おトク便の登録・設定手順
ここからはAmazon定期おトク便を始めるための登録・設定手順を以下5つのステップで解説します。
- Amazonセラーセントラルにアクセス
- 設定画面にアクセス(画面右上をクリック)
- FBAの設定を確認
- Amazon定期おトク便の設定
- 対象商品ごとに割引率を設定
上記の手順を参考にセラーセントラルの画面に沿って進めればスムーズに登録して設定できるでしょう。
1.Amazonセラーセントラルにアクセス

画像出典元:Amazon
はじめに出品者用アカウントでAmazonセラーセントラルにログインします。
定期おトク便に関する設定は、アカウントの管理者権限を持つユーザーで行う必要があります。
2.設定画面にアクセス(画面右上をクリック)

セラーセントラルのトップページ右上にある歯車の形をした「設定」アイコンをクリックします。
各種設定項目がリストアップされたドロップダウンメニューが表示されます。
3.FBAの設定を確認

表示されたドロップダウンメニューの中から「FBAの設定」を選択します。
定期おトク便はFBAの機能の一部として提供されているため、FBAの設定画面から定期おトク便への登録や各種設定を進めていきます。
4.Amazon定期おトク便の設定

FBA設定画面をスクロールすると『「Amazon定期おトク便」の設定』という項目があります。
その欄にある「編集する」ボタンをクリックします。
ここで定期おトク便への参加登録を行い、対象商品を管理するためのダッシュボード画面へ移動します。
5.対象商品ごとに割引率を設定
ダッシュボード画面では、定期おトク便の対象にしたい商品を個別に登録します。
商品を追加したら、それぞれに基本となる割引率を「5%」または「10%」から選択して設定しましょう。
【初回購入のみ】定期おトク便専用クーポンの設定手順
Amazonの定期おトク便には新規加入率を高める施策として、初回購入者限定で利用できる専用クーポンを発行できます。
ここからは、定期おトク便で発行できる初回購入者専用クーポンの設定手順を以下のとおり解説します。
- Amazonセラーセントラルのメニューから「広告→クーポン」を選択
- 「新しいクーポンの作成」から「Amazon定期おトク便」を選択
- 商品名かASINを入力して対象商品を検索
- クーポンの各種設定を行う
- 「送信」をクリックして完了
手順にしたがって専用クーポンを発行し、定期おトク便の利用者を増やしましょう。
1.Amazonセラーセントラルのメニューから「広告→クーポン」を選択

Amazonセラーセントラルの上部にあるメインメニューから「広告」にカーソルを合わせ、表示されるメニューの中から「クーポン」を選択します。
通常のプロモーション用のクーポンを作成する際と同じアクセス方法です。
2.「新しいクーポンの作成」から「Amazon定期おトク便」を選択

クーポン管理画面に移動したら「新しいクーポンを作成」ボタンをクリックします。
次の画面で作成するクーポンの種類を選択する項目が表示されるため「Amazon定期おトク便」を選びます。
3.商品名かASINを入力して対象商品を検索
この画面ではクーポンを適用したい商品を検索します。検索窓に商品名またはASINを入力して対象の商品を特定し、リストに追加できます。
自動的に登録対象となる商品が表示される場合もあります。
4.クーポンの各種設定を行う
次に以下の項目でクーポンの詳細を設定します。
- クーポンの割引率または割引額
- 1枚あたりの予算
- クーポンの有効期間
ここで重要なのは、ターゲットユーザーの設定です。初回購入者のみを対象とするため「定期おトク便の新規ユーザー」の項目を選択し、設定内容に誤りがないかを確認します。
5.「送信」をクリックして完了
すべての設定項目を確認し、問題がなければ「送信」ボタンをクリックします。
その後、Amazonによる審査が行われ、承認されるとクーポンが対象商品のページに表示されます。
Amazon定期おトク便でよくある3つの失敗事例と対策
Amazon定期おトク便は、リピート購入を促せるプログラムですが、運用方法を誤ると期待した効果が得られない場合があります。
ここからは以下3つのよくある失敗事例とその対策について解説します。
失敗事例 | 概要 | 主な対策 | |
1 | 在庫切れによる販売機会損失 | ・FBA倉庫の在庫不足で注文キャンセルの発生 ・信頼損失や解約 ・ブランド低下に発展しやすい | 需要予測やパフォーマンスレポート活用リードタイムを考慮した在庫管理 |
2 | 2回目以降の注文が続かず売上が安定しない | ・割引や初回限定クーポンだけ目当てで継続しない場合があり売上が伸び悩む | ・商品価値とブランド強化 ・情報の充実・サポート強化 ・継続特典提供 |
3 | 低評価レビューの投稿が増える | ・在庫や配送遅延で不満につながり低評価レビューにつながる | ・在庫管理の徹底 ・問題発生時の迅速で誠実な対応体制の構築 |
1.在庫切れによる販売機会損失
定期配送の予定日にFBA倉庫の在庫が不足していると、注文が自動的にキャンセルされてしまいます。
注文がキャンセルされると販売機会を損失してしまい、ユーザーからの信頼も損ないかねません。
また在庫切れによる注文キャンセルが増加すると定期購入の解約やブランドイメージの低下につながり、安定した売上の確保ができなくなってしまいます。
在庫切れの対策には、販売データを分析し適切な需要予測を立てましょう。
具体的には、定期おトク便のパフォーマンスレポートを活用し、市場やトレンドの変化を観察し、将来の注文数を予測します。
またFBA倉庫との納品リードタイムや発注リードタイムを考慮したスケジュールで在庫計画を立てましょう。
2.2回目以降の注文が続かず売り上げが安定しない
Amazon定期おトク便では通常料金より安価な割引や初回限定クーポンを目当てに2回目の配送前に解約するケースが一定数あります。
2回目以降の継続率が上がらないと安定した売上にはつながりません。
対策としては価格の魅力だけでなく、商品の価値そのものやブランド力を高める努力が重要です。
たとえば、以下のような対策が考えられます。
対策 | 内容 | 期待できる効果 |
---|---|---|
商品情報の拡充 | 商品の特徴や利用方法を説明する同梱物を用意する | 購入時の安心感の向上や不安の解消 |
初回購入後のサポート | 配送完了直後に製品利用のコツや具体的な活用例を案内するメールを送る | ユーザー体験の満足度アップ |
特典・ポイント強化 | 定期購入者限定の割引やポイント制度を案内して「継続の方がおトク」だと実感する仕掛けをする | 解約抑制・継続率の向上 |
3.低評価レビューの投稿とその対策
在庫切れや配送の遅延が発生するとユーザーは不満を抱き、商品や出品者に対する低評価レビューとして投稿されてしまう可能性があります。
低評価レビューの増加は、他の潜在顧客の購入意欲を低下させ、売上の減少につながりかねません。
対策としては在庫管理の徹底が重要ですが、万が一問題が発生してしまった場合の迅速かつ丁寧なユーザー対応が実施できる体制の構築も必要です。
問題の原因をすばやく特定し、可能な限りフォローを実施すればユーザーの不満を和らげられるでしょう。
なおAmazonで高評価レビューを増やすための方法を、以下の記事で詳しく解説しています。低評価レビュー対策にもなるため、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事:【2025年最新】Amazonレビュー依頼完全ガイド!規約遵守で売上アップを実現するには?
定期おトク便の解約率低下の対策
Amazonの定期おトク便で安定した収益を確保するためには、1回目の注文以降の解約率を下げる対策が必要です。
解約率の目安として、初回購入者が2回目の購入に至る割合である「F2転換率」の目標数値を50%に設定し、改善を目指しましょう。
なおF2転換率50%以上を達成するための具体的な対策としておすすめな施策は以下のとおりです。
対策 | 目的と効果 | 対策の内容 |
---|---|---|
同梱物の工夫 | ・商品の理解促進 ・ブランドへの愛着形成 ・継続利用の促進 | ・商品の使い方を分かりやすく解説したガイドを同封する ・ブランドストーリーを伝えるパンフレットを同封する ・「3回目の配送時に使えるクーポン」を同封する |
購入後のメールによるコミュニケーション | ・購入後の接点維持 ・顧客満足度アップ ・関係性強化 | ・発送後の適切なタイミング(例:7日後)に「使い心地はいかがですか?」などとフォローメールをする ・関連商品情報の案内を含める ・季節に合わせた使い方など有益な情報を提供する |
優良ユーザーへの特別体験 | ・特別感の付与 ・さらなるファン化促進 ・安定的な事業成長に貢献 | ・3回以上継続購入ユーザーに新商品のサンプル提供する |
ただし、商品がユーザーにとって魅力がなければ解約率の低下も難しいでしょう。
Amazonで商品がなかなか売れないという場合は、以下の記事で売れない原因と対処法をご覧いただき、定期おトク便でも売れる商品をリサーチしてみてください。
関連記事:Amazonで売れない理由は?売れない原因と対処法10選を徹底解説!
【出品者向け】Amazon定期おトク便に関するよくある質問
ここでは、Amazon定期おトク便の運用に関して出品者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
質問内容 | 回答概要 | |
Q1 | パフォーマンスレポートはどこで確認できる? | ・セラーセントラルで「定期」や「FBA Amazon定期おトク便」と検索し、管理ダッシュボードから閲覧可能 ・ダッシュボード内では売上や登録数、浸透率、LTV、継続率など各種指標が確認できる |
Q2 | 通常のクーポンと併用できる? | ・定期おトク便割引・初回限定クーポンは通常クーポンと併用可能 ・ユーザーは割引を多く受けられるが、出品者にとっては想定外の割引率で利益が低下しないよう注意が必要 |
Q3 | 設定した割引率は後から変更できる? | ・割引率変更は可能だが新規申し込み分にのみ適用される ・既存登録者には前回の割引が維持されるため、一度定期おトク便から対象商品の解除と再設定が必要 |
次から順に回答していきます。
Q1.パフォーマンスレポートはどこで確認できますか?

パフォーマンスレポートは、セラーセントラル内で確認可能です。
セラーセントラルの検索バーに「定期」や「FBA Amazon定期おトク便」といったキーワードを入力すると、定期おトク便の管理ダッシュボードへのリンクを含むヘルプ画面が表示されます。
このダッシュボードでは以下の項目と指標をパフォーマンスレポートとして閲覧できます。
閲覧できる項目 | 主な指標・データ | 概要 |
---|---|---|
パフォーマンス分析 | 売上/浸透率/登録数/LTV(区分別)/配送別売上/継続率/商品数 | ・注文数や売上高 ・定期登録状況 ・顧客区分ごとLTV ・配送回数 ・30日、90日継続率などを可視化してビジネス全体の健康状態や傾向を把握する |
予算・割引戦略 | 割引区分別売上浸透率/登録コンバージョン率/平均売上・再注文数(登録者vs非登録者) | ・各割引設定が登録、売上、再注文に与える影響を分析 ・必要予算など戦略判断材料を提供 |
クーポンプロモーション | クーポンによる売上浸透率/クーポン登録数割合 | ・クーポン施策の売上寄与や新規登録獲得への貢献度を定量的に把握可能 |
在庫健全性 | 出荷数予測/売上予測/在庫切れ未配送比率/在庫切れによる売上損失 | ・定期需要に対する在庫状況や在庫不足による配送失敗、売上喪失リスクを分析して安定供給の施策に活用 |
Q2.通常のクーポンとの併用は可能ですか?意図しない割引が心配です。
Amazon定期おトク便の割引や初回限定クーポンは通常のクーポンと併用が可能です。
そのため、ユーザーにとってはおトク感が増しますが、出品者にとっては過度な割引が発生するリスクがあります。
たとえば、定期おトク便の10%割引に加えて、通常販売用に設定した20%OFFのクーポンが適用されると、合計で30%もの割引率になってしまいます。
そのためクーポンを設定する際は、適用対象や期間を確認し、利益を圧迫しない管理が必要です。
Q3.一度設定した割引率は後から変更できますか?
Amazon定期おトク便で設定した割引率は後から変更できます。ただし、変更後の割引率が適用されるのは、変更後に新規で定期おトク便に申し込んだユーザーからです。
定期おトク便を利用している既存ユーザーには、申し込み時点での割引率が継続して適用される点は把握しておきましょう。
もし既存のユーザーに適用される割引率を変更したい場合は、一度定期おトク便からその商品を解除し、新しい割引率で再度登録し直すといった対応が必要です。
まとめ:Amazon定期おトク便に参加して安定した利益を確保しよう!
Amazon定期おトク便を導入すれば、リピート購入の増加により安定した利益を確保して、LTVを向上できます。
ただし、費用対効果を考慮した割引率の設定や、適切な在庫管理による販売機会を逃さない対策も必要です。
本記事で紹介した注意点や失敗事例への対策を参考に、Amazon定期おトク便への参加を検討してみましょう。
しかし、
「仕組みは理解できたけれど導入するメリットがあるか判断できない」
「リソースや知識が不足していて定期おトク便で成果を出せるか不安」
とお悩みの方は、ぜひお気軽にジャグーにご相談ください。
ジャグー株式会社では、ECモールの豊富な経験と実績をもつコンサルタントが専門的なサポートを行っています。
定期おトク便だけではなく、Amazon運営全体の売上改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売までを一気通貫したEC支援をご提供します。
EC運営全般に関するご相談は、ぜひジャグー株式会社へお気軽にお問い合わせください。