楽天のクーポンアドバンス広告は、購買意欲の高いユーザーに訴求できる運用型広告です。
クーポンの割引効果もあり高いROAS(費用対効果)で運用ができます。
しかし、広告配信を行った上で割引もされるため、赤字になるのでは?
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、クーポンアドバンス広告の概要や運用方法、利益を残すためのコツなどを徹底解説します。
広告の効果測定方法も具体的に解説しているので、成果を高める運用方法が見つかるでしょう。
経験豊富な元楽天ECCによる成功事例も紹介していますので、ぜひ最後まで読んであなたのお店の売上向上の参考にしてみてください。
監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
目次
そもそもクーポンアドバンス広告とは?
画像出典元:楽天市場|美容品検索画面
クーポンアドバンス広告とは、楽天市場内の自社商品に興味がありそうなユーザーに対し、クーポンを表示できる運用型の広告です。
クーポンアドバンス広告は、クリック課金型であり発生する費用は次の2種類に分けられます。
広告費用 | クーポン獲得費用 | クーポン割引費用 |
特徴 | ユーザーが商品のクーポンを獲得した際に発生する費用 | ユーザーがクーポンを利用して商品を購入した際に割引される費用 |
算出方法 | クリック単価×クリック数 | 値引率×商品価格 |
また、主なクーポンの掲載面も次の2種類に分かれます。
掲載方法 | ユーザーマッチング | 検索キーワードマッチング |
特徴 | ユーザーの属性や購買履歴の情報などにより配信先が変わる | 検索キーワードにより配信されるクーポンが変わる |
主な掲載面 | ・楽天市場トップページ ・ジャンルトップページ ・RaCouponトップページ (スマートフォンアプリでは楽天市場のトップページのみ) | ・検索結果画面の上位面 (RPPのキーワード設定と同様に、商品別に設定したキーワードをもとに表示される) |
なお、RPP広告の成果が出る運用方法やキーワード設定については、以下の記事で詳しく解説しているためぜひあわせてご覧ください。
関連記事:楽天RPP広告とは?設定方法や成果が出た運用のコツ9つを徹底解説
クーポンアドバンス広告はなぜ重要なのか?
クーポンアドバンス広告が重要な理由は、商品ページへのアクセスを増加させるためです。
楽天市場で売上を伸ばすためには、商品ページへのアクセスを確保することが必要不可欠です。
楽天市場におけるアクセスの約40%は検索経由の流入のため、楽天市場のトップ画面や検索結果画面などでユーザーの目に留まるかが重要となります。
そのため、クーポンアドバンス広告を活用すれば、検索結果で上位表示を狙えるRPP広告と同様に商品を検索したユーザーに見つけてもらいやすくなり、さらにクーポンによるお得感を演出できるため商品ページへのアクセスの増加が期待できます。
また、広告の活用先として新商品や売上が伸びにくい商品の露出を増やし、アクセス数がアップして販売実績が上がれば、SEOの評価も上がるため、ゆくゆくは少ない広告費で流入数を増やすことができるようになり、店舗全体の利益向上にも寄与できるでしょう。
なお、クーポンアドバンス広告を含めアクセス数を増やすために楽天市場で活用できる広告の種類について、網羅的に解説している以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
関連記事:初心者でもわかる楽天市場広告ガイド|元楽天ECCが徹底解説
クーポンアドバンス広告運用にかかる費用
次にクーポンアドバンス広告運用で発生する次の2つの費用について解説します。
- クーポン獲得費用
- クーポン割引費用
ユーザーがクーポンを利用して自社商品を購入した場合、店舗が負担する広告費用は2種類となりますが、いずれもクーポンが表示されたタイミングではなく、ユーザーがクーポンをクリックまたは利用した場合に負担する仕組みです。
次から単価などを詳しく解説しますので、よく確認して運用しましょう。
クーポン獲得費用
画像出典元:楽天市場トップ
クーポン獲得費用とは、ユーザーがクーポンをクリック(獲得)した際にかかる費用のことです。
広告費用は次のとおり計算されます。
クリック単価×クリック数 |
クリック単価は入札制で、自動設定だと25円〜1,000円、手動だと40円〜1,000円にあらかじめ設定しておくことが可能です。
また、広告を配信する際は月予算(最低5,000円〜/月)を決められるため、際限なく費用が発生する心配はありません。
たとえば、クーポンの入札単価を200円で設定した商品を月予算20,000円で運用した場合、100クリックをされた時点でクーポンアドバンス広告の配信が停止される計算です。
クーポン割引費用
クーポン割引費用とは、ユーザーがクーポンを利用して商品を購入した場合に負担する費用です。
店舗の負担は[値引率×商品価格]で計算され、クーポンを利用して売れた分だけ店舗が負担する必要があります。また、値引率は4%〜設定が可能です。
なお、割引きで設定する単位は「円」ではなく「%」のため、楽天市場に表示される割引額が半端な金額になる可能性がある点も把握しておきましょう。
上記2種類の費用内容から広告費用の例をひとつ紹介します。
クーポンの設定内容 |
・クーポン獲得費用:100円で設定 ・クーポン割引費用:10%と設定 |
商品価格と転換率 | ・商品価格:3,000円 ・転換率:5%(20人に1人が購入する。) |
1件CV獲得にかかる 合計クーポン獲得費用 | 100円÷5%=2,000円 |
クーポン割引費用 | 3,000円×10%=300円 |
1件CV獲得にかかる 合計コスト | 2,000円+300円=2,300円 |
計算式 | 売上:3,000円-300円(クーポン費:3000円×10%)=2,700円 |
クーポン割引額300円は売上2,300円から差し引かれるため、楽天から費用請求されるのは2,000円の広告費のみになります。
クーポンアドバンス広告の5つのメリット
ここでは、クーポンアドバンス広告を利用するメリットを以下の5つに分けて解説します。
- 検索結果で上位に表示される
- 購買意欲の高いユーザーへ訴求できる
- 任意のキーワードでの露出ができる
- クリック課金型なのでROAS(費用対効果)が高くなりやすい
- PDCAを回しやすい
順に解説します。
1.検索結果で上位に表示される
画像出典元:楽天市場|「キッチン用品」検索画面
クーポンアドバンス広告は検索結果のトップに表示されるため、自然とユーザーの目に留まりやすいのが大きなメリットです。
クーポンアドバンス広告は表示するだけでは費用がかからないため、RPP広告でCPC(クリック単価)が高騰している商品の露出を高めたい場合などに有効です。
また、SEOが高い商品やRPP広告の併用により多くの自社商品が検索上位に表示されれば、画面占有率を高められるため、自社ブランドの認知向上も期待できます。
さらに、日々多くのユーザーが訪れる楽天市場のTOPページにクリック課金制で商品露出できることもメリットと言えるでしょう。
なお、楽天市場の運営におけるSEOの重要性について、詳しく解説した以下の記事も参考にしてください。
関連記事:楽天SEOとは?知っておくべきルールや具体的な対策10選を徹底解説!
2.購買意欲の高いユーザーへ訴求できる
クーポンアドバンス広告は、ユーザーの属性や購買履歴などのデータに基づき、特定の商品に対し購入意欲が高いユーザーに向けてクーポンが表示されるためCVR(転換率)が高くなりやすいメリットがあります。
また、検索キーワードにマッチした商品のクーポンを表示する設定ができるため、顕在層にアプローチしやすく、CTR(クリック率)やCVRが高まりやすいこともメリットと言えます。
3.任意のキーワードでの露出ができる
クーポンアドバンス広告は、商品にあわせたキーワードの設定ができるため任意のキーワードで露出を強化できます。
設定したキーワードで検索結果画面に魅力的なクーポンが露出すれば、CV(購買)につながる可能性が高まります。
そのためには、設定するキーワードの選定について、ユーザーの検索履歴や購買記録などのデータに基づきPDCAを回して運用しましょう。
4.クリック課金型なのでROAS(費用対効果)が高くなりやすい
クーポンアドバンス広告は、ユーザーがクーポンを獲得した時に課金されるため、ROAS(費用対効果)を高く維持しやすいメリットがあります。
TDA広告などのディスプレイ広告は、掲載する時点で出稿料が発生するため、効果的に運用できていないとROASが低くなりがちです。
一方、運用型広告のクーポンアドバンス広告は、クーポン掲載時点では課金されず、広告をクリックしてから費用が発生するため、高いROSAを維持した運用をしやすいのが特徴です。
また、クーポンが表示されると購買意欲を高められるため、ディスプレイ広告に比べて成果につながりやすいと言えるでしょう。
5.PDCAを回しやすい
クーポンアドバンス広告には詳細なレポート機能が備わっていることから分析や改善を踏まえたアクションにつなげやすいのがメリットです。
レポート画面を確認すれば、クーポンキャンペーンの成果を定量的に把握しやすく、次回のキャンペーンに向けた改善点を見つけることが容易となります。
クーポン広告を効率的に運用するためのPDCAが回しやすくなるため、レポートが活用できる点はメリットと言えるでしょう。
クーポンアドバンス広告の5つの注意点
ここからは、クーポンアドバンス広告を活用する際の注意点を以下5つ解説していきます。
- 商品によってはクーポンが表示されにくい
- クーポン費用は店舗負担となる
- クーポンの有効期間の設定はできない
- 販売開始から2週間以上経過した商品のみ対象となる
- 自動値引き設定は思わぬ値引きになる可能性がある
利用をはじめてから「こんなはずではなかった」と後悔しないよう注意点を把握しておきましょう。
1.商品によってはクーポンが表示されにくい
楽天市場内でクーポン設定がされていない商品カテゴリの場合、自社商品にクーポン設定をしていても表示されにくい場合があります。
クーポンアドバンス広告は楽天のビックデータに基づいて配信が行われるため、楽天市場の商品カテゴリで競合他社がクーポンを設定していないと、自社商品でクーポン設定していたとしても、露出が少なくなる可能性があります。
露出が少ない商品を目立たせる対策としては、CPC(クリック単価)を引き上げる必要がありますが、広告費がかさむためROAS(費用対効果)にも悪影響が出てしまいます。
そのため、クーポンアドバンス広告の運用を始める前に自社商品の競合をリサーチし、クーポンが配信されているかを確認しておくことが重要です。
2.クーポン費用は店舗負担となる
当然ですがクーポンを設定した商品は、上記「クーポンアドバンス広告運用にかかる費用」で解説した「クリック獲得費用」と「クーポン割引費用」の費用は店舗が負担する必要があります。
クーポンアドバンス広告は、ROASに見合う運用ができればアクセス数の向上以外にも売上アップにも貢献します。しかし、クーポンの値引率を高く設定するほど利益率が低下するため、値引率の設定は慎重に行いましょう。
3.クーポンの有効期間の設定はできない
画像出典元:楽天市場
クーポンアドバンス広告の有効期間は「翌週月曜の15:00まで」と決まっており、店舗側で調整できません。
たとえば、店舗側のクーポン発行が日曜日になった場合、ユーザーがクーポンを獲得して利用できるのは翌日月曜日の15:00までです。つまり、クーポンアドバンス広告は1日程度しか露出されず使用可能期間も短くなってしまうため、クーポンを発行する際は曜日や時間を考慮しましょう。
4.販売開始から2週間以上経過した商品のみ対象となる
クーポンアドバンス広告は、販売開始から2週間以上経過した商品のみ利用できる広告です。
そのため、新商品のなかでも発売直後に認知を早く獲得したい商品の場合は、RPP広告やジャンル広告、ニュース広告など、別の広告手法を検討しましょう。
5.自動値引き設定は思わぬ値引率になる可能性がある
クーポンアドバンス広告の値引率は「手動」設定と「自動」設定が可能ですが、自動を選択すると想定外の値引率になる可能性があるため注意しましょう。
自動設定では楽天内外の市場価格と比較し、最適な値引率が自動で設定されますが、自社の戦略に合わせた設定になるとは限りません。
そのため、店舗の販売戦略に合わせた値引率の設定をしたい場合や、細かく効果測定をしたい場合は手動で設定するのがおすすめです。
クーポンアドバンス広告の設定方法
クーポンアドバンス広告の概要から、メリットと注意点が確認できたところで、広告の設定方法を以下の手順で解説します。
- キャンペーンを登録する
- 商品設定をする
2-1 商品ごとに入札単価や最大値引率を設定する場合
2-2 キーワードごとに入札単価を個別設定する場合
- 除外商品を登録する
順番に確認し、実際に設定してみましょう。
1.キャンペーンを登録する
まずは、キャンペーンの登録です。
楽天市場の店舗管理ツールRMSにログインし「広告>運用型クーポン広告(クーポンアドバンス広告)>ホーム」の流れで進んでいきます。
その後「キャンペーン」タブを開き【新規登録】をクリックします。
「キャンペーン新規登録」画面が表示されたら、以下の各項目を入力します。
手順 | 設定項目 | |
1 | キャンペーン名 | 店舗様が判別できる名前で登録(広告原稿には非表示) |
2 | キャンペーン開始日時 | 設定開始日時の1日後15:00より開始 |
3 | 継続月予算 | ・最低予算額:5,000円 ・おすすめ予算を設定可能 ・1ヶ月を通してユーザーへ訴求する目安の予算 |
4 | クーポン1獲得あたりの入札単価 | ・自動設定:25円~1,000円 ・手動設定:40円〜1,000円 |
5 | 1ユーザーあたりの利用回数上限 | 1回~無制限まで設定可能 |
6 | クーポン併用可否 | 他のクーポンとの併用利用を設定可能 |
7 | 値引率と配信商品設定 | ・自動最適化または手動を設定 ・自動最適化にすると値引きする商品も自動で選択される |
8 | クーポンの値引率 | キャンペーン登録時の商品価格に対して算出 |
9 | クーポンの値引き額更新 | 毎週月曜日15:00に更新(日曜日時点の価格で算出) |
10 | 除外商品リストの適用 | 手動設定の場合は選択不可 |
2.商品設定をする
次に商品設定です。クーポンアドバンス広告では、キャンペーンごとにクーポンの対象とする商品を設定する方法は次の2つから選択できます。
- 自動最適化
- 手動設定
ひとつ目の「自動最適化」は、登録商品が多い場合に有効な手段で、商品別、ユーザー別に自動で最適な値引率のクーポンを設定して発行してくれるため便利ですが、「5.自動値引き設定は思わぬ値引率になる可能性がある」で解説した通り、自動最適化はおすすめしません。
一方で、手動で設定する場合は、商品ごとに細かくCPC(クリック単価)や値引率を設定できるため、自社の戦略に合わせた調整をしたい場合は、手動設定に挑戦してみましょう。
次に「手動設定」で設定する場合を想定した2通りの設定方法をご紹介します。
- 2-1. 商品毎に入札単価や最大値引率を設定する場合
- 2-2. キーワード毎に入札単価を個別設定する場合
2-1 商品ごとに入札単価や最大値引率を手動設定する場合
1商品ずつ入札単価や最大値引率を登録・変更・削除する手順は以下のとおりです。
手順 | 操作 | 詳細 |
1 | 「商品・キーワード設定」をクリック | サブメニューから選択 |
2 | 絞り込み | 「キャンペーン単位で表示」を選択 |
3 | さらに絞り込み | 対象キャンペーンと商品を指定し「検索」をクリック |
4 | 入札単価・最大値引率を入力 | 「商品入札単価」をクリックし、設定値を入力後「更新する」をクリック |
商品ごとの設定は以上で完了です。
なお、複数商品を一括で設定したい場合には、CSVファイルのアップロードによる方法もあります。
2-2 キーワードごとに入札単価を手動設定する場合
キーワードごとに入札単価を登録・変更・削除する手順は以下のとおりです。
手順 | 操作 | 詳細 |
1 | 「商品・キーワード設定」をクリック | サブメニューから選択 |
2 | 絞り込み | 「キャンペーン単位で表示」を選択 |
3 | さらに絞り込み | 対象キャンペーンと商品を指定し「検索」をクリック |
4 | キーワード登録アイコンをクリック | 登録済みキーワード数の上に表示されているアイコン |
5 | 入札単価の設定 | ・キーワードと入札単価を入力し「キーワード登録」をクリック ・変更時は入札単価をクリックして変更し「更新する」をクリック ※キーワードの指定は、1商品につき10件まで設定できます。 ※入札単価が削除された商品には、商品またはキャンペーンで設定している入札単価が適用されます。 ※キーワード入札単価は40円〜ですが、商品単位の入札単価より1円以上高く設定する必要があります。 |
3.除外商品を登録する
除外商品の登録は、キャンペーン開催前にしか設定できません。そのため、除外したい商品の登録を忘れると、表示したくない商品までクーポンアドバンス広告として露出してしまうため、次の手順で忘れずに除外商品の登録をしておきましょう。
手順 | 操作 | 詳細 |
1 | 「除外商品」をクリック | サブメニューから選択 |
2 | 「ファイル参照」をクリック | 除外商品を登録するファイルを選択 ・ファイル形式:CSVまたはtxt ・文字コード:Shift_JIS |
3 | 「アップロード」ボタンをクリック | 情報登録を確定 ・一度に1万件まで登録可能 ・除外商品の対象が1万件を超える場合は複数回アップロードが必要 |
4 | 登録済み除外商品一覧を確認 | 右側に表示 ・登録に数分かかる場合あり ・反映は翌日中が目安(遅れる場合あり) |
5 | すべての除外商品を確認 | 「全件ダウンロード」ボタンをクリック |
クーポンアドバンス広告の効果測定方法
クーポンアドバンス広告を運用する際は、広告を出して終わりではなく、広告の効果もしっかりと測定し改善点があれば対策を行いましょう。
ここでは、クーポンアドバンス広告の効果測定の方法を、以下3つに分けて解説します。
- クーポン獲得数で分析する
- クーポン利用率で分析する
- キーワード別の効果を確認する
順に解説します。
クーポン獲得数で分析する
クーポンアドバンス広告は、商品によって表示される頻度が大きく異なるため、クーポンが獲得されているか確認することで表示頻度を分析できます。
また、商品別のパフォーマンスレポートでは、どの商品のクリックが多いかを確認できます。
露出を強化したい商品のクーポン獲得費用が適切に消化されているかを把握し、クリック(入札)単価の調節や、ROASが低い商品を除外申請するなど、広告のコントロールが重要です。
クーポン利用率で分析する
クーポンの利用率の分析も重要です。獲得されたクーポンの利用率が高ければ、値引率を下げてROAS(費用対効果)の最適化を検討できます。
一方でクーポンの利用率が低い場合は、商品ページの改善点を見つけ出し修正を加えましょう。それでも利用率が上がらない場合は、別の対策を検討するか、除外商品申請も視野に入れましょう。
キーワード別の効果を確認する
キーワード別の効果もレポートから確認し、露出したいキーワードで配信された広告がクリックされているか、その後の購入まで至っているかチェックしましょう。
クーポンアドバンス広告ではキーワード単価を設定した露出が可能なため、単体で活用するよりも他の広告と併用する方が効果的です。
たとえば、RPP広告でキーワード設定をしている商品は、クーポンアドバンス広告でも同様のキーワードを設定をして露出面を強化すれば、CVR(転換率)の向上だけでなくROAS(費用対効果)も良くなる傾向があります。
そのため、設定したキーワードの効果も確認し、単体で効果が薄いようであれば他の広告媒体とセットで運用してみることを検討してみましょう。
クーポンアドバンス広告で成果を上げる3つのコツ
実際にどのように活用すれば、クーポンアドバンス広告で成果を出せるのか不安な方もいるのではないでしょうか。
ここからはこれまで解説した内容をもとに、クーポンアドバンス広告で成果を上げるコツを以下3つご紹介します。活用方法に悩む場合は、実際に試してみて自社にマッチした方法を見つけてみてください。
- 値引率は出来るだけ手動で設定する
- キリの良い金額が割り引かれるように値引率を設定する
- 自社企画の値引内容との兼ね合いを意識する
それでは順に解説します。
1.値引率は出来るだけ手動で設定する
上記「クーポンアドバンス広告の設定方法」で解説したとおり、広告の設定方法は「自動」と「手動」の2種類から選択できますが、設定した値引率の割合別でユーザーの反応を見たり、レポートを追いやすい「手動設定」にすることをおすすめします。
なぜなら、クーポンアドバンス広告の運用を分析する上で、狙ったユーザーに一番響く値引率のデータを把握することが重要だからです。
またCPC(クリック単価)についても、商品によって表示されやすい単価が異なるため、効果測定をしながら手動でチューニングする運用がおすすめです。
2.キリの良い金額が割り引かれるように値引率を設定する
楽天市場で表示される値引額をキリの良い金額に設定すれば、ユーザーが商品をお得に感じやすくなるでしょう。
クーポンアドバンス広告の値引き表示は、店舗側では値引率(%)ですが、楽天市場に表示されるのは値引額(円)です。端数がバラバラで決まりのない金額を表示させるよりも、500円、1,000円、3,800円のように、キリがよくお得に感じやすい値引額になるように値引率を細かく設定してみましょう。
また、当然ですが値引額が他社よりも大きければCTR(クリック率)は高まるため、他社の値引率をリサーチして把握することも重要です。
3. 自社企画の値引内容との兼ね合いを意識する
一度設定した露出商品や割引率を自社企画に合わせてメンテナンスするだけでも効果があります。
クーポンアドバンス広告は、露出を強化する商品や割引率を決めた後に、調整をしない会社が多い傾向にあります。
しかし、イベント時や自社の戦略に合わせて細かくメンテナンスするだけでもクーポン獲得枚数が増え、広告経由での売上アップが見込めます。
たとえば、普段割引率を10%に設定している商品でも、楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどのイベント期間中に、自社企画で20%の商品割引を行う場合、その商品のクーポンアドバンス広告の割引率も20%に合わせましょう。なぜなら、割引率の整合性が合わない状態で広告が表示されると、クーポンの獲得枚数の機会損失が発生してしまうからです。
なお、クーポンアドバンス広告のクーポン有効期限が毎週月曜日までであることを考慮し、メンテナンスを週に1度は必ず行いましょう。
クーポンアドバンス広告運用の成功事例
ここまでの内容で「クーポンアドバンス広告の概要はわかったけれど、実際にどのような成果につながるのだろう」となかなかイメージができない方もいるのではないでしょうか。
そこでここからは、実際にジャグーが支援した店舗がクーポンアドバンス広告の活用で、売上や検索順位を改善した成功事例を2つご紹介します。
自社店舗でも活用できる内容があるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。
①クーポンアドバンスの広告予算2倍で売上300万円達成
本事例は、単価2,000円~4,000円のメンズ・レディースファッション商材を扱う店舗において、クーポンアドバンス広告の改善により、取り組んだ事例です。
支援前の状況は、月間約15万円の予算でクーポンアドバンス広告を運用していましたが、商品選定や価格設定、割引率などの最適化が十分に行われていない状態でした。
この状況を改善するため、まず露出商品のリストを次の2グループに分けて選定しました。
- 露出を強化すべき最優先商品10アイテム
- 割引可能かつRPP広告で一定の実績がある商品50アイテム
次に、キーワード設定の最適化を実施しました。RPP広告で効果を上げているキーワードを中心に、クーポンアドバンス広告のキーワードを設定し、商品単価とキーワード単価の調整を行いました。また、検索結果の定期的な確認を行い、効果の高いキーワードについては上位表示の占有率を高める施策を実施しました。
運用面では、週1回の自社セール企画と連携し、クーポンアドバンス広告の商品別割引率を柔軟に調整しました。さらに、日々の効果検証を徹底し、効果の高い商品の露出強化や、効果の低い商品のキーワード・単価の見直しを継続的に行いました。
これらの施策を地道に継続した結果、支援開始から2ヶ月という短期間でROAS(費用対効果)が大きく向上し、クーポンアドバンス広告経由の売上は300万円まで拡大しました。
②広告キーワード強化で自然検索順位が向上
次に紹介するのは、40,000円から70,000円の価格帯で美容家電を販売する店舗が、クーポンアドバンス広告の改善支援により、検索順位の改善と売上拡大を実現した事例です。
支援開始前にも、クーポンアドバンス広告を活用していましたが、キーワードの露出管理が適切に行われておらず、主要なビッグキーワードでの自然検索順位は1ページ目の40番目という状況でした。ビッグキーワードでの検索順位向上により、アクセス数と売上の増加が見込めるものの、RPP(リスティング広告)ではキーワード単価が高く、費用対効果の面で課題を抱えていました。
この状況を改善するため、支援開始後にまず行ったのは、検索順位を上げたい商品に対するクーポンアドバンス広告の設定変更です。RPP広告のコストと比較して分析した結果、クーポンアドバンス広告の方が低コストで露出できることが判明したためです。
次に、自社SALE施策の見直しを行いました。支援前は自社SALE値引きと、クーポンアドバンス広告が2重で値引きされるリスクがあったため、自社の値引き企画をクーポン値引きに変更しました。これにより、クーポンアドバンス広告を月間を通して継続的に運用できるようになりました。
改善策を2週間続けた後、クーポンアドバンス広告のROAS(広告費用対効果)がRPPの約2倍という好結果が得られたため、露出をさらに強化しました。その結果、RPP広告とクーポンアドバンス広告の組み合わせで、ボリュームキーワードによる安定的な売上創出が実現できるようになりました。
これらの施策を継続的に実施した結果、支援開始から5ヶ月後には、ビッグキーワードでの自然検索順位が40位から2位まで大幅に改善し、売上も継続的な拡大フェーズに移行することができました。
まとめ|クーポンアドバンス広告を運用して顕在層にアプローチしよう
楽天市場で活用できる多くの広告種のなかで、クーポンアドバンス広告は主に顕在層に訴求できる費用対効果の高い広告です。
楽天市場のトップページへの表示や、RPP広告との併用で検索結果上位の画面占有率を高めることができれば、アクセス数だけでなく売上向上にも寄与するでしょう。
しかし、設定方法や手動での割引率の設定や定期的なメンテナンスなど、広告運用に悩まれる担当者様も多いのではないでしょうか。
ジャグー株式会社では、出店者様に対し、楽天市場出身者による専門的なサポートを行っています。売上の改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売までを一気通貫したEC支援をご提供します。
楽天市場の広告活用に限らず、楽天市場の運営ノウハウに関することは弊社が無料で提供する資料をぜひご活用ください。それでもわからないことがあればぜひお気軽にご相談ください。