RPP広告(Rakuten Promotion Platform)とは、ユーザーが楽天市場の検索窓から検索したキーワードに対応して検索結果の上位に表示されるクリック課金型の広告のことです。
楽天のRPP広告は、ユーザーに最適化された広告を配信できる、売上向上に最適な広告のひとつです。
検索結果一覧ページの上位に商品が掲載されていない場合、そもそもアクセスが見込めません。
しかし、RPP広告を活用することで意図的に検索結果一覧ページ上部に掲載できます。
RPP広告について聞いたことがある方や内容を知っている方は多いと思いますが、具体的な設定手順や売上を増やせる効果的な広告運用のコツがわからず、苦戦している方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、RPP広告の具体的な設定方法や、実際に効果が出たRPP広告の運用のコツ、成功事例を紹介します。
RPP広告の特徴や具体的な設定方法まで網羅していますので、RPP広告運用を考えている方は必見です。
ぜひ最後まで読んで、RPP広告を効果的に運用し、売上向上につなげましょう!
また楽天市場はCPA広告だけでなく、幅広い広告メニューが用意されています。楽天で利用できる広告に関しては以下記事で詳細を解説しているので合わせて確認してみてください。
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監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
新卒で楽天グループ株式会社に入社し、ECコンサルタントとして
SOY(Shop of the Year)受賞店舗をはじめ多数の上位店舗を支援。
約2万人の社員の中から「楽天賞MVP」を受賞するなど、
高い実績と評価を獲得。
その後、大手企業のEC支援を行うコンサルティング会社を経て、
2020年にEC専門支援会社「ジャグー株式会社」を設立。
楽天市場やAmazonなど複数モールにおける売上拡大・運用最適化を総合的に支援している。
また、グループ会社にて自らもAmazonでの販売事業を展開。
自社ブランド製品はAmazonで「Amazonおすすめ」を多数獲得し、
販売開始から1年で月商1,000万円を突破するなど、売り手としても豊富な実績を持つ。
目次
RPP広告とは?費用や機能について
RPP広告とは、楽天プロモーションプラットフォーム(Rakuten Promotion Platform)の略称です。
検索連動型のクリック課金制広告を指します。
具体的には、楽天市場内でユーザーが検索した際に、検索結果の上位に「PR」表記付きで表示される広告です。
この「PR」表記は、広告であるのを明示するためのものであり、ユーザーに信頼性と透明性を伝えています。

画像引用元:楽天市場
RPP広告は、ユーザーの検索キーワードに連動して表示されるため、ターゲットユーザーに最適化された広告を配信可能です。
また、クリック課金制広告のため、広告が表示されただけでは料金は発生しません。ユーザーが実際に広告をクリックした際に初めて費用が発生します。予算に応じた細かい調整が可能であり、無駄なコストを抑えられるのもメリットです。
最低月予算は5,000円から設定できます。広告費用は楽天市場の店舗運営費用として、販売高から相殺される形で請求されます。
RPP広告とRPPエクスパンション広告の使い分け方
2024年5月から、RPPエクスパンション広告という新サービスが始まりました。従来のRPP広告とは配信先や運用方法が異なるため、以下の違いを正しく理解して使い分ける必要があります。
- 配信先の違い
- 運用工数の違い
- 目標設定の違い
配信先の違い
従来のRPP広告は楽天市場の検索結果ページに配信されます。一方、RPPエクスパンション広告は楽天の外へ出て、Google検索結果のショッピング枠など外部媒体に配信される仕組みです。
楽天市場内で検索する顕在層へのアプローチはRPP広告、Google検索など外部から新規顧客を獲得したい場合はRPPエクスパンション広告と、目的に応じた使い分けが効果的です。
特に、これまでGoogle広告への出稿経験がない店舗は、RPPエクスパンション広告を活用すれば楽天プラットフォーム経由で外部集客を始められます。
運用工数の違い
RPP広告では、各商品に対してキーワードを手動で設定します。狙いたいキーワードを細かくコントロールできる反面、設定と調整の手間がかかります。
対してRPPエクスパンション広告は、キーワード設定自体が存在しません。楽天が保有する購買データとAI技術により、RMSの商品情報(商品名・説明文など)を解析して自動的に配信されます。
RPPエクスパンション広告で成果を出すには、商品名に検索されたいキーワードを自然に盛り込み、商品説明を充実させる「商品ページSEO」が効果的です。
目標設定の違い
従来のRPP広告は「クリック数重視」のみの入札方式です。設定したCPC(クリック単価)の範囲内で、できるだけ多くのクリックを獲得する仕組みです。
RPPエクスパンション広告には、「ROAS(広告費用対効果)重視」という入札方式が追加されています。売上に直結する見込みの高い配信先へ自動で予算を振り分けるため、費用対効果を重視した運用が実現します。
ただし、ROAS重視モードは広告配信開始直後から利用できません。過去30日で広告経由の売上が15〜20件以上という実績条件を満たす必要があるのです。
まずは「クリック数重視」でデータを蓄積し、条件を満たした段階で「ROAS重視」へ切り替える運用フローがおすすめです。
RPP広告はなぜ重要なのか?
楽天市場での売上を伸ばすためには、商品ページへのアクセスを確保することが不可欠です。
楽天市場におけるアクセスの約40%は検索経由の流入であるため、検索結果での上位表示が非常に重要となります。
楽天市場に新たに商品を登録した際、通常は検索結果の下位に表示されます。そのため、ユーザーの目に留まる機会が少なく、アクセスを期待するのは難しい状況です。
RPP広告を活用すれば、商品を意図的に検索結果の上位に配置し、ユーザーの目に留まりやすくできます。新規商品や人気のない商品の露出を増やし、アクセス数を向上させれば、販売実績も上がるでしょう。
さらに、RPP広告を活用して販売実績が上がると、自然検索順位も徐々に上がる傾向があります。楽天市場のアルゴリズムが販売実績を重要視しているためです。
楽天市場にはその他にもさまざまな広告メニューが用意されています。他の広告メニューについては下記の記事で解説していますので、合わせて確認してみてください。
関連記事:【2025年】楽天広告の種類・運用方法を元楽天ECCが徹底解説
RPP広告が表示されるロジック

RPP広告の表示順位は、以下の要素によって決定します。(※2)
| 要素 | 概要 |
| CPC単価 | 目安CPCよりも高く設定する事で表示順位を高めます |
| 商品の売上件数 | 高い売上件数は、商品の人気度を示し、目安CPCが下がりやすい傾向にあるため、表示されやすくなります。 |
| 商品の売上額 | 高い売上額は、目安CPCが下がりやすい傾向にあるため、表示されやすくなります |
| CTR | 高いCTRは、検索キーワードとの関連性が高いとみなされるため、目安CPCが下がりやすい傾向にあり表示されやすくなります。 |
さまざまな要素がありますが、中でも優先順位の高い要素は「CPC単価」です。商品の販売実績が少ない場合でも、単価を目安CPCに合わせれば上位に表示させられます。
しかし、CPC単価が高すぎると費用対効果が合わないため、CPC単価を下げるために次の要素を重視しましょう。
- 対象商品における「キーワードの売上実績」
- 対象商品における「キーワードの転換率」
- 対象商品における「キーワードのクリック率」
キーワードの売上実績や転換率が上がると、自然検索順位が向上します。検索上位に表示されれば、クリック率も向上するため、広告の予算を減らしていっても売上が増えるようになります。
優先順位の高い要素を中心に対策し、自然と売上が伸びるサイクルを目指しましょう。
【2025年】RPP広告の最新の動向は?
RPP広告に関する最新の情報について解説します。
広告枠の増加
2024年11月ごろからRPP広告の広告枠が下記のように増加しています。
- パソコン上:5枠(これまでは4枠)
- スマートフォン・アプリ上:7枠(これまでは6枠)
広告枠の増加により、特にアクセスの多いスマートフォンやアプリでは、検索結果2スクロール分ほどがRPP広告が占める形となっています。
そのため、RPP広告で1ページ目に表示させることで売上向上が見込める商品の場合、キーワード単価を調整してスマートフォンやアプリで1ページ目に表示できているかの確認が重要です。
店舗運営はPC上から操作を行うため、PC画面だけを見てキーワード単価の調整をする方が多いですが、実際にはスマートフォンやアプリ上での表示結果を見て調整することが重要といえます。
新機能の追加
2025年の新春カンファレンスにおいて、RPP広告の新機能に関する発表がありました。
既に実装済みのもの、今後実装予定の新機能についても把握しておきましょう。
自動最適化機能
2025年7月14日、RPP広告にAIを活用した「自動最適化機能」がリリースされました。
自動最適化機能とは、楽天のもつデータとAIを活用し、広告掲載面・日時・人などに応じて予算配分やCPCを最適化する機能です。
従来は設定したCPCに基づいた一律の配信でしたが、リリース後は広告効果が高い場面で重点的に配信されるため、RPP広告のCV数やROASの改善を実現できます。
自動最適化機能の3つの主要アップデート
| アップデート内容 | 詳細 |
|---|---|
| ①予算配分/適用CPCの仕様変更 | 広告掲載面・日時・人などに応じて予算配分やCPCを自動最適化。楽天のデータとAIを活用し、効果の高い配信面に重点配分されます。 |
| ②配信タイプの追加 | キャンペーン作成時に「自動最適化(推奨)」または「手動」を選択可能に。自動最適化を選択することで、AI による最適化が適用されます。 |
| ③クリック単価の仕様変更 | 「上限クリック単価(CPC)」として設定。例:上限20円設定の場合、10円~20円の間で入札を行います。効果を最大限に発揮できるよう、上限値は20円以上での登録が推奨されています。 |
自動最適化機能の移行方法
自動最適化機能への移行には、新たに【自動最適化】キャンペーンの作成が必須です。以下の手順で進めましょう。
- キャンペーン新規登録画面を開く
- 配信タイプで「自動最適化(推奨)」を選択
- 上限クリック単価を20円以上で設定
- その他の必要項目を入力して登録
関連動画:【速報】楽天RPP広告が進化!7月14日リリースの「自動最適化機能」で広告運用が劇的改善?プロが徹底解説!
候補キーワードの表示機能(実装済み)

2025年5月時点で実装されている候補キーワード表示機能は、楽天のデータや自社の商品情報に基づき、関連性の高いキーワード候補が自動で最大50個表示される機能です。
表示機会の多いキーワードが優先的に表示されるため、効果的なキーワード選定の参考にできます。これまでキーワード選定に悩んでいた店舗様でもより効果的に、最大10個のキーワードを設定しやすくなっています。
ただし、候補キーワードの中にはあまり関連性のないキーワードも含まれる場合があるため「流入キーワードのリサーチ」や「サジェストキーワードの設定」も並行して行いましょう。
今後実装予定の新機能

2025年5月時点、今後実装予定の新機能は以下のものが挙げられています。
- キーワード設定の自動化
- CPCの予約設定
- 広告配信ペースのコントロール
| キーワード設定の自動化 |
|---|
| キーワード候補の提案だけでなく、設定した条件に応じてキーワードの追加や削除を自動で行う機能が予定されています。 キーワードメンテナンスの工数削減が期待できます。 |
| CPCの予約設定 |
|---|
| イベント開始時刻などに合わせて、事前にCPC単価の変更を予約できる機能です。 これまで手動での調整が必要だった深夜や早朝開始のセール対応が効率化され、販売機会損失を防ぎやすくなるでしょう。 |
| 広告配信ペースのコントロール |
|---|
| 1日の予算が想定よりも早く消化されることを防ぐため、広告の配信ペースを調整できる機能です。 意図しない広告費の使いすぎを防ぎ、安定した広告表示を目指せます。 |
上記の機能の実装により、RPP広告の運用は従来の細かな手動調整中心から、Google広告のように「自動化をメインとしつつ、重要な部分は手動で調整する」ハイブリッドな形へ移行していくと考えられます。
店舗としては、新機能が登場したからといってすべてを導入するのではなく、まずは小さくテストを行い、効果を検証するサイクルを回すことが重要です。
今後もRPP広告の動向を注視し、最新の機能をうまく活用していきましょう。
RPP広告5つのメリット
RPP広告には以下の5つのメリットがあります。
順に解説します。
1.検索上位に表示できる

画像引用元:楽天市場
RPP広告の最大のメリットは、商品を検索結果の上位に表示できる点です。
2024年12月現在、PCでは検索結果の上位5位以内、スマートフォンや楽天市場アプリでは上位7位以内に広告が表示されます。
また、楽天市場のトップページや商品ジャンルページなど、ユーザーの購買意欲が高まる場所にも広告が表示されることがあります。うまく活用すればアクセス数が大幅に向上するでしょう。
2.クリック課金制度で細かい配信調整が可能
RPP広告はクリック課金制度を採用しているため、細かい配信調整が可能です。
CPC(クリック単価)を細かく設定すれば、広告の表示回数やCTRを調整できます。そのため、商品に応じて意図的に広告露出量を調整し、費用対効果を重視する広告運用も可能です。
RPP広告は、他の広告と比べると運用ハードルが低く、無駄なコストが発生しません。
一方、「楽天市場広告」や「特別大型広告」などは、掲載するだけで費用が発生します。そのため、実際にクリックされるかどうかに関わらずコストがかかります。
少額から始めたい企業や、高い費用対効果を求める企業には、RPP広告がおすすめです。
3.最低月予算5,000円から運用できる
RPP広告は月予算が5,000円から運用できるため、小規模な店舗でも手軽に始められます。
少額の予算であっても、適切なキーワード選定や戦略的な入札によって商品を上位表示させられます。また、運用の結果を見ながら予算を徐々に増やせるため、リスクを抑えた広告運用が可能です。
さらに、CPCは10円から設定可能なので、限られた予算内で効率的な運用ができます。CPCには下記の2タイプあるため、自社にあった運用タイプを選びましょう。
| CPCタイプ | 概要 | 設定可能CPC単価 |
| 商品CPC | キャンペーン毎に設定。 キーワード指定がないため、ユーザーの検索キーワードに関連があると判断された場合に自動で表示される。 | 10円〜10,000円 |
| キーワードCPC | キーワード毎に設定。 1商品に10キーワードまで設定が可能で、商品CPCよりも優先して表示される。 | 40円〜10,000円 |
4.ユーザーのニーズにマッチした広告を表示できる
RPP広告は、ユーザーが検索するキーワードに基づいて広告が表示されるため、ユーザーのニーズにマッチした広告配信が可能です。
ユーザーが探している商品を見つけやすくなり、広告のCTRやCVRの向上が期待できます。
広告入稿時に具体的なキーワードを設定すると効果的です。
たとえば、「夏用ワンピース」や「防水スマホケース」など、具体的なキーワードを検索するユーザーは購買意欲が高い傾向にあります。検索のタイミングで広告が表示できればCTRが向上するでしょう。
また、RPP広告は広告運用が初めての場合でも成果を出しやすいのがメリットです。低予算から始められる点に加えて、検索結果に基づいて広告を表示するため、ユーザーのニーズに直接アプローチできます。
少ないコストで高い効果を得られ、広告運用の経験が浅い店舗でも成功しやすいと言えます。
5.広告のパフォーマンスレポートを有効活用できる
RPP広告では、パフォーマンスレポートを無料で活用できる点もメリットです。
パフォーマンスレポートには、広告経由の売上や広告のクリック数、広告表示率などのデータが詳細に記載されています。
広告運用においては、実際に運用してみなければわからない要素が多く存在します。当初の予測と実際の結果が異なることも珍しくありません。
重要なのは、運用で得られたデータを基に次の戦略につなげることです。
データを基にCPCを最適化し、注力するべきキーワードを選定できれば、RPP広告の効果を最大化できます。レポートを定期的に分析し、目標となるCTRやCPC、CVRなどを設定し改善を重ねましょう。
レポートを有効に活用することで売上と自然検索順位の向上が期待できます。
RPP広告のレポートで確認すべき項目や実際の分析手順については、以下の動画で詳しく解説しています。こちらも併せて確認してみてください。
関連動画:【楽天市場】RPP広告の運用で是非試してみてほしいこと【広告運用】
RPP広告で成果が出やすい商材の3つの条件
RPP広告は、商材によって費用対効果が大きく変わります。広告予算を投入する前に、自社商材がRPP広告に向いているかを見極めれば、無駄な広告費を抑えられます。
以下の3つの条件から、自社商材がRPP広告に向いているかを判断しましょう。
- 条件①1クリックで利益が出せる商材
- 条件②検索キーワードで購買層を絞り込める商材
- 条件③競合出稿が少ない&検索需要がある商材
順に解説します。
条件①1クリックで利益が出せる商材
RPP広告はクリック課金型のため、アクセスを集めても購入されなければ赤字になります。
商品のCVR(転換率)と利益額から逆算して、許容できるCPC(クリック単価)を算出してください。たとえば、利益率30%・商品単価3,000円・CVR5%の商品なら、1クリックあたりの許容CPCは45円となります。
計算式:商品単価 × 利益率 × CVR = 許容CPC
既存の商品ページデータからCVRを把握できていれば、RPP広告の予算設計が精緻になります。
条件②検索キーワードで購買層を絞り込める
RPP広告は検索連動型のため、購入見込みの高いユーザーをキーワードで識別できる商材ほど効果が出ます。
たとえば「メンズ スニーカー 25cm」「50代 レディース ワンピース」など、性別・年齢・サイズといった属性がキーワードに含まれる商材は、無駄なクリックが発生しにくいです。
反対に、幅広い層に使われる汎用商品は、キーワードでターゲットを絞り込みにくいため、RPP広告の費用対効果が下がりやすくなります。RMSの「店舗カルテ」で流入キーワードを分析し、購買につながるキーワードを見極めましょう。
条件③競合出稿が少ない&検索需要がある商材
RPP広告のCPCは競合の入札状況に左右されます。ニッチジャンルかつ一定の検索ボリュームがある商材は、低CPCで効率的な集客が実現可能です。
たとえば、新発売カテゴリの商品や、こだわりの機能を持つ特化型商品などは、大手競合が参入していないケースも多く、RPP広告で先行者メリットを得られます。
ただし、検索ボリュームがゼロに近いキーワードでは、そもそも広告が表示されません。楽天サジェストや楽天の検索窓でキーワード候補を確認し、月間50件以上の検索があるキーワードを狙うのが目安となります。
RPP広告と相性が良い業種と理由
楽天市場でRPP広告の成果が出やすい業種には、「楽天内での検索行動が活発」「トレンドやシーズンで需要が変動する」の2つの傾向があります。
ここでは、実際の運用現場で高いROASを実現しているケースが多い以下の業種を紹介します。
- アパレル・ファッション
- 家電・デジタル機器
- 美容・健康食品
順に解説します。
アパレル・ファッション
アパレル・ファッション業界は、「春コート」「夏ワンピース」など季節×カテゴリでの検索が発生するため、RPP広告でタイムリーに訴求が可能です。
さらに、トレンドワード(「韓国ファッション」「オーバーサイズ」など)をキーワード登録すれば、感度の高い顧客層へピンポイントでリーチできます。
楽天スーパーセールや買い回りキャンペーン期間中は、購買意欲の高いユーザーが集中するため、CPCを引き上げて露出を強化する戦略が効果的です。
家電・デジタル機器
家電・デジタル機器は、「スマホ ケース」「ノートPC 15インチ」など型番・スペックでの検索が多いため、購買意欲の高い層をRPP広告で捕捉できます。
特に新製品発売直後は、楽天内での検索ボリュームが急増します。発売タイミングに合わせてRPP広告の予算を増額すれば、初動で売上を伸ばせるでしょう。
また、競合が多いカテゴリでは「送料無料」「即日発送」といったベネフィットをキーワードに組み合わせて差別化を図るのもおすすめです。
美容・健康食品
美容・健康食品カテゴリは、「シミ 美容液」「腸活 サプリ」など悩み×商品カテゴリの掛け合わせ検索が多発するため、RPP広告で高いCVRを実現可能です。
ユーザーは明確な課題を抱えて検索しているため、商品ページで解決策を提示できればCVRの向上が期待できます。
また、定期購入モデルの商材も多く、LTV(顧客生涯価値)が高い点もRPP広告との相性が良い理由です。初回購入のCPAが高めでも、2回目以降のリピートで回収できる構造を作っていくと良いでしょう。
【自治体向け】楽天ふるさと納税でRPP広告を使う際のメリットと注意点
楽天ふるさと納税は、通常のEC販売とは異なる特性をもちますが、RPP広告を正しく運用すれば寄付額を大きく伸ばせます。
メリットと注意点をしっかりと理解したうえで運用していきましょう。
ふるさと納税特有のメリット
楽天ふるさと納税は、12月の駆け込み需要で検索ボリュームが10倍以上に急増します。この時期にRPP広告で上位表示を確保すれば、短期間で大きく寄付額を伸ばせるでしょう。
「牛肉」「いくら」「シャインマスカット」など人気返礼品のキーワードは競合も多いため、CPCが高騰します。
しかし、「〇〇県 牛肉」「訳あり いくら」といった複合キーワードを狙えば、CPCを抑えつつ寄付確度の高いユーザーを獲得できます。
通常のEC販売と異なり、ふるさと納税は「寄付控除」という明確なメリットがあるため、CVRが比較的高い傾向です。
ROASを見ながらCPCの上限を調整し、費用対効果を高めていきましょう。
12月は他の自治体も一斉にRPP広告の予算を増やすため、11月中旬から先手を打って露出を強化する戦略が有効です。
ふるさと納税の注意点
楽天ふるさと納税のRPP広告で最も注意すべきは、12月のCPC高騰です。
全国の自治体が予算を投下するため、通常月の2〜3倍の入札価格になるケースもあります。
また、「牛肉」「海鮮」などメジャーカテゴリは競合が非常に多く、広告費用が膨らみやすい傾向にあります。予算の上限を設定し、1日の広告費が想定を超えた場合は自動で配信停止する設定を入れてください。
さらに、返礼品は「価格」ではなく「寄付額」で表示されるため、広告クリック後の離脱が発生するケースもあります。商品ページの冒頭で「実質負担2,000円で〇〇がもらえる」など、ふるさと納税の仕組みをわかりやすく説明すれば離脱を防げます。
ふるさと納税RPP広告の運用スケジュール例
楽天ふるさと納税でRPP広告を効果的に運用するには、年間を通じた計画的な予算配分が欠かせません。
以下の例を参考に、計画的に運用してみてください。
| 時期 | 戦略 | CPC目安 |
|---|---|---|
| 1月〜10月 | 通常運用・データ蓄積期間。低CPCで効率重視 | 通常の80% |
| 11月前半 | 年末需要に向けた準備期間。徐々に露出を強化 | 通常の100% |
| 11月後半 | 駆け込み需要の先取り。他自治体より先手 | 通常の150% |
| 12月1日〜20日 | 最繁忙期。予算を集中投下 | 通常の200〜300% |
| 12月21日〜31日 | 超繁忙期。ROASを見ながら上限調整 | 上限なし(ROAS次第) |
通常のEC販売とは異なり、ふるさと納税は12月に年間の50%以上の寄付が集中します。年間予算の70%を11〜12月に配分し、残り30%で1〜10月のデータ収集とテストを行う配分が効果的です。
RPP広告で期待できる3つの効果

RPP広告を運用することで期待できる効果は下記の3つです。
順に解説します。
1.検索経由のアクセスの増加
RPP広告を運用し、検索結果の上位に商品を表示させると、ユーザーの注目を集めやすくなります。それにともない、商品ページへのアクセスも増加するのです。
ユーザーの多くは、検索結果の上位に表示される商品に注目します。検索結果の最初のページに表示される商品は、クリック率が高い傾向です。
RPP広告を継続的に運用すれば、安定したアクセス増加を維持できます。特に、新商品や販売実績が少ない商品に対しては大きな効果を見込めるでしょう。
2.検索経由の売上の増加
自社の商品をRPP広告により検索結果の上位に表示をしてアクセス数が増加すれば、売上の増加も期待できます。
アクセス数が増加すれば、自然と商品ページの閲覧数も増え、購入に至るユーザーも増えていくのです。
売上が増加すると、広告の費用対効果を示す指標であるROAS(Return on Advertising Spend)にも影響します。RPP広告はクリック課金制のため、無駄なコストを抑えて効率的なターゲットユーザーへのアプローチが可能です。
売上が増加する一方で、広告費用を必要最低限にできるため、結果としてROASが向上します。
RPP広告の運用は、短期的な売上増加だけでなく、長期的な売上向上も見込めるでしょう。
広告によって獲得した新規顧客がリピーターとなる可能性が高まり、定期的な売上増加に寄与します。また、広告運用のデータを収集し、次の運用に活かすことで、さらなる売上向上を目指せるのです。
3.対策キーワードでの「自然検索順位」の向上
RPP広告運用の最大のメリットは、自然検索順位の向上です。
楽天市場のSEOに関連する要素に広告運用が影響を与えるためです。具体的なSEOのロジックとRPP広告を利用した自然検索順位向上のステップは以下のとおりです。
【楽天SEOのロジック※1】
| 指標 | 概要 |
| 指定キーワードのクリック率(CTR) | 広告や検索結果に表示された際のクリック率が高いほど、キーワードの関連性が高いと評価される。 |
| 指定キーワード経由の転換率 | ユーザーがキーワードを検索し、商品ページにアクセスして購入に至る割合が高いほど評価される。 |
| 指定キーワード経由の売上高および件数 | 特定のキーワードからの売上や購入件数が多いほど、検索順位が上昇する。 |
| 対象商品の売上高 | 総売上が高い商品は、検索順位が上がりやすくなる。 |
| 期間別の数値 | 1日、1週間、1ヶ月の期間でこれらの指標が高いほど、自然検索順位が上がりやすくなる。 |
【RPP広告を利用した自然検索順位向上のステップ※1】
| ステップ | 概要 |
| ①検索上位を狙う商品と検索キーワードの決定 | どの商品をどのキーワードで上位表示させたいかを明確にする。 |
| ②現時点での検索順位の把握 | 現時点での順位を確認し、目標を設定する。検索順位10位以降の場合は自然に順位が向上しないため、意図的な対策が必要。 |
| ③商品名および商品ページの対策 | 商品名やページ内容を最適化し、SEO対策をする。 |
| ④RPP広告による指標の向上 | RPP広告を運用し、指標を高めることで、競合よりも優位に立つ。 |
| ⑤売上増加による自然検索順位の向上 | RPP広告経由で売上が伸び始めると、自然検索順位も上がり始める。 |
| ⑥アクセス数と売上増加によるランキングの向上 | 対象商品へのアクセス数が増加し、売上も伸びることでランキング順位が向上し、さらに売上が増えるサイクルに入る。 |
上記のステップでRPP広告を活用することで、商品の自然検索順位の向上が図れます。RPP広告は短期的な売上向上だけでなく、自然検索との相乗効果で長期的な売上向上も見込めるのです。
関連記事:【2025年最新版】楽天SEOとは?知っておくべきルールや具体的な対策10選を徹底解説!
RPP広告を活用する際の3つの注意点
RPP広告を活用する際の注意点は以下の3つです。
順に解説します。
1.競合が多く利用している
RPP広告は低単価から出稿できる手軽さと効果の高さから、多くの楽天出店者が利用している広告メニューです。
そのため、同じカテゴリー商品を取り扱う競合他社がひしめき合い、競争が激化しています。
特に豊富な資金力のある大手企業が参入しているカテゴリーの場合、限られた予算で運用を行う中小企業にとって広告効果を出すことが難しくなります。
競合が多い中で広告成果をあげるには、日々の細かな分析やCPC単価の調整などが必須といえるでしょう。
2.楽天市場外部への露出が増えROASが低下する
RPP広告の露出先は主に以下のとおりです。
- 楽天市場の商品検索結果の上位
- 楽天市場の商品ジャンルページ
- 楽天グループの関連・提携サイト
2025年3月現在では「提携サイトへの広告表示」が増えている傾向にあります。
提携サイトへの広告表示は、キャンペーンCPCや商品CPCで露出がされますが、店舗側でコントロールしにくいため、思わぬ予算消化やROASの低下につながるおそれがあります。
特定の商品が提携サイトへ広告表示されるケースが多いため、商品別パフォーマンスレポートを確認し、異常な予算消化がされている商品がないかを確認しましょう。
商品ページの参照元を見て「参照元不明」からの流入が増え、転換率が低下している場合は提携サイトへの広告表示がされている可能性が高いです。
商品CPCやキャンペーンCPCを下げたり、除外設定をしたりするなど対策を行いましょう。
3.運用にリソースがかかる
RPP広告は初期設定がわかりやすく、一部の運用を自動化可能です。しかし効果を最大化するには定期的なレポートチェックと調整が欠かせません。
不要な商品の広告出稿を防ぐための除外リストの作成や、キーワード選定、CPCの細かな調整など、専門知識と時間に基づく運用が求められます。
RPP広告で成果をあげたい場合は、社内でしっかりとリソースを確保するようにしましょう。
社内リソースで運用が難しかったり、ノウハウが不足していたりする場合は、運用代行を検討することもおすすめです。
関連記事:RPP広告運用代行とは?メリットや注意点・おすすめの業者を徹底解説
RPP広告の設定方法5ステップ
RPP広告の設定方法は下記の5ステップです。
細かい設定が必要な部分もあるので、丁寧に設定しましょう。
設定方法は上記の動画でも詳しく解説していますので、併せて確認してみてください。
1. RMSにログインしプロモーションメニューを開く
まず、楽天市場の店舗管理システム(RMS)にログインします。ログイン後、サイドメニューから「広告・アフィリエイト・楽天大学」をクリックし「広告(プロモーションメニュー)」を選択します。

画像引用元:【楽天市場】RMS
2. 「検索連動型広告(RPP)」をクリック
プロモーションメニューを開いたら、「検索連動型広告(RPP)」を選択します。ここまでは直感的な操作で進められるので、迷わずに進められるでしょう。

画像引用元:【楽天市場】RMS
3. キャンペーンをクリックし「新規登録」を開く
設定画面に移ったら「キャンペーン」をクリックします。左端にあるホームのすぐ右側に「キャンペーン」の表記があります。新しいRPP広告キャンペーンを作成するために、「新規登録」をクリックしましょう。


画像引用元:【楽天市場】RMS
4. 入力項目を記載し登録する
「新規登録」を開いたら、必要な入力項目を記載します。入力項目には、キャンペーン名やステータス、継続月予算、CPCなどがあるので、忘れずに設定しましょう。
情報の入力が完了したら「登録」をクリックしてキャンペーンを保存します。

画像引用元:【楽天市場】RMS
5. 除外商品登録の設定をする
最後に、除外商品登録をします。除外商品登録では、RPP広告に表示させたくない商品を設定します。設定すれば、無駄なクリックやコストを抑えられ、より効果的な広告配信ができるでしょう。

画像引用元:【楽天市場】RMS
RPP広告だけでなく、楽天のマーケティング施策について知りたい方は以下資料からご確認ください。
RPP広告運用11のコツ

RPP広告運用で成果を出すためのコツを11個紹介します。1つずつ丁寧に取り入れて、RPP広告運用に活かしてみてください。
- 露出したい商品以外を除外設定する
- 自然流入キーワードを把握する
- 最低CPCは10円ではなく11円以上に設定する
- 商品キーワードを設定する
- CPC設定後1時間前後で検索結果をチェックする
- ROASが良い商品はCPC単価を強める
- 効果レポートでCTRとROASを日々チェックする
- アクセスが集まるタイミングで露出を強化する
- 月末の予算促進に注意する
- 会員ランク機能を活用する
- 限界CPCを把握する
順に解説します。
1.露出したい商品以外を除外設定する
RPP広告では、基本的に全商品が広告対象となるため、露出したくない商品は除外設定をしておきましょう。
除外商品を選定するときは、扱っている商品数をもとに考えるのがおすすめです。
たとえば、商品数が50以内の場合、どの商品の反応が良いかをテストするために、はじめは除外設定をせずに運用します。数日間反応をみて、どの商品が売れているのかをチェックします。あまり売れていない商品は除外設定登録をしましょう。
また、商品数が50より多い場合は、在庫があり販売を強化したい商品以外を除外設定します。露出したい商品を絞ると、広告予算を効率的に使い重点的に販売したい商品を露出可能です。
さらに、ROASが悪い商品も除外設定をしておくのがおすすめです。費用対効果の低い商品を除外することで、全体の広告効率を向上させられます。
2.自然流入キーワードを把握する
RPP広告の運用には、自然流入キーワードを把握し、適切なキーワード戦略を立てるのも重要です。
自然流入が多いキーワードはユーザーの関心が高く、購入に結びつきやすいキーワードです。
購入につながるキーワードを積極的に商品キーワードに追加すれば、RPP広告の効果を高められるでしょう。
自然流入キーワードは、RMS内の「楽天サーチ」から分析ができます。
積極的に自然流入の多いキーワードを見つけ、RPP広告の商品キーワードに追加するのをおすすめします。

3.最低CPCは10円ではなく11円以上に設定する
RPP広告では多くの競合企業がCPCを最低額の10円に設定しています。
そのため自社のCPCを11円以上に設定しておけば、表示率が高まる可能性があります。
ある商品に対してRPP広告を運用する場合、CPCを10円に設定すると、他の多くの広告と競合し、表示機会が限られます。
そこで、CPCを11円に設定すると、そのわずかな差で競合を上回り、検索結果の上位に表示されやすくなるのです。
10円と11円はわずかな差ですが、大きな成果を生む可能性があるため、ぜひ試してみてください。
4.商品キーワードを設定する
RPP広告では、商品ごとに10個のキーワードを設定できます。ユーザーのニーズによりマッチしたキーワードを設定し、CTRを向上させましょう。
キーワードを選定するときは一般的なキーワードだけでなく、ロングテールキーワードを狙うようにしましょう。特定のニーズにマッチしたキーワードを取り入れることで、購買意欲の高いユーザーにリーチできます。
また、上位表示させたいキーワードを中心に、サジェストワードや言い換えワードを登録するのも効果的です。サジェストキーワードや言い換えワードでニーズを絞ることで、CPCを抑える効果もあります。
まずは検索ボリュームの少ないキーワードを狙って、少しずつ実績をあげていきましょう。
5.CPC設定後1時間前後で検索結果をチェックする
RPP広告は、CPC設定後1時間ほどで検索結果に反映されます。検索結果をチェックし、目的のキーワードに対して広告が表示されているかを確認しましょう。
ただし、新しいキャンペーンを作成した場合、設定後から配信されるまでに最大24時間かかる場合もあります。
検索結果を確認すると「設定したCPCが適切か」や「広告が目標の位置に表示されているか」などを判断できます。
もし広告が期待どおりに表示されていない場合は、CPCの再設定やキーワードの見直しが必要です。定期的に検索結果をチェックし、必要であれば改善する習慣をつけましょう。
6.ROASが良い商品はCPCを強める
ROASが良い商品は、さらに広告効果を高めるために、CPC(クリック単価)を強めることを検討しましょう。広告費用に対して得られる売上が多いため、追加の広告費用を投入することで、さらなる売上増加が期待できます。
しかし、ROASの基準は取り扱う商品や業種により異なる点に注意です。たとえば、高額商品はROASの基準が低くても利益を上げられる場合があります。そのため、自社の商品や業種によってROASの基準を設定するのが重要です。
自社の基準の中でROASが高く、表示順位がさらに上がる可能性がある商品は、CPCを徐々に高めていきましょう。
7.効果レポートでCTRとROASを日々チェックする
RPP広告で成果をあげるには、CTRとROASを日々チェックし、データを分析することが重要です。データをもとに次の施策を検討し、より効果的な運用をしましょう。
効果レポートから確認するべき主な指標は以下のとおりです。
| CTR(クリック率) | 広告が表示された回数に対してクリックされた回数の割合。CTRが高いほど、広告の訴求力が高いことを示します。 |
| ROAS(広告費用対効果) | 広告費用に対してどれだけの売上が得られたかを示す指標。高いROASは、広告が効果的に運用されていることを示します。 |
| クリック数 | 広告を通じた商品ページクリック数。クリック数の増減をチェックし、広告の露出効果を確認します。 |
| 売上額 | 広告経由で発生した売上の総額。売上額を確認し、広告の費用対効果を評価します。 |
定期的にデータを分析し、運用している広告の成果をチェックしましょう。そして、データをもとに次の施策を考えるのが重要です。
CTVR(クリックスルービジットレート)を活用する
RPP広告の成果を上げるために確認すべき指標として、CTVR(クリックスルービジットレート)があります。
CTVRとは、CTR(クリック率)とCVR(転換率)を掛け合わせた指標で、「クリックや購入へ、総合的に最も貢献したクリエイティブはどれか」を示す指標です。公式な指標ではありませんが、社内指標として取り入れておくことをおすすめします。
CTVRの計算式は下記のとおりです。
CTVR = CTR × CVR
RPP広告の場合、成果をあげるには広告クリエイティブのクリック数が影響します。
また、ただクリックされるだけでは不十分です。クリック後に商品ページを見てもらい実際の購入につながったかを両軸で判断しましょう。
RPP広告で成果を出すと、楽天内のSEO対策にもつながります。SEOを引き上げるロジックにキーワード経由のCTVRが要素として含まれるため、RPP広告で成果を上げる改善行動が結果的にSEO向上にも波及します。
8.アクセスが集まるタイミングで露出を強化する
アクセスが集まるタイミングで広告の露出を強化すれば、CTRやCVRが向上します。
楽天市場では「朝の7時」「昼の12時」「夜の19時以降」にアクセスが集中する傾向が強いです。
上記の時間帯に広告が上位表示されるようにCPC単価を調整することで、より多くのユーザーへのリーチが可能です。
しかし、忙しい時間帯や物理的に対応できない場合もあるでしょう。その場合は、運用代行サービスを利用することも1つの手です。
弊社のRPP運用代行サービスでは、CPC単価の設定が1日中可能なため、アクセスのピーク時間帯での最適な広告運用を実現できます。興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
\ 代表が楽天出身だからこその結果につながるサポートが強み /
9.月末の予算促進に注意する
月末は、競合店舗が広告予算を使い切るため、予期しない予算の消費が進む場合があります。ROASが悪化する可能性があるため、慎重に管理しましょう。
具体的には、月末に向けて広告予算を細かく管理し、必要に応じて日別の予算配分を調整するのがおすすめです。
また、月末に向けてCPC単価を調整し、過度なクリックの発生を防ぎます。特にROASが悪化しているキーワードに対しては、CPCを引き下げることを検討します。
定期的な効果レポートのチェックは重要ですが、月末は特に細かく確認するのをおすすめします。
10.会員ランク機能を活用する
2024年1月24日に導入された「ランク別入札最適化機能」を活用すれば、RPP広告の効果を最大化し、ROASを向上させられます。
この機能では、楽天市場の会員ランクに応じて自動的に入札単価を最適化することが可能です。購入者の7〜8割がダイヤモンド会員やプラチナ会員であるため、これらの高ランク会員に対して広告を優先的に表示できます。
具体的には、会員ランクユーザーに対し入札単価を最大+25%~最低-80%で自動最適させます。

画像引用元:【楽天市場】RMS
イベント期間中は会員の購入率が高まる傾向にあり、広告の表示順位をキープするために会員ランク機能をオンにしましょう。逆に、イベント期間外はCPC単価の上昇を防ぐためにオフにするのをおすすめします。
11.限界CPCを把握する
限界CPC(上限クリック単価)とは、1回のクリックに対して発生する費用の上限のことです。限界CPCを把握することで、商品ごとにどこまでCPC単価を設定して良いのかを判断する目安になります。
限界CPCの算出方法は以下のとおりです。
| 限界CPC=限界CPA×想定CVR |
限界CPA(上限顧客獲得単価)は、広告運用時に赤字にならない範囲のCPAの上限です。想定CVRは予想されるコンバージョン率で、この2つをかけ合わせることで限界CPCを算出できます。
また、CPAはCPC/転換率で決定します。転換率が悪い場合、限界CPAが高くなり、限界CPCも高くなるため、商品ページの改善を計り、転換率の改善をしましょう。
自社内でRPP広告を運用するための知見やリソースがない場合は、RPP広告の運用代行を1度検討しましょう。RPP広告の運用代行のおすすめ業者は以下で詳細に解説していますので、併せてご確認ください。
関連記事:RPP広告運用代行とは?メリットや注意点・おすすめの業者を徹底解説
また、RPP広告を効果的に運用するための「チェックリスト」は以下からダウンロードできるのでこちらも合わせてご覧ください!
イベント時にRPP広告を最大限に活用する方法4つ

RPP広告は、楽天スーパーセールやお買い物マラソンなどのイベント時に活用することで最大限に効果を発揮します。以下の4つの方法を参考に、RPP広告の効果を向上させましょう。
順に解説します。
1.イベント告知期間から露出を強化する
楽天スーパーセールの場合は開始4日前から、お買い物マラソンの場合は開始1〜2日前から事前告知が行われます。
多くのユーザーはイベント告知期間から購入したい商品を探し始めるため、告知期間中の露出強化が効果的です。
特に楽天スーパーセールでは、商品を購入するユーザーの約8割が告知期間中に商品を探す傾向にあります。告知期間中に必ず露出を強化しましょう。
2.CPCを都度調整する
イベント中は競合も露出を強化するため、自社の広告が表示されるようCPC単価を細かく調整する必要があります。また、CPC単価を上げるタイミングも考慮しましょう。
ユーザーのアクセスが集中する時間帯に自社広告が表示されるように「昼の11時」や「夜の18時」に設定するのがおすすめです。
CPC単価の設定タイミングについては「5.CPC設定後1時間前後で検索結果をチェックする」や「8.アクセスが集まるタイミングで露出を強化する」を再度確認してみてください。
3.商品が露出しているか確認する
CPC単価の設定後、自社の商品が実際に露出しているかを定期的に確認しましょう。
特に、アクセス数を稼ぎたい時間帯に広告が表示されているかどうかをチェックすれば、CTRやROASの向上にもつながります。
商品が露出しているかを確認する際に、競合も調査するのがおすすめです。競合がイベント時にどのような広告を出しているか、どのようなキーワードを追加しているかをリサーチし、自社広告に活かしましょう。
4.イベント期間中の5の倍数日程は露出をさらに強化する
楽天市場では、5の倍数日(5日、10日、15日、20日、25日、30日)に楽天カード決済するとポイントがアップします。
特典を利用するユーザーは非常に多く、購入者の約7割以上が楽天カード決済を利用しています。
そのため、5の倍数日程は転換率が上がりやすく、広告効果が高まる傾向にあります。
イベント期間中に5の倍数日程がある場合は、露出の強化を計画に入れ、CPC単価の調整をしましょう。
ジャグーでは、最新の楽天市場販促カレンダーを作成しています。ぜひダウンロードして、イベント期間の露出強化に活用してみてください。
RPP広告運用の成功事例
弊社がRPP広告運用をサポートし、成果のあがった事例を2つ紹介します。
成功事例①|主要キーワードの検索順位1位獲得で月商4000万円を達成
食品販売のカテゴリーの出店者様で、楽天出店後2年ほど、月商100万円程度で推移していました。
検索上位を狙うキーワードの選定や商品ページの対策、RPP広告の設定などの網羅的な支援により、支援後1年間で月商が最大4000万円まで拡大しました。
主要キーワードでの検索順位も1位を獲得し、広告効果だけでなく自然検索順位の向上も果たしました。
| 項目 | 施策内容 | 支援前の状況 | 支援後の効果 |
|---|---|---|---|
| 検索上位を狙う商品とキーワードの決定 | ・10キーワードをフルで設定 ・10商品で着手 | キーワード設定数が少なく、メンテナンスもなし | ・特定のキーワードにおける販売件数が増え、自然検索も安定して1位獲得 ・検索経由のアクセス数が大幅増加 |
| 現時点での検索順位の把握 | ・検索結果3ページ目の100位以降 ・特定キーワード経由の流入が月10以下 | 検索順位の把握なし | 検索順位をデータで把握 |
| 商品名および商品ページの対策 | ・商品名やキャッチコピーの最適化 ・商品サムネイル画像の改修 | ・最適化なし ・転換率低 | ・転換率向上 ・CTR向上 |
| RPP広告の設定と露出強化 | ・キーワード設定 ・ミドルキーワードでの上位表示 | CPCが600円と高い | ・CPC調整 ・ミドルキーワードで露出強化 |
| 店舗内の施策強化 | 転換率を高める施策の実施 | 店舗内施策が弱い | 転換率向上 |
| RPP広告経由の売上増加 | 売上が増え始めた商品は自然検索順位も向上 | 売上が伸び悩み | 自然検索順位の向上 |
| 商品へのアクセスと売上増加 | 対象商品のアクセス人数増加し、ランキングにも掲載 | アクセスが少ない | ランキング経由のアクセスが、検索流入同等数を獲得できたことで売上が大幅に増加 |
成功事例②|支援後半年でボリュームキーワード1位獲得・広告費削減も達成
化粧品カテゴリーの出店者様で、支援前から月商2000万円ほどありましたが、自然検索が弱く売上が安定していない状況でした。
弊社が支援に入ってからはミドルキーワードからRPP広告の露出を強化し、支援半年後にはボリュームキーワードでの順位1位を獲得しました。
RPP広告を起点にして自然検索順位も向上し、売れるサイクルに入ったことで、月商3000万円の売上に安定し、広告費用の削減にも成功しました。
| 項目 | 施策内容 | 支援前の状況 | 支援後の効果 |
|---|---|---|---|
| キーワードの把握 | 主力商品に流入のあるキーワードとその転換率を把握 | 自然検索が弱い | キーワードの選定と転換率の把握 |
| アクセス増加と売上の算出 | 主力キーワードの順位向上により見込めるアクセス増加が、売上にどの程度寄与するか算出 | 売上が安定していない | 売上向上の見込みを把握 |
| ミドルキーワードの決定 | 対策すべきキーワードに付随するミドルキーワードを決定 | キーワード対策が不十分 | ミドルキーワードでの露出強化 |
| ページの改修 | 現在の検索上位の競合ページを参考に、顧客のニーズを踏まえたサムネイル画像とページ改修をする | ページの改善が必要 | 転換率向上 |
| ミドルキーワードでの露出強化 | ・ミドルキーワードからRPP広告の露出を強化 ・イベント期間中の露出強化 | 広告の露出が不十分 | イベント期間での売上向上 |
| ボリュームキーワードでのCPC調整 | ボリュームキーワードでのCPCが高い状況で露出日と時間を決め、一時的に表示順位を上げる | 高CPCに対応できていない | 自然検索順位の向上 |
| 広告費用の管理 | 商品自体の売上ベースが上がり、多少の投資が可能になった | 広告費用が高い | 広告費用削減と利益率改善 |
ジャグー株式会社にはその他にもさまざまな支援実績があります。「導入事例」のページで紹介していますので、具体的な支援内容が気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ|RPP広告を運用して効率的に売上向上を目指そう
楽天市場で成功を目指す場合、RPP広告の運用は非常に重要です。短期的な売上増加はもちろん、長期的な自然検索順位の向上も目指せます。
特に本記事で解説した「RPP広告で期待できる3つの効果」は、楽天市場の出店者様であればぜひ把握しておきたい内容なので、読み返してみてください。
しかし、RPP広告の重要性や効果は分かっても、なかなか手が回らず運用できないという担当者様もいるのではないでしょうか。
ジャグー株式会社では、出店者様に対し、楽天市場出身者による専門的なサポートをしています。
売上の改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売まで一気通貫したEC支援をご提供します。
RPP広告など楽天の運用に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。

また、RPP広告のパフォーマンレポート分析について、下記の動画で詳しく解説しています。
レポートをどう活用すればいいか悩んでいる方はぜひ確認してみてください。

