Yahoo!ショッピングで売上を伸ばすには、広告運用が必須です。
特に売上に直結する「アクセス数」を増やすには、広告を効果的に運用する必要があります。
Yahoo!ショッピングの広告には4種類ありますが、どの広告にどのような特徴があり、どれが自社の目的に合っているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
せっかく予算をかけるのだから、自社に合った成果の出る広告を活用したいですよね。
本記事では、Yahoo!ショッピングの広告について、それぞれの概要やメリット、デメリットを徹底解説しています。
目的別のおすすめの広告活用法も紹介していますので、自社に合った成果の出る広告の活用方法が見つかるはずです。
EC運営のプロだからこそ解説できるポイントや、広告運用での成功事例も紹介しているので、
ぜひ参考にしてあなたのお店の売上向上に役立ててください。
監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
目次
Yahoo!ショッピングの広告運用はなぜ重要なのか?
Yahoo!ショッピングにおける広告運用は売上を上げるための集客を目的とした手段です。
売上は「アクセス数×転換率×客単価」で計算できます。商品数や値段設定により転換率と客単価を伸ばすには限度がありますが、アクセス数は施策次第では際限なく伸ばしていけるため、売上を上げるにはアクセス数の増加がカギと言えます。
Yahoo!ショッピングは楽天市場やAmazonなど、他のECモールと比較して数多くの店舗が出店しているため、認知度アップには広告運用が欠かせません。
また、Yahoo!ショッピングは、商品の販売実績が自然検索順位を決める要因のひとつであるため、効果的な広告運用により販売実績が上がれば、SEO対策にも良い効果が現れます。
そのため、広告運用は短期的な売上アップだけでなく、長期的な売上の拡大にもつながるため、Yahoo!ショッピングで売上を上げるためには広告運用は外せない要素なのです。
Yahoo!ショッピングの広告は4種類
Yahoo!ショッピングにおける広告の種類や特徴は以下のとおりです。
広告は種類別に目的やターゲット、予算に応じて使い分けましょう。
広告の種類 | バナー・テキスト広告(ディスプレイ広告) | アイテムマッチ(ストアマッチ)広告 | ソリューションパッケージ広告 | PRオプション |
特徴 | トップページに表示され認知度アップが期待できる | 検索結果ページに表示されるリスティング広告のこと | Yahoo!ショッピング以外のサイトに掲載できる広告 | 商品を上位表示させるために商品価格に料率を設定する |
メリット | ・入稿すれば必ず掲載される ・認知度を上げやすい | ・低予算で広告運用ができる ・入札順位を広告設定画面で確認できる | ・Yahoo!ショッピング以外からの流入が狙える ・広告入稿の手間が少ない ・リターゲティングが可能 | ・購入されない限り広告費がかからない ・一定以上の料率でターゲティング機能を使える |
デメリット | ・他の広告種に比べて費用が高い ・広告制作準備に時間やコストがかかる | ・細かなターゲティングができない | ・Googleへの広告は審査がある ・リターゲティング広告は短期間では効果が出にくい | ・設定料率次第ではコスト増になる ・上位表示が保証されていない |
バナー・テキスト広告(ディスプレイ広告)
画像出典元:Yahoo!ショッピング
バナー・テキスト広告は、Yahoo!ショッピングのトップページや総合ランキング、検索結果ページに表示されます。
別名「ディスプレイ広告」とも呼ばれ、サイトを開いてすぐに目に入る広告のため集客力の高い広告です。
バナー・テキスト広告の使い方は以下の2種類に分けられます。
- 通常広告
- 促進広告
通常広告は季節やイベントに関係なく、トップページやカテゴリページに表示されるため、Yahoo!ショッピング内での認知度を高めるためには最適な広告です。
一方で、促進広告は「お中元」や「お歳暮」などの季節に合わせた特集を表示する広告が多くを占めるため、季節限定商品の販売促進をしたい際に最適な広告といえます。
広告費用は掲載枠や時期により変動し、およそ30,000円〜と決して安くありませんが、商品PRにぜひ活用したい広告です。
バナー・テキスト広告のメリット
バナー・テキスト広告のメリットは次の2つです。
- 入稿すれば必ず掲載される
- 認知度を上げやすい
広告費用が30,000円〜と他の広告に比べ高コストですが、入稿すれば掲載されます。また、トップページやカテゴリトップなど目立つ場所に掲載されるため、幅広いユーザーにリーチできるのがメリットといえるでしょう。
バナー・テキスト広告のデメリット
一方で、バナー・テキスト広告のデメリットは次の2つが挙げられます。
- 他の広告種に比べて費用が高い
- 広告制作準備に時間やコストがかかる
目立つ場所に広告を掲載できる分、他の広告より費用が高い点が気になります。
また、広告制作に時間やコストが発生し、一目でわかりやすいデザインでなければ十分に効果が発揮されません。
そのため、デザイン構成やテキスト案など広告の制作が手間だと感じてしまうかもしれません。
アイテムマッチ(ストアマッチ)広告
画像出典元:防災グッズ|Yahoo!ショッピング
アイテムマッチ(ストアマッチ)広告は、Yahoo!ショッピング内の検索結果ページに表示されるリスティング広告のことです。
アイテムマッチ広告は、検索結果ページに「PR」という表示がされ、PCでは上部と下部に5つずつ、スマートフォンでは上部と下部に4つずつ広告の枠が設けられています。
また、広告費用は商品カテゴリに対し入札する「クリック課金型」で、最低入札単価は10円〜です。
クリック数が増えるほどコストも増加するため、費用対効果を見極めて運用しましょう。
アイテムマッチ広告のメリット
アイテムマッチ広告は、次の2つのメリットがあります。
- 最低入札単価が10円〜のため低予算で広告運用を始められる
- 入札順位を広告設定画面で確認できる
最低入札単価が少額のため、限られた予算でも導入しやすい点が魅力です。また、広告設定画面で入札順位を確認できるため、こまめに分析をしながら入札金額を調整して最大限の効果を引き出しましょう。
アイテムマッチ広告のデメリット
一方アイテムマッチ広告には、細かなターゲティングができないというデメリットがあります。
アイテムマッチ広告は、検索キーワードではなく商品カテゴリに対して入札するため、細かなターゲティングができません。
たとえば特定のキーワードで検索するユーザーに絞って広告を表示できないため、購買意欲が高くないユーザーにも広告が表示される可能性があります。
そのため、アイテムマッチ広告は認知度アップを目的に、特定の商品カテゴリで出品数が多い店舗におすすめの広告です。
ソリューションパッケージ広告
画像出典元:防災グッズ|Yahoo!ショッピング
ソリューションパッケージ広告とは、Google検索結果ページやYahoo! JAPANトップページなど、Yahoo!ショッピング以外の広告枠に掲載できる広告です。
たとえばGoogle検索で「防災グッズ」と検索すると、Yahoo!ショッピング以外のECモールの商品と並んで広告が表示されます。
そのため「欲しい商品をどのECモールで買うか決めていない」潜在顧客にアプローチをする際に有効です。
広告費用は、クリック課金制で1クリックあたりの単価は20円〜100円程度です。また、月額の広告予算は50,000円から利用できます。
ソリューションパッケージ広告のメリット
ソリューションパッケージ広告を活用するメリットは3つあります。
- Yahoo!ショッピングの外部から新規顧客の獲得が狙える
- 広告入稿の手間が少ない
- Yahoo!ショッピングで見た商品+おすすめ商品でリターゲティングが可能
GoogleやYahoo! JAPANなど、Yahoo!ショッピング以外のプラットフォームを利用するユーザーにアプローチできるため、新規顧客獲得や認知度向上が期待できます。
また、Yahoo!ショッピングの商品データやストア情報などを活用すれば、広告作成・入稿の手間が少ないのも魅力です。
さらに、一度Yahoo!ショッピングで商品を閲覧したユーザーが別のWebサイトを訪問した際に、「見た商品+おすすめ商品」が表示される「リターゲティング」を配信できるため、接触機会が増えてコンバージョン率を高めることができます。
ソリューションパッケージ広告のデメリット
ソリューションパッケージ広告には、以下2つのデメリットがあります。
- Googleに広告を表示させる場合は審査がある
- リターゲティング広告は短期間では効果が出にくい
Google検索結果ページに広告を掲載する場合、Google広告の審査基準を満たしている必要があります。また、配信設定をしてから広告が表示されるまでに2日〜2週間程度のタイムラグが発生するため、扱いにくいと感じるかもしれません。
メリットとして紹介したリターゲティング広告も一方では、効果を感じるまでに時間がかかる場合があります。
ソリューションパッケージ広告を活用する際は、長期的な視野を持つことが重要です。
PRオプション
PRオプションは、Yahoo!ショッピングの検索結果でより上位に商品を表示させることを目的にスコアを上げるための料率です。
PRオプションの広告表示枠は主に次の2つです。
検索結果+カテゴリリスト画面
画像出典元:防災グッズ|Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングトップ+季節販促ページ
画像出典元:Yahoo!ショッピング
料率は1.0%〜30.0%の範囲で、0.1%刻みで設定ができ、料率に応じて商品の露出が増える仕組みです。
掲載枠がアイテムマッチ広告と似ていますが「クリック課金型」のアイテムマッチ広告に対し、PRオプションは商品が購入された時に費用が発生する「コンバージョン課金型」の広告である点が異なります。
広告費は「販売価格×料率(%)」のため、設定する料率により異なります。
PRオプションのメリット
PRオプションには次の3つのメリットがあります。
- 購入されない限り広告費がかからない
- 料率によって利用できる特典がある
- 一定の料率以上に設定するとターゲティング機能を利用できるようになる
商品が売れた時に広告費が発生するコンバージョン課金型のため、無駄な費用を抑えながら、安定した費用対効果のもとで広告運用を行えます。
また、設定した料率に応じて、Yahoo!プレミアム会員などの優良ユーザーに表示されやすくなる特典があります。
さらに、一定の料率以上に設定すると、広告配信先のターゲティングが可能です。より精度の高いターゲティングを行うことで、効率的な広告運用を実現できるでしょう。
PRオプションのデメリット
一方でPRオプションのデメリットは次の2つが挙げられます。
- 設定率によってコストが高くなる
- 料率を高くしたからといって必ず上位表示されるわけではない
広告費は、設定した料率に商品の販売価格をかけた金額になるため、売上が増加するほど費用が大きくなります。
また、料率を高く設定したからといって検索結果の上位表示が保証されるわけではないため、常に費用対効果をチェックしながら料率を見極めて運用しましょう。
Yahoo!ショッピングのおすすめ広告メニューと選び方
数あるYahoo!ショッピングの広告メニューの中から、目的別におすすめな広告を以下の項目に分けて解説します。
- 売上向上に必須なのは「PRオプション」
- 特定商品の売上拡大を狙うなら「アイテムマッチ広告」
- 認知度向上を狙うなら「バナー・テキスト広告」
- 新規流入増加を狙うには「ソリューションパッケージ広告」
- 特定のターゲットを狙うなら「YCA広告」
- ブランド認知を上げるなら「BSA広告」
順に解説します。
売上向上に必須なのは「PRオプション」
売上向上を目的とした広告運用には「PRオプション」が欠かせません。
上記「Yahoo!ショッピングの広告運用はなぜ重要なのか?」の見出しで、売上の方程式では「アクセス数が伸ばしやすい」とお伝えしました。
アクセス数を伸ばすためには、多くのユーザーの目に触れる機会を増やす必要があります。そのため、販売商品を上位表示させるにはPRオプションの活用がおすすめです。
PRオプションで料率を全商品一律で1%以上に設定すると、LYP(エルワイピー)プレミアム(※)会員のみに表示される価格の設定が可能です。
LYPプレミアム会員への認知度が上がれば、Yahoo!ショッピングの利用頻度が多い優良顧客を集めやすくなるため、長期的・安定的な売上アップや客単価アップが期待できます。
さらに料率1%以上に設定する特典として、マーケティングツールである「STORE’s R∞(ストアーズ・アールエイト)」が利用でき、ストアクリエイターProよりも細かい顧客分析やクーポン発行を利用して、顧客ニーズに合わせたマーケティングが行えます。
PRオプションは、商品購入時に広告費が発生するコンバージョン課金型のため費用対効果が悪くなりすぎる心配も少なく、料率の設定も簡単なため初心者でも売上を上げるために使いやすい広告といえるでしょう。
※LYPプレミアムとは、LINEヤフーが指定するLYPプレミアム会員向けサービスや特典をご利用いただける月額会員制サービスです。
特定商品の売上拡大を狙うなら「アイテムマッチ広告」
特定の商品を集中的に売上アップさせたい場合は「アイテムマッチ広告」がおすすめです。
アイテムマッチ広告は、カテゴリリストや検索ページの上部に、特定の商品を表示できるため、関連キーワードやカテゴリに興味のあるユーザーに絞って商品を認知させることができます。
たとえば、季節ものの商品や、新作の目玉商品などを露出の高い位置に表示して短期的な売上向上を図れる集客力の高い広告です。
また、アイテムマッチ広告は少額予算から始められるため、まずは少額で試してみて、効果を実感できたら徐々に予算を増やしていきましょう。
認知度向上を狙うなら「バナー・テキスト広告」
商品やストアの認知度向上を狙うなら幅広いユーザー層にアプローチできる「バナー・テキスト広告」がおすすめです。
バナー・テキスト広告は、Yahoo!ショッピングのトップページや商品ページなど、多くのユーザーの目に触れる場所に掲載できるため「5のつく日」や「超PayPay祭」など、Yahoo!ショッピングのキャンペーンやイベントにあわせて出稿することで、アクセス数の増加が期待できます。
ただし広告単価が高額のため、費用対効果を高めるためには、ポイント倍率を上げたり、クーポンを発行したりして購入意欲を高める施策を併用して行いましょう。
新規流入増加を狙うには「ソリューションパッケージ広告」
Yahoo!ショッピング以外からの新規流入増加を狙うには「ソリューションパッケージ広告」がおすすめです。
ソリューションパッケージ広告は、GoogleやYahoo!JAPANでの検索結果に広告が表示され、Yahoo!ショッピングに誘導できるため、Yahoo!ショッピング以外のユーザーへのアプローチにより新規流入の増加を見込めます。
また、リターゲティング機能を活用すれば、一度Yahoo!ショッピングの商品ページを閲覧したユーザーに対して再度広告を配信し、購買を促進できます。
入稿の手間も少ないので、Yahoo!ショッピングでのアクセス数がなかなか伸びず、新規顧客獲得に悩んでいる場合は、ソリューションパッケージ広告の活用を検討してみましょう。
特定のターゲットを狙うなら「YCA広告」
Yahoo!コマースアド(Yahoo Commerce Ads:YCA)広告とは、Yahoo!ショッピングのトップページや商品ページ、注文完了ページなどに広告が掲載されるディスプレイ広告です。
Yahoo!コマースアドは、Yahoo!プレミアム会員や、特定カテゴリに訪問したユーザーなど、細かくターゲティングの設定ができるのが特徴です。
他にも、競合ストアで購入したユーザーに対し広告配信を行う「競合ストア購買セグメント」や、ビッグデータからユーザーの購買を予測した広告を表示する「購買予兆モデル」などもあります。
しかし、Yahoo!コマースアドは、Yahoo!が認定した広告代理店「Yahoo! JAPANセールスパートナー(※)」経由でしか配信できないことや、広告のリンク先に自社サイトを設定できないことなど、配信方法に制限がありやや使いにくい印象があります。
また、Yahoo!コマースアドを活用した配信をしたい場合、手続きに10営業日以上の時間がかかることもあるため、自社商品を特定のターゲットに販売したい際に、スケジュールに余裕をもって依頼しましょう。
※出典:LINEヤフー for business|Yahoo! JAPAN セールスパートナー
ブランド認知を上げるなら「BSA広告」
ブランドサーチアド(BSA)広告は、検索結果のトップにバナーを掲載できるため、ブランド全体の認知度をあげることができる広告です。
バナーには画像の他にブランドのキャッチコピーを入れることができ、新商品や売れ筋商品を近くに表示できるため、ブランド訴求にあわせて購入も促すことが可能です。
広告費は、日数や掲載方法により異なりますが、最低でも掲載期間7日間で30万円以上〜と非常に高額です。
しかし、特定のキーワードで必ず上位に表示されるため、新商品発表の際や、季節のイベント時にブランドの認知を広げるチャンスのため積極的に活用を検討してみましょう。
Yahoo!ショッピングの広告運用で成果を上げる6つのポイント
ここまで、Yahoo!ショッピングにおける広告の種類や目的別におすすめな広告の活用法を解説しました。
では実際に、広告を活用して売上を向上するためにはどのような点に気をつけて運用すればいいのでしょうか。
ここからは、Yahoo!ショッピングの広告運用で成果を上げるためのポイントを次の6つに分けて解説します。
- KPIを立てる
- ターゲットを明確にする
- 商品が露出しているか確認する
- セール/イベント時に露出を強化する
- 効果レポートでCTRとROASを日々チェックする
- 単発で成果を期待しない
他にも、広告運用で成果を上げるには、Yahoo!ショッピングのイベントに合わせて広告出稿するのがおすすめです。そのためには、少なくとも3ヶ月前から準備をするようにしましょう。
1. KPIを立てる
ひとつ目の広告運用で成果を出すためのポイントは、KPIの設定です。
KPIを設定する際は、以下の項目を参考に検討し、広告を運用する目標や目的を明確にしましょう。
- 商品あたりの販売数
- 売上金額
- ROAS(費用対効果)
- 利益率
- 新規顧客獲得数
- ブランド認知度
- 検索順位
また、目標売上金額と転換率、客単価の実績値から導いた必要なアクセス数をKPIとすることも可能です。
たとえば、目標売上金額が月商500万円で、客単価が4,000円、転換率を4%とした場合、「売上=アクセス数×転換率×客単価」の公式にあてはめて計算すると必要なアクセス数は次のとおりです。
必要なアクセス数=500万円÷(4,000円×4%)=31,250件
KPIを設定し、目標までの達成状況の指標を明確にすれば、日々の広告運用を意識的に取り組めるでしょう。
2. ターゲットを明確にする
2つ目のポイントは、広告運用する際に「誰に届けたいのか」というターゲットを明確にすることです。
ターゲットを明確化することで、より効果的な広告配信が可能となり、費用対効果の向上につながります。
ターゲットを明確にするうえで必要なことは、自社商品を届けたいユーザー像を具体的にした「ペルソナ」の設定です。
ペルソナを設定する際には、以下のような項目を検討します。
ペルソナ | 属性 | 興味関心 | 購買行動 |
検討項目 | ・年齢 ・性別 ・居住地 ・職業 ・年収 ・家族構成など | ・趣味 ・ライフスタイル ・価値観 ・情報収集方法など | ・購買頻度 ・平均購入単価 ・購買場所 ・購買決定要因など |
これらの情報をもとに、以下の例のとおり具体的なペルソナ像を描いてみましょう。
ペルソナ | 属性 | 興味関心 | 購買行動 |
検討項目 | ・20代後半の女性 ・都内在住の会社員 | ・趣味 ・スキンケアやコスメに興味、関心がある ・Instagramで情報収集を行っている ・ネットショッピングを多用する | ・流行に敏感で新商品をよくチェックしている ・品質にこだわっている |
上記のようなペルソナを設定することで、広告先の選定や、ターゲットに響く広告デザインの制作が行いやすくなります。
3. 商品が露出しているか確認する
3つ目のポイントは、自社商品の露出具合の確認です。
広告を出稿したら、狙ったキーワードの検索結果に広告が露出されているか必ず確認をしましょう。
広告費をかけても、狙ったキーワードで広告が露出されなければ、購入に繋がりづらいためです。
確認する項目は以下の点を参考にしてください。
- 想定キーワードで自社商品が上位表示されているか
- 広告が表示される回数は想定どおりか
- 検索結果ページに表示される広告位置は適切か
もし狙いどおりに広告が露出されていない場合は、入札単価や料率を見直す必要があります。
また、活用する広告の種類や広告のデザインなども見直し、露出状況にあわせて改善を加えていきましょう。
4. セール/イベント時に露出を強化する
4つ目のポイントは、Yahoo!ショッピングで開催するセールやイベントの時期に広告の露出を多くすることです。
Yahoo!ショッピングでは「5のつく日」や「超PayPay祭」など、年間を通して数多くのセールやイベントが開催されています。
これらのイベント期間中は、多くのユーザーがYahoo!ショッピングに訪れ、購買意欲も高まるため、広告の露出を強化すれば高い広告効果が得られやすくなります。
セールやイベント時に認知度アップを狙うなら「バナー・テキスト広告」を強化してみましょう。また、お盆やクリスマスなど季節に特化した商品の強化をしたいなら「アイテムマッチ広告」を活用するなど、上記「Yahoo!ショッピングのおすすめ広告メニューと選び方」でも紹介したように、目的にあわせてさまざまな広告を試してみてください。
なお、セールやイベントを最大限活かすには、事前の計画と準備が重要です。年間のイベントスケジュールを確認し、余裕を持った計画と準備を行いましょう。
5. 効果レポートでCTRとROASを日々チェックする
5つ目のポイントは、効果レポートでCTR(クリック率)とROAS(費用対効果)を日々チェックすることです。
広告運用では、感覚的な判断ではなく、データに基づいて客観的に広告の効果を判断しましょう。そのためにはレポート画面から、CTR(クリック率)とROAS(費用対効果)を毎日チェックし、運用している広告の効果を分析することが重要です。
CTRの数値が悪い場合、アクセスが集まらず売上に貢献しない商品です。また、ある程度販売できている商品も、売上金額より広告費の方が高いとROASが悪く全体の売上には悪影響になります。
レポートを確認し思うような効果が出ていない場合は、その原因を突き止め、改善策を講じる必要があります。しかし、改善を続けても効果が出ない商品は、思い切って広告配信から除外しましょう。
6. 単発で成果を期待しない
6つ目のポイントは、単発で成果を期待しないことです。
Yahoo!ショッピングの広告運用で効果を出すためには、中長期的な視点で取り組むことが重要です。仮にすぐに広告の効果が出たとしても、その効果が長く続くとは限りません。
しかし、広告を長期的に活用することで、Yahoo!ショッピングで自社商品の評価が高まり、自然検索順位の向上につながるため、継続的に運用していきましょう。
また、広告運用で得られたデータは、今後のマーケティング戦略に活用できる貴重な成果です。CTR(クリック率)やROAS(費用対効果)を分析するためにも役立つため、中長期的に運用を行いデータを蓄積していきましょう。
Yahoo!ショッピング広告の成功事例
本記事をみてYahoo!ショッピングの広告運用のポイントはわかったけれど、具体的な事例をみないとイメージが湧かないという方に、Jagoo株式会社が支援している、「スマホフィルム」販売店がわずか半年で販売ランキングを10位から2位へと押し上げた、その戦略と施策をご紹介します。
成功の基盤となったのは、商品名やキャッチコピーの最適化、適切なLYP(最低販売価格)の設定など、基本的な要素の見直しでした。特に効果的だったのがMIM(メーカーアイテムマッチ)広告の活用です。
「型番種類×フィルム」を表す約300通りのキーワード(表記揺れを含む)を洗い出し、各キーワードに細やかなCPC(クリック単価)設定を行いました。
さらに、SEO対策としてプロモーションパッケージやPRオプションを駆使し、週次で順位を分析・調整しました。
これにより、早い段階でランキング4位まで上昇し、成長が鈍化したその後は、レビュー促進策やクーポン施策、YCA広告によるリターゲティング、BSA広告でのブランド認知度向上など、追加の施策を展開しました。
また、大型セールに合わせた値引き、CRM施策、サムネイル最適化、動画広告の活用なども並行して実施し、各広告は週次で詳細にチューニング、日次でCPC管理や予算調整を行いました。
その結果、半年で「スマホフィルム」カテゴリーのランキング2位を安定的に維持。
さらに、商品単体の平均ROASは月間320〜380%という高水準を保ち、利益を確保しながらマーケットシェアを大幅に拡大することに成功した成功事例になります。
広告運用以外の売上アップ施策
Yahoo!ショッピングで売上を伸ばすには、広告運用だけでなく、構築初期段階の施策も重要です。
特に次の3つのポイントを押さえて売上アップにつながる施策を検討してみましょう。
- 市場リサーチ
- 顧客リサーチ&製品コンセプトの決定
- 販売計画の設計
まずは、競合調査や顧客分析などの「市場リサーチ」を行います。市場のリサーチを行わないまま顧客ニーズのない商品を販売しても利益につながりにくくなります。
そのため、初期段階で市場のリサーチを行えば市場全体や顧客ニーズ、競合の状況を把握でき、顧客のニーズを満たす商品やサービスを提供できるのです。
次に、市場リサーチの結果を踏まえた顧客のリサーチと製品コンセプトの検討です。
自社商品を必要とするユーザー像(ペルソナ)を設定し、顧客のニーズを深く理解した上で、顧客に響く製品コンセプトを明確にしましょう。
最後に、価格設定や販売チャネル、プロモーション戦略などを具体的に検討し、販売計画を設計します。
売上目標達成のために、どのような戦略で販売活動を行っていくのか、具体的な道筋を立てていきましょう。
初期段階に戦略の策定を疎かにしてしまうと、後々、広告運用で成果が出ない可能性があるため、広告運用以外にも自社サイトの基盤をしっかりと構築していくことが、長期的な売上アップへとつながります。
より詳細な初期戦略は、以下のホワイトペーパーで解説しています。ぜひ参考にして、Yahoo!ショッピングの運営にお役立てください。
まとめ|Yahoo!ショッピングでは効果的に広告を活用して売上を伸ばそう
この記事では、Yahoo!ショッピング広告の種類や特徴、メリット・デメリット、そして成果を上げるための運用方法について解説してきました。
Yahoo!ショッピングで売上を向上させるには広告運用が効果的です。長期的に広告を活用し、店舗ページへのアクセス数が向上すれば、自然と売上を伸ばせます。
広告運用で成果をあげるには、自社商品に合った広告の選択が重要です。Yahoo!ショッピングで使えるさまざまな広告のメリットやデメリット、予算や運用のポイントをしっかりと把握してから運用してみましょう。
しかし、「どの広告を選べばいいのかわからない」「自社に最適な広告運用方法を知りたい」という方はぜひ、お気軽にジャグーにご相談ください。
ジャグー株式会社では、ECモールの豊富な経験と実績をもつコンサルタントが専門的なサポートを行っています。売上の改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売までを一気通貫したEC支援をご提供します。
Yahoo!ショッピングの広告に限らず、運営に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。