
Amazonの倉庫は日本全国に配送拠点として設置され、高度なシステム管理によって迅速な配送を実現しています。EC事業者はAmazonが提供する物流サービス「フルフィルメント by Amazon(以下、FBA)」を利用すると商品をAmazon倉庫にて保管でき、梱包・発送作業やカスタマーサービスを外注できます。
しかし、Amazonの倉庫が国内のどこにあるのか、なぜ商品を注文当日や翌日に届けられるのか、その仕組みを把握していない方も多いでしょう。FBAを利用するか自社で発送業務を行うかの判断も、多くのEC事業者が迷うポイントです。
そこで本記事では、2025年最新のAmazon倉庫一覧を記載し、迅速な配送を実現する仕組みや、今後の展望を含む最新情報をわかりやすく解説します。
FBAの概要や利用のメリット・デメリットも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
目次
Amazonの倉庫について
Amazonの倉庫は全国に物流・配送の拠点として設置され、高度なシステム管理によって迅速な配送を実現しています。Amazonは積極的に日本国内への投資を実施しており、2023年のAmazonの日本国内投資額は約1兆3000億円以上でした。日本国内への投資は主に物流拠点の新設に充てられています。
Amazon倉庫の種類
Amazonの倉庫には、フルフィルメントセンター(以下、FC)とデリバリーステーション(以下、DS)の2種類があります。FCとDSの高度な連携によって、翌日配送や置き配が可能になり、地域雇用の創出やドライバーの負担軽減にも繫がっています。
FCとDSの特徴をそれぞれ詳しく解説します。
フルフィルメントセンター(FC)
FCは全国に26箇所設置されています。Amazon物流の中枢であるFCは、取り扱い商品の入荷から梱包・出荷までを担い、商品の保管も行います。FCにはアマゾンロボティクス(Amazon Robotics)のような最先端のシステムが導入されており、最短・最速で購入者に商品が届けられるよう、物流工程が最適化されています。
デリバリーステーション(DS)
DSは全国に53箇所設置されています。FCで梱包された商品は全国各地のDSに送られ、仕分けられたのちに地域の担当ドライバーに引き渡されます。DSは近年次々と新設されており、置き配や翌日配送可能エリアが拡大しています。
FCとDSの連携イメージは下記図のとおりです。
このように、AmazonではFCとDSで役割を分け、高度に連携することによって物流の最適化を実現しています。

Amazon倉庫の3つの特徴

Amazonの倉庫には下記3つの特徴があります。それぞれ詳しく解説します。
1. 高度な自動化
2. 物流拠点が続々新設
3. FBAで利用可能
1. 高度な自動化
Amazonの倉庫は、他社の物流倉庫に類を見ない高度な自動化が進められています。
たとえば、従来商品のピッキング時には端末を持った従業員が保管棚へ移動していましたが、「アマゾンロボティクス(Amazon Robotics)」の導入によって「棚が人の元へ動く」ピッキングシステムを実現しました。アマゾンロボティクスでは「ドライブ(Drive)」と呼ばれるロボットが専用の商品棚を移動させます。2024年に新設された国内最大級のFCである相模原FCでは、約3,000台のドライブを運用しています。
ほかにも、下記のようなあらゆる作業工程が自動化されています。
- 入荷時の商品登録
- ピッキング商品の特定
- 注文情報の管理
- 梱包材の選定 など
ヒューマンエラーが起こりにくいよう、作業工程を徹底管理していることはAmazon倉庫の大きな特徴です。2025年以降はAIによる管理やさらなるロボット導入が進み、Amazon倉庫は物流革命を引き起こすと予想されています。
2. 物流拠点が続々新設
Amazonは日本国内への物流投資を進めており、2024年には15カ所のDSを新設しました。下記6県では初のDSとなり、置き配や翌日配送可能エリアが拡大しています。
- 茨城
- 新潟
- 三重
- 長崎
- 大分
- 鹿児島
3. FBAで利用可能
EC事業者はAmazonの物流サービスである「フルフィルメント by Amazon(FBA)」を利用すれば、日本各地のAmazon倉庫を利用できるようになります。FBAを利用すると下記の業務を外注でき、大幅な業務効率化が実現するでしょう。
- 受注
- 梱包
- 発送
- 商品保管
- カスタマーサービス
- 返品対応 など
FBAの利用イメージは下記図のとおりです。

画像出典元:フルフィルメントとは?|Amazon
Amazon倉庫は24時間365日出荷でき、自社で倉庫や梱包人員を抱えなくても済む点もメリットです。自社発送と組み合わせることも可能で、自社の物流業務最適化に貢献するでしょう。
下記の記事ではFBAの概要や、FBAを活用しながら利益を出すコツをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:Amazon FBAとは?儲からないは嘘?概要やメリット・黒字運営のポイントを徹底解説
楽天市場もFBAに類似した物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」を提供しています。楽天市場にも出店している方は、下記の記事も併せてご確認ください。
関連記事:楽天スーパーロジスティクスとは?料金体系や活用事例・最強翌日配送にも関わるメリットを解説
日本国内のAmazon倉庫の場所一覧
日本国内のAmazon倉庫の場所を、FCとDSに分けて一覧表で紹介します。
FCの場所一覧
FCは全国に26拠点設けられており、エリア別の拠点数は下記のとおりです。
エリア | 拠点数 |
関東エリア | 18 |
中部エリア | 1 |
近畿エリア | 6 |
九州・沖縄エリア | 1 |
合計 | 26 |
関東エリア
関東エリアには、18箇所のFCが設置されています。
名称 | 住所 | コード | |
千葉 | 千葉みなとFC | 〒261-0002 千葉県千葉市美浜区新港68番1 | QCB4 |
市川FC | 〒272-0127 千葉県市川市塩浜2-13-1 | NRT1 | |
八千代FC | 〒276-0022 千葉県八千代市上高野2036 | NRT2 | |
流山FC | 〒270-0107 千葉県流山市西深井字早稲田1603番地1 | QCB1 | |
埼玉 | 上尾FC | 〒362-0052 埼玉県上尾市大字中新井字前826-5 MCUD上尾 | TYO7 |
坂戸FC | 〒350-0259 埼玉県坂戸市西インター1-2-1DPL坂戸 | TYO6 | |
久喜FC | 〒346-0038 埼玉県久喜市上清久字桟敷1000番1 | TYO2 | |
川口FC | 〒332-0004 埼玉県川口市領家5-14-35 DPL川口領家 | TYO1 | |
川越FC | 〒350-1165 埼玉県川越市南台1-10-15 | NRT5 | |
狭山FC | 〒350-1301 埼玉県狭山市大字青柳915 | HND2 | |
狭山日高FC | 〒350-1328 埼玉県狭山市広瀬台4丁目5番 | TYO9 | |
狭山広瀬台FC | 〒350-1383 埼玉県狭山市広瀬台2丁目4-3 | QCB3 | |
川島FC | 〒350-0168 埼玉県比企郡川島町かわじま2-1-1 | HND3 | |
東京 | 青梅FC | 〒198-0025 東京都青梅市末広町2丁目9-14 Landport青梅Ⅲ | TYO4 |
神奈川 | 川崎FC | 〒213-8516 神奈川県川崎市高津区北見方3丁目14 | HND9 |
小田原FC | 〒250-0001 神奈川県小田原市扇町4-5-1 | FSZ1 | |
相模原FC | 〒252-5215 神奈川県相模原市中央区田名字白雨台3532-10 | TYO8 | |
相模湖FC | 〒252₋0244 神奈川県相模原市中央区田名字白雨台3532-13 | QCB5 |
また、東京都には仕分け拠点である八潮SC(ソートセンター)が設置されています。
名称 | 住所 | コード | |
東京 | 八潮SC | 〒140-0003 東京都品川区八東京レールゲート EAST 2階 | SCY6 |
中部エリア
中部エリアには、1箇所のFCが設置されています。
名称 | 住所 | コード | |
岐阜 | 多治見FC | 〒507-0071 岐阜県多治見市旭ヶ丘10-6-136 | NGO2 |
近畿エリア
近畿エリアには、6箇所のFCが設置されています。
名称 | 住所 | コード | |
京都 | 京田辺FC | 〒610-0342 京都府京田辺市松井宮田1 プロロジスパーク京田辺 | KIX5 |
大阪 | 堺FC | 〒590-0901 大阪府堺市堺区築港八幡町138-7 | KIX1 |
茨木FC | 〒567-0026 大阪府茨木市松下町2-1 | KIX3 | |
大東FC | 〒574-0073 大阪府大東市緑が丘2-1-1 | KIX2 | |
藤井寺FC | 〒583-0037 大阪府藤井寺市津堂4丁目435番地レッドウッド藤井寺 ディストリビューションセンター4階 | KIX4 | |
兵庫 | 尼崎FC | 〒660-0843 兵庫県尼崎市東海岸町20-1 ロジフロント尼崎Ⅱ | KIX6 |
九州・沖縄エリア
九州・沖縄エリアには、1箇所のFCが設置されています。
名称 | 住所 | コード | |
佐賀 | 鳥栖FC | 〒841-0005 佐賀県鳥栖市弥生が丘3-1-3 | HSG1 |
DSの場所一覧【2024年新設情報あり】
DSは全国に53拠点設けられており、エリア別の拠点数は下記のとおりです。
エリア | 拠点数 |
北海道・東北エリア | 5 |
関東エリア | 20 |
中部エリア | 8 |
近畿エリア | 7 |
中国・四国エリア | 6 |
九州・沖縄エリア | 7 |
合計 | 53 |
2024年には全国で15箇所のDSが新設されています。新設のDSには、「※2024年新設」と記載しています。
北海道・東北エリア
北海道・東北エリアには、5箇所のDSが設置されています。
名称 | 住所 | |
北海道 | 札幌DS | 〒007-0033 北海道札幌市東区東雁来13条3丁目1DPL21番シャッター |
秋田 | 秋田DS | 〒011-0911 秋田県秋田市飯島字古道下川端220-11 |
宮城 | 太白DS | 〒982-0003 宮城県仙台市太白区郡山6-7-20 DPL仙台長町2階 |
宮城DS※2024年新設 | 〒981-0123 宮城県宮城郡利府町沢乙白石沢32-72-73 | |
新潟 | 新潟南DS※2024年新設 | 〒950-1237 新潟市南区北田中518番地6 |
関東エリア
関東エリアには、20箇所のDSが設置されています。
名称 | 住所 | |
茨城 | 茨城つくばDS※2024年新設 | 〒305-0019 茨城県つくば市さくらの森25-2 LFつくば 1階 |
栃木 | 野木DS※2024年新設 | 〒329-0111 栃木県下都賀郡野木町丸林565-2 |
群馬 | 群馬前橋DS | 〒371-0854 群馬県前橋市大渡町一丁目10-11 |
埼玉 | 埼玉川口DS | 〒332-0004 埼玉県川口市領家4-9-37 MFLP川口3F-4F |
埼玉新座DS | 〒352-0004 埼玉新座市大和田3-2-16 エスロジーWest 3階 | |
埼玉戸田DS | 〒335-0026 埼玉県戸田市新曽南4-3-76 ESR戸田ディストリビューションセンター 1階 | |
埼玉三郷DS | 〒341-0042 埼玉県三郷市インター南三丁目4番1 DPL三郷Ⅱ 3階 | |
埼玉上尾DS | 〒362-0054 埼玉県上尾市堤崎420-1 Landport上尾Ⅱ 1階 | |
千葉 | 千葉成田DS | 〒286-0122 千葉県成田市大清水47-2 |
千葉船橋DS | 〒273-0012 千葉県船橋市浜町2-4-7 MFLP船橋Ⅲ 2階 | |
千葉四街道DS | 〒284-0038 千葉県四街道市たかおの杜10番1号 DPL千葉四街道Ⅰ1階 | |
東京 | 東京江東DS | 〒136-0075 東京都江東区新砂2-3-625-27 |
東京品川DS | 〒140-0003 東京都品川区八潮3-3-6 東京レールゲート EAST 1階 | |
東京大田DS※2024年新設 | 〒143-0006 東京都大田区平和島6-1-1 東京流通センター | |
東京町田DS | 〒194-0004 東京都町田市鶴間7-30-1横浜町田ICロジスティクスセンター 3F | |
東京府中DS | 〒183-0035 東京都府中市四谷5-23-62 DPL国立府中 5階 | |
神奈川 | 神奈川平塚DS | 〒254-0012 神奈川県平塚市大神559-1DPL平塚1階 |
横浜鶴見DS | 〒230-0052 神奈川県横浜市鶴見区生麦2丁目2−26 GLP横浜 西棟3F | |
横浜都筑DS | 〒244-0044 神奈川県横浜市都筑区川向町412 DPL新横浜Ⅰ 5階 | |
横浜戸塚DS | 〒244-0003 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町775 |
中部エリア
中部エリアには、8箇所のDSが設置されています。
名称 | 住所 | |
静岡 | 静岡駿河DS※2024年新設 | 〒422-8022 静岡市駿河区恩田原5-1 |
浜松DS※2024年新設 | 〒431-0212 静岡県浜松市中央区舞阪町長十新田300-2 | |
袋井DS※2024年新設 | 〒437-0064 静岡県袋井市川井1408-1 | |
愛知 | 中村DS※2024年新設 | 〒453-0862 愛知県名古屋市中村区岩塚町高道1 ロジポート名古屋 A棟2階 |
中川DS | 〒454-0907 愛知県名古屋市中川区柳田町2丁目27 | |
笠寺DS | 〒457-0833 愛知県名古屋市東又兵ヱ町1-57-2 ロジクロス名古屋笠寺 | |
愛知一宮DS※2024年新設 | 〒491-0361 愛知県一宮市萩原町林野鷺宮52-1 T-LOGI 一宮 2F | |
三重 | 津DS※2024年新設 | 〒514-0821 三重県津市垂水 字下境915-1 |
近畿エリア
近畿エリアには、7箇所のDSが設置されています。
名称 | 住所 | |
大阪 | 大阪枚方DS | 〒573-1153 大阪府枚方市招提大谷2丁目1208-11 枚方Ⅱロジスティクスセンター |
大阪茨木DS※2024年新設 | 〒567-0878 大阪府茨木市蔵垣内1丁目3番26号 LOGI’Q南茨木2階 E201-E202区画 | |
大阪住之江DS | 〒559-0033 大阪府大阪市住之江区南港中1丁目4-130 ロジポート大阪ベイ | |
大阪堺DS | 〒592-8331 大阪府堺市西区築港新町2-7-9 ロジポート堺 | |
奈良 | 奈良天理DS | 〒632-0084 奈良県天理市嘉幡町146-5 |
兵庫 | 兵庫尼崎DS | 〒660-0094 兵庫県尼崎市末広町1-5-1 |
神戸長田DS | 〒653-0045 兵庫県神戸市長田区駒ケ林南町10-1 神戸長田物流センター西棟 1F |
中国・四国エリア
中国・四国エリアには、6箇所のDSが設置されています。
名称 | 住所 | |
岡山 | 岡山北DS | 〒701-0144 岡山県岡山市北区久米192 |
広島 | 佐伯DS | 〒731-5109 広島県広島市佐伯区石内北4丁目4-3 |
徳島 | 徳島DS | 〒770-0873 徳島県徳島市東沖洲2丁目41-6 |
高知 | 高知DS | 〒780-0026 高知県高知市秦南町1丁目8-40 |
愛媛 | 松山DS | 〒799-2651 愛媛県松山市堀江町2082丁目7 |
香川 | 高松DS | 〒760-0064 香川県高松市朝日新町23-19 |
九州・沖縄エリア
九州・沖縄エリアには、7箇所のDSが設置されています。
名称 | 住所 | |
福岡 | 吉塚DS | 〒812-0041 福岡市博多区吉塚8丁目4-48 初村第一倉庫 |
筑紫野DS | 〒818-0046 福岡県筑紫野市古賀329番地22 メープルツリー筑紫野ロジスティクスセンター1F | |
熊本 | 熊本DS | 〒862-0967 熊本県熊本市南区流通団地1丁目66 |
長崎 | 長崎DS※2024年新設 | 〒850-0078 長崎県長崎市神ノ島町1丁目331⁻25 |
鹿児島 | 鹿児島DS※2024年新設 | 〒891-0122 鹿児島県鹿児島市南栄4丁目19 |
大分 | 大分DS※2024年新設 | 〒870-0018 大分県大分市豊海3丁目9−8 |
沖縄 | 沖縄豊見城DS | 〒901-0224 沖縄県豊見城市字与根西原50番110 DPL沖縄豊見城Ⅰ(2階) |
Amazon倉庫(FBA)を活用する5つのメリット

FBAを利用して全国のAmazon倉庫を活用すると、下記5つのメリットが得られます。それぞれ詳しく紹介します。
1. 1商品からでも利用できる
2. Amazonプライム対象商品になる
3. 従量課金制で初期コストを抑えられる
4. Amazon以外のECサイトで売れた商品も預けられる
5. バックエンド業務の効率化を図れる
1. 1商品からでも利用できる
FBAは1商品からでも利用可能です。EC事業者向けの物流サービスは数多くありますが、取扱商品の最低数が設けられているものも多く、商品数が少ない事業者にとっては利用しづらいことがあります。
特に小規模事業者や開業したばかりの事業者にとっては、FBAは有力な選択肢の1つとなるでしょう。
2. Amazonプライム対象商品になる
FBAを利用している商品はAmazonプライムの対象となります。プライム会員の購入者は送料無料で迅速に商品を受け取れるため、対象商品は選ばれやすくなります。
プライム対象商品であることがひと目でわかるよう表示される点も、購入者の目に止まりやすくなるため大きなメリットです。
3. 従量課金制で初期コストを抑えられる
FBAの料金は発送数や商品サイズ、保管期間などによって決定されます。利用した分だけ請求される従量課金制なので、Amazonに出品したばかりで荷物量が少ない場合でも、初期コストを抑えて利用できます。
4. Amazon以外のECサイトで売れた商品も預けられる
FBAでは、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、他のECサイトで売れた商品の在庫管理や発送処理も任せられます。ただし、他ECサイトで売れた商品の場合、カスタマーサービスは利用できない点に注意が必要です。
ECサイトごとに出荷プロセスを分ける必要がないため、複数サイト展開もしやすくなるでしょう。複数サイト展開はECサイト運営で成功するためには必須の施策です。複数サイト展開を進めたいが忙しすぎて手が回らない方や、どのECサイトから展開すべきか迷っている方は、EC支援の経験が豊富なジャグー社にぜひご相談ください。

5. バックエンド業務の効率化を図れる
FBAの利用は、バックエンド業務の効率化につながります。梱包や発送業務を内製化する場合、作業人員はもちろん、作業スペースや倉庫の確保も必要です。物流業務を外注すれば、大幅なコスト削減と効率化が可能になるでしょう。
外注して浮いたリソースは、商品開発や販路開拓などの基幹業務に充てられます。日々の業務に追われず、事業規模を拡大する動きに集中できるようになるでしょう。
Amazon倉庫(FBA)を利用する際の8つの注意点
Amazon倉庫(FBA)を利用する際には、注意しておきたいポイントもあります。下記8つの注意点を詳しく解説します。
1. 利用するAmazon倉庫の指定はできない
2. 配送代行手数料以外にも手数料がかかる項目がある
3. 社内に物流ノウハウが蓄積されない
4. 指定の商品サイズに収まるかを確認する
5. 返品商品を放置しないようにする
6. ルールを守って納品する
7. FBA禁止商品がある
8. メール便やネコポスでの納品はできない
1. 利用するAmazon倉庫の指定はできない
FBAを利用する際、EC事業者側から商品を納品するFCや、購入者への配送時に利用するDSの指定はできません。利用するAmazon倉庫は、最も効率よく最短で購入者へ商品を届けられるよう振り分けられます。したがって、Amazon倉庫の指定ができないことを心配する必要はありません。
2. 配送代行手数料以外にも手数料がかかる項目がある
FBAの手数料には、利用時に発生する「配送代行手数料」や商品を保管してもらうための「在庫保管手数料」などがあります。ほかにも、利用状況によって下記の手数料が発生する可能性があります。
- 長期在庫保管手数料:長期間倉庫に商品を預けたままにしていると発生
- 返送/所有権の放棄手数料:売れない商品を自社に返品してもらったり、廃棄してもらったりする際に発生
- 納品不備受領作業手数料:入荷時のルール(ラベル貼り付けや段ボールの使用方法など)が守られていないと発生
上記の手数料はFBAを適切に運用していれば発生を最小限に抑えられます。事前に手数料の内容を把握し、余計なコストがかからないようにしましょう。
3. 社内に物流ノウハウが蓄積されない
FBAを利用すると、物流業務をすべてAmazonにアウトソースすることになるため、社内から物流に関するノウハウが失われます。手数料が支払えないなどの理由から再度内製化しようとしても、倉庫の確保や人材育成などのハードルがあります。
FBAの利用継続が難しく、かつ物流業務の内製化も困難となるとEC事業が回らなくなってしまいます。無駄な手数料を発生させないなど、コスト管理はしっかりと行いましょう。
また、カスタマーサービスをアウトソースすると顧客とのコミュニケーションの機会も減少するため、顧客が抱えている不満や潜在的なニーズをすくい上げにくくなります。商品レビューをこまめにチェックし、顧客の声を把握するようにしましょう。
4. 指定の商品サイズに収まるかを確認する
FBAには小型から特大型までの4つのサイズ区分があり、指定サイズ内に納める必要があります。たとえば標準サイズの場合、重量が9kg以下かつ下記の範囲に商品サイズを収めなければならず、サイズが上がると料金もあがってしまいます。
- 45cm(最長辺)
- 35cm(中間辺)
- 20cm(最短辺)
各サイズ区分の詳細は下記の図を参考にしてください。

画像引用元:商品サイズ区分|amazon seller central
大型と特大型の違いは下記のとおりです。
- 大型:3辺(長さ、幅、高さ)の合計が200cm以下、重量が40kg以下
- 特大型:3辺の合計が260cm以下、重量が50kg以下
特大型を超えるサイズの商品の場合、FBAの利用はできません。また、特大型では商品ラベル貼付サービスやお届け日時指定など、FBAの一部機能が制限されます。
5. 返品商品を放置しないようにする
FBAでは、購入者から返品があった場合の対応を原則任せられます。購入者から返品があった場合は、返品理由と商品の状態を必ず確認しましょう。
返品された商品が不良品であったり、破損があったりするとFBAでの再販が不可能となります。その場合、Amazon倉庫から商品を返送してもらうか、所有権放棄申請をする必要があります。
Amazonからの販売不可通知が届いてから30日以内に返送/所有権の放棄申請を行わないと、商品が廃棄されてしまう場合があります。販売不可商品に対して都度対応するのが面倒な場合は、自動で返送もしくは所有権放棄できるよう設定することも可能です。
6. ルールを守って納品する
Amazon倉庫への納品は出品者自身で行う必要があります。Amazonが定める納品ルールが守られていないと、受領不可となり、手数料が発生することもあるため注意が必要です。
受領不可となるケースには下記があげられます。
- 段ボールに破損や汚れがある
- 複数の段ボールを組み合わせて梱包している
- 段ボールの強度が不足している(使い回しの段ボールや麻袋での納品)
- メーカーのロゴ、商品名、数量などが記載されていない など
また、使用する緩衝材にも指定があります。利用可能な緩衝材は下記のとおりです。
- クッション
- エアキャップ
- 紙
紙シュレッダーや皺加工ラップは利用できません。
7. FBA禁止商品がある
FBAを利用しての販売が禁止されている商品があります。代表的な禁止商品は下記の表を参考にしてください。
禁止商品 | 詳細 |
日本の規格および法律を満たしていない商品 | 日本語ラベルの貼り付けがない海外化粧品など |
動植物 | 死亡しているものを含む。植物の場合、種子を含む。 |
室温で保管できない商品 | 冷蔵・冷凍品など |
危険物および化学製品 | 化学物質、爆発物など |
医療機器 | 家庭用電気マッサージ器や義歯床安定用糊材など、厚生労働省によって一般家庭への販売が認められている家庭用医療機器は可 |
ほかにも、販売に必要な許可・届出を取得していない商品や、医薬品、金券類、硬貨などが該当します。詳細はFBA禁止商品(Amazon)のページから確認できます。
8. メール便やネコポスでの納品はできない
FBAでは、メール便やネコポスを利用しての商品納品はできません。配送会社別の禁止されている配送方法は下記の表のとおりです。
配送会社 | 禁止されている配送方法 |
日本郵便 | レターパックライト(レターパックプラスは可)、クリックポスト、ゆうメール |
ヤマト運輸 | ネコポス、クロネコDM便 |
佐川急便 | 飛脚メール便 |
また、Amazon倉庫への直接の持ち込みなど、配送会社以外を利用しての納品も認められません。
まとめ|Amazon倉庫を活用して業務効率化!
Amazonは全国に配送拠点として倉庫を整備し、置き配や翌日配送など、便利な物流サービスを提供しています。EC事業者はFBAを活用すれば、Amazonの高度な物流システムを利用できます。配送スピードの速さは商品購入の後押しとなるため、FBAでAmazon倉庫を活用すれば、より顧客から選ばれやすくなるでしょう。
FBAの利用には各種手数料がかかります。FBAを利用してもなお十分な利益を確保するためには、FBAコストの最適化はもちろん、Amazonでの売上そのものを拡大していく必要があるでしょう。
Amazonでの商品販売戦略を描くのが難しい方や、Amazonも含めたECモール事業全般のサポートが必要な方は、ぜひEC事業支援の経験が豊富なジャグー社にご相談ください。
