【2025年】楽天の違反点数制度とは?違反行為一覧から通知への対応方法まで解説

楽天市場の違反点数制度は、出店者の違反行為に対して点数が加算されていき、合計点数によってペナルティが科されるという制度です。楽天の健全な市場維持のためのルールであり「知らなかった」では済まされません。

しかし、

「日々の業務に追われ、気づかぬうちに違反をしていないか不安……」

「もし違反通知が来たら、どのように対応すればいいの?」

と悩まれている担当者様も多いのではないでしょうか。

本記事では、楽天市場の違反点数制度について、基本的な概要から担当者別・重大度別に解説しています。違反を未然に防ぐチェックリストや万が一通知が来た際の対応マニュアルまで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

長年楽天市場の支援を行ってきたからこそ解説できる対策も載っていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

  \圧倒的な支援実績からピックアップ/

代表取締役米原広兼

監修者
米原 広兼

ジャグー株式会社 代表取締役

新卒で楽天グループ株式会社に入社し、ECコンサルタントとして
SOY(Shop of the Year)受賞店舗をはじめ多数の上位店舗を支援。

約2万人の社員の中から「楽天賞MVP」を受賞するなど、
高い実績と評価を獲得。
その後、大手企業のEC支援を行うコンサルティング会社を経て、
2020年にEC専門支援会社「ジャグー株式会社」を設立。
楽天市場やAmazonなど複数モールにおける売上拡大・運用最適化を総合的に支援している。

また、グループ会社にて自らもAmazonでの販売事業を展開。
自社ブランド製品はAmazonで「Amazonおすすめ」を多数獲得し、
販売開始から1年で月商1,000万円を突破するなど、売り手としても豊富な実績を持つ。

目次

楽天の違反点数制度とは?

楽天の違反点数制度とは、楽天市場に出店している店舗がガイドラインに違反した場合に、違反の内容に応じて所定の点数が加算される制度です。

違反行為によって点数は異なり、年間の累計点数に応じてさまざまな措置が取られます。

違反点数制度はすべてのユーザーが安心・安全に買い物を楽しめる環境のために設けられており、出店者にはルールを遵守した健全な店舗運営が求められます。

違反点数制度ができた背景

楽天の違反点数制度は、2016年9月1日から施行されています。

制度が導入された目的は、一部の不適切な店舗運営によって市場全体の信頼性が損なわれることを防ぎ、ユーザーが安心してショッピングを楽しめる、健全なプラットフォーム環境を維持することです。

出店者が共通のルールを守れば結果的に市場が活性化し、各店舗の売上向上にもつながるという考え方が根本にあります。

楽天の違反点数制度の仕組み

違反点数制度は交通違反の点数制度と同様の累計方式を採用しています。

ガイドラインで定められた違反行為ごとに点数が設定されており、違反が発覚すると店舗に点数が加算される方式です。

累計点数は毎年1月1日に自動的にリセットされます。1年間の累計点数が一定の基準に達すると、点数のレベルに応じたペナルティが課される仕組みになっています。

違反点数を超えるとどうなる?

違反レベル累計違反点数主なペナルティ内容違約金
レベルⅠ35点・ランキング掲載制限(7日間)
・検索表示順位ダウン(7日間)
・一部媒体掲載制限(7日間)

・講習受講義務
なし
レベルⅡ55点・ランキング掲載制限(14日間)
・検索表示順位ダウン(14日間)
・一部媒体掲載制限(14日間)
・一時改装中処理(7日間)

・講習受講義務
なし
レベルⅢ75点・ランキング掲載制限(28日間)
・検索表示順位ダウン(28日間)
・一部媒体掲載制限(28日間)
・一時改装中処理(14日間)

・講習受講義務
70万円
レベルⅣ80点・ランキング掲載制限(56日間)
・検索表示順位ダウン(56日間)
・一部媒体掲載制限(56日間)
・一時改装中処理(28日間)

・講習受講義務
140万円
レベルⅤ100点・原則、契約解除(強制退店)

※出店継続判断がなされた場合でも上記レベルⅣに準ずる制限あり
300万円

年間の累計違反点数が35点に達すると、最初のペナルティである「違反レベルⅠ」が適用されます。

具体的には「7日間の楽天内ランキングへの掲載制限や検索順位のダウン」「一部媒体への掲載制限」などの措置が取られ、さらにWeb講習の受講も必要です。

点数がさらに累積し、違反レベルが上がるにつれてペナルティは重くなります。

違約金の支払いが義務付けられたり、最終的には契約解除、つまり「強制退店」という最も厳しい措置が取られたりする場合もあるのです。

楽天の違反点数制度の遵守が重要な理由

楽天の違反点数制度の遵守が重要な理由は以下の3点です。

  • 検索順位ダウンや広告停止による売上機会の損失を避ける
  • 違約金や対策工数によるキャッシュフロー圧迫を防ぐ
  • 信頼喪失による顧客離反とブランドイメージの低下を避ける

順に解説します。

検索順位ダウンや広告停止による売上機会の損失を避ける

ペナルティを受けると、楽天内での検索表示順位が意図的に下げられたり、一部媒体への掲載が制限されたりする措置が取られます。

たとえば、違反レベルⅠでは7日間、レベルⅡでは14日間、ランキングや検索結果での露出が大幅に低下します。

露出の低下はアクセス数の減少に直結し、売上の機会損失は避けられません

特に常に上位表示を実現できている店舗ほど、露出低下による影響は甚大です。違反対策を徹底し、売上の維持と成長を妨げないようにしましょう。

楽天の検索順位対策(SEO)については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せて確認してみてください。

関連記事:【2025年】楽天SEOとは?知っておくべきルールや具体的な対策10選を徹底解説!

違約金や対策工数によるキャッシュフロー圧迫を防ぐ

違反点数が累積し、違反レベルⅢに達すると70万円、レベルⅣでは140万円、そしてレベルⅤでは300万円もの高額な違約金が請求される場合があります。

違約金の支払いは店舗の利益を圧迫し、キャッシュフローを悪化させる要因となり得ます

さらに違反が発覚した際には、楽天からの修正依頼通知に応じて、定められた期日までに違反箇所の修正や再発防止策の策定、報告が必要です。

対応には担当者のリソースが割かれるため、本来注力すべき売上向上のための施策が停滞するリスクも無視できません。

信頼喪失による顧客離反とブランドイメージの低下を避ける

ペナルティの措置には「一時改装中処理」というものもあります。

たとえばレベルⅡでは7日間、店舗ページにアクセスしたユーザーに対して「店舗改装中」と表示され、商品の閲覧や購入が一切できません。

場合によっては、商品ページ自体が非表示となる「販売停止」措置が取られます。販売停止の場合、購入を検討していたユーザーに不信感を与え、店舗の信頼性を低下させてしまうでしょう。

一度失った信頼を回復するのは簡単ではありません。違反は、長期的な顧客離反やブランドイメージの悪化につながる恐れがあるのです。

違反発生からペナルティ実施までの流れ

ガイドラインに抵触し、ペナルティが実施されるまでの流れは、主に以下のとおりです。

順序概要
1.楽天による違反行為の確認楽天のシステムや担当部署が、ガイドラインに違反する可能性のある行為を検知・確認
2.店舗への修正対応依頼の通知違反が確認されると、RMS(店舗運営システム)経由で店舗に対し、具体的な指摘内容と修正を依頼する通知が送られる
3.店舗からの報告と楽天の最終判断店舗は、指定された期限内に指摘箇所を修正し、対応内容を楽天に報告します。楽天はその報告内容を基に最終的な判断を下す
4.違反レベルとペナルティ内容の確定通知期限内に適切な対応がなされなかった場合や、違反内容が重大であると判断された場合に違反が確定し、適用される違反レベルとペナルティ内容が正式に通知される
5.ペナルティの実施と違約金の請求通知内容に基づき、検索順位ダウンや違約金の請求といったペナルティが実施される

万が一ペナルティを受けることになっても焦らず対応できるよう、流れを把握しておきましょう。

楽天の違反点数制度で注意するべき3つのポイント

楽天の違反点数制度で注意するべきポイントは以下の3点です。

  1. 販売してはいけない「禁止商材」がある
  2. 「事前審査」が必要な商材がある
  3. 販促時には「禁止行為」に気をつける

順に解説します。

1.販売してはいけない「禁止商材」がある

カテゴリ具体例
法令違反品銃刀法違反商品、麻薬、医療用医薬品、盗品など
公序良俗に反するもの児童ポルノ、過度にわいせつな商品、盗聴・盗撮機器など
権利侵害品偽ブランド品、海賊版ソフト、有名人の画像を無断使用した商品など
その他個人情報(名簿など)、タバコ、現金、宝くじなど

楽天市場では法律で所持や販売が禁止されている商品はもちろん、楽天が独自に不適切と判断した商材の販売を固く禁じています

上記のような禁止商材の出品は違反点数が高く設定されており「知らなかった」では済まされません。

自社で取り扱う商品が該当しないか常に出品前に確認するようにしましょう。

2.「事前審査」が必要な商材がある

以下のような特定のカテゴリーは、販売前に楽天による「商材追加審査」を実施する必要があります。

  • 中古品
  • ブランド品
  • 化粧品
  • 酒類
  • 健康食品
  • 医薬品
  • 医療機器

審査を経ずに販売を開始すると、その行為自体が違反となり、35点という高いペナルティの対象となります

また、おせち料理セットや自社ブランドのノベルティ品、定額課金を伴う電子機器なども事前の審査が必要です。新しいジャンルの商品を取り扱う際は、まず審査が必要かどうかを確認しておきましょう。

3.販促時には「禁止行為」に気をつける

売上向上のために行う販促活動にも、楽天市場のガイドラインで禁止されている行為が多数存在します。

良かれと思って実施した施策が、意図せず違反となってしまうケースも少なくありません。

特に、ユーザーのレビューや外部サイトへの誘導に関するルールは厳しく定められているため、キャンペーンの企画時には事前にルールを再確認しておくことが重要です。

楽天の違反行為チェックリスト

楽天市場の違反行為を商品ページ・施策・顧客対応ごとにまとめました。

商品ページに関する違反行為
□ 不当な二重表示価格
□ 検索順位を不要に操作するディレクトリ・タグ設定
□ 薬機法違反の商品説明
□ 無断での画像・テキスト転載
施策に関する違反行為
□ レビュー投稿を条件とした特典付与
□ 外部リンク・SNSへの不適切な誘導
□ 店舗関係者によるレビュー投稿
顧客対応に関する違反行為
□ 問い合わせ対応の遅延による連絡困難
□ 発注ミスによる個人情報漏洩
□ 管理不足による在庫切れ
□ 架空注文の発生

各違反行為について順に解説します。

商品ページに関する違反行為

商品ページに関する違反行為は以下の4つです。

  • 不当な二重価格表示
  • 検索順位を不当に操作するディレクトリ・タグ設定
  • 薬機法違反の商品説明
  • 無断での画像・テキスト転載

順に解説します。

不当な二重価格表示

「通常価格10,000円→セール価格5,000円」のように、過去の販売実績がない価格を「通常価格」として表示し、不当に割引率を高く見せかける行為は禁止されています。

景品表示法の「有利誤認表示」にあたる重大な違反であり、ペナルティの対象です。

二重価格表示を行う際は、ガイドラインで定められた期間や条件での販売実績など、比較対照となる価格に正当な根拠が必ず必要です。不当な二重価格表示には、20点の違反点数が設定されています。

検索順位を不当に操作するディレクトリ・タグ設定

アクセス数を増やしたいあまり、商品と無関係なブランド名や人気キーワードを商品説明文に含めたり、不適切なディレクトリやタグに商品を登録したりする行為は検索スパムと見なされます。

不当な操作は、ユーザーの利便性を損なうだけでなく市場の公正な競争を阻害するため、ペナルティの対象とされているのです。

商品に関連する、正確な情報のみを登録するように徹底しましょう。

薬機法違反の商品説明

化粧品や健康食品、美容家電などを販売する際に「シミが消える」「必ず痩せる」など、商品の効果効能を断定的に謳う表現は、薬機法に抵触する可能性があります。

薬機法とは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律です。

特に医薬品や医療機器と誤認されるような「効果効能」を記載した商品説明は、法律違反となるリスクがあるため、表現には細心の注意が必要となります。

無断での画像・テキスト転載

他店舗の商品画像や商品説明文、メーカー公式サイトのコンテンツなどを、許可なくコピーして自店舗の商品ページに使用する行為は著作権や肖像権の侵害にあたります。

楽天市場の規約違反であると同時に、法的なトラブルに発展する可能性もあるため注意しましょう。

使用する画像やテキストは必ず自社で作成するか、正当な権利者から使用許諾を得たものに限定しなくてはなりません。

著作権や商標権などを侵害する表記が見つかった場合、35点の違反点数が加算されます。

施策に関する違反行為

施策に関する違反行為は以下の3つです。

  • レビュー投稿を条件とした特典付与
  • 外部リンク・SNSへの不適切な誘導
  • 店舗関係者によるレビュー投稿

順に解説します。

レビュー投稿を条件とした特典付与

「レビューを書いてくれたら送料無料」「レビュー投稿で次回使えるクーポンプレゼント」など、レビュー投稿を交換条件とした特典の提供は、原則禁止とされています。

この行為は、レビューの公正性や信頼性を損なう「サクラレビュー」を助長すると見なされるためです。この違反には35点という高い点数が設定されています。

関連記事:【2025年最新】楽天レビューを増やすには?5件から2,000件を達成した事例も紹介

外部リンク・SNSへの不適切な誘導

楽天市場内で自社の公式ECサイトやSNSアカウントへユーザーを誘導し、購入を促す行為は禁じられています。

商品ページやメールマガジンに、楽天市場が許可していない外部リンクの設置はできません

URLを直接記載せず、外部サイト名で検索を促すような場合も違反と判断される場合があるため注意しましょう。この違反にも35点の点数が科されます。

楽天市場内でSNSを活用する方法は、以下の記事で詳しく解説していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

関連記事:楽天市場のR-SNSとは?Instagram(インスタグラム)やLINEの活用方法も具体的に解説!

店舗関係者によるレビュー投稿

店舗の経営者や従業員、その家族や友人、業務委託先のスタッフなどが、自店舗の商品にレビューを投稿する行為は「なりすまし」と見なされており、ペナルティの対象です。

店舗関係者によるレビュー投稿は「自作自演」の不当な評価操作であり、発覚した場合には80点という高い違反点数が加算されます。

顧客対応に関する違反行為

顧客対応に関する違反行為は以下の4つです。

  • 問い合わせ対応の遅延による連絡困難
  • 発送ミスによる個人情報漏洩
  • 管理不足による在庫切れ
  • 架空注文の発生

順に解説します。

問い合わせ対応の遅延による連絡困難

ユーザーや楽天から寄せられた問い合わせに対し、正当な理由なく返信が遅れたり、複数回連絡してもつながらなかったりすると、「連絡困難」と判断されペナルティが科されます

原則として3営業日以内の返信が求められており、対応が遅れた場合に加算される違反点数は5点です。

発送ミスによる個人情報漏洩

商品を発送する際に、別のユーザーの注文に関する納品書や明細書を誤って同梱してしまうミスは、個人情報の漏洩という違反行為にあたります

ユーザーからの信頼を損なうだけでなく、15点という違反点数が加算されるため、発送作業時のダブルチェック体制を徹底するなど、人為的ミスを防ぐ仕組み作りが不可欠です。

管理不足による在庫切れ

在庫がないにもかかわらず、商品ページを「在庫あり」のまま放置し、注文を受けた後に店舗都合で一方的にキャンセルする行為は、ペナルティの対象となります。

在庫切れは、在庫管理システムとの連携ミスや、手動更新の漏れなどが原因で発生しやすく、ユーザーに多大な迷惑をかけてしまいます。

キャンセル1件あたりの加算点数は1点ですが、キャンセルが積み重なると累計点数にも影響が出るため、日頃から在庫状況の確認を怠らないようにしておきましょう。

架空注文の発生

「架空注文」は、ランキング操作や売上実績の水増しを目的として、店舗関係者が意図的に注文を入れる行為です。

架空注文は市場の公正性を害する悪質な行為として禁止されています。

80点という高い違反点数が設定されている行為であるため、絶対に行わないようにしましょう。

また、店舗のオペレーションテストなどの目的で行う「テスト注文」も、実施後は必ずキャンセル処理を行う必要があります。処理を忘れると架空注文と見なされる可能性があるため注意が必要です。

【重大度別】楽天の違反行為と罰則点数の一覧

楽天の違反行為を罰則点数別に整理して紹介します。

  • 【100点】即・契約解除レベルの重大な違反
  • 【80点】多額の違約金が発生するリスクの高い違反
  • 【35点】累積によりレベルアップしやすい要注意な違反
  • 【20点以下】日々の注意が必要な違反

【100点】即・契約解除レベルの重大な違反

100点の違反は、一回で強制退店の基準に達する最も重大なレベルです。法令に違反する行為や、楽天市場自体のの信頼を揺るがす行為が含まれます。

違反による加点禁止商材禁止行為
100点■法令で販売・所持が規制されているもの
・銃刀法違反商品
・麻薬全般
・人体、臓器、細胞、血液
・薬機法上「指定薬物」に指定されている成分を含有する商品

■公序良俗・危険ドラッグ

■青少年の保護育成上好ましくないもの
・児童ポルノ作品

■他人の権利・利益を侵害する可能性のあるもの
・権利侵害品
■楽天運営が不適当と判断した行為
・商取引以外を目的とする出店(楽天運営が認めた場合を除く)

(出典:楽天市場「違反点数制度に関するガイドライン」)

【80点】多額の違約金が発生するリスクの高い違反

80点の違反は、一度で違反レベルⅣに達し、多額の違約金が発生する可能性が高い行為です。主に、市場の公正性を害する不正行為が該当します。

違反による加点禁止商材禁止行為
80点■法令で販売・所持が規制されているもの
・偽造文書等
・密猟された動植物、販売禁止鳥獣
・犯罪行為により取得された商品
・宝くじ、富くじ、公営競技投票券、スポーツ振興くじ
・医薬品成分入健康食品、医薬品成分入り化粧品
・高度管理医療機器としての承認を得ていないコンタクトレンズ
■法令・公序良俗に反する行為
・詐欺的な行為
・脅迫行為
・重大な個人情報漏洩

■法令・公序良俗に反する行為
・景表法違反(おとり表示)

■レビューに関する禁止行為
・店舗関係者によるレビューの投稿
・レビュー記載の強要

■決済に関する禁止行為
・楽天市場決済基本規約違反
・楽天ペイ(楽天市場決済)の適正な運用を阻害するおそれのある行為

■不正なシステム利用
・架空注文

■楽天運営が不適当と判断した行為
・楽天ポイントの換金行為

(出典:楽天市場「違反点数制度に関するガイドライン」)

【35点】累積によりレベルアップしやすい要注意な違反

35点の違反は、一度で最初のペナルティ(違反レベルⅠ)に達するラインです。意図せず行ってしまいがちな行為も多く含まれるため、注意が必要です。

違反による加点禁止商材の例禁止行為の例
35点■法令で販売・所持が規制されているもの
・医療用医薬品
・要指導医薬品
・特殊開錠用具所持禁止法に抵触する道具
・不正な改造を施された自動車車体および自動二輪車・法令が定める規格
・基準に適合していることが確認できない商品
・違法行為(ダフ屋行為等)により入手したチケット、金券
・医薬品・医療機器・医薬部外品
・化粧品の定義に該当するにも関わらず、薬機法上の承認
・届出がなされていない商品

■公序良俗、モラルに反するもの
・シンナーなどの有機溶剤、ガス
・生体
・汚物、排泄物、廃棄物、動物死体
・グロテスクな商品、嫌悪感または不快感を与える商品
・使用済の下着、制服、水着、体操服
・盗撮写真、盗撮ビデオ、盗聴もしくは無断録音されたテープ類
・モザイク除去機器
・一度使用されたことのある鍵、マスターキー
・反社会的勢力の名称またはロゴ等が入っている商品
・交通取締を免れる等の脱法目的に利用されるおそれのある商品
・犯罪を誘発するおそれのある商品

■悪用されるおそれのあるもの
・個人情報、プライバシーに関する情報
・身分証明書・官公庁または企業の入館証、社員証、役職や資格、身分を示すバッチ、制服
・盗聴または盗撮に悪用されるおそれのある商品
・印影から印章を作成するサービス

■青少年の保護育成上好ましくないもの
・青少年の保護育成上好ましくない商品
・アダルトグッズ
・性風俗店の宣伝広告、チケットなど

■危険なもの
・爆発物、危険物
・劇物
・毒物
・注射針のついた注射器
・武器として使用されるおそれのある商品
■法令・公序良俗に反する行為
・卑猥な表現、青少年やお子様の閲覧にふさわしくない表現等の記載
・マルチ商法等
・医薬品取扱いに関するガイドライン違反
・第1類医薬品取扱に関するガイドライン違反(遵守事項に反する行為)
・薬機法違反広告
・家電商品の販売ガイドライン違反
・消費税増税対応ガイドライン違反
・動物用医薬品取扱いに関するガイドライン違反

■表示全般に関する禁止事項
・不適切な検索対策(検索文字)
・楽天ランキングへのランクイン実績等の表示に関するガイドライン違反
・必須記載事項未記載(会社情報)
・不適切なタグ、製品コード登録
・中古品(古物・海外直輸入古物)取扱いに関するガイドライン違反(必要記載事項未記載)
・【海外出店者及び個人輸入代行出店者向け】取扱禁止商材ガイドライン違反(必要記載事項未記載)
・必須記載事項未記載(技適マークが貼付されていない無線機器)
・楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞実績等の表示に関するガイドライン違反
・必須記載事項未記載(法令上、公道での使用が禁止されている乗物)
・違法成分非含有証明書未掲載(大麻由来成分含有商品)
・必須記載事項未記載(製品安全4法に関する製品)

(出典:楽天市場「違反点数制度に関するガイドライン」)

また、楽天所定の審査を受けずに出品されている商品として違反になるものもあります。該当の商品の出品を検討している場合は、必ず楽天の審査を受けるようにしましょう。

違反による加点楽天所定の審査を受けずに出品されている商品
35点・医薬品、医薬部外品、医療機器、化粧品・動物用医薬品、動物用医薬部外品
・健康食品(海外製品、ペット向け商品を含む)
・製造販売にあたって行政機関からの許可
・届出が必要となる食品
・おせち料理セット
・酒類
・たばこ(海外からのおみやげたばこ含む)
・ブランド品
・ブランドノベルティ品
・中古品(中古ゲームソフト、ブランドリサイクル品、中古車を含む)
・生体
・PCソフトウェア
・携帯電話等中古携帯通信端末
・回線契約を伴う商品
・車体
・金券
・有価証券
・会員権(ゴルフ会員権も含む)
・金融
・保険
・不動産
・役務提供
・メーカー直送品(メーカー、産地等から出店者が在庫を抱えず直接ユーザーに発送する商品)
・海外直送品(日本国外から出店者を通さず直接ユーザーに発送する商品)
・プロスポーツライセンス商材
・店頭受取
・時限的な対応に基づく審査商材
・検査キット

(出典:楽天市場「違反点数制度に関するガイドライン」)

【20点以下】日々の注意が必要な違反

点数自体は低いものの、繰り返すことで累計点数がかさみ、ペナルティにつながる可能性のある違反です。日々の運営における基本的な注意点と捉えるべき項目です。

違反による加点禁止商材禁止行為の例
20点■商品に関する契約等で譲渡・転売が禁止されているもの
・譲渡転売が禁止されている商品

■その他楽天運営が不適切と判断したもの
・中古エアバッグ
・反社会的宗教団体と関連する商品
・楽天市場の運営を妨げるおそれのある商品
■法令・公序良俗に反する行為
・必須記載事項(返品特約)
・景表法違反(景品規制)
・景表法違反(ポイント表記・楽天スーパーDEALの記載)
・楽天市場クーポン利用ガイドライン違反
・商品価格設定に関するガイドライン違反
・第1類医薬品取扱に関するガイドライン違反(必須記載事項の未記載)
・必須記載事項未記載(医薬品)
・必須記載事項未記載(健康食品等)
・中古携帯通信端末取扱いに関するガイドライン違反
・18歳以上を対象とするゲームソフトの取扱いに関するガイドライン違反
・【海外出店者及び個人輸入代行出店者向け】販売個数制限商材ガイドライン違反

■価格表示に関する禁止行為
・二重価格
・割引表示に関するガイドライン違反(不適切な価格表示・割引表示)
・メーカー希望小売価格の掲載マニュアル違反
・ブランド並行輸入品の比較対照価格の表示マニュアル違反
15点■法令・公序良俗に反する行為
・個人情報漏洩(明細書トラブル、明細書の入れ違い等)

■表示全般に関する禁止事項
・商品の在庫設定
・納期情報設定および配送に関するガイドライン違反
5点■その他楽天運営が不適当と判断した行為
・連絡困難(ユーザーおよび楽天との連絡が困難な状況にあると楽天運営が判断した場合)
・商品画像登録ガイドラインに反する行為

(出典:楽天市場「違反点数制度に関するガイドライン」)

楽天の違反を未然に防ぐためのポイント

楽天市場における違反行為を未然に防ぐためのポイントは以下の3つです。

  • RMSで自店舗の違反状況を定期的にチェックする
  • 社内での情報共有とルールを徹底する
  • 最新のガイドラインを常に把握しておく

順に解説します。

RMSで自店舗の違反状況を定期的にチェックする

(画像出典元:Rakuten RMS)

自店舗の違反に関する通知やステータスは、RMSのトップページで確認できます。トップページ下部の「禁止商材・禁止行為」という欄を定期的に確認する習慣をつけましょう。

楽天から対応を求められている事項が表示されるほか、過去の違反履歴や現在の累計点数、ペナルティの状況などを詳しく確認可能です。

自店の状況を客観的に把握し、リスク管理に役立てることが、安定した運営につながります。

社内での情報共有とルールを徹底する

違反行為は、担当者一人の知識不足や思い込みから発生してしまうケースが少なくありません。

楽天のガイドラインについてチーム全体で理解を深め、誰がどの業務を担当してもルールを遵守できる体制の構築が重要です。

定期的な勉強会を実施したり、担当者別の業務マニュアルに禁止事項を明記したりするなど、知識の属人化を防ぎ、組織としてリスクを管理する仕組みを作りましょう。

最新のガイドラインを常に把握しておく

楽天市場のガイドラインや規約は、市場の状況や法改正などに応じて随時更新されます。

過去の知識のまま運営を続けていると、知らないうちに新しいルールに違反してしまう可能性があります。

楽天からのお知らせには常に目を通し、変更点を確認しておきましょう。ガイドラインは文量が多く、すべてを読み込むのが難しい場合もあるため、AIツールなどを活用して要点を効率的に把握するのも一つの方法です。

楽天から違反通知が来た際の対応マニュアル

万が一、楽天から違反通知が届いた場合に備え、冷静に対応するための手順を知っておきましょう。違反通知が来た際の対応は以下の流れで進めます。

  • RMSにて通知を確認する
  • 修正依頼の具体的な内容と対応期限を把握する
  • なぜ違反が起きたのかを分析し再発防止策を立てる

順に解説します。

RMSにて通知を確認する

楽天からの違反に関する連絡は、RMS経由のメールで届きます。

まずはメールを開き「どの商品」の「どの部分」が「どのような理由」でガイドラインに違反しているのか、正確に把握しましょう。

見間違いや勘違いがないよう、通知内容を丁寧に複数人で確認することをおすすめします。

重大な違反の場合は猶予期間が設けられないこともあるため、通知の確認は迅速に行いましょう

修正依頼の具体的な内容と対応期限を把握する

通知メールには、具体的な修正内容と、いつまでに対応すべきかという「対応期限」が明記されています。

対応期限は通常5〜10営業日程度とされていますが、期限内に対応・報告が完了しない場合、自動的に違反が確定し点数が加算される場合があります。

まずは対応期限を最優先事項として認識し、修正作業のスケジュールを立て、迅速に行動に移すことが重要です。

なぜ違反が起きたのかを分析し再発防止策を立てる

指摘された箇所をただ修正するだけでは、根本的な解決にはなりません。

なぜ違反が発生してしまったのか、原因の徹底的な分析が不可欠です。担当者の知識不足が原因だったのか、あるいはチェック体制に不備があったのかなど、根本原因を突き止めましょう。

たとえば、店舗関係者によるレビュー投稿は80点が付与される重大な違反ですが、悪意がなくとも発生しうるため、全従業員への周知徹底といった再発防止策が重要になります。

楽天の違反・ペナルティ対応に不安なら専門家への相談もおすすめ

「繰り返し違反通知を受けてしまう」「ガイドラインの解釈に自信が持てない」あるいは「社内のリソース不足で十分な対策が打てない」などの悩みを抱えている場合は、専門家への相談も一つの手です。

最新の規約に基づいた的確なアドバイスや、リスクを回避するための運営体制構築のサポートを受ければ、安心して売上拡大の施策に集中できます。

おすすめの楽天市場コンサルティング会社や運営代行会社については、以下の記事で紹介していますので、ぜひ併せてチェックしてみてください。

関連記事:【2025年】楽天市場のおすすめコンサルティング会社28選比較!比較ポイントも徹底紹介

関連記事:【2025年8月最新版】楽天市場の運営代行おすすめ30選!料金や選定ポイントも紹介

楽天の違反点数制度を正しく理解しておこう

本記事では、楽天市場の違反点数制度の仕組みから、具体的な違反行為、未然に防ぐための対策や通知が来た際の対応方法までを解説しました。

違反点数制度は、決して出店者を縛り付けるためのものではなく、ユーザーが安心して買い物を楽しめる健全な市場を維持するために不可欠なルールです。

ルールを正しく理解しリスクを適切に管理することで、自信を持って店舗運営に集中できます

本記事で対策の重要性は理解できたものの「具体的にどこから手をつければいいか分からない」「日々の業務が忙しく、ガイドラインの確認まで手が回らない」などのお悩みはありませんか?

違反のリスクを抱えながら店舗運営をするのは、精神的にも負担になります。そのような場合は、一度プロに相談するのも有効です。

お困りの際は、ぜひジャグー株式会社にご相談ください。

ジャグーの楽天市場総合支援サービス
Jagooは、豊富な成功事例と失敗事例を踏まえて最短距離で進めるEC戦略・運用のプロフェッショナルです。
売上拡大・利益拡大はもちろん、継続し続けられる「仕組み化」に至るまで完全コミット。 楽天出身者が経営しているからこそ実現する、ただの作業代行ではない本気で勝ち抜くEC戦略をご提供致します。

楽天の違反点数制度に関するよくある質問

Q.違反してから猶予期間はどのくらいありますか?

違反内容に応じて通常5〜10営業日程度の対応期限が指定されます

期限内に適切な修正と報告を行えば、点数が加算されない場合もあります。しかし、偽ブランド品の販売など重大な違反や、緊急の対応が必要と判断されるケースでは、猶予期間なく即時にペナルティが科されるため注意が必要です。

Q.違反点数がリセットされるタイミングは?

年間の累計違反点数は、毎年1月1日の午前0時に自動的に0点にリセットされます

前年にどれだけ点数が溜まっていても、年が明ければ再び0からのスタートとなります。ただし、年末に受けたペナルティ(検索順位ダウンなど)の期間が年をまたぐ場合は、ペナルティ期間が終了するまで影響が継続します。

Q.店舗レビューが低いこともペナルティにつながりますか?

ユーザーから投稿される店舗レビューの評価(★の数)が低いこと自体が、直接的に違反点数制度のペナルティにつながることはありません

ただし、低評価の原因が「納期遅延」や「問い合わせへの返信がない」といった店舗の対応にある場合、それらの行為が別途「連絡困難」などの違反項目としてペナルティの対象となる可能性はあります。

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