楽天市場で売上を伸ばすためには、レビューの獲得が必須です。
高評価レビューを多く獲得できれば、ユーザーからの信頼を得られやすくなり売上向上が期待できます。
そして、レビュー獲得にはレビュークーポンの導入が効果的です。
しかし
「レビュークーポンの設定方法がいまいちわからない」
「活用はしているけど費用対効果が悪い……」
とお悩みの担当者が多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、楽天市場の売上アップにつながるレビュークーポンを、設定方法から効果的な活用法、成功事例まで徹底解説します。
大きな成果につながるレビュークーポンの設定方法を知りたい方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
目次
楽天レビュークーポンとは?
画像出典元:楽天公式サイト
楽天レビュークーポンとは、ユーザーが商品購入後に、レビューを投稿した際に提供される特別なクーポンのことです。
楽天市場に限らずECショップでは、商品を実際に手にとって比較できないため、商品ページに表示されるレビュー数や評価が、顧客の購買意欲に大きな影響を与えます。
しかし、楽天市場では購入者が能動的にレビュー投稿をする割合は2〜3%と低いため、自然にレビューが集まるのを待っていては時間がかかってしまいます。
そこで、レビュークーポンを活用することで効率良くレビューを集められます。
また、商品を購入したユーザーに適したレビュークーポンを配布できれば、商品やサービスの認知度や信頼性が向上し、リピーターを獲得できる可能性があるため一石二鳥の施策と言えるでしょう。
楽天市場におけるレビュー獲得の3つの重要性
楽天市場でレビューを多く獲得する重要性を次の3つに分けて解説します。レビューや評価の数は、売上に直接影響があるためしっかりと確認していきましょう。
- インプレッション数の向上につながる
- CTRを高められる
- CVRを高められる
順に解説します。
インプレッション数の向上につながる
画像出典元:楽天公式サイト
楽天市場では、検索画面の「レビュー評価」で絞り込みが可能です。より多くの高評価レビューを獲得した商品は、インプレッション数(表示回数)の向上につながりやすくなります。
そのため、たとえ高品質の商品でも高評価レビューが0件だと、レビュー評価を基準に購買行動をするユーザにアプローチできなくなり機会損失となってしまいます。
また、楽天市場ではレビュー数や評価がSEOにも影響するため、
レビュークーポンを活用し、多くの高評価レビューが集まれば検索結果で露出度が増えて、幅広いユーザーへの認知度も高まります。
CTRを高められる
画像出典元:楽天公式サイト
レビュー獲得には、CTR(クリック率)を高める効果もあります。
楽天市場の検索結果画面には商品画像や価格の他に、レビューの平均評価と件数が表示されるため、高評価レビューを獲得できれば商品に対する印象が良くなります。
ユーザーは、商品を探すときに画像や商品タイトル欄で受ける印象が同程度であれば、レビュー評価が優れている商品を「より高品質な商品である」と判断するユーザーが多い傾向にあります。
そのため、レビュークーポン施策により高評価のレビューを多く獲得することができればCTRの向上にもつながるのです。
CVRを高められる
出典:総務省|平成28年度情報通信白書「第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~」
レビューの獲得は、CVR(コンバージョン率)の向上にも寄与します。
総務省のデータによると、20〜60代の全年代において80%以上が「レビューを読んだことで購入する商品を決定した経験がある」と答えていると公表しています。
CVRが高まれば広告の費用対効果も改善するため、運営利益の向上にもつながるでしょう。
そのため、高評価のレビューを多く獲得することは、CVRの向上に重要です。
なお、CVR(転換率)が売上改善にどうつながるのか詳しく解説した以下の記事もぜひご覧ください。
関連記事:楽天市場の転換率とは?業界別平均や売上改善の重要要素を元楽天ECCが徹底解説!
楽天レビュークーポン導入の2つの効果
ここでは具体的に楽天でレビュークーポンを導入すると期待できる2つの効果を解説します。
- レビュー獲得によるSEO効果&顧客獲得の促進
- リピーター獲得によるLTV向上
順に解説します。
1.レビュー獲得による購買意欲の増進&SEOの向上
レビュークーポンを導入し、多くのレビューを獲得できればユーザーの購買意欲が増進され、検索上位に表示されるSEOの向上にもつながります。
ECショップで商品を探すユーザーにとって、レビューの数や評価は購買意欲に直結します。
レビュー数の目安は取り扱う商品にもよりますが、およそ100件を超えていればユーザーに安心感を与え、購買意欲を高めることができます。
また、レビュー数とSEOの関係については、楽天公式では明らかにしていませんが、レビューが多いだけで検索結果で上位表示されるわけではないようです。
ただし、高評価レビューの有無を比較すると、高評価レビューを獲得している商品の方が明らかにCVR(転換率)が高い傾向であるとされています。
さらに楽天では直近2週間の売上がSEOに影響しやすいため、レビュークーポンを導入し、多くのレビュー数を獲得できれば、売上が上がり検索上位に表示されやすくなります。
なお、楽天のSEOについて詳しく知りたい方は、詳しく解説した以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:【2024年最新版】楽天SEOとは?知っておくべきルールや具体的な対策10選を徹底解説!
2.リピーター獲得によるLTV向上
レビュークーポンを活用することでリピーター獲得にもつながりLTV向上も期待できます。
自社商品を購入したユーザーに対しレビュークーポンで「次回使える10%割引クーポン」のような割引特典を与えることで自社商品のリピーターになってもらいやすくなります。
EC運営におけるリピーターの獲得は重要であり、売上の指標であるLTV(ライフタイムバリュー)の計測による利益見込みも立てやすくなります。
自社店舗を訪れるユーザーに適したレビュークーポンを活用し、リピーターの獲得を目指しましょう。
楽天レビュークーポンにかかる費用
楽天市場では「RaCoupon(ラ・クーポン)」という有料のレビュークーポンが用意されています。
費用はクーポンを受け取ったユーザーがクーポンを利用した時点で発生し、利用枚数1枚あたり50円(税別)です。
ただし、利用料が発生するのは1ヶ月間で51枚以上利用された場合のみのため、仮に同じ店舗で1,000枚のクーポンを発行した場合、利用枚数別の費用は以下のようになります。
利用枚数 | 40枚 | 51枚 | 100枚 |
利用料 | 0円 | 50円(税別) | 2500円(税別) |
費用発生枚数 | 50枚以下のため利用料は発生しない | 利用枚数(51枚)ー控除分(50枚)=1枚分 | 利用枚数(100枚)ー控除分(50枚)=50枚分 |
発行枚数が1,000枚であっても発行した時点では費用が発生せず、1ヶ月間の利用枚数が51枚以上の場合に費用を支払う点を把握しておきましょう。
楽天レビュークーポンの設定方法
ここでは、実際に楽天レビュークーポンを設定する方法について解説します。
なお、設定する手順は以下の4ステップです。
- RMSにログインし「クーポン」設定画面を開く
- 「クーポン(配布型)」を選択し新規登録する
- クーポンの詳細を入力する
- 「登録する」を押してクーポンを発行する
手順がわかれば比較的簡単に設定できるためしっかり確認しましょう。
1.RMSにログインし「クーポン」設定画面を開く
まずは、RMSにログインし、左側のメニューから「店舗設定」>「6 クーポン設定」を選択します。
2.「クーポン(配布型)」を選択し新規登録する
次に、クーポン設定画面が開いたら「クーポン(配布型)」を選択し「クーポン(配布型)を新規登録する」のボタンをクリックします。
なお、画面下部の「クーポン 管理」から、クーポン一覧の確認や各クーポンの編集・削除も可能です。
3.クーポンの詳細を入力する
次に、クーポン(配布型)の新規登録入力フォームから詳細を入力します。
なお、登録項目は次のとおりです。
項目 | 説明 |
クーポン名 | ・任意のクーポン名を設定します。 ・店舗名や商品名に具体的な割引内容や条件を加えて利用を促します。 |
クーポン詳細説明文 | ・クーポンの詳細内容を設定します。 ・利用回数制限や利用期限、他のクーポンとの併用可否など細かく条件を記載できます。 |
値引きプラン | ・「定額値引き(○円OFF)」「定率値引き(○%OFF)」「送料無料」の3つから選択します。 ・利用率と利益率のバランスを考慮しましょう。 |
クーポン有効期間 | ・開始日時(現在時刻の60分以降)と終了日時(最大3カ月)を設定します。 |
公開可否 | ・全ユーザーに公開するか、一部ユーザーのみに限定するかを設定します。 ・「公開しない」にするとメルマガ会員のみに限定した配布が可能です。 |
クーポン画像 | ・myクーポンページ内クーポン一覧などで表示する画像を設定します。 ・未設定の場合は店舗ロゴまたはRakutenロゴが表示されます。 |
1ユーザあたりの利用回数条件 | ・1人のユーザーがクーポンを利用できる上限回数を「任意の回数を指定」または「無制限」で設定します。 |
クーポンの全利用回数上限 | ・全ユーザーがクーポンを利用できる上限回数を「任意の回数を指定」または「無制限」で設定します。 |
クーポン併用可否 | ・他のクーポンと併用できるかどうかを設定します。 ・値引きし過ぎを防ぐため、推奨は「併用不可」です。 |
利用金額・購入個数条件 | ・「金額条件」「個数条件」「指定しない」の3つから選択します。 |
対象商品 | ・「指定する」か「指定しない(店内全商品を対象とする)」かを設定します。 ・最大3,000商品まで指定可能です。 ・「送料無料」の値引きプランを選択した場合、対象商品は指定できません。 |
会員ランク | ・「指定する」か「指定しない(全会員ランクを対象とする)」かを設定します。 ・指定する場合は「レギュラー」~「ダイヤモンド」から複数指定が可能です。 |
4.「登録する」を押してクーポンを発行する
詳細の入力が完了したら「登録する」ボタンをクリックしてクーポンを発行します。
これで楽天レビュークーポンの設定は完了です。
設定した内容は、随時変更が可能なため、運用状況に合わせて設定を見直してみましょう。
CVRを高める5つの楽天レビュークーポン施策
レビュークーポンの設定方法を確認できたところで、CVR(コンバージョン率)を高める効果的な5つの施策を解説します。
単にクーポンを提示するだけではレビューの獲得につながらない場合もあるため、戦略を立てて運用していきましょう。
- クーポンの割引率・内容を戦略的に設定する
- レビュー投稿を促す効果的な告知文を作成する
- レビューしやすい環境を整える
- らくらくーぽんを活用して業務を効率化する
- 効果測定を行い改善を繰り返す
順に解説します。
1.クーポンの割引率・内容を戦略的に設定する
ひとつ目のポイントは、クーポンの割引率や内容を戦略的に設定することです。
クーポンの価値が低すぎると「また購入したい」という利用意欲を喚起できず、反対に割引率が高すぎると利益を圧迫してしまいます。
たとえば同じ「10%OFF」クーポンでも、商品価格が500円と10,000円ではお得感が大きく異なります。
そのため、商品価格や利益率とのバランスを取ってクーポンの割引率や内容を検討することが重要です。
なお、クーポンの価値を設定する際は、リピーターが次回購入する商品の金額を予想し、購入予定価格の5%〜20%に設定すると良いでしょう。
2.レビュー投稿を促す効果的な告知文を作成する
2つ目のポイントは、レビュー投稿を促す告知文を作成することです。
単純に「レビューを投稿してください」と依頼文のようにするのではなく、クーポンの魅力を提示して自然にレビュー投稿を促す告知文を作成しましょう。
たとえば、以下のとおり、アプローチ方法別に、文章を工夫してみるのもいいでしょう。
アプローチ方法 | お得感 | 特別感 | 貢献意欲 | 不安解消 |
目的 | 特典を明確に提示する | レビューの価値を伝える | 商品開発やサービス向上への協力を求める | 他のユーザーの不安解消につながることを伝える |
例文 | 「レビュー投稿で次回使えるクーポンをプレゼント」 | 「あなたのレビューが、他のお客様の参考になります」 | 「この商品をよりよくするために、あなたの率直な感想をお聞かせください」 | 「購入を迷っている方のために、使用感をレビューで教えてください」 |
レビューを獲得するためのクーポン施策ですが、レビューを投稿するかどうかはユーザー次第のため、投稿を強要するような内容で不信感を与えないように気を付けましょう。
3.レビューしやすい環境を整える
3つ目のポイントは、レビューしやすい環境を整えることです。
レビュー投稿のハードルを下げることで、より多くのレビューを獲得しやすくなります。
たとえば、投稿までの導線やメリットを次のとおり提示することでユーザーがレビュー投稿をしたくなるように促しましょう。
戦略 | レビュー投稿までの導線の簡略化 | レビュー投稿のメリットをわかりやすく伝える | レビューの活用事例を見せる |
実施方法 | • わかりやすいボタン設置 • ワンクリックでアクセスできるようにする | • 特典内容の明記 | • 商品ページへのレビュー掲載 • 公式サイトやブログでの紹介 |
また、購入完了後に送信するメールにレビュー投稿ページへのリンクを設置したり、レビュー投稿用のテンプレートを用意したり工夫をすることで、ユーザーはスムーズにレビュー投稿を行えるでしょう。
4.らくらくーぽんを活用して業務を効率化する
出典:らくらくーぽん公式
4つ目のポイントとして、レビュークーポンの運用を自動化したい場合は、らくらくーぽんの利用がおすすめです。
らくらくーぽんは、初期費用0円の月額料金10,000円で利用できるサービスで、楽天で買い物をしたユーザーにフォローアップメールやクーポンメールの送信を自動化してくれます。
らくらくーぽんの導入店舗数は5,000店を超えており「楽天 SHOP OF THE YEAR2023」を受賞した店舗のうち44店舗がらくらくーぽんを導入していた実績のあるサービスです。
レビューの確認やクーポンの送付を自店舗で対応する余力がなければ、業務効率化と顧客満足度向上を同時に実現できる便利なサービスのため積極的に活用を検討しましょう。
5.効果測定を行い改善を繰り返す
最後に5つ目のポイントは、効果測定を行い改善を繰り返すことです。
レビュークーポン施策は一度設定して終わりというわけではありません。
販売状況や競合の動きなど状況にあわせて効果を検証・分析し改善を加えていくことが重要です。
効果を確認する指標として、主に以下のポイントを参考に測定しましょう。
項目 | レビュー獲得数 | レビューの質 | クーポン利用率 |
詳細 | ・施策実施前後のレビュー数の変化を確認する | ・良いレビューと悪いレビューの割合を把握する ・顧客満足度や商品改善点などのインサイトを得る | ・発行数に対する使用数の割合 や利用率が低ければクーポンの内容や告知方法を見直す |
また、競合はどのようなレビュークーポンを活用しているかリサーチも忘れずに行いましょう。
レビュークーポンを活用する際の3つの注意点
レビュー獲得を狙うために便利なクーポンですが、一方でレビュークーポンを活用する際に注意するべき点があります。ここでは、特に注意したいポイントを3点解説します。
- レビュー特典は全員に配布する
- 景品表示法違反に該当しないようにする
- 特典は次回以降の注文を対象にする
他にも出店者向けの楽天ガイドラインをよく確認し、違反行為とならないよう注意しましょう。
1.レビュー特典は全員に配布する
ひとつ目の注意すべき点は、レビュー数によって特典を変えるのは違反ということです。
レビュークーポンを配布しても、必ず高評価が付くとは限りません。
レビューで低評価を付けたユーザーのみに対し、クーポンを与えない行為は公平性の観点や、高評価のレビューを促すための優良誤認とみなされ楽天市場では違反行為にあたります。
また、レビューコンテストで抽選やおまけが当たる施策も、意図的に高評価レビューを獲得するための目的とみなされるため、楽天市場では禁止しています。
そのため、レビュー特典の内容は、レビュー評価の優劣に関わらず一律に設定しましょう。
2.景品表示法違反に注意する
2つ目に注意すべき点は、豪華すぎる特典は景品表示法違反となる可能性があることです。
景品表示法とは、一般消費者の利益保護を目的に制定された法律で、過剰な特典につられて悪質な商品やサービスを消費者が選択してしまわないようにするためのものです。
楽天市場のレビュークーポンは景品表示法では「総付景品(※)」にあたるため、クーポンや特典の金額を以下の条件に設定する必要があります。
なお、設定した金額で合っているか不安な場合は、専門家に相談することをおすすめします。
取引価格 | ポイント付与上限 |
1,000円未満 | 200円まで |
1,000円以上 | 取引価格の20%まで |
※参考:消費者庁|総付景品について
3.特典は次回以降の注文を対象にする
3つ目の注意すべき点は、クーポンや特典は次回以降に使えるものにする必要があるということです。
楽天市場のレビュー特典は、次のように今回の注文に対し与えていけないことになっています。
- 今回の注文を送料無料にする
- 今回の注文を値引きする(金額修正も×)
- 今回の注文におまけを同梱する
レビュークーポンは、レビュー投稿を確認した後に付与する「次回の注文に対する特典」である必要があります。
また、金券や販売商品以外のプレゼントも、今回の注文に対する特典とみなされてしまうため注意しましょう。
まとめ|楽天市場でレビューを獲得して売上アップにつなげよう!
楽天市場の運営において、認知度アップやリピーター獲得にはレビュークーポンの活用が効果的です。
レビュークーポンの活用で高評価レビューを集められれば、商品力が強化され、売上の向上にもつながります。
しかし「レビュークーポンの設定や効果的な運用が難しそうでなかなか活用できない」と悩む方は、ぜひお気軽にジャグーにご相談ください。
ジャグー株式会社では、出店者様に対し、楽天市場出身者による専門的なサポートを行っています。売上の改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売までを一気通貫したEC支援をご提供します。
楽天市場の広告運用など、楽天の運用に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。