
Amazonのブランド分析とは、ユーザーの検索行動や購入動向を把握できるAmazon公式分析ツールです。自社データのみならず、Amazon全体での検索キーワード関連情報も入手できます。
商品設計やプロモーション施策立案に最適なブランド分析ですが、具体的に取得できるデータの詳細や得られた情報の活かし方がわからない方も多いでしょう。
そこで本記事では、Amazonブランド分析の詳細を、6つの施策例を交えながら詳しく解説します。あわせて、ブランド分析以外のAmazonで取得できる主要レポート5種類も紹介します。
Amazon公式・非公式を含めたその他分析ツールの紹介もしているので、ぜひ参考にしてみてください。

監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
新卒で楽天グループ株式会社に入社し、ECコンサルタントとして
SOY(Shop of the Year)受賞店舗をはじめ多数の上位店舗を支援。
約2万人の社員の中から「楽天賞MVP」を受賞するなど、
高い実績と評価を獲得。
その後、大手企業のEC支援を行うコンサルティング会社を経て、
2020年にEC専門支援会社「ジャグー株式会社」を設立。
楽天市場やAmazonなど複数モールにおける売上拡大・運用最適化を総合的に支援している。
また、グループ会社にて自らもAmazonでの販売事業を展開。
自社ブランド製品はAmazonで「Amazonおすすめ」を多数獲得し、
販売開始から1年で月商1,000万円を突破するなど、売り手としても豊富な実績を持つ。
目次
Amazonのブランド分析とは?
Amazonのブランド分析とは、ブランド登録者向けにAmazonが提供する公式データ分析機能です。ブランド分析ではユーザーの検索行動や購入動向などを把握できます。自社関連データはもちろん、Amazon全体での市場動向やキーワード関連情報も確認できます。
ブランド分析を活用すれば、商品設計や広告運用、プロモーション施策の立案実行などで、実際のデータに基づいた意思決定が可能になります。ブランド分析への遷移方法は以下のとおりです。
Amazonセラーセントラルトップ>ブランド>ブランド分析

画像出典元:Amazonセラーセントラル
Amazonブランド分析の権限や利用条件
ブランド分析の利用には「ブランド登録(Amazon Brand Registry)」が必要です。ブランド登録が完了するとブランド分析使用権限が与えられます。なお、ブランド登録に費用はかかりません。
ブランド登録には事前の商標登録が必須で、商標なしでは申請できません。商標登録には数ヶ月から1年かかるため、早めに準備しておきましょう。
なお、商標登録申請中でもブランド登録申請は可能です。商標が印字されている商品の画像もあわせて用意しておきましょう。
ブランド登録のデメリットとしては、Amazonへの申請から1~2週間の審査期間があり、却下されるケースもある点です。
すでにブランド登録が完了している場合は、管理者から運用担当者にアクセス権限を付与することも可能です。ブランド登録の詳細は以下の記事で解説しています。
関連記事:【2025年】Amazonブランド登録とは?ブランド保護のやり方と活用法を解説
Amazonブランド分析の5つの機能

Amazonブランド分析では以下5つの機能が提供されています。それぞれ詳しく解説します。
- 検索カタログパフォーマンスレポート
- 検索クエリのパフォーマンスレポート
- リピート購入行動レポート
- 上位の検索用語レポート
- ストアバスケット分析レポート
1.検索カタログパフォーマンスレポート

画像出典元:Amazon出品大学
「検索カタログのパフォーマンスレポート」では、ユーザーが商品を検索し、購入に至るまでの行動を確認できます。商品ごとに以下の指標を確認できます。
指標 | 概要 |
インプレッション数 | スポンサープロダクト広告や自然検索で自社商品が表示された回数 |
クリック数、CTR | 表示されたなかからクリックされた数およびクリック率。検索結果からどのくらい流入しているかを確認。 |
カートに入れた数 | クリックされた商品ページからカートに追加された数。クリック数と比較すれば、商品ページを見ただけで離脱したユーザー数がわかる。 |
購入数 | 実際に購入された数 |
検索トラフィック販売 | 検索結果ページからの流入によって発生した売上 |
価格(中央値) | 商品単価の中央値。クーポンやタイムセールなどの各種施策割引が反映される。 |
検索カタログのパフォーマンスレポートを分析すれば、ユーザーの離脱ポイントや商品の見つけやすさ、転換率の違いを商品ごとに確認できます。
2.検索クエリのパフォーマンスレポート

画像出典元:Amazon出品大学
「検索クエリのパフォーマンスレポート」では、ユーザーがどのような検索キーワードで自社商品にたどり着いたかを確認できます。商品が表示された検索キーワードや、実際に購入に至ったかどうかも把握でき、関連付けられている検索キーワードが一覧で表示されます。
検索クエリのパフォーマンスレポートで確認できる指標は以下のとおりです。
指標 | 概要 |
クエリ数(検索クエリのボリューム) | 該当キーワードでユーザーがAmazonを検索した数 |
インプレッション数 | 該当キーワードでユーザーが検索したのち、自社商品ページが表示された数。自然検索経由とスポンサープロダクト広告経由のどちらも含む。 インプレッション率(自社ブランドの商品が表示された割合)もわかる。たとえば、ユーザーが「カメラ」と検索して100件の商品が表示された際、自社ブランドカメラが30件含まれていたらインプレッション率は30%。 |
クリック数 | 検索結果に表示された自社商品をユーザーがクリックした数。クリック率も表示される。 |
カートに追加された数 | 該当キーワードで表示された自社商品ページから、カートに追加された数。追加率も表示される。 |
購入された数 | 該当キーワードで表示された商品ページから、実際に購入された数。自社商品が売れた割合も表示される。 |
検索クエリのパフォーマンスレポートは、商品ページや広告用のキーワード選定に役立ちます。
3.リピート購入行動レポート

画像出典元:Amazon出品大学
「リピート購入行動レポート」は、ユーザーが同じ商品を複数回購入した頻度を把握するのに役立ちます。受注回数に基づいて、自社商品のリピート状況が一覧で表示されます。
リピート購入行動レポートで確認できる指標は以下のとおりです。前週との比較や総売上高に対する割合も表示されます。
指標 | 概要 |
リピート注文商品の販売による売上額 | リピート購入された商品の売上額合計 |
注文されたユニット数 | リピート購入された商品数の合計 |
リピートカスタマー数 | リピート購入したユーザーの数 |
リピートカスタマーシェア | 自社の全顧客に対するリピート購入者の割合 |
リピート購入行動レポートは、顧客満足度の評価やまとめ買い施策の策定に役立ちます。
4.上位の検索用語レポート

画像出典元:Amazon出品大学
「上位の検索用語レポート」は、上位検索ワードに対してどの商品・ブランドが表示されているかを調査できる機能です。検索カタログパフォーマンスレポートや検索クエリのパフォーマンスレポートは自社ブランドの分析である一方、本レポートではAmazon全体でユーザーがどのようなキーワードを使って商品検索したかを分析できます。
具体的には以下の内容が把握できます。
- 狙いたいキーワードに対して上位を取れているか
- 取れていない場合はどの出品者が取っているか
- どのキーワードで上位に入れているか など
上位の検索用語レポートを出力すると各キーワードが検索ボリューム順に表示され、クリック数が多い商品・カテゴリ・ブランドの上位3位を表示し、あわせて以下の情報も確認できます。
- 具体的なASINや商品名
- クリック数のシェア率(該当キーワードの全クリック数のうち、該当商品のクリック数が占める割合)
- コンバージョンのシェア率(該当キーワードの全購入数のうち、該当商品の購入数が占める割合)
上位の検索用語レポートは関連キーワードの検討・発見や、競合対策、広告用のキーワード選定などに役立ちます。上位キーワードを参考にして、ニーズに対応できる新商品開発もおすすめです。
5.ストアバスケット分析レポート

画像出典元:Amazon出品大学
「ストアバスケット分析レポート」では、自社商品と同時購入されている商品を確認・発見できます。ストアバスケット分析レポートを出力すると自社商品が表示され、該当商品と同時購入された商品上位3点が表示されます。なお、同時購入商品には他社商品も含まれます。
同時購入商品の組み合わせ率も表示されます。たとえば、自社商品の「シャンプーA」が他商品と10回同時購入されたとします。そのうち、3回は「コンディショナーB」と同時購入されている場合、コンディショナーBの組み合わせ率は30%です。
同時購入商品を自社商品のみもしくは他社商品のみに絞り込むことも可能です。
ストアバスケット分析レポートは、合わせ買い設計やクロスセル設計に有効です。
なお、5つのレポートすべてで最初に出力した際には前週のデータが表示されるようになっています。直近のデータを表示させる場合、72時間以内にデータが公開されます。
5つのレポート共通で以下のカスタマイズも可能です。
- 各項目の絞り込み(ブランド、キーワード、商品名、ASIN単位など)
- 期間選択
- 表示項目の並べ替えやカスタマイズ
- データのダウンロード
データ分析に苦手意識がある方や、得られた結果からどのように施策立案すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。ブランド分析で取得したデータのより有効な活用や、自社の状況に最適な施策立案は、EC運営のプロフェッショナル集団であるジャグー社へぜひご相談ください。

Amazonブランド分析を活用した施策例6選

ブランド分析から得られたデータを活用すれば、より角度の高い売上改善施策が立案・実行できます。以下6つの施策例を解説します。
1.CTRが低い商品の商品ページを改善
2.カート落ちが頻繁に起きている商品を対策
3.スポンサープロダクト広告のキーワード選定に活用
4.リピート購入が多い商品でLTVおよび客単価向上
5.新たなキーワードを発見してSEO対策
6.同時購入されている商品からクロスセル設計
1.CTRが低い商品の商品ページを改善
「検索カタログパフォーマンスレポート」や「検索クエリのパフォーマンスレポート」を出力して、CTRが低い商品を見つけてみましょう。一般的に、CTRが0.3%未満の場合には対策が必要です。
ユーザーがクリックしたくなるよう、メイン画像を差し替えたり商品名を改善したりすると良いでしょう。
商品名は、誰が見ても一目でその商品の魅力やスペックが伝わるものにします。具体的には以下の情報を盛り込みます。
- メーカー名やブランド名
- 正確な商品名
- 仕様 など
ただしAmazonの商品名には細かなルールがあります。詳細は以下の記事をご確認ください。
関連記事:Amazon商品名ルール一覧表!禁止ワードやキーワード調査の方法も解説
メイン画像の改善も有効です。白抜き画像を使うといった制限を守りつつ、以下のポイントを反映してCTRを引き上げましょう。
- より商品の魅力が伝わりやすい角度を追及する
- 明るく高画質な画像を使う
- 競合商品と比較して見劣りしないかを確認
- 商品が見切れていないかを確認 など
画像の作成も含めた、商品ページの作成方法は以下の記事をご確認ください。
関連記事:Amazonの商品ページ(カタログ)の作成手順!CVRを高める7つの作成ポイントも紹介
2.カート落ちが頻繁に起きている商品を対策
「検索カタログパフォーマンスレポート」で、ユーザーがカートにいれた数と購入数に乖離があれば、カート落ちが頻繁に起こっています。以下の項目を確認してみましょう。
- 商品説明は十分にされているか
- 価格面で競合に負けていないか
- 在庫切れを起こしていないか
- 自社発送の場合、到着が遅くなっていないか
- 低評価レビューがついていないか など
価格面で競合に劣っている場合は、単に価格を下げるだけではなく、よりお得感があるクーポンや購入プッシュ力が強いタイムセールも検討すると良いでしょう。
以下の記事では、転換率を改善して売上を伸ばす方法を10個紹介しています。
関連記事:Amazonで売れない理由は?売れない原因と対処法10選を徹底解説!
3.スポンサープロダクト広告のキーワード選定に活用
「検索クエリのパフォーマンスレポート」で、クエリ数は多いもののインプレッションシェア率が低いキーワードを見つけてみましょう。一般的に、インプレッション率が60%を切る場合には対策が必要です。
インプレッション率の改善におすすめなのは、スポンサープロダクト広告の配信です。すでに配信している場合は、入札価格を引き上げてみましょう。
配信手法の切り替えも効果的です。オートターゲティングで配信している場合、Amazonが自動で配信先を決めてくれるため、運用の手間がかかりません。一方、詳細なターゲティングができず、効果が頭打ちになりやすくなります。
今までオートターゲティングで配信していた場合は、手動でキーワードを設定するキーワードターゲティングに切り替えてみましょう。狙ったキーワードで配信先を設定できるため、よりピンポイントで購買意欲の高いユーザーに広告を届けられます。
スポンサープロダクト広告の配信手法の詳細や、具体的な設定方法は以下の記事で解説しています。
関連記事:Amazonスポンサープロダクト広告とは?始め方から効果的な使い方と10の運用テクニックまで解説
4.リピート購入が多い商品でLTVおよび客単価向上
「リピート購入行動レポート」でリピート購入が多い商品を発見したら、LTVおよび客単価向上のチャンスです。
リピート購入が多い商品を定期おトク便化すれば、ユーザーの購入ハードルが下がり長期にわたってLTVを引き上げられるでしょう。
まとめ買い施策の立案も有効です。Amazonのプロモーション割引を活用すれば、「3点以上の購入で5%オフ」のような割引施策を実行できます。まとめ買いの後押しになるため、客単価向上に効果があります。
プロモーション割引の詳細や具体的な利用条件は、以下の記事で解説しています。
関連記事:【完全攻略ガイド】Amazonプロモーション割引とは?設定手順・メリット・活用方法まで解説
5.新たなキーワードを発見してSEO対策
「上位の検索用語レポート」では、自社が見落としていた新たな検索キーワードが見つかる可能性があります。見落としていたキーワードには、以下が含まれているかもしれません。
- 想定していなかったニーズを示すキーワード
- 季節性やトレンド性が高いキーワード
上位キーワードでまだ使用していないものを見つけたら、自社の商品ページに追加することでSEO対策になります。
上位キーワードを使用しているもののクリック数で上位に食い込めていない場合は、「1.CTRが低い商品の商品ページを改善」で解説したCTR向上対策を施しましょう。クリック数上位の商品ページを分析して、自社に足りない要素を抽出し反映させるのも大切です。
SEO対策の詳細は以下の記事で解説しています。
関連記事:【決定版】Amazon SEO対策ガイド!SEOアルゴリズムから上位表示対策・キーワード選定方法を完全解説
6.同時購入されている商品からクロスセル設計
「ストアバスケット分析レポート」では、自社商品と同時購入されている商品を把握できます。よく一緒に売れている商品をセット販売したり、セット買い対策商品を開発したりすれば、効果的にクロスセル設計ができるでしょう。
クロスセル設計がうまくいけば客単価向上に寄与します。ユーザーは商品をばらばらに買い求めなくても良くなるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
たとえば、自社の「プロテインA」が特定の「シェイカーB」とよく一緒に売れている場合、シェイカーBが自社商品の場合はセット売り商品として販売します。シェイカーBが他社商品の場合は、新商品として自社でもシェイカーを開発すると良いでしょう。
ブランド分析から導き出される施策例は多岐にわたります。実際のデータに基づいて立案すれば、自社オリジナルの角度の高い施策を実行できるでしょう。
- データ分析には苦手意識があり、正しくできるか不安がある
- 施策を立案しても実行に割くリソースがない
- 施策を立案・実行してみたものの、効果がいまいち出ない
このようなお悩みをお抱えの方は、Amazon運営に深い知見と経験を持つ、ジャグー社にぜひご相談ください。

【Amazon公式】その他主要レポート5種類の使い方

ブランド分析以外にも、Amazonからはさまざまなデータを取得できるレポートが提供されています。以下の主要レポート5つを解説します。
1.ビジネスレポート
2.ペイメントレポート
3.カテゴリー別出品解析レポート
4.FBA在庫出荷レポート
5.各種広告レポート
なお、各種レポートは以下の順で確認できます。
Amazonセラーセントラルトップ>レポート

画像出典元:Amazonセラーセントラル
広告レポートは広告管理画面で確認してみてください。
1.ビジネスレポート
「ビジネスレポート」は日々の売上を確認するために使います。以下7種類のレポートを出力できます。
- 売上ダッシュボード
- 【日付別】売上・トラフィック
- 【日付別】詳細ページ 売上・トラフィック
- 【日付別】出品者パフォーマンス
- 【ASIN別】詳細ページ 売上・トラフィック
- 【親】商品別詳細ページ 売上・トラフィック
- 【子】商品別詳細ページ 売上・トラフィック
売上や注文数、転換率、カートボックス獲得率など、Amazonを運用する上で重要な指標の推移を把握できます。売上増減の原因究明や、実施中施策の効果測定に最適です。
2.ペイメントレポート
「ペイメントレポート」は、各種手数料を差し引いた実際の入金額など、会計周りの情報把握に使用します。把握できる情報は以下のとおりです。
- 手数料などをのぞいた純利益
- 商品別の入金額
- 売上成立後、入金待ちの予定入金額
- 広告の請求費用 など
資金繰りの管理や、商品別の利益率分析に活用できます。Amazonの各種手数料の詳細は以下の記事で解説しています。
関連記事:【保存版】Amazonの出品手数料はいくら?種類別一覧・内訳と計算方法を解説!
3.カテゴリー別出品解析レポート
「カテゴリー別出品解析レポート」は、Amazon出品中の商品情報を取得できる機能です。Amazonセラーセントラルに登録されている商品であれば、他事業者と同じASINであっても以下情報がダウンロード可能です。
- 価格
- 数量
- 商品名
- 商品ステータス など
なお、画像や画像URLなど、取得できない情報もあります。ダウンロードしたファイルを書き換えて、商品情報の一括変更も可能です。
4.FBA在庫出荷レポート
「FBA在庫出荷レポート」は、FBA(フルフィルメント by Amazon)活用時に注文情報を確認できる機能です。確認できる項目は以下のとおりです。
- 購入者氏名や配送先(一部ASINのみ)
- 購入者連絡先(メールアドレス)
- 追跡情報(伝票番号など)
- 出荷情報
- プロモーション関連費用 など
自社出荷の場合、FBA在庫出荷レポートに情報は記載されません。自社出荷の場合は、以下から内容確認できます。
Amazonセラーセントラルトップ>注文>注文レポート

画像出典元:Amazonセラーセントラル
FBAの詳細は以下の記事で解説しています。
関連記事:Amazon FBAとは?儲からないは嘘?概要やメリット・黒字運営のポイントを徹底解説
5.各種広告レポート
Amazonの広告を配信している場合、各種広告レポートを活用すればより精度の高い広告運用が可能になります。たとえばスポンサープロダクト広告の場合、以下の内容が確認できます。
- 自社のスポンサープロダクト広告をクリックしたユーザーが使用していた検索キーワード
- ターゲット別の効果測定
- スポンサープロダクト広告経由で購入された商品の詳細データ
- インプレッションシェア率 など
特に検索キーワードは定期的にレポートを確認し、クリックされづらいキーワードや費用対効果が悪いキーワードを除外するのがおすすめです。
広告の費用対効果を図るためには、ACOS(Advertising Cost of Sale、広告費売上高比率)という指標を活用すると良いでしょう。ACOSは広告費を広告経由の売上高で割ったもので、数値が低ければ低いほど広告の費用対効果が高くなります。
ACOSの詳細は以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:ACOSとは?広告効果を最大化する重要指標を徹底解説!
【無料あり】Amazonのおすすめ分析ツール4種

Amazonのブランド分析をその他分析ツールと併用すれば、よりデータドリブンなAmazon運用が可能になります。おすすめの以下4つの分析ツールを4つ紹介します。無料で使用できるものもあるので、ぜひ試してみてください。
1.商品トレンド解析ツール
2.FBA料金シミュレーター
3.SellerSprite(セラースプライト)
4.Keepa(キーパ)
1.商品トレンド解析ツール
「商品トレンド解析ツール」は、Amazon公式の分析ツールです。商品トレンドの把握や需要予測が可能で、データに基づく販売戦略策定に役立ちます。商品トレンド解析ツールは無料で利用できます。
本ツールでは、ユーザーが行う検索から購入までの行動を分析し、需要に合う商品(=ニッチ商品)を把握できます。ニッチ商品とは、ユーザーの特定のニーズを示すキーワードや商品類のことを指します。
商品トレンド解析ツールを活用すると、トレンドや季節変動による需要変化を把握できます。需要予測機能を使えば、未来のニーズ予測も可能です。
これらのデータを活用すれば、商品開発や広告展開のタイミング、適切な在庫確保に役立つでしょう。他にも、以下の内容を把握できます。
- 返品が発生した理
- カスタマーレビューから読み取れるユーザー評価の詳細 など
商品トレンド解析ツールには、以下の手順でアクセスできます。
Amazonセラーセントラルトップ>販売機会拡大>商品トレンド解析ツール

画像出典元:Amazonセラーセントラル
2.FBA料金シミュレーター

画像出典元:FBA料金シミュレーター
「FBA料金シミュレーター」は、Amazon公式の配送関連手数料試算ツールです。FBA利用で商品出荷した場合と、自社出荷の場合で発生する手数料を試算し、比較できます。
FBA料金シミュレーターでは、販売手数料やFBA手数料を含めて算出し、残る利益を把握できます。一方、以下のような一部含まれない手数料もあります。
- 大口出品者の月間登録料
- 自社出荷の場合の配送料
- 返品手数料
- FBA関連手数料の一部 など
すでに出品している商品に関しては、一括で見積作成可能です。自社出荷からFBA乗り換え検討時の判断材料にできるでしょう。
まだ出品していない商品や、新商品に関してもおおよその見積もりを作成可能です。その場合は、商品の寸法や販売予定価格、商品カテゴリなどを入力して出力します。
FBA料金シミュレーターは無料で利用できます。詳しい活用方法は以下の記事で解説しています。
関連記事:FBA料金シミュレーターを徹底活用!正確な手数料計算で利益を最大化 – ジャグー株式会社
3.SellerSprite(セラースプライト)

画像出典元:SellerSprite
「SellerSprite(セラースプライト)」は、登録ユーザーが140万人を超える、Amazon特化型の分析ツールです(2025年5月時点)。Amazonが保有するビッグデータをもとに、市場調査や競合分析が可能です。
たとえば、以下のようなことができます。
- ユーザーの検索行動をベースにして需要が高まっている商品をリサーチ
- 競合の価格設定や売れ行きをチェック
- カテゴリ別に参入しやすい市場を発見 など
SellerSpriteでは拡張機能版が提供されており、使い勝手の良さも評価されています。
料金は以下のとおりです(年単位プラン、2025年5月時点)。
- スタンダード会員:139,998円
- アドバンス会員:268,998円
- VIP会員:339,998円
無料で使える機能も用意されています。
4.Keepa(キーパ)

画像出典元:Keepa
「Keepa(キーパ)」は、Amazonの商品価格推移やランキング推移を長期間追跡できる価格監視ツールです。ブラウザ拡張機能を追加すれば、商品ページに価格変動グラフを表示可能です。
たとえば、以下のようなことができます。
- 在庫切れを起こしそうなタイミングでアラート
- 競合のカートボックス獲得状況を把握
- レビュー数や評価数の推移を把握 など
無料版でも基本的な価格履歴グラフが見られます。有料版(19ユーロ/月、2025年5月時点)に加入するとより詳細なデータや高度な機能が使えるようになります。
まとめ:Amazonブランド分析を使いこなして売上改善につなげよう
Amazonのブランド分析では、自社商品のみならずAmazon全体の市場傾向をつかみ、広告運用の最適化やSEO対策、プロモーション施策策定などに活用できます。実際のデータに基づくため、より成果につながりやすい運用が可能になるでしょう。
Amazonの他のレポート類やその他分析ツールを併用すれば、よりデータドリブンなAmazon運営が実現できます。
EC運営支援を行っているジャグー社では、Amazonへの深い知見と支援会社だからこそ得られる最新情報をもとに、店舗様の成果最大化に尽力しています。
- データの分析には苦手意識があり、どの項目を読み解けば良いのかわからない
- 課題点がありすぎて、どこから手を付ければ良いのかわからない
- 広告運用などやりたいことは多数あるが、社内に担当できる人材もリソースもない
このようなお悩みをお抱えの方は、ぜひご相談ください。