
「Amazon マーケットプレイス保証」は、購入者が配送トラブルや商品不備の際に返金を申請できる制度です。この保証は購入者保護を目的としており、出品者にとって対応方法を誤ると出品アカウントへの健全性や信頼性に悪影響を与える可能性があります。
しかし、
「申請されたときの正しい対応方法がわからない」
「保証申請を減らす効果的な対策が知りたい」
とお悩みの担当者様も多いのではないでしょうか。
本記事では、Amazonマーケットプレイスの出品者が押さえるべきAmazonマーケットプレイス保証の概要や申請時の対応ポイントを解説します。
さらにマーケットプレイス保証申請やトラブルを防ぐための具体的な対策まで徹底解説しています。
Amazonマーケットプレイス保証について理解してAmazonでの安定した運営を目指したい方はぜひ最後までご覧ください。

監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
目次
そもそもマーケットプレイスとは?
そもそも「マーケットプレイス」とは、インターネット上で多数の売り手と買い手が集まる取引市場を指す言葉です。
たとえば、Amazonマーケットプレイスでは、Amazon公式だけでなく、さまざまな企業や個人が出品者として商品を販売しています。
そのため消費者は、1つのWebサイトで多種多様な商品を比較検討できます。
このようにマーケットプレイスは、多数の企業が出店することで消費者にとって選択肢の広い、便利な市場を形成しているのです。

Amazonマーケットプレイスとは?
次に「Amazonマーケットプレイス」とは、Amazonが運営する取引市場であり、Amazon以外にも個人や企業が自社の商品を自由に出品・販売できるサービスです。
たとえば、新商品を販売したい企業がAmazonマーケットプレイスを利用すれば、Amazonの集客力を活用して、効率的に商品を販売できます。
また個人でも自宅にある不要な中古品をAmazonマーケットプレイスを利用すれば、手軽に出品することができます。
このように、Amazonマーケットプレイスは販路拡大を目指す企業や個人にとって、非常に魅力的な販売プラットフォームと言えるでしょう。
次からは、Amazonマーケットプレイスを利用するメリットや、Amazon公式で出品されている商品とマーケットプレイスで出品されている商品の見え方についても解説します。
Amazonでマーケットプレイスを利用するメリットとは
Amazonマーケットプレイスを利用する最大のメリットは、Amazonの膨大なユーザーに対して、自社製品を効率的にアピールできる点です。
たとえば新規参入の企業でも、Amazonマーケットプレイスに出品すれば数百万人のAmazonユーザーに製品を認知してもらえる可能性があります。
さらにAmazonは、FBA(フルフィルメント by Amazon)という、物流業務からカスタマーサービスまでをAmazonに代行依頼できる便利なサービスを提供しています。
そのため、ECモール運営初心者の企業でもFBAを利用すれば、効率的に商品を出品しつつ、製品開発や販売戦略など、より重要な業務にリソースを集中できるでしょう。
なお、FBA(フルフィルメント by Amazon)については、以下の記事で詳しく紹介しているため、ぜひ合わせてご覧ください。
関連記事:Amazon FBAとは?儲からないは嘘?概要やメリット・黒字運営のポイントを徹底解説
Amazon公式商品とマーケットプレイス商品の見え方
Amazon公式商品とマーケットプレイス商品では、商品ページ上の表示が異なります。
これは購入者が、商品の「販売元」と「出荷元」を明確に識別できるようにするためです。
Amazon公式商品の場合、商品ページには「出荷元」と「販売元」両方に、「Amazon.co.jp」と表示されています。

画像出典元:Amazon|Amazon公式商品
一方、マーケットプレイス商品の場合、「販売元」に出品者名が表示されています。「出荷元」はAmazon.co.jpと出品者名と異なる場合がありますが、「販売元」の違いで判断できます。

画像出典元:Amazon|マーケットプレイス商品
この表示の使い分けにより、購入者はAmazonから直接購入するのか、それともマーケットプレイスの出品者から購入するのかを認識できるのです。
Amazonマーケットプレイス保証とは?
次に「Amazonマーケットプレイス保証」とは、Amazonにマーケットプレイスで出品された商品を購入し、その商品に問題があった場合、購入者がAmazonに返金を申請できる制度です。
この制度は「商品が届かない」、「異なる商品が届いた」など、購入者が不利益を被る状況を防ぐ目的があります。
たとえば、購入した商品が届かない場合に、特定の条件を満たした状態であれば、購入者はAmazonマーケットプレイス保証を申請することで、Amazonを通して出品者に返金を求められます。
なお、マーケットプレイス保証を申請された出品者は、申請後の対応によってはペナルティを科される可能性があります。
そのため出品者は保証申請に対し、迅速かつ適切な対応を心がけると共に、事前の対策や健全な運用を行い、Amazonマーケットプレイス保証の申請を避ける必要があります。
Amazonマーケットプレイス保証を申請できる条件

ここでは、購入者がAmazonマーケットプレイス保証を申請できる条件を解説します。
購入者は、主に以下の条件に該当する場合にAmazonマーケットプレイス保証を申請できます。
- 商品を受け取っていない場合
- 不良品が届いた場合
- 説明と大きく異なる商品が届いた場合
ただし、購入者はマーケットプレイス保証を申請する前に、問題のある商品を出品した出品者に対し返品リクエストを行い、出品者からの承認を48時間待つ必要があります。
購入者の不利益を防止するための保証制度ですが、出品者がフォローできる余地が残されているため、購入者からの返品リクエストには迅速かつ適切に対応しましょう。
次から購入者がAmazonマーケットプレイス保証を申請できる条件について詳しく解説します。
1.商品を受け取っていない場合
購入者は、配達予定日を過ぎても商品が届かない場合に、以下の条件でAmazonマーケットプレイス保証を申請できます。
Amazonマーケットプレイス保証を申請できる条件 |
・注文した商品が「お届け予定日」から3日経過しても到着せず出品者に問い合わせている ・出品者へ連絡してから48時間以内に問題が解消されない |
たとえば、購入者が注文した商品のお届け予定日が5月10日だった場合、5月13日になっても商品が届かず、出品者に問い合わせを行います。
その後、5月15日までに返答や問題解決がない場合に、購入者は保証を申請できます。
ただし、お届け予定日の最終日から90日を超えると保証申請の対象外となります。
2.不良品が届いた場合
商品に初期不良や破損があった場合も、購入者はAmazonマーケットプレイス保証を申請できます。
商品に初期不良や破損がある場合とは、たとえば以下のような状態のことを指します。
状態 | 具体例 |
家電製品の不動作 | 冷蔵庫やエアコンが動作しない、機器の電源がつかない |
衣服の破れ | ワイシャツやジャケットに穴や擦り切れがある |
部品不足 | 組み立て家具の部品やネジなどが不足している |
上記の場合で購入者から問い合わせや返品リクエストがきた場合、出品者はまず購入者と連絡を取り、返品や交換などの対応を提案しましょう。
迅速な対応を行わないと、Amazonマーケットプレイス保証を申請されたり、購入者からの評価が低下したりする可能性があるため注意が必要です。
3.説明と大きく異なる商品が届いた場合
商品説明と著しく異なる商品が届いた場合にも、購入者はAmazonマーケットプレイス保証の申請が可能です。
たとえば、以下のケースが「説明と大きく異なる商品」に該当します。
- 注文したモデルや色、サイズが異なる商品が届いた
- 商品ページに記載されている性能と実際の商品の性能が一致しない
マーケットプレイス保証の申請やトラブルを防ぐためには、商品ページの画像や説明文を常に最新かつ詳細に記載し、実際の商品と一致させる必要があります。
商品ページと実際の商品に相違がないよう徹底することで、購入者へのトラブルを未然に防ぎ、Amazonマーケットプレイス保証の申請リスクを軽減できるでしょう。
マーケットプレイス保証が申請できないケース
購入者保護が目的のAmazonマーケットプレイス保証ですが、以下のケースのように購入者が保証を申請できない条件がいくつかあります。
- 注文から90日を経過した場合
- 支払い方法が適切でない場合(例: Amazonギフト券とクレジットカードの併用で、クレジットカードに問題がある場合)
- 購入者がチャージバックを申請している場合
- 受取拒否で商品が出品者に返送された場合
また、商品配送完了後の紛失や破損など、購入者側に責任がある場合も保証を申請できません。
これらの条件は、保証制度の悪用を防ぎ、出品者と購入者双方の公平性を保つために設けられています。
出品者はこれらの条件を把握した上で、適切な証拠を提示できる体制を整えておきましょう。
参考:Amazon公式サイト|Amazonマーケットプレイス保証
Amazonマーケットプレイス保証を申請された場合のリスク
ここからは、Amazonマーケットプレイス保証を申請されてしまった場合、出品者側のリスクを以下2つ解説します。
- 注文不良率が上がってしまう
- カート取得率が0%になる可能性がある
順に解説します。
注文不良率が上がってしまう

Amazonマーケットプレイス保証を適用される件数が増えると注文不良率が上昇します。
注文不良率とは、注文数に対して購入者がAmazonマーケットプレイス保証を申請して受理された結果「欠陥がある注文の数」としてカウントされた割合を指します。
Amazonの出品者にとって注文不良率の目標は、1%未満に抑えることです。
注文不良率が1%を超過すると、Amazonからアカウント停止や販売資格の剥奪といったペナルティを受ける可能性が高まります。
そのため、出品者は商品管理や商品ページの適切な管理を行い、丁寧なユーザーへの対応を心がけ、Amazonマーケットプレイス保証の申請を減らす努力が重要です。
カート取得率が0%になる可能性がある
Amazonマーケットプレイス保証の申請が多発すると、カートボックスの取得率も低下するリスクがあります。
カートボックスの取得率とは、商品ページで「カートに入れる」ボタンを獲得できる割合のことです。
Amazonは出品者のパフォーマンスを常に評価しており、Amazonマーケットプレイス保証の申請が多い出品者にはパフォーマンスの評価を下げる措置を取ります。
さらに、パフォーマンス評価が低く、注文不良率が高い状態が続くとカート取得率が0%になる可能性もあります。
カートボックスが取得できなければ、CVR(転換率)が低下し、売上が大幅に減少してしまうリスクがあるため、Amazonマーケットプレイス保証の申請を減らす対策が不可欠です。
マーケットプレイス保証申請後のリスクを回避できる場合

実は、Amazonマーケットプレイス保証を申請された後にも上記で解説したペナルティを回避できる場合があります。
申請後のペナルティを回避できる場合は以下のとおりです。
- 申請が取り下げられた場合
- 出品者の対応が正しかったと判断された場合
マーケットプレイス保証申請後の出品者の対応によっては、ペナルティを回避できる可能性を高められるため、しっかりと確認して、適切な対応ができるようにしておきましょう。
申請が取り下げられた場合
購入者がAmazonマーケットプレイス保証の申請を取り下げた場合、出品者の注文不良率が上がるリスクを回避できます。
注文不良率は、Amazonマーケットプレイス保証がAmazonへ受理された場合にカウントされるため、受理される前に取り下げられればペナルティにはなりません。
たとえば、購入者が商品の未着で保証を申請したものの、その後、無事に商品が届いたことで申請を取り下げた場合は、出品者の注文不良率は変動しません。
また、追跡機能を付与した配送サービスを利用して「配送完了」であることを証明できれば、購入者の理解を得られやすく、申請を取り下げてもらえる可能性が高まります。
Amazonマーケットプレイス保証の申請を受けた後でも、迅速かつ丁寧な対応ができれば、購入者に申請を取り下げてもらえる可能性があるでしょう。
出品者の対応が正しかったと判断された場合
マーケットプレイス保証の申請後でも、Amazonが出品者の対応が適切であったと判断した場合はAmazonマーケットプレイス保証の申請は却下され、出品者にペナルティは科されません。
たとえば、購入者から「商品が説明と異なる」と申請があったものの、出品者が商品ページの情報が正確であることを証明できた場合、Amazonは申請を却下します。
購入者とのやり取りや対応履歴も申請棄却のための証拠となりうるため、返品リクエストがあった際には、Amazonのメッセージ管理機能などを活用し、適切にコミュニケーションを行いましょう。
Amazonマーケットプレイス保証申請が受理された場合の対応方法
購入者によってAmazonマーケットプレイス保証の申請が行われ、Amazonに申請が受理された場合、以下のいずれかの対応に進んでいきます。
- 全額返金する
- Amazonが申請を調査する
- 申請が自動的に承認される
- 再審議請求を行う
出品者に責任がある場合は、速やかに問題に対処して返金処理を行う必要があります。ただし、保証申請に対し適切に対応することで、パフォーマンス評価の低下や、注文不良率の上昇といったペナルティを防げる可能性が残されています。
そのため、次から解説する申請後の対応をよく確認して適切な対応を行いましょう。
全額返金する
Amazonマーケットプレイス保証の申請が承認され、出品者に責任がある場合、購入者へ全額返金する必要があります。
返金対応は出品者が自主的に行うか、Amazonが強制的に出品者のアカウントから行うかのいずれかです。
ただし、Amazonによる強制的な返金処理が行われると、出品者のパフォーマンス評価に悪影響が及ぶ可能性があるため注意が必要です。
なお、返金対応を行う際は、購入者とのさらなるトラブルを防止するために、購入者へ商品の返送を依頼し、商品が到着した後に返金処理を行いましょう。
Amazonが申請を調査する
マーケットプレイス保証の申請を受けとったAmazonは、出品者と購入者の双方に対して事実確認を行います。
Amazonは、申請内容が適切かどうかを判断するために注文情報や配送状況、商品の状態など、当事者間のやり取りを総合的に調査します。
その際、出品者に対して以下の追加情報や資料の提出を求める場合があります。
申請の種類 | 調査内容 |
配送関連の申請 | 発送方法・署名済み配達の証明・お問い合わせ伝票番号・配送会社の詳細 |
返品関連の申請 | 国内の返送先住所、返品の配送料の詳細(返送料前払いの返送用ラベルなど)、返品リクエストの拒否理由 |
コミュニケーション関連 | 購入者とのコミュニケーションを示すやり取り(受領確認書の提供状況など) |
求められた情報や資料を速やかに提出して、Amazonが正しく判断できるよう協力すれば、出品者が不利な状況に陥るリスクを軽減できるでしょう。
申請が自動的に承認される
購入者からのAmazonマーケットプレイス保証申請に対して、出品者が期限内に回答しない場合は申請がAmazonによって自動的に承認されます。
Amazonは、迅速な問題解決を重視しており、出品者が期日内に対応しない場合は購入者を保護する措置を講じます。
なお、申請が自動で承認されてしまうケースは以下のとおりです。
申請が自動処理される条件 | 概要 |
1. メッセージ未回答 | 購入者からの配送問題に対して48時間以内に回答しなかった |
2. 返品リクエスト未対応 | 購入者からの返品リクエストに対して48時間以内に承認も拒否もしなかった |
3. 出荷未実施 | 出荷予定日までに注文商品を出荷しなかった |
4. 追跡可能な配送方法未使用 | 追跡可能な配送方法を使用せず、有効なお問い合わせ伝票番号を提供しなかった |
5. 配送未完了 | 最長のお届け予定日までに注文商品を配送しなかった |
6. 住所不正 | 注文商品を購入者指定の住所に配送しなかった |
7. 配送不可確認 | 追跡情報で配送不可であることを確認できる |
8. 海外返品リクエスト不備 | 海外返品リクエストを承認したが、前払いラベルを提供しなかったか、返品無しの返金を実行しなかった |
9. 返品紛失 | 前払いラベルを使用して返品された商品が輸送中に紛失した |
10. 返金未実施 | 前払いラベルを使用して返品された商品を受け取ってから5日以内に返金しなかった |
11. 返送先住所不正 | 前払いラベルを使用して返品されたが、古いか正しくない住所により配送不可または発送元に返送された |
マーケットプレイス保証が自動承認されると、Amazonが出品者のアカウントから強制的に返金処理を行い、アカウントの評価にも悪影響が生じる可能性があります。
迅速かつ適切な対応を怠ると、出品アカウントの信用度や販売実績を損なう可能性があるため、Amazonからの通知は見逃さないようにしましょう。
再審議請求を行う
Amazonマーケットプレイス保証の申請結果に異議がある場合、出品者はAmazonに対して再審議請求することが可能です。
再審議請求は、出品者がAmazonの決定に対して自身の正当性を主張できる機会です。
たとえば、商品の不具合が配送中の事故によって生じたものであることを証明できる場合、出品者は再審議請求を行い、Amazonに判断の見直しを求めることができます。
再審議請求を行う場合は、出品者に責任がないことを示す証拠や購入者とのやり取り履歴などの記録を事前に残しておきましょう。
再審議請求が認められれば、返金処理やアカウント評価へのペナルティが取り消される可能性があるため、証拠を提示できるのであれば積極的に申請しましょう。
再審議請求の手順
Amazonマーケットプレイス保証の申請に対する再審議請求は、セラーセントラルから行えます。
再審議請求の操作手順は以下のとおりです。
手順 | 操作方法 |
1. 該当ページへアクセス | セラーセントラルの「パフォーマンス」タブから「Amazonマーケットプレイス保証」を選択 |
2. 再審議申請の選択 | 「再審議オプション」タブで再審議を依頼する申請を選択 |
3. 再審議請求の開始 | 「再審議請求の採決」をクリック |
4. 申請内容確認 | 表示された「再審議オプション」タブから申請内容を確認 |
5. 再審議請求の実行 | ページ右側にある「再審議請求の採決」を選択 |
上記の操作を完了後、出品者側の対応が適切であったことを証明する資料を提出し、具体的かつ詳細な状況を説明して、Amazonの審査を待ちます。
これらの手順を正確に実行し、必要な情報を漏れなく提出することで、再審議請求が適切に処理される可能性を高められます。
Amazonマーケットプレイス保証申請を事前に防ぐ方法
適切な顧客対応をしていれば、そもそもAmazonマーケットプレイス保証が申請される可能性は低いといえます。
ここからは、Amazonマーケットプレイス保証の申請を事前に防ぐ方法を以下3つに分けて解説します。
- 商品ページの内容と出品商品に差異がないようにする
- 問い合わせ・クレームには迅速かつ丁寧に対応する
- 追跡機能のある配送サービスを利用する
順に解説します。
1.商品ページの内容と出品商品に差異がないようにする
ユーザーに正しく商品の情報を伝えて返品を防ぐためには、商品ページに掲載する説明文や画像を実際の商品と差異がないようにしましょう。
サイズや色、機能などが実際の商品と異なると、購入者から「期待していた商品と違う」と判断され、Amazonマーケットプレイス保証の申請につながる可能性が高まります。
たとえば、商品ページで「青色のTシャツ」と記載しているにも関わらず、実際には「水色のTシャツ」を発送した場合、購入者に「説明と異なった商品が届いた」と判断され、Amazonマーケットプレイス保証を申請される可能性があります。
そのため出品者は、商品情報を常に最新の状態に保ち、正確かつ詳細な情報を提供することで、Amazonマーケットプレイス保証の申請リスクを最小限に抑えられるでしょう。
2.問い合わせ・クレームには迅速かつ丁寧に対応する
返品リクエストの段階で、購入者からの問い合わせやクレームには迅速かつ丁寧に対応することが重要です。
ユーザーからの問い合わせには、24時間以内に一次回答を行い問題解決への意思を示すことが望ましいとされています。
また、クレームに対しても真摯に対応することで、購入者の不満を早期に解消し、Amazonマーケットプレイス保証の申請を回避できる可能性が高まります。
丁寧なユーザー対応ができれば、Amazonマーケットプレイス保証の申請を防ぐだけでなく、出品者としての評価や信頼度の向上にもつながるでしょう。
3.追跡機能のある配送サービスを利用する
追跡番号付きの配送サービスを利用すれば、購入者に商品の配送状況を伝えられるため、Amazonマーケットプレイス保証の申請防止に有効な手段です。
また、追跡番号付きの配送サービスは出品者にとってもメリットがあります。たとえば、購入者から「商品が届かない」と連絡があった場合でも、追跡番号を確認して「配達完了」であれば、購入者へ商品の到着確認の依頼が可能です。
追跡機能のある配送サービスは、配送トラブルや購入者との認識の相違による保証申請を防ぎ、購入者に安心感を与えられます。
そのため、マーケットプレイス保証の申請を防止するだけでなく注文不良率の低下にもつながる効果的な方法と言えるでしょう。
Amazonマーケットプレイス保証に関するよくある質問(Q&A)
ここからは、Amazonマーケットプレイス保証に関するよくある次の4つの質問に回答していきます。
- 購入者からAmazonマーケットプレイス保証が申請された場合のペナルティは?
- Amazonでペナルティを受ける基準はありますか?
- 返品された商品は再販できますか?
- Amazonマーケットプレイス保証の申請を受けたらAmazonとどんなやり取りが必要ですか?
なお、各質問への回答の概要は以下のとおりです。
よくある質問 | 回答の概要 |
1. 購入者からAmazonマーケットプレイス保証が申請された場合のペナルティは? | ・注文不良率の悪化 ・カート取得率の低下 ・アカウントの一時停止や永久停止が科される可能性がある |
2. Amazonでペナルティを受ける基準はありますか? | ・注文不良率1%、または出品者都合のキャンセル率2.5%を超えるとペナルティの対象となる |
3. 返品された商品は再販できますか? | ・新品として再販は推奨されない ・中古品として再販は可能だが、商品ページに状態を明記すべきである |
4. Amazonマーケットプレイス保証の申請を受けたらAmazonとどのようなやり取りが必要ですか? | ・Amazonによる事実確認への応対 ・追加情報の提出要求の応対 ・再審議請求時の申請 |
次から質問ごとの詳しい回答内容を解説していきます。
1.購入者からAmazonマーケットプレイス保証が申請された場合のペナルティは?
購入者からAmazonマーケットプレイス保証が申請されると、出品者にはペナルティが科される場合があります。
ペナルティは、Amazonが購入者を保護し、マーケットプレイスの信頼性を維持するために設けられています。
具体的なペナルティとしては以下の3つが挙げられます。
- 注文不良率の悪化
- カート取得率の低下
- アカウントの一時停止や永久停止
Amazonマーケットプレイス保証の申請は、出品者にとって販売活動に大きな影響を与えるため健全な運用を心がけましょう。
2.Amazonでペナルティを受ける基準はありますか?
Amazonからペナルティを受ける指標として、主に「注文不良率」と「キャンセル率」があり、各指標の基準値は以下のとおりです。
指標 | 基準値 |
注文不良率 | 1% |
出品者都合のキャンセル率 | 2.5% |
これらの指標は、出品者のパフォーマンスを評価し、購入者に良好な取引環境を提供するために設けられています。
出品者が指標の基準値を超えた運用を行ってしまうと、アカウントの健全性に影響が生じ、アカウント停止などのペナルティが科される可能性があります。
そのため、出品者はこれらの指標や基準値を常に意識し、Amazon運用の改善や、Amazonマーケットプレイス保証の申請を防ぐ対策を行うことが重要なのです。
3.返品された商品は再販できますか?
返品された商品を新品として再販することは、推奨されていません。
返品された商品の再販は、Amazonで明確に禁止されているわけではありませんが、購入者からのクレームやレビューをきっかけに、Amazonのポリシー違反となる可能性があります。
なお、返品された商品を中古品として再販することは可能です。
また、FBA(フルフィルメント by Amazon)でも中古品の販売を行えます。
ただし、商品ページに中古品であることを明確に記載し、クレームや返品を未然に防ぐことが重要です。
以上のことから返品された商品の再販は、状態や販売方法に注意し、関連法規やAmazonの規約を遵守して行う必要があると言えるでしょう。
参考1:Amazon公式|返品・交換の条件
参考2:Amazon公式|Amazonマーケットプレイス商品の返品・返金
4.Amazonマーケットプレイス保証の申請を受けたらAmazonとどのようなやり取りが必要ですか?
Amazonマーケットプレイス保証の申請を受けたらAmazonから通知が届きます。
出品者は、通知後の処理に応じてAmazonと以下のようなやりとりをする必要があります。
やりとりの内容 | 詳細 |
Amazonによる事実確認 | Amazonが購入者と出品者に対して注文情報や配送状況、商品の状態を調査 |
追加情報の提出要求 | Amazonが出品者に対して発送方法、配送会社の詳細、返品リクエストの拒否理由などを求める |
再審議請求 | 出品者がAmazonの決定に異議を唱え、再審議を求めることができる |
なお、Amazonマーケットプレイス保証をAmazonが受理した場合の詳しい手続きについては、上記「Amazonマーケットプレイス保証申請が受理された場合の対応方法」で解説していますので、今一度確認してみてください。
まとめ:Amazonマーケットプレイス保証を理解してペナルティを回避しよう!
Amazonマーケットプレイス保証は、出品者であれば必ず理解しておくべき制度です。
Amazonマーケットプレイス保証の申請条件や申請された場合の対応方法を理解して、申請を未然に防ぐための対策を実践し、Amazonでの返品リスクを軽減しましょう。
しかし、「自社だけではAmazonマーケットプレイス保証への対応や、Amazonでの販売戦略に不安がある……」という担当者の方は、ぜひお気軽にジャグーにご相談ください。
ジャグー株式会社では、ECモールの豊富な経験と実績をもつコンサルタントが専門的なサポートを行っています。
Amazonだけでなく、これまで数多くのECモールの店舗様を支援した実績をもとにまとめた、ジャグー独自のノウハウ資料を無料で提供しています。
まずは、資料をチェックしていただき、ECモールの運営に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。