ECサイトの運営者が知っておくべき消費者が選ぶ決済方法の傾向やポイントを解説

ECサイト運営において、ユーザーの離脱を防ぐにはニーズに合った決済方法の導入が重要なカギを握ります。

商品やサービスが魅力的でも、希望する支払い手段が選べないだけで購入を断念されるケースは少なくありません。

スマホ決済やコンビニ払い、あと払いなど、消費者のニーズは多様化しており、ターゲット層や商材に応じた最適な選択が求められます。

本記事では、主要な決済方法、導入時に押さえておくべきポイントについて解説します。

ECサイト売上アップの鍵は、決済方法の“多様さ”にある

ECサイトにおいて、消費者のニーズに合った決済方法の選定は売上に直結する重要な要素の1つです。

どれだけ商品やサービスに魅力があっても、ユーザーが希望する決済方法が用意されていなければ、購入直前で離脱してしまう可能性も。

特に近年は、キャッシュレス決済の普及やスマホ経由での購入増加に伴い、利用者のニーズも多様化しています。

クレジットカードだけでなく、QRコード決済やあと払いなど、選択肢の幅を広げることが理想です。

また、決済方法の豊富さは利便性だけでなく、サイトの信頼性にも影響します。

セキュリティ施策が施された決済方法を導入することで、ユーザーに安心感を与えることができるため、結果としてコンバージョンの向上にもつながります。

購入体験のスムーズさを支える決済設計は、ECサイト運営において欠かせないポイントです。

主な決済方法とユーザー属性

ECサイトでの決済方法は、利用者の属性や購買行動にも深く関わっています。

年齢層や性別、ライフスタイルなどによって好まれる決済方法は異なり、それぞれの特徴を理解して最適な手段を用意することが離脱防止や売上向上に欠かせません。

ここでは、代表的な決済方法とユーザー属性の傾向を解説します。

  • クレジットカード決済
  • コンビニ決済
  • PAYPAY
  • 楽天ペイ
  • d払い
  • au PAY
  • メルペイ
  • Paidy
  • Alipay
  • WeChatPay

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、ECサイトにおいて利用者が最も多く、重要な決済方法です。

即時に決済が完了するため、スムーズな購入体験が提供できるのがメリット。

さらに、多くのカード会社がポイント還元や分割払い、リボ払いなどの多様なサービスを提供しており、ユーザーにとって利便性が高いのも特徴です。

コンビニ決済

コンビニ決済は、クレジットカードを持たない人、若年層などカードを持てない層、また現金での支払いを好む人々にとって、身近で利用しやすい決済方法として根強い人気があります。

特に13歳から49歳の男女に多く利用されており、利便性の高さが好評です。

支払いが完了するまで決済が確定しないため、ECサイト運営者にとっては入金確認のタイムラグが課題になることもありますが、多くの顧客層を取り込むには欠かせません。

PayPay

PayPayは、日本国内で最も利用者が多いスマホ決済サービスの1つで、2024年には登録ユーザーが約6,400万人に達しています。

特に若年層から中年層まで幅広い世代に支持され、QRコード決済市場でトップのシェアを誇ります。

PayPayの強みは、多数の加盟店で利用できる利便性に加え、ポイント還元やキャッシュバックキャンペーンが豊富に展開されていることです。

こうした特典がユーザーの購買意欲を刺激し、おもちゃやアパレルなどの分野での利用が活発です。

スマホ決済を導入することで、特にモバイル中心の若年層を効率よく取り込むことが可能です。

楽天ペイ

楽天ペイは、楽天グループが提供する決済サービスで、楽天ポイントが貯まる・使えることが大きな魅力です。

20〜40代の女性ユーザーが多く、ブランド認知度の高さから非クレカ層にも浸透しています。

入力の手間が少なく、スムーズに決済が完了するため、購入ハードルを下げる効果があります。

アパレルや家具、電子書籍・映画など幅広いジャンルで利用されており、ユーザーの利便性とサイトの信頼性を同時に高める決済方法としておすすめです。

d払い

d払いはNTTドコモが提供するスマホ決済サービスで、dポイントを貯めたり使ったりできる点が強みです。

男女比はほぼ均等で、30代から50代の利用者が中心となっています。

携帯電話料金と合算して支払える利便性や、Amazonなどの主要ECサイトでの利用が可能な点から、多くのユーザーに親しまれています。

家電やアパレル、食品などの幅広いカテゴリーで利用されており、大手キャリアの安定したユーザー基盤をもつ決済手段です。

au PAY

au PAYはKDDIが提供するスマホ決済サービスで、Pontaポイントとの連携が特徴です。

30代から40代を中心に利用されており、男女比は半々。ポイント還元率が高く、特に飲食やアパレル、パソコン関連分野での利用が目立ちます。

ユーザーは事前登録やカード情報の入力が不要なため、手軽に決済できるのが利点です。

au PAYを導入することでPontaポイント利用者層を効率的に獲得でき、購買促進やポイント還元キャンペーンによる集客につながります。

メルペイ

メルペイはフリマアプリのメルカリが提供するスマホ決済で、メルカリの売上金を直接支払いに使えるのが特徴です。

特に10代から30代の若年層に強い支持を受けており、全利用者の6割を占めています。

最近は50代以上の利用者も増加傾向にあり、幅広い年代に広がりつつあります。

アパレルやおもちゃ、家具などの分野での利用が目立ち、メルカリユーザーを囲い込むことが可能です。

Paidy

Paidyはメールアドレスと携帯番号の登録だけで利用可能な「分割あと払い」決済サービスで、18歳から39歳の若年層を中心に人気があります。

分割払いに対応しているため、高額商品でも無理なく購入できる点がユーザーに好評です。

未払い債権はPaidy側が負担するため、運営側は売上金未回収リスクなしに安心して導入できます。

アパレルや美容コスメ、ベビー・キッズ分野での利用が多く、特に若年層の購買行動にマッチした決済手段です。

Alipay

Alipayは中国の大手IT企業アリババグループが提供するQRコード決済サービスで、10億人以上の利用者を誇ります。

日本国内では20万以上の加盟店舗で利用可能で、中国人観光客や越境ECの決済手段として急激に普及。

中国からの購入者が日本製品を選ぶ際、Alipayは最も利用される決済方法の1つです。

特にアパレルやおもちゃなどの分野での売上が多く、越境ECを展開する事業者にとっては導入必須の決済サービスと言えます。

WeChatPay

WeChatPayは中国のメッセンジャーアプリ「WeChat」の決済機能で、主に18〜35歳の若年層に支持されています。

日本国内でも観光客向けのサービスとして活用が進み、すでに7,000以上の店舗で導入済みです。

アパレルや趣味商品、レコードなどの分野での売上が高く、越境ECやインバウンド需要に応じた決済手段として高い効果が期待できます。

決済方法の多様化が離脱防止につながる理由

ECサイトにおいて、購入直前の離脱は大きな課題です。

ここでは、なぜ決済方法の選択肢が多いほど離脱を防ぎやすくなるのか、具体的な理由を見ていきましょう。

カゴ落ちの主な理由と決済の関係

カゴ落ちとは、ユーザーが商品をカートに入れたにもかかわらず、購入手続きをせずに離脱してしまうことを指します。

その要因には、送料の高さや会員登録の手間などもありますが、決済方法の選択肢が限られていることも理由の1つです。

たとえば、クレジットカードをもっていない、使いたくないというユーザーは、他の支払い方法を選べなければ、そのまま購入を断念してしまいます。

また、スマホ決済やあと払いなど、ユーザーごとに好まれる手段が異なるため、多様なニーズに対応できないと購買機会の損失につながりかねません。

ユーザーは自分にとって使いやすく、安心できる支払い手段を求めるため、離脱を防ぐには幅広い決済方法の提供が不可欠です。

選択肢の豊富さが安心感を生む

ECサイトにおいて、ユーザーは「自分に合った決済方法を選べること」に安心感を与えます。

特に初めて利用するECサイトでは、信頼できる決済方法が用意されているかどうかが、購入判断に大きく影響しがちです。

たとえば、普段使っているスマホ決済サービスやポイントが使えると、心理的ハードルが下がり、購入に進みやすくなります。

また、あと払いなど柔軟な支払い方法も、ユーザーにとってはリスクを抑えた選択肢となり、購買意欲を後押しします。

このように、決済方法の選択肢が豊富であることは、単なる利便性にとどまらず、ECサイトへの信頼感にも直結する要素です。

ECサイト運営者が決済方法を選ぶ際のポイント

ECサイトに決済方法を導入する際は、ただ種類を増やせばよいというものではありません。

重要視したいポイントを3つ解説します。

  • 自社サイトのユーザー層
  • 導入コストと手数料
  • セキュリティ対策

自社サイトのユーザー層

決済方法の選定でまず重視すべきは、自社サイトのメインユーザーがどのような層かという点です。

ユーザー層によって、使い慣れている・安心できる決済方法は異なります。

たとえば、若年層が多いサイトではPayPayやメルペイ、あと払いサービスとの相性がよく、逆に中高年層が中心であれば、クレジットカードやコンビニ決済が選ばれる傾向にあります。

訪問者の年齢層や性別、デバイス利用傾向などを把握した上で適切な決済方法を導入することで、離脱率の低下やリピート率の向上が期待できます。

導入コストと手数料

決済方法を選ぶ際は、導入コストや手数料も必ず考慮すべきポイントです。

決済サービスごとに手数料率や月額費用が異なるため、販売利益に大きな差が出る可能性があります。特に、利益率が低い商品を扱う場合、手数料が負担になるケースも。

たとえば、クレジットカードは利便性が高い一方で、手数料が高めに設定されていることが多いです。

一方、スマホ決済はキャンペーン効果が期待できる反面、初期導入コストがかかる場合も。

継続的な利益確保には、コストと効果を見極め、無理なく運用できる決済方法を選ぶことが欠かせません。

セキュリティ対策

決済方法を導入する際には、セキュリティ対策の有無も必ずチェックしましょう。

不正利用やチャージバックは、ユーザーの信頼を失うだけでなく、事業者の損失にも直結します。安全性が担保された決済方法であることは、今や最低限の要件です。

たとえば、3Dセキュア対応やSSL暗号化、トークン化された決済システムを利用することで、第三者からの不正アクセスを防げます。

信頼されるECサイト作りには、セキュリティ対策が万全な決済手段の導入が不可欠です。

ユーザー離脱を防ぐ!おすすめの決済サービスとは?

ユーザーの離脱を防ぐには、希望される決済方法をカバーすることが欠かせません。

購入直前で「使いたい決済手段がない」と気づかれると、そこで離脱されてしまう可能性が高まります。

そこでおすすめなのが、決済代行サービス「KOMOJU」です。

KOMOJUなら、クレジットカード決済やQRコード決済、あと払い、キャリア決済、海外決済までを一括導入できます。

初期費用・月額費用無料で、コストは売上に応じた手数料のみというシンプルな料金体系が魅力です。

導入はノーコードで簡単なため、ShopifyやWixなどの主要ECプラットフォームはもちろん、自社開発サイトにも柔軟に対応。セキュリティもPCI DSSレベル1に準拠し、万全です。

また、売上金を即時に利用できる法人向けVISAプリペイドカード「KOMOJUカード」も提供されています。

KOMOJUでの売上をスピーディーに活用できるうえ、カード利用額の0.5%が決済手数料からキャッシュバックされるのが魅力。

KOMOJUを利用する加盟店のために設計された、実用性の高い法人カードです。

まとめ

本記事では、ECサイトにおける決済方法の重要性や、それぞれのユーザー傾向、選び方のポイントについて紹介しました。

決済手段の多様化は、離脱を防ぐだけでなく、サイトへの信頼感や満足度の向上にもつながります。

ターゲット層に合った決済手段を導入することで、購入率やリピート率の向上も期待できるでしょう。

ユーザー目線と運用コストのバランスを意識しながら、自社に最適な決済手段を選び、売上アップを目指しましょう。

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