楽天のCPA広告は、簡単な手順で手軽に出稿できる広告メニューです。
また、効果保証型の広告であり、ROAS換算だと500%も保証されています。
しかし、
「CPA広告を使った成果がイメージできない」
「CPA広告の使いどころが良く分からない」
という担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、楽天CPA広告の概要や費用の詳細、設定方法などを徹底解説します。
経験豊富な元楽天ECCの視点で、CPA広告を活用するときの注意点や、成果を上げるポイントも紹介しているので、ぜひ最後まで読んであなたのお店の売上向上の参考にしてみてください。
監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
目次
楽天のCPA広告とは?
画像出典元:楽天市場
楽天市場のCPA(Cost per Acquisition)広告とは「効果保証型広告」とも言われ、RMS(店舗運営システム)に登録されている商品から、自動的に選定した商品を楽天市場内や外部サイトへ配信する広告です。
CPA広告の費用は広告経由で商品が購入された場合のみ一律で売上の20%が広告費として発生する仕組みです。
掲載箇所は、主に以下のとおりで幅広く配信されています。
楽天CPA広告の主な掲載箇所 |
・楽天市場ジャンルページ「このジャンルのピックアップアイテム」 ・お買い物マラソンやスーパーSALEなどのイベントページ ・楽天グループサイト内 ・楽天メールマガジン |
運用型広告やディスプレイ広告のように掲載されたり、クリックされたりするだけでは費用は発生しないため、自社商品の認知度を広めたい場合に、少ないリスクで広告運用を始められるのが特徴です。
なお、楽天CPA広告以外にも楽天市場で活用できる広告について以下の記事で解説していますのでぜひ参考にご覧ください。
関連記事:【2024年最新】初心者でもわかる楽天市場広告ガイド|元楽天ECCが徹底解説
楽天のCPA広告をおすすめする理由
CPA広告がおすすめな理由は、効果保証型のため利益率が20%以上確保できる商品であれば、リスクなく利用できる点です。
他にも代表的な広告に「RPP広告」と「クーポンアドバンス広告」があり、以下はCPA広告との特徴を比較した表です。
配信形式 | 楽天CPA広告 | RPP広告 | クーポンアドバンス広告 |
メリット | 効果保証型 | 高いターゲティング精度 | ターゲティング可能 |
デメリット | 予算上限設定不可 | 競争が激しい | 配信にコストが高い |
課金方式 | 広告経由売上の20% | クリック課金 | クリック課金 |
費用 | 売上の20% | クリック単価:10円〜 月予算:5,000円〜 | クリック単価25円〜 月予算:5,000円〜 |
おすすめ店舗 | ・初めて楽天広告を活用する店舗 | ・費用対効果の高い広告を利用したい店舗 | ・顕在層にアプローチしたい店舗 ・値引きが可能な店舗 |
楽天市場で新規顧客獲得をするには、RPP広告やクーポンアドバンス広告などの広告を運用するのがおすすめですが、いずれもクリック課金型広告です。
そのため、予算をかけて広告を出稿しても、広告をクリックしたユーザーが商品を購入しないと売上にはつながりません。
一方、CPA広告は広告が掲載またはクリックされても費用は発生せず、広告経由で購入された場合にのみ売上の20%を広告費として支払う仕組みです。
そのため、はじめて楽天広告を利用する店舗にとってリスクを押さえて利用できるおすすめの広告です。
また、少額の費用で広告を出稿して、データ分析のために活用する方法も有効な使い方と言えます。
楽天CPA広告にかかる費用
CPA広告にかかる費用は、広告経由で購入された売上の20%が広告費となります。
広告費が一律売上の20%ということを言い換えれば、確実にROAS(広告費用対効果)が500%担保されていると言えます。
ROASとは以下の計算式で算出される広告の費用対効果を図る基準のことです。
ROAS(広告費用対効果)=(売上÷広告費)×100% |
たとえば、CPA広告経由で10,000円の商品が売れた場合、広告費は10,000円×20%で2,000円となります。
この費用対効果を上記の計算式に当てはめると、(10,000円÷2,000円)×100%=500%となります。
なお、CPA広告経由の購買により費用が発生する期間は、ユーザーが広告をクリックしてから720時間(30日間)以内です。
ユーザーが広告を見ただけの場合や広告をクリックしたが30日以内に購入に至らなかった場合は、広告費が発生しません。
そのため、RPP広告など他のクリック課金型広告のようにROASが低いまま予算を消化してしまうということは起こりにくいでしょう。
また、効果保証型広告のため、新規出店したばかりでまとまった広告費の準備が難しい店舗でも活用しやすい広告です。
楽天CPA広告を活用する3つのメリット
楽天CPA広告を活用するメリットを以下3つに分けて解説します。
- ユーザーが集まる場所に掲載される
- 楽天サーチ以外からの流入が見込める
- 配信設定が簡単で工数がかからない
順に解説します。
1.ユーザーが集まる場所に掲載される
お買い物マラソンや楽天スーパーSALEなどのイベントページなど、多くのユーザーがアクセスするページに掲載される点がメリットと言えます。
主なCPA広告の掲載箇所は以下のとおりです。
楽天CPA広告の主な掲載箇所(※) |
・楽天市場ジャンルページ「このジャンルのピックアップアイテム」 ・お買い物マラソンや楽天スーパーSALEなどのイベントページ ・楽天グループサイト内 ・楽天メールマガジン |
また通常、楽天トップページやイベントページなどに広告を掲載したい場合、たとえばディスプレイ広告を利用すると1枠40,000円以上の出稿料を事前に支出する必要があります。
一方、CPA広告であれば掲載場所の指定はできないものの、掲載自体に広告費は発生しないため、手軽に露出を高められるでしょう。
2.楽天サーチ以外からの流入が見込める
CPA広告は楽天市場以外に楽天グループの外部サイトにも掲載されます。
CPA広告を活用すれば楽天市場を利用するユーザーはもちろんのこと、楽天市場外の見込み客にもアプローチできるため、自社店舗に新規ユーザーがアクセスする可能性があります。
また、楽天市場外に露出したとしても、広告経由で購入された場合にのみ費用が発生する仕組みは同じため、出店者のデメリットは少ないと言えるでしょう。
3.配信設定が簡単で工数がかからない
CPA広告の配信設定は非常に簡単な点もメリットです。
設定方法はシンプルで、RMSのプロモーションメニューから「効果保証型広告(CPA広告)」を選択し、広告配信ステータスを「有効」に切り替えるだけで24時間以内に広告配信が開始される仕組みです。
一方、他の広告を運用する場合、入札単価や広告配信先のセグメントなどの細かな設定が必要なため、出店したばかりでノウハウが不足している店舗にとっては、利用するために一定のハードルがあります。
またCPA広告の場合、ディスプレイ広告のように広告用バナーの作成スキルも不要なため、比較的簡単に出稿を始められる点もメリットと言えます。
楽天CPA広告の設定方法
ここからは、楽天CPA広告の設定方法を解説していきます。
なお設定は非常に簡単で、RMSから次の6つの手順どおりに操作して、広告配信ステータスを有効に切り替えるだけです。
手順と操作内容 |
1.RMSにログイン |
2.メインメニューから「広告・アフィリエイト・楽天大学」を選択し、「広告(プロモーションメニュー)」にアクセス |
3.プロモーションメニュー内で「効果保証型広告(楽天CPA広告)」を選択 4.「配信ステータスの確認・変更」ページに進み、広告配信ステータスを「有効」に設定する 5.規約内容を確認し、「規約を確認した」にチェックを入れる 6.「設定する」ボタンをクリックして、設定を完了 |
以上で設定は完了です。設定完了後、24時間以内に広告の配信が開始されます。
楽天CPA広告を活用する際の3つの注意点
活用のメリットが多いCPA広告ですが、主な注意点が以下のとおり3つあります。
- 掲載先をコントロールできない
- 広告予算上限の設定ができない
- クリック後720時間(30日)以内のすべての売上が広告費の対象となる
上記の注意点を考慮してCPA広告を活用してみましょう。
1.掲載先をコントロールできない
ひとつ目の注意点は、掲載先を店舗側で設定できないことです。
CPA広告は、ディスプレイ広告や運用型広告と異なり、広告掲載枠を購入して配信を行う広告メニューではないため掲載先を指定できず、必ず掲載される保証もありません。
CPA広告は、リターゲティングの側面が強く、ユーザーがよく閲覧する商品の関連商品が該当ページ下部の広告枠にピックアップとして掲載されます。
広告費のリスクが少ない分、店舗の裁量でターゲティングや露出エリアをコントロールできないため、全体のユーザーに向けた広告戦略を立てて利用しましょう。
2.広告予算上限の設定ができない
2つ目の注意点は、CPA広告には広告予算の上限設定がないため、思わぬ広告費が発生する可能性があることです。
楽天で活用できる多くの広告は、予算の上限を設定できるため自社店舗で決めた予算内で運用することが可能です。
一方、CPA広告は一定期間に広告経由で大量の商品が購入がされた場合は、予算を大幅に超える広告費を請求されるリスクがある点を把握しておきましょう。
そのため、CPA広告を運用する際は、定期的なモニタリングと広告の対象とする商品数をもとにした適切な予算管理が重要です。
万が一、想定以上に購入された場合は、配信ステータスを無効にして配信を停止しましょう。
3.クリック後720時間(30日)以内のすべての売上が広告費の対象となる
3つ目の注意点は、CPA広告は広告をクリックしてから720時間以内、つまり30日間のすべての売上に対し20%の広告費が発生することです。
たとえば、A商品のCPA広告をクリックして購入し、720時間以内にリピート購入があった場合は、リピート購入時にCPA広告をクリックされていない場合にも広告費用が発生します。
さらに、広告をクリックした商品以外の通常カゴで購入されたB商品に対しても20%の広告費用が発生します。
そのため、利益率の低い商品など広告を出稿したい商品以外はCPA広告の除外設定を行い、余計な広告費が発生しないように対策しておきましょう。
楽天CPA広告で成果を上げる5つのポイント
実際に楽天CPA広告を利用する上で、成果を上げるポイントを5つご紹介します。
- 利益率の低い商品を除外設定する
- 商品画像に訴求力のある文言を追加する
- 転換率が高くなるイベント時に出稿する
- 他広告のレポートを活用する
- シーズナリティがある商品を中心に露出
自社商品の特徴を把握して効果的に活用しましょう。
1.利益率の低い商品を除外設定する
利益率が20%以上確保できない商品は必ず除外設定をしましょう。
繰り返しになりますが、CPA広告の広告費用は売上の20%で一律です。そのため、そもそも利益率が20%以下の商品をCPA広告で出稿してしまうと赤字になってしまうため、必ず広告対象から除外しましょう。
なお、CPA広告で除外登録できる商品数は50,000件です。除外商品の登録はRMSの「除外商品管理」のページから簡単に行えるため、事前に自社商品の利益率を確認し、利益率が低い商品を漏れなく除外登録しましょう。
2.商品画像に訴求力のある文言を追加する
画像出典元:楽天市場|エコバックス ジャパン公式ストア
CPA広告に使用される画像は、商品ページ1枚目の画像が表示されるため、広告表示されることも意識してユーザーの目に留まりやすい画像にしましょう。
具体的には、商品写真や背景を見直したり、ランキング受賞歴や販売実績など訴求力のある文言を入れたりするなどCTR(クリック率)を高める工夫が必要です。
ただし、画像に使用できる色や画像、テキストにはガイドラインを遵守して作成する必要があることに留意しましょう。
商品画像を魅力的にすればCPA広告だけでなく、検索経由のアクセス向上にもつながるため、自社商品の画像別のアクセス数を分析し、CTR(クリック率)の高い画像を参考に改善するのがおすすめです。
3.転換率が高くなるイベント時に出稿する
CPA広告の配信するタイミングは、CVR(転換率)が高まるイベント開催期間がおすすめです。
特にお買い物マラソンや楽天スーパーSALEなど、ユーザーの購買意欲が高まるタイミングで広告を露出できればCVRが高まるため売上につながりやすくなります。
そのため、店舗の運営予算の関係で普段からCPA広告の出稿が難しい場合でも、売上以外にも認知度向上も期待できるためイベント時にはCPA広告を活用しましょう。
なお、CPA広告は配信開始と停止のどちらも24時間以内に変更できるため、期間を限定した広告を出稿しやすい特徴があります。
4.他広告のレポートを活用する
CPA広告はキャンペーン全体のパフォーマンスは確認できても、商品別の詳細なパフォーマンスは確認できない仕様となっています。
もし、他に利用している広告(例えばRPP広告など)があれば、そこで発行されるパフォーマンスレポートを活用し、CVRが低い商品を除外登録する等、より効果が出る見込みがある商品を中心に露出されるようコントロールすることが重要です。
5.シーズナリティがある商品を中心に露出
前述のとおり、掲載面にイベントページや特集ページが含まれるため、シーズナリティがある商品を露出することでより効果的に活用することが可能です。
特に楽天市場を利用するユーザーはギフト需要の場合も多いため、クリスマス・バレンタイン・敬老の日など季節の需要にあった商品に絞って露出することもポイントの一つと言えます。
まとめ|楽天CPA広告で手軽に認知度を高めよう
楽天市場のCPA広告は、効果保証型のためこれから広告運用をしてみたい店舗にとって手軽に始めやすい広告です。
また、楽天市場内外のさまざまなサイトに広告が掲載されるため、多面的に自社商品を訴求できる点もメリットと言えます。
ただし、広告の配信設定を有効にしても広告が掲載される保証がない点や、配信先を指定できないことを把握して活用しましょう。
楽天CPA広告に興味があり、これから広告を運用で売上を伸ばしたいけれど、ノウハウがなくて不安という担当者に向けて、これまで数多くのECモールの店舗様を支援した実績をもとにまとめた、ジャグー独自のノウハウ資料を提供しています。
また、ジャグー株式会社では、ECモールの豊富な経験と実績をもつコンサルタントが専門的なサポートを行っています。楽天CPA広告などの広告運用の代行や、売上の改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売までを一気通貫したEC支援をご提供します。
まずは資料をチェックしていただき、ECモールの運営に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。