【2025年最新】RMP広告とは?RPP広告との違いやメリットを徹底解説!

RMP広告は楽天の約1億人の会員データを活用し、楽天市場の内外にいる潜在顧客へアプローチできる広告プラットフォームです。

RPP広告ではリーチできなかった顧客層に自社商品をアピールし、店舗の売上向上を目指せます。

しかし「RPP広告との違いがわからない」「サービスの種類が多くて自社にどれが合うのかわからない」などとお悩みの担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事ではRMP広告の概要からRPP広告との違い、メリットや注意点まで網羅的に解説します。さらにRMP広告の効果を高めるコツも紹介しています。

RMP広告で実際に成果を上げた事例も紹介しているため、RMP広告を活用して売上アップを目指したい方はぜひ参考にしてください。

\RPP広告CVアップの鍵!/

代表取締役米原広兼

監修者
米原 広兼

ジャグー株式会社 代表取締役

新卒で楽天グループ株式会社に入社し、ECコンサルタントとして
SOY(Shop of the Year)受賞店舗をはじめ多数の上位店舗を支援。

約2万人の社員の中から「楽天賞MVP」を受賞するなど、
高い実績と評価を獲得。
その後、大手企業のEC支援を行うコンサルティング会社を経て、
2020年にEC専門支援会社「ジャグー株式会社」を設立。
楽天市場やAmazonなど複数モールにおける売上拡大・運用最適化を総合的に支援している。

また、グループ会社にて自らもAmazonでの販売事業を展開。
自社ブランド製品はAmazonで「Amazonおすすめ」を多数獲得し、
販売開始から1年で月商1,000万円を突破するなど、売り手としても豊富な実績を持つ。

目次

RMP広告とは?

RMP広告とは「Rakuten Marketing Platform」の略で、楽天が提供する包括的なマーケティングプラットフォームです。

約1億人を超える楽天会員IDに紐づくデータや、楽天グループのさまざまなサービスから得られる膨大な顧客の行動データを活用できる特徴があります。

顧客一人ひとりの興味関心に合わせた精度の高いマーケティング活動が可能です。

また広告配信だけでなく、データ分析や顧客関係管理(CRM)の機能が含まれており、企業のマーケティング活動全体を幅広くサポートします。

RMP広告の理解をより深めるために、さらに以下2つの観点で解説します。

  • RPP広告との違い
  • RMP広告が重要な理由

順に解説します。

RPP広告との違い

RMP広告と似た広告に「RPP広告(Rakuten Promotion Platform)」がありますが、RMP広告は、楽天市場に出店していない店舗でも楽天広告を利用できる点が大きな違いです。

その他の違いについては以下のとおりです。

RMP広告RPP広告
利用できる店舗楽天市場に未出店の企業やメーカーも利用可能楽天市場に出店している店舗のみ
主なターゲット層潜在層(楽天市場外・まだ購入を考えていない幅広い顧客)顕在層(楽天市場内で商品を探している顧客)
掲載場所・配信面楽天市場内外(楽天グループサービス・提携サイトなど)楽天市場内(検索結果画面など)
提供するサービス広告配信、CRM機能広告配信のみ

RMP広告が重要な理由

RMP広告は、RPP広告だけではアプローチできなかった潜在顧客に自社商品をリーチできるため、楽天内外から新規顧客を獲得し、売上を最大化するために重要な施策です。

顧客の購買行動が多様化する現代では、楽天市場内の検索キーワードだけの広告に頼っていては、新たな顧客層の獲得が難しくなっています。

そのため、楽天の膨大な顧客データを活用できるRMP広告の活用で、潜在顧客に対して商品の魅力を伝え、新規顧客の獲得を促進できる重要な施策と言えるのです。

RMP広告で活用できる4つのサービス

RMP広告は複数のサービスから構成されるプラットフォームです。ここではRMP広告で活用できる以下4つの主要なサービスを解説します。

  1. RMP-Unified Ads|楽天グループ内を横断した広告の配信
  2. RMP-Display Ads|多彩なターゲティング
  3. RMP-Direct Message|メール/DM施策
  4. RMP-SE|未出店でも利用できるPR枠

順に解説します。

1.RMP-Unified Ads|楽天グループ内を横断した広告の配信

画像出典元:Rakuten Marketing Platform navi|プロダクト紹介「RMP – Unified Ads」ダウンロード資料より(資料のダウンロードページへ遷移)

RMP-Unified Adsは、楽天グループが提供するさまざまなWebサービス内のプレミアム広告枠へディスプレイ広告を配信できるサービスです。

楽天市場はもちろん、楽天トラベルや楽天ブックスといった複数の配信面に広告を展開できます。

RMP-Unified Adsの特徴は、楽天会員の属性情報であるデモグラフィックデータや購買履歴などの行動データを活用した高精度なターゲティングが可能な点です。

RMP-Unified Adsは広範囲な広告枠を活用できるため、多くの場合、自社商品の認知拡大や検討層の増加を目的に利用されます。

また、主に利用可能なセグメントデータや広告の出稿料の目安は以下のとおりです。

主に利用可能なセグメントデータ
・楽天会員の性別や年齢、会員ランクをもとにしたデモグラフィックデータ
・楽天が提供する各サービスのアクティブユーザー
・楽天市場における実行動データ
出稿料の目安
・バナー広告:500,000円〜(インプレッション課金・クリック課金)
・動画広告:1,000,000円〜(インプレッション課金)

RMP-Unified Adsを活用すれば広告運用を効率化しつつ、費用対効果の高いアプローチができるでしょう。

2.RMP-Display Ads|多彩なターゲティング

画像出典元:Rakuten Marketing Platform navi|RMP – Display Ads

RMP-Display Adsは楽天が保有する膨大な顧客の行動データに基づき、多彩なターゲティング設定が可能な運用型広告です。

RMP-Display Adsの特徴としては、豊富な配信フォーマットを活用できる点があり、バナー広告や動画広告、SNS広告など店舗のニーズに合わせて最適な広告を配信できる点があります。

ブランドの認知拡大から購買促進、さらにはリピーター育成(ファン化)まで顧客の購買プロセスのあらゆる段階で効果的なアプローチが可能です。

またオプションサービスのレポートツール「Instore Tracking」の活用により実店舗購買に対する広告の貢献度を可視化できるため、RPP広告では難しいフルファネルマーケティングを実施できるのも特徴の一つと言えるでしょう。

3.RMP-Direct Message|メール/DM施策

RMP-DirectMessage(メール)RMP-DirectMessage(DM)

画像出典元:Rakuten Marketing Platform navi|プロダクト紹介「RMP – Direct Message(メール・DM)」ダウンロード資料より(資料のダウンロードページへ遷移)

RMP-Direct Messageは、楽天会員のデータを利用して特定のターゲット層に直接アプローチできるサービスです。

配信方法はメールとDMの2種類があります。顧客の属性や興味関心に合わせてセグメントを作成し、購買や来店を促すメッセージの送信が可能です。

クリックすることで楽天ポイントが貯まるインセンティブ付きのメール配信もでき、顧客の行動を効果的に促進できるでしょう。

4.RMP-SE|楽天市場に未出店でも利用できる広告枠

画像出典元:Rakutenメーカーソリューションナビ

RMP-SE(Sales Expansion)は、楽天市場に出店していない企業やメーカーなども利用できる検索連動型広告です。

楽天市場の検索結果画面に自社商品を上位表示して顧客の認知度向上を狙えます。

RMP-SEの活用により、楽天市場に店舗を出していない企業やメーカーでも楽天ユーザーに対して新商品の認知を広めたり、自社商品の取り扱い店舗への送客を促したりと、売上創出につなげられるでしょう。

RMP広告を導入する5つのメリット

RMP広告の活用で得られる以下5つのメリットについて解説します。

  1. 約1億人の楽天会員データでターゲティングが可能
  2. 認知からリピーターまでアプローチできる
  3. 楽天経済圏を活用して広告効果を最大化できる
  4. オン/オフ統合マーケティングを実現できる
  5. 配信から効果測定までを効率化してROASを高められる

順に解説します。

1.約1億人の楽天会員データでターゲティングが可能

RMP広告を導入する最大のメリットは、楽天が保有する約1億人以上の膨大な会員データをマーケティングに活用できることです。

年齢や性別、居住地といった属性情報に加え、楽天市場での購買履歴や商品の閲覧履歴、楽天トラベルの利用履歴といった具体的な行動データも利用できます

たとえば、RMP広告でターゲティングを行う場合、以下のようなユーザーと広告が考えられます。

ターゲティングユーザー例配信する広告
過去1年以内にキャンプ用品を購入し、かつSUV関連の商品を閲覧した30代〜40代の男性新製品の高性能ランタン
「オーガニック」「無添加」などのキーワードで商品を検索し、価格帯5,000円以上の化粧水購入経験がある20代後半〜30代の女性新商品の美容液サンプル

このようにRMP広告を導入すれば、自社の商品やサービスに高い関心を持つ可能性のある顧客層へ、ピンポイントで広告を配信できるのです。

2.認知からリピーターまでアプローチできる

RMP広告は、顧客の購買に至るまでの「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」「リピート」といった各段階に対応したマーケティングを展開できます。

たとえば「RMP-Unified Ads」で潜在層に自社商品を広く認知させ、興味を持った顧客には「RMP-Display Ads」で再度アプローチします。

また購入後の顧客には「RMP-DirectMessage」を活用したDMでクーポンを送付し、再購入を促すといった複数のサービスを組み合わせた施策を実行可能な点がメリットと言えるでしょう。

3.楽天経済圏を活用して広告効果を最大化できる

楽天グループは楽天市場だけでなく、楽天トラベル、楽天銀行・楽天証券、楽天ブックスなど、70以上の多岐にわたるサービスを展開しています。

RMP広告は、これらのサービスから横断的に取得した顧客データを活用できるため、顧客のライフスタイルや興味関心により近いマーケティングが可能です。

「RMP-Display Ads」で顧客のニーズに合致した広告を配信できれば広告効果の最大化が期待できるでしょう。

4.オン/オフ統合マーケティングを実現できる

RMP広告はオンライン上の行動データと、オフラインデータの連携基盤「RMP-Data Management Platform(DMP)」など、オンラインとオフラインを統合したマーケティング施策を実現できます。

たとえば、実店舗で特定の商品を購入した顧客に対して、後日「RMP-Display Ads」を活用して関連商品の広告を配信したり「RMP-Direct Message」でオンラインで使えるクーポンを発行したりするといった施策の実施が可能です。

オンラインとオフラインを統合した一貫性のあるマーケティング施策によって、顧客との接点を強化し、ブランドへのロイヤリティを高められるメリットがあるのです。

5.配信から効果測定までを効率化してROASを高められる

RMP広告は複数の広告メニューを一つのプラットフォームで一元管理できる点や、データ分析や顧客関係管理(CRM)の機能を利用できるため、運用にかかる工数を削減できます。

また広告の最低出稿金額5,000円から配信を開始できるため、低い広告予算から始められるのもメリットの一つです。

運用にかかる手間を削減しつつ、少ない予算から始められることから、効果の分析や改善を効率的に行い費用対効果(ROAS)を高めやすい広告と言えるでしょう。

RMP広告を掲載するまでの流れ

RMP広告を出稿するためには以下の手順を踏む必要があります。

  1. 可否審査
  2. 在庫見積
  3. 決定・発注
  4. 原稿審査(5営業日)
  5. 入稿(3〜8営業日)
  6. 掲載

また初めてRMP広告を利用する場合は、「取引審査(3営業日)」と「申込提出」の手続きも追加されます。

申込書の提出は、目安として広告掲載の10営業日前までに「広告掲載サービス利用申込書」の提出を行いましょう。

なお具体的な手続きや詳細については、下記の楽天広告の問い合わせ窓口に連絡し、担当者の案内にしたがって進めるのがスムーズです。

参考:楽天広告お問い合わせ窓口

RMP広告を活用する際の3つの注意点

多くのメリットがあるRMP広告ですが、活用する際に注意すべき以下3つの項目を解説します。

  1. ターゲティング設定を誤ると効果が出にくい
  2. RPP広告よりも最低クリック単価が高い
  3. 効果測定と改善(PDCA)を回すリソースが必要

RMP広告を利用し始めて「想定より成果がでなかった」などと後悔しないようにしっかりと確認しておきましょう。

順に解説します。

1.ターゲティング設定を誤ると効果が出にくい

RMP広告で思ったとおりの成果を出すためには、ターゲティング設定を高い精度で行う必要があります。

たとえば、魅力的な広告クリエイティブを用意しても、商品やサービスと関連性の低い顧客に広告を配信してしまうと、クリック率(CTR)が伸びずに広告費用が無駄になってしまうかもしれません。

そのため、ターゲティング設定をする際はペルソナの設定がおすすめです。

ペルソナとは以下のような属性情報をもとに実際のユーザーを具体化したものです。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • ライフスタイル
  • 趣味・嗜好など

自社が狙いたい顧客層はどのような人物なのかを明確に定義できれば、適切なターゲティング設定が行えるため、RMP広告を効果的に活用できるでしょう。

2.RPP広告よりも最低クリック単価が高い

検索連動型広告である「RMP-SE(Sales Expansion)」は、同じく検索連動型のRPP広告と比較して、最低クリック単価(CPC)が以下のとおり高めに設定されている点に注意しましょう。

RMP-SE広告RPP広告
最低クリック単価50円10円

RMP広告は楽天グループのさまざまなサービスの広告枠に配信され、クリック数が増加する傾向にあるため、RPP広告と同じ感覚で運用すると、想定以上の広告費用が膨らんでしまう可能性があります

そのため、事前の予算計画や配信先を見極めて、費用対効果を意識して運用を行いましょう。

3.PDCAサイクルを回すリソースが必要

RMP広告は一度配信して終わりではなく、分析と改善を繰り返すためのリソースも必要です。

RMP広告のレポーティングツールから得られるデータをもとに、クリック率(CTR)や広告費用対効果(ROSA)などを定期的にチェックしましょう。

分析結果をもとに「どのターゲット層の反応が良かったか」「どの広告クリエイティブのクリック率が高かったのか」などを把握し、次の施策に活かすPDCAサイクルを回す必要があります。

PDCAサイクルを継続的に回すためには、データ分析の専門知識や、施策を検討・実行するための時間と人材確保が必要な点を把握しておきましょう。

RMP広告の成功事例3選

RMP広告が実際にどのように活用され、どのような成果を上げているのか、楽天の公式サイトで公開されている以下3つの事例を紹介します。

  • 株式会社読売広告社
  • 株式会社伊勢半
  • 日清オイリオグループ株式会社

順に紹介します。

株式会社読売広告社

画像出典元:Rakuten Marketing Platform navi|広告事例「株式会社読売広告社」

楽天グループは、クライアントである株式会社読売広告社が抱える「富裕層へのアプローチ」という課題に対し、RMP広告のサービスの中から「RMP – Display Ads」などを活用した改善を行いました。

まず楽天インサイトの調査機能を用いて富裕層の顧客像を具体的に把握し、独自のターゲット層「令和リッチパッケージ」を作成。

次に、令和リッチパッケージのセグメントに対して「RMP – Display Ads」で広告を配信し、配信後にはブランドリフト調査によって広告効果を可視化しました。

この「調査」「セグメントの作成」「広告配信」「効果検証」を一気通貫で行うRMP広告の施策により、広告接触者は非接触者に比べて商品への認知や好意度が向上

これまでアプローチが難しかった富裕層マーケティングにおいて、有効な成果を出せた事例です。

参考1:令和の富裕層をオリジナルセグメント化!調査から広告配信、効果検証までの一気通貫でアプローチ<前編>

参考2:令和の富裕層をオリジナルセグメント化!調査から広告配信、効果検証までの一気通貫でアプローチ<後編>

株式会社伊勢半

画像出典元:Rakuten Marketing Platform navi|広告事例「株式会社伊勢半」

株式会社伊勢半は、親子で使える日やけ止め「KISSME Mommy! UVシリーズ」の認知向上と売上の大半を占める実店舗での購買促進を目的にRMP広告を活用しました。

この施策では、楽天が保有するオンライン(楽天市場)とオフライン(楽天ポイントカードなど)の購買データを統合したマーケティングを実施してターゲットにするべき顧客層を特定しました。

具体的には「楽天市場のベビー用品購入者」と「実店舗でのベビー用品購入者」という2つの異なるデータに基づいた顧客層に「RMP – Display Ads」を活用した動画広告を配信し、どちらが実店舗での購買につながりやすいかを検証しました。

オフラインデータに基づいた広告配信が、実店舗での購買リフトに大きく貢献することが判明。これにより、今後のマーケティング施策において、どの顧客層にアプローチすべきかが明確になった事例です。

参考1:親子で使える「KISSME Mommy! UVシリーズ」の認知向上と購買促進<前編>

参考2:親子で使える「KISSME Mommy! UVシリーズ」の認知向上と購買促進<後編>

日清オイリオグループ株式会社

画像出典元:Rakuten Marketing Platform navi|広告事例「日清オイリオグループ株式会社」

日清オイリオグループ株式会社は、新カテゴリ商品である「味つけオイル」と「シーズニングオイル」の顧客像の把握と認知拡大、トライアル購買促進を目的にRMP広告を活用しました。

まずがクーポン施策でトライアル購入を促し、売上を確保しながら購買者データを収集

次に収集した購買者データを楽天インサイトの意識調査とかけ合わせ、これまで不明確だった顧客像を具体化しました。

最終段階として、分析で明確になったターゲット層に対し、訴求内容を最適化した広告クリエイティブを「RMP – Display Ads」で配信。

その結果、トライアル購入は目標を大幅に上回り、データに基づいた広告配信で高いクリック率を達成

実購買データから顧客像を把握できたことが、今後のマーケティング戦略における大きな成果となった事例です。

参考1:オイルで味つけ!新たな市場創出に向けた取り組み ‐ データを活かした顧客像の把握と購買促進・広告展開<前編>

参考2:オイルで味つけ!新たな市場創出に向けた取り組み ‐ データを活かした顧客像の把握と購買促進・広告展開<後編>

RMP広告の効果を高める3つのコツ

RMP広告の効果を最大限に活かすための以下3つのコツを紹介します。

  1. 管理画面のレポーティングツールをチェックする
  2. 効果測定結果を確認して施策に反映させる
  3. PDCAサイクルを回して改善を続ける

順に紹介します。

1.管理画面のレポーティングツールをチェックする

RMP広告では出稿した広告の成果を確認できる「RMP-Connect」というレポーティングツールを利用できます

RMP-Connectをチェックすれば、日別・週別・月別など、指定した期間のパフォーマンスデータを簡単に把握できます。

まずはクリック数やコンバージョン数(CVR)、クリック率(CTR)、広告費用対効果(ROAS)といった基本的な指標の確認がおすすめですが、特に有用なのが独自の条件でデータを抽出できる「カスタムレポート」です。

カスタムレポートでは広告グループごとのパフォーマンス比較や、曜日・時間帯別の効果検証など詳細な分析が可能です。

この機能を活用すれば「特定の曜日の夜間にコンバージョン率が高まる」といった、運用を最適化するための重要な気付きを得られるでしょう。

2.効果測定結果を確認して施策に反映させる

レポートの分析で得られたデータから課題を発見し、その改善策を次の施策に反映させることもRMP広告の効果を高めるコツの一つです。

たとえば、CTRは高いもののCVRが低い場合は、広告のリンク先である商品ページに問題がある可能性が考えられます。

一方でCVRが高いターゲット層が見つかれば、その層への広告配信予算を強化するといった判断も可能です。

担当者の感覚的な判断ではなく、レポートの分析結果をもとにした仮説検証を繰り返して、RMP広告の効果を高めましょう。

3.PDCAサイクルを回して改善を続ける

RMP広告の運用効果を高めるためには、PDCAサイクルを継続的に回して改善を繰り返す作業も重要です。

具体的なPDCAサイクルを回しながら広告運用を改善する方法は以下のような例が考えられます。

概要具体例
P:計画(Plan)・過去の運用データから課題点を抽出して改善の仮説を立てる「出産祝い」と検索する顧客に「ギフトセット」のバナー広告配信をすると購入率の向上につながると仮説する
D:実行(Do)・仮説検証のため広告をテスト配信する
・複数のバナーデザインを用意してA/Bテストを行う
全商品広告とギフトセット広告を並行配信して比較する
C:評価(Check)・広告のコンバージョン率やCPAを定量分析する両広告のコンバージョン率(CVR)と顧客獲得単価(CPA)を数値で比較する
A:改善(Action)・効果の高かった広告に予算集中する
・成果の悪い広告は停止する
ギフトセット広告がCPAを30%改善した→予算集中と非効率な広告の停止

以上を例に、一度施策を実施しただけで終わらせず、分析と改善の繰り返しがRMP広告の効果を高めるためのコツと言えるでしょう。

なおPDCAを回す期間は1〜2週間単位がおすすめで、可能であればCVRやCPAなどのデータチェックは毎日実施しましょう。

RMP広告の予算配分

RMP広告は、大半の会社は楽天との個別商談を通じて在庫や掲載面、配信対象、告知時期などを一社ごとにカスタマイズした設計を行います。

そのため、あらゆる企業に当てはまる固定の配分テンプレートを提示してしまうと、どうしても机上の空論になりやすいため、自社専用の予算配分を楽天と一緒に策定しましょう。

予算策定時の考え方としては、TOFU(潜在層ユーザー)では、Unified AdsやDisplay Adsを用いて、できるだけ多くの人に見てもらう“母数”をつくります。

そして、MOFU(興味関心・比較検討ユーザー)では、Display AdsやDirect Messageを活用し、比較検討中のユーザーにもう一度思い出してもらい、最終的なアクションにつなげます。この役割分担を基本にしつつ、予算を調整し、約4週間を1サイクルとして見直していきましょう。

RMP広告の導入に不安なら専門家への依頼もおすすめ

RMP広告は、高精度なターゲティング機能や豊富な広告メニューを利用できるツールですが、効果的に活用するには専門的な知識や運用ノウハウが求められます

自社での運用に不安がある場合や、運用リソースを確保できない場合は専門の代行会社へ広告運用を依頼するのも選択肢の一つです。

広告運用代行会社は豊富な経験やノウハウをもとに、自社にあった効果的な広告戦略の立案から運用、効果測定や改善提案まで一貫したサポートを受けられるでしょう。

外部リソースを活用すれば、社内リソースをコア業務に集中させながら最短距離で成果を得られる可能性が高まります。

以下の記事では、おすすめの楽天市場の広告運用代行会社を紹介しています。ぜひ併せてご覧いただき、自社にぴったりなパートナー探しにお役立てください。

関連記事:楽天市場の広告運用代行会社の選び方!厳選3社と費用相場・選定ポイントを解説

まとめ:RMP広告を攻略して売上アップを目指そう!

RMP広告は約1億人の会員を保有する楽天グループの膨大な顧客データを活用して、RPP広告ではアプローチが難しかった顧客層までリーチを広げて、店舗の売上向上につなげられるマーケティングプラットフォームです。

RMP広告では、主に以下のようなサービスを利用できます。

サービス名主な特徴やメリット配信方法
RMP-UnifiedAds・楽天グループのサービスを横断して広告配信が可能
・高精度ターゲティング
・各楽天サービスのプレミアム枠にディスプレイ広告を配信
RMP-DisplayAds・多彩なターゲティングと運用型広告を配信ができる
・フルファネルのマーケティングが可能
・バナー広告
・動画広告
・SNS広告
・Instore Tracking
RMP-DirectMessage・楽天会員への直接アプローチができる
・セグメント配信が可能
・メール
・DM
・ポイント付きメール
RMP-SE・楽天市場未出店企業も認知
・売上拡大などを目的に利用可能
・検索連動型広告
(楽天市場での上位表示)

商品特性に合ったRMP広告のサービスを活用して、自社が狙いたい顧客層にリーチを広げれば、販売規模を効率的に拡大して売上アップが目指せます。

しかし「自社に合うサービスを判断できない」「広告を運用するリソースが不足している」とお困りの担当者の方もいるのではないでしょうか。

ジャグー株式会社では、楽天市場の出店者様だけでなく、楽天のサービスを活用しようと検討しているメーカーや企業様に対しても、楽天市場出身者による専門的なサポートを行っています。

売上の改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売までを一気通貫したEC支援をご提供します。

本記事で解説した楽天市場に未出店でも活用できる「RMP広告」だけでなく、楽天が提供するサービスの活用に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。

ジャグーの楽天市場総合支援サービス
Jagooは、豊富な成功事例と失敗事例を踏まえて最短距離で進めるEC戦略・運用のプロフェッショナルです。
売上拡大・利益拡大はもちろん、継続し続けられる「仕組み化」に至るまで完全コミット。 楽天出身者が経営しているからこそ実現する、ただの作業代行ではない本気で勝ち抜くEC戦略をご提供致します。

RMP広告によくある質問

ここでは、RMP広告に関するよくある以下3つの質問に回答します。

以下はよくある質問と回答の概要です。

質問回答概要
1.RMP広告とRPP広告の違いは?以下のように主なターゲット層/配信面/利用可能な店舗が異なる

・RMP広告:潜在層へアプローチ/楽天グループ各サービスで広告配信可能/楽天市場未出店でも利用可能

・RPP広告:顕在層へアプローチ/楽天市場内のみで広告配信/楽天市場の出店店舗のみ利用可能            
2.RMP広告はどのようなサービス?主に以下のサービスがあり、楽天会員データを活用した統合型マーケティングサービスである

・RMP-Unified Ads:楽天グループ内で横断した広告配信
・RMP-Display Ads:配信先の詳細ターゲティング
・RMP-Direct Message:メール
・DMで直接アプローチ
・RMP-SE:楽天市場未出店の企業でも検索広告が利用可能 
3.RMP広告効果的活用のコツは?・RMP-Connectで定期的に分析する
・カスタムレポートを活用して効果測定し、次の施策反映させる
・PDCAサイクルで改善を続ける

次からそれぞれの質問に対して詳しく回答します。

Q1.RMP広告とRPP広告の違いはなんですか?

RMP広告とRPP広告の主な違いはアプローチできるターゲット層と配信面にあります。

RMP広告は楽天市場の内外にいる潜在層へ幅広くアプローチするのに対し、RPP広告は楽天市場内で商品を探している顕在層がメインターゲットです。

またRMP広告は楽天市場に出店していない企業でも利用できますが、RPP広告は出店店舗限定のサービスです。

なおRMP広告とRPP広告の主な違いは以下の表をご確認ください。

RMP広告RPP広告
利用できる店舗楽天市場に未出店の企業も利用可能楽天市場に出店している店舗のみ
主なターゲット層潜在層(楽天市場外・まだ購入を考えていない幅広い顧客)顕在層(楽天市場内で商品を探している顧客)
掲載場所・配信面楽天市場内外(楽天グループサービス・提携サイトなど)楽天市場内(検索結果画面など)
提供するサービス広告配信、CRM機能広告配信のみ

Q2.RMP広告はどのようなサービスですか?

RMP広告は、楽天が提供する統合型マーケティングプラットフォームです。約1億人の楽天会員データを活用し、精度の高いターゲティング設定を行い広告を配信できます

主に提供されているサービス内容は、以下の4つです。

  1. RMP-UnifiedAds:楽天グループ内に広く広告を配信する
  2. RMP-DisplayAds:広告配信先を詳細にターゲティングが可能
  3. RMP-DirectMessage:メールやDMで直接アプローチする
  4. RMP-SE:楽天市場に未出店でも検索運用型広告を利用できる

RMP広告を利用すれば、自社商品の認知拡大から販売促進、リピーター育成まで幅広いマーケティング目的に活用できます。

また広告を配信するだけでなく、データ分析や顧客関係管理機能(CRM)も備わっているため、包括的なマーケティング施策のサポートを受けられます

Q3.RMP広告を効果的に活用する方法はありますか?

RMP広告を効果的に活用するには、以下3つのポイントを押さえた運用がおすすめです。

ポイント概要具体的な活用方法・例
1レポーティングツールをチェックする・RMP-Connectでパフォーマンスデータ(CVR, CTR, ROASなど)を期間別
・広告グループ別で確認する
・カスタムレポートや時間帯比較を使い、最適な条件を見つける
2効果測定結果を施策に反映する・データ分析から課題を発見して改善策を次の施策に反映する・CVRが高い層へ予算を集中する
・CVRが低い広告内容やページを改善する
3PDCAサイクルを回して改善を続ける・計画→実行→評価→改善を継続的に繰り返し、運用を最適化する・広告施策ごとにA/Bテストを実施する
・効果の高いものに予算を集中させる

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