
「楽天サンキュークーポン」は、購入してくれたユーザーに対して、次回の来店とリピート購入を促すための自動付与型クーポンです。
競争が激しくなる楽天市場の中で「なかなかリピーターが増えない」「新規顧客獲得のCPAが上がり続けている」と課題を感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。サンキュークーポンを活用すれば、2回目以降の購入数増加・LTVの改善を図ることで、そのような課題が解決できるかもしれません。
本記事では、楽天サンキュークーポンの基本から、導入のメリットや設定方法、売上向上につながる7つの活用ポイントなどを解説しています。
さらに、クーポンの効果測定と具体的な改善ステップについても解説しているため、サンキュークーポンを活用して売上を伸ばしたいと考えている方はぜひ最後まで読んでみてください。

監修者
米原 広兼
ジャグー株式会社 代表取締役
2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。
目次
楽天サンキュークーポンとは

(画像出典元:楽天市場)
楽天サンキュークーポンとは、楽天市場に出店している自社ショップで商品を購入してくれたユーザーに対し、自動で発行するクーポンのことです。クーポンはユーザーが次回同じショップで買い物をする際に利用できます。割引原資は出店店舗側の負担となります。
2014年10月29日から提供されているサービスで、主な目的は一度購入してくれたユーザーのリピート購入を促し、店舗全体の売上向上につなげることです。

楽天サンキュークーポンを活用する2つの重要性
経済産業省が2024年9月に発表した「令和5年度電子商取引に関する市場調査」によると、日本のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は2023年に24.8兆円に達し、前年から順調に拡大しています。
しかし競合の増加にともない、CPA(新規顧客獲得コスト)が高騰しているため、売上を伸ばすには費用対効果の高いリピート顧客の育成が重要です。サンキュークーポンは、リピーター獲得において有効な施策の一つとなります。
楽天サンキュークーポンの活用が重要な理由は、以下の2点です。
- リピート顧客は新規顧客と比較して利益率が高い
- レビューや口コミを有効活用できる
順に解説します。
1.リピート顧客は新規顧客と比較して利益率が高い
リピート顧客の獲得・維持は、店舗の収益性を高める上で非常に重要です。
マーケティングの世界には「1:5の法則」という考え方があります。新規顧客を獲得するためには、既存顧客を維持するコストの5倍がかかる、という考え方です。
新規顧客は獲得コストが高いだけでなく、一般的に購入単価や購入頻度が既存顧客に比べて低い傾向にあるため、利益率も低くなりがちです。そのため、新規顧客の獲得に注力するだけでなく、既存顧客との関係性を強化し、LTV(顧客生涯価値)を高めることが、長期的な店舗成長に重要となります。
サンキュークーポンは、一度購入してくれたユーザーに「お得感」を提供し、再購入を促すことで、既存顧客維持に貢献する重要な施策です。
2.レビューや口コミを有効活用できる
サンキュークーポンはリピート購入の促進だけでなく、レビューや口コミの獲得にもつながる場合があります。
繰り返し購入してくれるユーザーは、自店舗や商品に対して良い印象を持っている可能性が高いです。顧客ロイヤルティが高まっていれば、商品や店舗に対する満足度をレビューや口コミとして投稿してくれる期待が高まります。
高評価のレビューは、他の購入を検討しているユーザーにとって参考になり、購入の後押しとなります。結果として、商品ページの転換率(CVR)向上にも貢献するでしょう。
レビュー獲得を目的としたクーポン施策については下記の記事で解説しているので、ぜひ併せて確認してみてください。
関連記事:楽天レビュークーポンとは?設定方法・効果的な活用法・成功事例まで徹底解説
楽天サンキュークーポンの3つの特徴
楽天サンキュークーポンには、以下の3つの特徴があります。
- 購入者に自動的に付与される
- 配布条件を細かく設定できる
- 見積もり機能がある
順に解説します。
1.購入者に自動的に付与される
サンキュークーポンの大きな特徴は、商品を購入してくれたユーザーに対して、店舗側が特別な操作をしなくても自動的に配布される点です。クーポン配布の手間が省け、運用工数を削減できます。
ユーザー側も、クーポンを獲得するためにエントリーや登録をする必要がありません。購入完了画面やサンクスメールなどでクーポンが付与されたことが通知され「myクーポン」ページで獲得したクーポンを確認できます。
また、サンキュークーポンは発行した店舗でしか利用できないため、ユーザーの再来店を促しやすく、リピート購入促進にもつながります。
2.配布条件を細かく設定できる
サンキュークーポンは、配布する対象や条件を細かく設定可能です。たとえば、以下のような項目を設定できます。
項目 | 条件例 |
有効期間 | クーポン獲得後1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月など |
配布対象ユーザー | 初回購入者限定・特定の会員ランク限定など |
利用のための最低購入金額 | 2,000円以上の購入で利用可能など |
割引の方法 | 定額割引・定率割引など |
上記のように、クーポンの配布目的やターゲット層に合わせて条件を柔軟にカスタマイズできるため、より戦略的に施策展開が可能です。
ただし、値引き額が魅力的でなかったり、利用条件のハードルが高すぎたりすると、せっかく配布しても利用されず、リピート率向上につながらない可能性があるため注意しましょう。
3.見積もり機能がある
RMS(店舗運営システム)内には、クーポンの「効果見積もり機能」が用意されています。どの程度の割引率や条件でクーポンを発行すれば効果的なのかを判断する参考になるため、クーポンをより効率的に活用可能です。
効果見積もりフォームで、対象商品の利益率やクーポン利用の最低購入金額条件などを入力すると、RMSが自動で「守りのプラン」「おすすめプラン」「攻めのプラン」という3つの具体的なクーポン設定案を提示してくれます。割引率をどのくらいに設定すれば良いか迷う際は参考にしましょう。
ただし、見積もり機能が利用できるのは配布対象を「初回購入ユーザー」に設定する場合のみとなっているため注意が必要です。
楽天サンキュークーポン導入で得られる2つのメリット
楽天サンキュークーポンを活用するメリットは以下の2つです。
- リピーター獲得と顧客ロイヤルティの向上につながる
- 費用対効果の高いリピート施策になる
順に解説します。
1.リピーター獲得と顧客ロイヤルティの向上につながる
サンキュークーポンを効果的に活用できると、リピーター獲得と顧客ロイヤルティ向上につながります。
また、クーポンが発行元の店舗限定でしか利用できず、有効期限が設定されている点はサンキュークーポンのポイントです。
サンキュークーポンを配布すると「せっかくだから、期限内にこのお店でまた何か買おう」という心理をユーザーに促し、再来店・再購入のきっかけを作れます。一度だけでなく、継続的に自店舗で購入してもらう体験を積み重ねるきっかけをつくることで、ユーザーの店舗に対する愛着、すなわち顧客ロイヤルティを高める効果も期待できるでしょう。
2.費用対効果の高いリピート施策になる
サンキュークーポンは購入者に対して自動的に付与されるため、配布に関する運用工数がほとんどかかりません。また、一般的に新規顧客を獲得するコスト(広告費など)と比較して、既存顧客に再購入を促すためのコストは低く抑えられます。
「1:5の法則」でも示されているように、既存顧客へのアプローチは効率が良いため、サンキュークーポンは比較的低コストでリピーターを育成できる施策となり得ます。
結果として、店舗全体の顧客獲得単価(CPA)を抑制し、収益改善にもつなげられるでしょう。
楽天サンキュークーポンと他のクーポンの違い
楽天市場には、サンキュークーポン以外にも店舗の売上向上に活用できるさまざまなクーポンが存在します。それぞれのクーポンの特徴と役割を理解し、目的に合わせて使い分けることが重要です。主に利用される以下のクーポンとサンキュークーポンの違いをしっかりと理解しておきましょう。
- 配布型クーポン
- サービスクーポン
- クーポンアドバンス広告
順に解説します。
配布型クーポン
配布型クーポンは、店舗側が能動的にユーザーへ配布するタイプのクーポンです。たとえば、メールマガジンにクーポンコードを記載したり、商品ページや店舗トップページにクーポン取得バナーを設置したりする方法があります。
RMS内で、値引き内容(定額、定率、送料無料など)や利用条件(最低購入金額、対象商品、利用回数制限、先着利用枚数など)を店舗側が自由に、かつ細かく設定できる点が特徴です。
サンキュークーポンとの主な違いは「配布のタイミングと方法」です。サンキュークーポンが購入後に自動配布されるのに対し、配布型クーポンは購入前のユーザーにアプローチできます。そのため、新規顧客の獲得や既存顧客への再購入促進、特定の商品の販売強化など、幅広い目的に活用できるクーポンといえるでしょう。
サービスクーポン
サービスクーポンは、楽天が主体となって発行するクーポンです。代表的なものに、お買い物マラソンや楽天スーパーSALEといった、大型セールイベントと連動して発行される共通クーポンがあります。
サービスクーポンの特徴は、割引原資を楽天側が負担してくれる点です(一部店舗負担の場合もあり)。店舗側はRMSを通じてエントリーすることで、サービスクーポンを利用可能にできます。ユーザーにとっては通常よりもお得に購入できる機会となり、店舗側にとってはコスト負担なく販促ができるため、集客・売上向上につながりやすい施策です。
サンキュークーポンとの違いは「配布のタイミング(イベント時など)」「発行主体(楽天)」「原資負担者(主に楽天)」の3点です。店舗側の負担が少ない施策のため、積極的に活用していきましょう。
クーポンアドバンス広告
クーポンアドバンス広告は、名前の通り「広告」の一種です。購買意欲が高いと想定されるユーザーに対し、楽天市場のトップページやジャンルページ、検索結果ページなどにクーポン型の広告を表示させ、自店舗や商品ページへのアクセス増加を目指します。
クリック課金型の運用型広告であり、クーポン原資に加えて広告掲載費用が発生します。そのため、通常のクーポン施策と比較するとCPA(顧客獲得単価)は高くなりやすいです。しかし、楽天市場内の目立つ場所に掲載されることによる高い集客効果や、ROAS(広告費用対効果)のコントロールしやすいなどのメリットもあります。
サンキュークーポンが購入後のリピート促進を主目的とするのに対し、クーポンアドバンス広告は購入前の新規・既存両方へのアプローチ、特に集客を目的とした施策となります。
クーポンアドバンス広告については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せて確認してみてください。
関連記事:楽天クーポンアドバンス広告とは?設定方法と成果を出す運用のコツを徹底解説!
楽天サンキュークーポンの設定方法

楽天サンキュークーポンの設定は、RMS(店舗運営システム)から簡単に行えます。リピーター獲得に向けた第一歩として、ぜひ設定してみましょう。大まかな設定手順は以下のとおりです。
【サンキュークーポンの設定手順】
1. RMSへログインする
2. 左側メニューから「店舗設定」を選択し「クーポン設定」を選択する
3. クーポン情報設定から「サンキュークーポン(自動付与型)」を選択する
4. 「サンキュークーポンを新規登録する」を選択する
5. サンキュークーポンの新規登録入力フォームの各項目を入力して「登録する」を選択する
入力フォームの中にある「他クーポンとの併用」の項目は、特別な理由がない限り「許可しない」に設定しておくことがおすすめです。併用を許可してしまうと、想定以上に割引額が大きくなり、店舗の利益を圧迫するリスクがあるためです。
サンキュークーポンの設定自体はそれほど難しくないため、まだ設定をしていない場合はぜひ上記を参考に設定をしてみてください。
楽天サンキュークーポンを効果的に活用するための7つポイント
楽天サンキュークーポンを効果的に活用するためのポイントは以下の7つです。
- ユーザーごとに細かく条件を設定する
- 他のクーポンとの併用は不可にしておく
- クーポンの獲得条件を高くしすぎない
- 割引率を適切に設定する
- 有効期限を短く設定する
- メルマガやLINEでサンキュークーポンの利用を促す
- 購入後のレビュー投稿を促す
順に解説します。
1.ユーザーごとに細かく条件を設定する
サンキュークーポンは、配布条件を細かく設定できます。たとえば「初めて購入してくれたお客様限定」のクーポンや「〇回以上購入してくれているリピーター様限定」のクーポンなど、ターゲットを絞った配布が可能です。
さらに、利用可能な最低購入金額や、ダイヤモンド・プラチナ会員限定などの会員ランクでの絞り込みもできます。そのため、すべてのユーザーに同じ条件のクーポンを配布するのではなく「どの層に」「どのような目的で」アプローチしたいのかを明確にした上での配布が重要です。
各セグメントに対してクーポンの割引額や利用条件を設定しておけば、クーポンの効果をより高められるでしょう。
2.他のクーポンとの併用は不可にしておく
サンキュークーポンを他のクーポンと併用可能にしてしまうと、ユーザーによっては複数の割引が適用され、割引率が想定以上に大きくなる場合があります。
たとえ商品が多く売れたとしても、割引しすぎによって利益がほとんど出ない、あるいは赤字になってしまっては意味がありません。特別な戦略がない限りは、利益率の悪化を防ぐためにも併用を不可にしておくことをおすすめします。
3.クーポンの獲得条件を高くしすぎない
サンキュークーポンは配布して終わりではなく、実際にユーザーに使ってもらい、リピート購入につながってこそ意味があります。そのため、クーポンの獲得条件や利用条件のハードルを高く設定しすぎないように注意しましょう。
条件が厳しすぎると「どうせ使えないだろう」「使うのが面倒」とユーザーに思われてしまい、利用を促進できません。あくまでユーザーに「お得感」を感じてもらい、次の購入を後押しすることが目的です。
利用可能な最低購入金額や対象会員ランクなどは、ターゲットユーザーが「これなら使えそう」と思える範囲で、達成しやすい条件に設定することをおすすめします。
4.割引率を適切に設定する
ユーザーの満足度を高めたいからといって割引率を高く設定しすぎると、店舗の利益を圧迫してしまいます。一方で、割引率が低すぎると、ユーザーにとって魅力的に映らず、リピート購入の動機付けとして弱い可能性があります。
高すぎず、低すぎず、店舗の利益を確保しつつユーザーにもメリットを感じてもらえる「適切な割引率」を見つけることが重要です。どの程度の割引率が良いか迷う場合は、RMS内の「効果見積もり機能」を活用したり、まずは小さめの割引から試してみたりして、効果を確認しながら調整していくと良いでしょう。
5.有効期限を短く設定する
サンキュークーポンの有効期限は、ユーザーがクーポンを獲得してから「1ヶ月」「2ヶ月」「3ヶ月」の3種類から選択できます。有効期限を短く設定しておくと、早期のリピート購入を促進可能です。
逆に有効期間を長く設定すると、クーポンの存在自体を忘れられるリスクが高まります。「いつか使おう」と思っているうちに期限が切れてしまうケースも少なくありません。
商品の消費タイミングとクーポン有効機嫌を合わせることをおすすめします。
例えば、30日分のサプリメントを販売している場合は、有効期限を1ヶ月にすると、サプリメントの消費タイミング時に購入を促進することができます。
6.メルマガやLINEでサンキュークーポンの利用を促す
サンキュークーポンは自動で付与され、有効期限が近づくと楽天システムからユーザーへ通知が届く機能もあります。しかし、それでも見逃したり、利用を忘れたりするユーザーも少なくありません。
クーポンの利用を促すには、店舗のメルマガやLINE公式アカウントを活用したリマインドも重要になります。サンキュークーポンを配布したことのお知らせや、有効期限が近づいていることのリマインドを行いましょう。
さらに「クーポンをお持ちの〇〇様へ、新商品が入荷しました!」という形で、クーポン利用と関連付けた情報を発信すれば、クーポンを利用してもらいやすくなるでしょう。
楽天市場のメルマガやLINE公式アカウントでの配信方法については、それぞれ下記の記事で解説しています。ぜひ併せて確認してみてください。
関連記事:
楽天市場メルマガの配信方法を完全解説!メール配信効果を高めるノウハウ8選も紹介!
【_出店者向け】楽天×LINE公式アカウントで売上UP!活用法を徹底解説
7.購入後のレビュー投稿を促す
サンキュークーポンは、レビュー投稿促進策としても活用できます。
配布条件の設定で「レビューを投稿してくれたユーザー限定」という項目はありません。しかし「(特定の商品)を購入したユーザー」にサンキュークーポンを配布し、別途サンクスメールなどで「レビュー投稿のお願い」と「サンキュークーポン付与のお知らせ」を合わせて行えば、間接的にレビュー投稿を促せます。
高評価レビューは、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の信頼度向上にもつながります。ただし、レビュー投稿を条件に購入前に割引を約束したり、投稿内容を指定したりする行為は楽天市場の規約で禁止されているため注意が必要です。あくまで「購入後の特典」としてクーポンを活用しましょう。
楽天サンキュークーポンの効果測定と改善のステップ
楽天サンキュークーポンはただ配布するだけでなく、クーポンの効果を測定・分析・改善まで実施することが重要です。収集したデータを活かし、さらなる店舗の売上向上を目指しましょう。
サンキュークーポンの効果測定と改善は、以下のステップで進めましょう。
- RMSで効果を測定する
- 分析結果から仮説を立てる
- 改善サイクルを継続的に回す
順に解説します。
1.RMSで効果を測定する
サンキュークーポン施策の効果は、RMSの「クーポン効果測定」機能で確認できます。ただ数値を眺めるだけでなく、以下のポイントに注目して分析を行えば、施策の成否や改善点が見えてきます。
測定する項目 | ポイント |
クーポンの利用率 | ・発行したサンキュークーポンが、実際にどれくらいの割合で利用されたかを示す指標 ・利用率が高ければ、クーポンの内容(割引額や条件)がユーザーに取って魅力的であったり、配布対象の設定が適切であったりすることが考えられる ・利用率が低い場合は、条件の見直しや魅力度の向上を検討する必要がある |
CVR(転換率)の変化 | ・クーポン施策を実施した期間と、実施していない期間(または実施前)のCVRを比較する ・CVRが向上していれば、クーポンがユーザーの購買意欲を効果的に刺激し、購入の後押しになっていると考えられる |
売上と利益の増減 | ・クーポン施策によって、店舗全体の売上や利益率がどのように変化したかを確認する ・売上が増加しても、割引によって利益率が大幅に低下してしまっては意味がないため、目標としていた売上効果を得られたか、利益率の低下は許容範囲内であったなどを評価する |
上記の指標を定期的にチェックし、施策の効果を客観的に把握すると、改善を進めやすいでしょう。
2.分析結果から仮説を立てる
RMSで測定・分析したデータには、売上向上のためのヒントが隠されています。データから「なぜこのような結果になったのか?」を考え「こうすればさらに良くなるのではないか?」という具体的な改善策(=仮説)を立てることが重要です。
思いつきや勘に頼るのではなく、データに基づいた論理的な仮説立てを意識しましょう。
たとえば、以下のような仮説が考えられます。
分析したデータ | 考えられる仮説 |
利益率が高かったAクーポンは割引率が10%だった | 他の商品カテゴリーでも同じ10%割引のサンキュークーポンを試せば、同様に高い利益率が見込めるのではないか? |
実施後のアンケートで「クーポンの有効期限が短すぎる」という声が複数あった | 有効期限を1ヶ月から2ヶ月に変更すれば、利用率が改善するのではないか? |
リピーターの中でも特定の商品Bを購入する層のサンキュークーポン利用率が特に高い | 同じ層向けに、商品Bの関連商品を提案するメルマガと合わせて特別なクーポンを配布すれば、さらなる購入を促せるかもしれない |
「検証可能」かつ「具体的」な仮説を立てられると、次のアクションにつなげやすくなります。
3.改善サイクルを継続的に回す
データ分析から立てた仮説が本当に正しいのか、効果があるのかを確かめるためには、実際に改善策を試さなければいけません。
そして、試した結果を再び測定・分析し、さらに次の改善策を考える、PDCAサイクルを継続的に回していくことが重要です。クーポン施策に限らず、一度で完璧な方法を見つけることは難しいため、小さな改善を繰り返し、自店舗にとって最適な施策を見つけていきましょう。
ただし、楽天市場ではお買い物マラソンやスーパーSALEなど、頻繁に大型のイベントやキャンペーンが開催される点に注意が必要です。
イベント期間中はユーザーの購買行動やサイト全体のアクセス数が大きく異なるため、施策の効果の正確な評価が難しい場合があります。施策の実施や効果測定のタイミングは、楽天のイベントカレンダーを事前に確認し、イベントの影響も考慮に入れながら改善サイクルを回していくと良いでしょう。
楽天市場のイベントについては下記の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【2025年最新】活用すべき楽天市場のイベント攻略法!自店に合ったイベントの選び方を徹底解説!
楽天サンキュークーポンを活用してリピート購入を促進しよう
本記事では、楽天サンキュークーポンの基本からメリット、設定方法、効果的な活用ポイント、そして効果測定と改善のステップまで詳しく解説しました。
サンキュークーポンは、購入してくれたお客様への感謝の気持ちを伝えつつ、次回の来店と購入を促すことができる、リピーター獲得において非常に有効なツールです。特に、新規顧客獲得コストが高騰する中で、既存顧客との関係性を強化しLTVを高めることの重要性はますます増しています。
サンキュークーポンの施策に限らず、既存顧客との関係性強化に悩まれている場合は、ぜひお気軽にジャグー株式会社までご相談ください。
ジャグー株式会社では楽天市場の豊富な支援実績を基に「運営時のよくある失敗事例BEST100」という資料を作成しました。
事例を知っておけば、実際の運営での失敗を未然に防げます。楽天市場で売上を伸ばしたいとお考えの方は、ぜひダウンロードして目を通してみてください。
楽天サンキュークーポンに関するよくある質問
Q.サンキュークーポンの発行に費用は発生する?
クーポンの発行自体は無料で行えます。ただし、ユーザーがクーポンを使った分の割引額は、基本的に店舗側の負担となります。赤字にならないよう、割引額や割引率は慎重に設定しましょう。
Q.クーポンの利用状況はどこで確認できる?
RMS(店舗管理システム)で確認ができます。RMSにログイン後「クーポン設定」の中にある「サンキュークーポン」の画面から、利用枚数などのレポートが見られます。定期的にチェックして、クーポンの効果を確認しましょう。
Q.設定内容の変更やクーポンの途中停止はできる?
一度発行したクーポンの内容(割引率や条件、期間など)を後から変更したり、発行自体をやめたりすることは基本的にはできません。すでにクーポンを受けとっているユーザーがいるためです。クーポンを発行する前には、内容に間違いがないか、十分に確認するようにしましょう。