Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングはどこが安い?出店手数料を徹底比較

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大ECモールへの出店を検討する際に「どのモールが一番安いのか」という重要な判断基準があります。

各モールは手数料体系や集客の仕組みが異なるため、出店先の判断に迷うケースが多く見られます。

また、「手数料の安さだけで出店先を決めてしまって良いのだろうか?」「自社の商品やブランドに本当に合ったECモールはどこだろう?」と疑問をお持ちになった方も多いのではないでしょうか。

本記事では、出店コストの比較だけではなく、事業者視点で各モールの集客力、サポート体制までを徹底的に比較・解説しています。

さらに、どのECモールに出店して良いか判断できない場合に頼れるEC専門会社の選び方のポイントも紹介します。

自社にとって最適なECモールを見つけて、EC事業で成果を出すためにも出店先選びで後悔したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。

代表取締役米原広兼

監修者
米原 広兼

ジャグー株式会社 代表取締役

新卒で楽天グループ株式会社に入社し、ECコンサルタントとして
SOY(Shop of the Year)受賞店舗をはじめ多数の上位店舗を支援。

約2万人の社員の中から「楽天賞MVP」を受賞するなど、
高い実績と評価を獲得。
その後、大手企業のEC支援を行うコンサルティング会社を経て、
2020年にEC専門支援会社「ジャグー株式会社」を設立。
楽天市場やAmazonなど複数モールにおける売上拡大・運用最適化を総合的に支援している。

また、グループ会社にて自らもAmazonでの販売事業を展開。
自社ブランド製品はAmazonで「Amazonおすすめ」を多数獲得し、
販売開始から1年で月商1,000万円を突破するなど、売り手としても豊富な実績を持つ。

目次

自社の目的で選ぶべきECモールは変わる!3大モールの違い早わかり比較表

はじめに「Amazo」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」の3大ECモールの特徴について、以下の表で違いを見てみましょう。

Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
出品コスト小口出品の場合
¥100 / 成約数 + 販売手数料

大口出品の場合
月額4,900円(税別)+販売手数料
がんばれ!プランの場合
月額25,000円(税別)〜+システム利用料

スタンダードプランの場合月額65,000円(税別)〜+システム利用料
初期費用・月額費用無料

※購入時にユーザーインセンティブ費用が発生。

ストアの負担は2.5%~任意で16.5%まで。
市場規模非常に大きい非常に大きい大きい
出店形式出品型出店型出店型
特徴・FBAによる物流の強み
・シンプルな出品作業
・型番商品に強い
・高い集客力とイベントの多さ
・店舗のファンを作りやすい
・手厚いサポート体制
・固定費ゼロで始められる
・PayPay経済圏との連携
・優良ストア・優良配送ができていないと売上の創出がしづらい

出店コストだけで見れば「Yahoo!ショッピング」が最も安く出店できます

しかし、出店コストが安いからという理由だけでモールを選択するべきではありません。

それぞれのモールの特徴を把握して、自社の商材やターゲット、事業戦略と照らし合わせて最適なモールを選びましょう。

Amazon・楽天・Yahoo!の概要比較

ここでは、3大ECモールの規模感やユーザー層について、以下の項目に分けて比較・解説します。

  • ユーザー数と流通総額の違い
  • 主な利用ユーザー層

順に解説します。

ユーザー数と流通総額の違い

ECモールを選定する際には、ユーザー数や店舗出店数、流通金額を比較すると、それぞれのECモールの規模感を把握できます。

以下の表は、各モールの「ユーザー数」「店舗数」そして年間の「流通総額」をまとめたものです。

比較項目Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
ユーザー数(※1)約6,724万人約6,631万人約3,541万人
店舗出店数(※2)300,000店舗(2022年11月時点)55,001店舗(2025年6月時点)約120,000店舗(2022年12月時点)
年間流通総額(2023年)※37兆1,857億円(推測)6兆490億円(楽天トラベルを含む)1兆6,336億円(LINEショッピングなどを含む)

※1参照元:ニール戦|2024年5月MonthlyTotalレポートトータルデジタル利用者ランキングオンラインモールジャンル
※2参照元:eccLab|【2023年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数
※3参照元:eccLab|国内16のECモール・カート・アプリの流通総額ランキング

ニール戦|2024年5月MonthlyTotalレポートトータルデジタル利用者ランキングオンラインモールジャパンによると、2024年時点のユーザー数は、Amazonのユーザー数が最も多く、2番目の楽天市場は独自の経済圏で多くのユーザーを獲得しています。

Yahoo!ショッピングは流通総額では先の上位モールに及ばないものの、PayPayとの連携強化により今後の成長が期待されています。 

主な利用ユーザー層

次に、各ECモールのユーザー層を確認してみましょう。

主な利用ユーザー層
Amazon(※1)・年代や性別を問わず、幅広い層が利用している
・特に20歳前後〜30代の男性が多い傾向がある
楽天市場・女性の利用者が全体の半数以上を占め、特に30代〜50代が中心
Yahoo!ショッピング・比較的年齢層の高い40代〜50代の男女に利用される傾向が見られる

※1参照元:株式会社インプレス|データから読み解くAmazonのEC事業
※2参照元:ニールセン|デジタルコンテンツ視聴率のMonthlyTotalレポートによるオンラインモールのサービス利用状況を発表

自社がターゲットとするユーザー層が、どのモールに多く存在するかを把握できれば、より効果的な出店計画を立てられるでしょう。

Amazon・楽天・Yahoo!どれを選べばいい?

ここでは、「結局どのECモールを選ぶべきか」という疑問に答えていきます。

以下より、それぞれのECモールが最適なケースを解説していくため、最適なプラットフォーム選びの参考にしてください。

  • Amazonが最適なケース
  • 楽天市場が最適なケース
  • Yahoo!ショッピングが最適なケース

それぞれのECモールの概要は以下のとおりです。

Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
最適なケース・市場で認知度が高く検索ニーズの多い製品を販売したい場合
・ 価格の競争力のある製品を販売できる場合
・効率重視、または定期通販を検討している場合
・早期に高い売上(月商100万円以上)を目指したい場合
・特定の商材カテゴリ(食品、生鮮食品、生活雑貨、アパレル)を主力とする場合
・オリジナル製品を販売したい場合
・低コスト・低リスクでEC販売を始めたい場合
・月商100万円未満を目指す場合
・ 既に別モールで成功している際の次の展開先
主な特徴・出店形式は「出品型」
・商品登録が簡単
・価格競争になりやすい
・出店形式は「出店型」
・ページが自由に設計できる
・セール、イベントが多い
・リピーター獲得向き
・出店形式は「出店型」
・優良ストア・優良配送ができていないと売上の創出がしづらい
・PayPay連携が強み
主な利用ユーザー層・20~30代男性のユーザーが多い
・目的買いをする傾向が強い
・利便性、配送スピードが重視される
・40~50歳女性ユーザーが多い
・回遊買いの傾向が強い
・イベントによるポイント獲得のために利用される
・男女ともに40~50代のユーザが多い
・コストを重視されれる
・PayPayユーザーが多い

なお、複数のECモールへの出店を検討したい事業者は、以下の扱う商材と出店順序を参考にしてみてください。

扱う商材おすすめの出店順序戦略のポイント
①食品・アパレルなど1.楽天市場
2.Yahoo!ショッピング
3.Amazon
・はじめに市場規模の大きい楽天市場で売上と利益の基盤を築く
・次に運営方法が似ているYahoo!ショッピングへ展開し、販路を拡大する
・最後に、オリジナル商品の販売難易度がやや高いAmazonへ挑戦する
②ガジェット・家電など1.Amazon
2.楽天市場
3.Yahoo!ショッピング
・最初は検索ボリュームと市場規模が圧倒的なAmazonから開始するのが効果的
・次に市場規模の大きい楽天市場へ展開し、さらなる売上拡大を目指す

Amazonが最適なケース

画像出典元:Amazon

初めてECモールの販売をする事業者は、出品操作が簡単なAmazonがおすすめです。

出品作業の操作がシンプルのため、EC運営の経験が少ない場合でもスムーズに販売を開始できるからです。

また、物流代行サービスのFBA(フルフィルメントbyAmazon)を活用すると、商品の保管から梱包、発送、さらには顧客対応まで一括してAmazonへ依頼できます。

ユーザー層はKindleやプライムビデオなどのデジタルコンテンツにより20代〜40代の男性が中心であり、ガジェットや家電製品などと相性が良いECモールです。

商材の観点では、家電製品や、日用品、消耗品、サプリメント、書籍などを扱う場合に高い成果が期待できます。

なぜなら、検索ボリュームが多く、ユーザーが特定の商品名で検索する「目的買い」の傾向が強いためです。

さらに、日用品や消耗品は「定期おトク便」の利用につながりやすく、顧客生涯価値(LTV)を高めやすい環境と言えます。

ただし、ユーザーにとって価格の比較が簡単なため、競争が激しくなりやすい点を考慮しておく必要があります。

なお、Amazonの出品方法やFBA(フルフィルメントbyAmazon)について、詳しく解説している以下の記事も併せてご覧ください。

関連記事:【2025年最新】Amazon出品方法完全ガイド!注意点や出品のポイントまで解説
関連記事:AmazonFBAとは?儲からないは嘘?概要やメリット・黒字運営のポイントを徹底解説

楽天市場が最適なケース

画像出典元:楽天出店案内

楽天市場の高い集客力を活用し、早期に売上拡大を目指したい店舗には楽天市場が適しています

楽天グループは、70を超えるサービスと約20億人の利用者数を誇る「楽天経済圏」を持っており、楽天市場でも多くのユーザー数を抱えています。

楽天市場では、お買い物マラソンや楽天スーパーSALEといった大規模なセールイベントが頻繁に開催されるため、新規顧客を獲得するチャンスが豊富です。

また、楽天経済圏とポイントプログラムの強みから、40代〜50代の主婦層に多くの支持を得ています。

商材の観点では、食品、アパレル、生活雑貨といったオリジナル商品で国内トップシェアを誇っており、これらのジャンルと相性が良いECモールです。

画像出典元:楽天市場出店

楽天市場は店舗ページのカスタマイズ性が高く、作り込まれたページで商品の魅力を深く伝え、ユーザーと関係を築きながらファンを獲得していく戦略に向いていると言えるでしょう。

楽天市場への出店方法は以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

関連記事:楽天市場の出店は儲からない?出店方法やメリット・デメリットから黒字化する5つの戦略まで解説

Yahoo!ショッピングが最適なケース

画像出典元:Yahooショッピング

初期費用や月額の運営コストを抑えてEC販売を始めたい事業者は、Yahoo!ショッピングがおすすめです。

Yahoo!ショッピングは、初期費用と月額利用料が無料のため、リスクを最小限に抑えながらオンラインショップの販路を確保できます。

主なユーザー層は50代〜60代の男性で、ガジェット製品や自動車・バイク用品といったカテゴリーに強みを持っています。

さらに、ユーザの購買傾向としては楽天市場と似ており、食品や雑貨などのリピート購入も見込めるECモールです。

Yahoo!ショッピングは、テストマーケティングの場として活用したり、複数のモールを運営する際のサブ店舗として利用したりする戦略も有効的です。

ただし、参入障壁が低い分、出店数が多いため競合が多くなる傾向にあります。

価格競争力で勝負したり、ニッチな商材を扱ったりするなど、他店との差別化戦略が重要と言えるでしょう。

Yahoo!ショッピングの出店方法は以下の記事で詳しく解説しているため、併せてご覧ください。

関連記事:【2025年】審査は厳しい?Yahoo!ショッピングの出店方法や審査対策を解説!

出店コスト・手数料の比較

ここでは、それぞれのECモールを運用するために必要なコストや手数料を以下の項目で解説します。

  • 初期費用と月額料金
  • 販売手数料とその他費用

なお、各ECモールで発生するコストについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

関連記事:【保存版】Amazonの出品手数料はいくら?種類別一覧・内訳と計算方法を解説!
関連記事:楽天市場の出店は儲からない?出店方法やメリット・デメリットから黒字化する5つの戦略まで解説
関連記事:【2025年】審査は厳しい?Yahoo!ショッピングの出店方法や審査対策を解説!

初期費用と月額料金

出店に必要なコストは、主に初期費用と毎月支払う月額料金に分かれています。

それぞれのECモールで発生する初期費用と月額料金は以下のとおりです。

Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
初期費用0円60,000円(税別)0円
月額料金大口出品:4,900円(税別)

小口出品:0円(商品1点ごとに100円の基本成約料)
がんばれ!プラン:月額25,00円(税別)
スタンダードプラン:月額65,000円(税別)
メガショッププラン:月額130,000円(税別)
0円

Yahoo!ショッピングは初期費用、月額料金ともに無料である点が大きな特徴です。

Amazonは販売規模に応じた2つのプランから選択できます。

楽天市場は、出店にあたり初期費用が必要で、月額料金も複数のプランが用意されています。

固定費だけを見るとYahoo!ショッピングが最も安価ですが、次に解説する変動費も含めたトータルコストで判断しましょう。

販売手数料とその他費用

販売手数料(売上ロイヤリティ)は、商品が売れるたびに発生する変動費です。また、販売手数料に加えてECモールや商品のカテゴリによって発生する費用の概要は以下のとおりです。

Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
販売手数料(売上ロイヤリティ)商品カテゴリにより5%〜15%程度プラン・売上高により2.0%〜7.0%0円
その他費用・FBA利用料
・返品処理手数料・広告費など
・システムサービス利用料(ポイント、安全性向上など)
・決済手数料
・広告費など
・ストアポイント原資負担:1%〜15%
・キャンペーン原資負担:1.5%以上
・アフィリエイト手数料:30%が報酬
・決済手数料:決済方法によって異なる
・広告費など

Amazonの販売手数料は商品カテゴリごとに細かく設定されています。楽天市場では、月額料金プランと月間売上高に応じて料率が変動する仕組みです。

Yahoo!ショッピングは販売手数料が無料ですが、代わりにポイントやキャンペーンの原資負担、アフィリエイト手数料などの費用項目が存在します。

これらの変動費を考慮せずに運用すると「売上は上がっているのに利益が残らない」という状況に陥る可能性があるため注意が必要です。

参考:Amazon|出品にかかる費用
参考:楽天出店案内|プラン・費用
参考:Yahoo!ショッピング|料金・費用について

各ECモールのイベントやセールの時期

3大ECモールでは、年間を通じてセールイベントが開催されます。これらのイベントは、新規顧客の獲得や売上の大幅な向上を見込める絶好の機会です。

以下に、各モールの主要なセール時期をまとめました。

Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
1月・初売りセール・お買い物マラソン
・初売り
・福袋特集
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・新春キャンペーン・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
2月・タイムセール祭り・お買い物マラソン
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・ストアラリー
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン(うるう年のみ)
3月・新生活セール
・新生活セールFinal
・楽天スーパーSALE
・ホワイトデー特集
・楽天イーグルス応援キャンペーン
・ワンダフルデー・5と0のつく日
・超PayPay祭
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
4月・新生活セールFinal
・スマイルセールゴールデンウィーク
・お買い物マラソン
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・ストアラリー
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
5月・スマイルセール・お買い物マラソン
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・ビッグボーナス
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
6月・スマイルセール・楽天スーパーSALE
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・ストアラリー
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%肉の日キャンペーン
7月・プライムデー・お買い物マラソン
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・超PayPay祭
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
8月・スマイルセール季節先取り・お買い物マラソン
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・敬老の日特集
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
9月・スマイルセール季節先取り・楽天スーパーSALE
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・ビッグボーナス
・敬老の日特集
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
10月・プライム感謝祭・お買い物マラソン
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・ストアラリー
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
11月・ブラックフライデー・お買い物マラソン
・楽天イーグルス感謝祭
・ブラックフライデー
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・ビッグボーナス
・ブラックフライデー
・クリスマス特集
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン
12月・ブラックフライデー
・クリスマスセール
・楽天スーパーSALE
・楽天大感謝祭
・ワンダフルデー
・5と0のつく日
・超PayPay祭
・クリスマス特集
・ファーストデイ
・5のつく日
・LYPプレミアム会員なら日曜+5%
・肉の日キャンペーン

特に太字で示したイベントは、各モールで最も集客力が高い大規模セールイベントです。

楽天市場は3ヶ月に一度の「楽天スーパーSALE」に加え、ほぼ毎月「お買い物マラソン」が開催され、年間を通して販促の機会が多いのが特徴です。

Amazonは夏のプライムデーや秋のプライム感謝祭に加えて、冬のブラックフライデーで売上向上が狙えるビックイベントとなっています。

Yahoo!ショッピングは、決済サービスPayPayと連携した「超PayPay祭」が大きなイベントです。

これらのイベント時期を事前に把握し、在庫の確保、広告戦略、ページの改修などの準備を計画的に進めることが、売上を最大化するために重要と言えます。

ポイントサービスの違い

各モールは以下のとおり、それぞれ異なるポイントシステムを採用しており、その特徴を理解することは出店の戦略を立てる上で重要です。

ポイントサービスの特徴
AmazonAmazonポイント

・出店者が「1%〜50%」の範囲で任意にポイント付与率を設定可能
・セール時にはAmazon本体がポイントアップキャンペーンを実施することもある
楽天市場楽天ポイント

・「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」など、楽天グループのサービス利用状況に応じて還元率が変動する複雑な仕組みが特徴
・ユーザーの購買意欲向上につながるが、費用対効果を考慮してポイント負担分のコスト計算を行う必要がある
Yahoo!ショッピングPayPayポイント

・Yahoo!ショッピングでの買い物で貯まるポイント
・「PayPay」として実店舗など幅広いシーンで利用できるため、ユーザーにとっての利便性が高い点が強み
・出店者は「ストアポイント」として1%以上の負担が必須

ポイントプログラムはユーザーにとっては魅力的ですが、出店者にとってはコスト負担となります。

特に楽天市場のSPUやYahoo!ショッピングのキャンペーンでは、想定以上のポイント原資負担が発生する可能性があります。

ECモールごとのポイントサービスの仕組みを理解し、費用対効果を見極めながら販促計画を立てましょう。

配送・サポート体制の比較

ここでは、各モールが提供する物流サービスやサポート体制について以下の項目で比較・解説します。

  • 配送最高サービスの違い
  • サポート体制の違い
  • 返品・顧客対応のしやすさ

なお、Amazonと楽天市場で提供している配送代行サービスについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

関連記事:AmazonFBAとは?儲からないは嘘?概要やメリット・黒字運営のポイントを徹底解説
関連記事:楽天スーパーロジスティクスとは?料金体系や活用事例・最強翌日配送にも関わるメリットを解説

配送代行サービスの違い

Amazonと楽天市場は、商品の保管から梱包、発送までの物流業務を代行するサービスを提供しています。

なお、Yahoo!ショッピングが提供していた配送代行サービス「Yahoo!ストア向けフルフィルメントサービス」は2024年11月で提供を終了しています。

それぞれの配送代行サービスの概要は以下のとおりです。

配送サービス
AmazonFBA(フルフィルメントbyAmazon)

・Amazonの倉庫に商品を預けると、注文後のピッキング、梱包、発送、さらには顧客対応や返品対応までをAmazonが代行する
・「お急ぎ便」など、Amazonプライム対象の配送品質を提供できる点が強み
楽天市場RSL(楽天スーパーロジスティクス)

・楽天市場の公式物流サービス
・AmazonFBAと同様に、商品の保管から発送までを自動化できる
・「最強翌日配送」対応により顧客満足度の向上につながる
Yahoo!ショッピング公式の物流サービスはなし

・ヤマト運輸と連携したフルフィルメントサービスは2024年11月に提供を終了している
・出店者は自社で発送するか、外部の物流代行サービスを利用する必要がある
参考:ヤマト運輸|「Yahoo!ストア向けフルフィルメントサービス」終了のお知らせ

物流業務をアウトソーシングすれば、店舗は業務効率化によりリソースの削減が可能です。

特にAmazonのFBAと楽天市場のRSLは、ECモールのブランド力を活かした高品質な配送を提供できるため、ユーザーからの信頼度向上にもつながるでしょう。

サポート体制の違い

各ECモールでは、運営で発生するシステムの使い方やトラブル対応など、さまざまな疑問や課題に対するサポートを提供しています。

提供している運営サポートの概要については、以下のとおりです。

サポート体制
Amazonテクニカルサポート・Amazon出品大学

・主にメールや電話での問い合わせに対応するサポート体制
・Amazon出品大学では、無料で出品方法やルールについて動画学習できる
・システム仕様や規約に関する疑問点を解決するのに役立つ
楽天市場ECコンサルタント・楽天大学

・各店舗に専任のECコンサルタントがつき、売上向上のためのアドバイスや運営サポートが受けられる
・手厚いサポートを受けられる点が大きな特徴
・楽天大学はRMS(店舗管理システム)内で閲覧できる店舗運営に関するノウハウを提供する学習プログラム
Yahoo!ショッピング電話・メールサポート

・運営上の疑問やトラブルについて、電話やメールで問い合わせが可能
・楽天市場同様、専任担当者によるコンサルティングサポートあり

楽天市場のECコンサルタントによるサポートは、EC運営のノウハウが不足している店舗にとって心強い存在です。

一方、AmazonやYahoo!ショッピングは、店舗が主体的に情報を収集し、課題を解決していく必要があるでしょう。

返品・交換対応の違い

以下に示す各モールの返品ポリシーや交換ルールを把握して、自社の対応フローを構築しておけば、ユーザーとの信頼関係を築きやすくなるため、スムーズな運用が行えます。

返品・交換対応
Amazon顧客優先のポリシー

・Amazonのプラットフォーム全体で統一された返品ポリシーが適用される
・簡単な手続きで返品できるため、購入のハードルが低い反面、出店者は比較的高い返品率を想定しておく必要がある
楽天市場店舗ごとの対応

・原則的に各出店者が独自に設定した返品ポリシーに基づいて対応する
・モールのガイドラインはあるが、店舗の裁量次第である点が特徴
Yahoo!ショッピング店舗ごとの対応

・楽天市場と同様に、返品対応は各店舗が主体となって行う
・顧客との直接のやり取りで解決を図る必要がある

Amazonはユーザーにとって便利な返品システムを提供していますが、出店者にとっては返品対応のコストや手間が負担になる場合があります。

楽天市場とYahoo!ショッピングでは、店舗側で柔軟な対応が可能な一方で、顧客対応の品質を維持するための体制づくりが重要です。

購入者から見た3大ECモールの特徴とは

購入者の購買行動の傾向から市場特性を把握するために、以下のとおり各モールの特徴を解説します。

  • Amazon:利便性を求める幅広い層が利用する「目的買い市場」
  • 楽天市場:ポイント・セールを楽しむ女性が中心の「回遊買い」の商店街
  • Yahoo!ショッピング:PayPay経済圏のユーザーが集まるコストパフォーマンス市場

ECモールで成果を出すためには、事業者視点だけでなく、ユーザー目線の理解が重要です。

Amazon:利便性を求める幅広い層が利用する「目的買い市場」

Amazonを利用するユーザーの多くは、購入したい商品をあらかじめ決めていて、「目的買い」をする傾向があります。

また、Amazonはシンプルな画面で検索しやすいサイト構成と、「お急ぎ便」や「お届け日指定便」などの利便性の高い配送サービスが購買行動を後押しします。

ユーザーは特定の商品名や型番で検索して、条件の良い出品者から素早く購入することが可能です。

そのため、Amazonはブランド商品や家電製品、定期購入される日用品などを販売するのに適したECモールと市場と言えるでしょう。

Amazonでの出店に興味がある場合は、Amazon販売を始めるメリットから出店後に成果を出すポイントまで解説している以下の記事もご覧ください。

関連記事:【2025年最新版】Amazon出店完全ガイド!出店の方法から成果を出す具体策まで解説

楽天市場:ポイント・セールを楽しむ女性が中心の「回遊買い」の商店街

楽天市場のユーザーは「お買い物マラソン」や「楽天スーパーSALE」などのイベントを楽しみながら、複数の店舗を訪れて商品を探す「回遊買い」を行う傾向があります。

SPU(スーパーポイントアッププログラム)などのポイント制度も、ユーザーが積極的にサイト内を回遊し、複数の店舗で買い物をする動機付けになっています。

楽天市場はオリジナル商品や、アパレル・雑貨、ギフト商品などを販売し、ユーザーとの関係を築きながらリピーターを獲得したい場合に適したECモールです。

Yahoo!ショッピング:PayPay経済圏のユーザーが集まるコストパフォーマンス市場

Yahoo!ショッピングのユーザーは、PayPayポイントの高い還元率に魅力を感じている傾向にあります。

「超PayPay祭」などのキャンペーン期間中にお得な商品を探すユーザーが多く、ソフトバンクユーザーやPayPayのヘビーユーザーにとっては、他のECモールよりもお得に買い物ができる場所として認識されているのです。

他店よりも魅力的な価格を提示できる商品や、コストパフォーマンスの高い商品を扱う店舗が、有利な販売戦略を展開できるECモールと言えるでしょう。

ECコンサル・運営代行会社を選ぶ際のポイント5選

さまざまな角度で3大ECモールについて比較しましたが、「自社に最適なモールが判断できない」「出店後の運営に不安がある」と感じる方もいるのではないでしょうか。

専門的な知見を持つECコンサルティング会社や運営代行会社に支援を依頼するのも有効な選択肢の一つです。

ここからは、最適なパートナーを見極めるための以下5つのポイントを解説します。

  1. 実績や得意分野を確認する
  2. 対応可能な範囲を確認する
  3. 適切なサポートが受けられるか確認する
  4. データの分析や改善提案が受けられるか確認する
  5. コミュニケーションが取りやすいか確認する

ECコンサル・運営代行会社を選定するポイントをまとめた以下の記事も参考にご覧ください。

関連記事:【2025年最新】ECコンサルティング会社13選!比較ポイントや導入メリットも解説
関連記事:【2025年最新】厳選したEC運営代行会社12選!選定ポイントや費用相場も解説!

1.実績や得意分野を確認する

ECコンサル・運営代行会社を選ぶポイントの1つ目は、実績や得意分野を確認することです。

パートナー選びでは、検討段階から公式サイトなどで、過去の支援実績を確認しましょう。

特に自社と同じ業界や商材での成功事例があるかどうかは重要な判断材料です。

また、アパレルに強い会社、食品に強い会社など、支援会社によって得意分野は異なります。

さらに新規出店のサポートが得意なのか、既存店舗の売上改善が得意なのかといった、支援を依頼する会社の強みと自社が抱える課題が一致しているかどうかを見極めることが重要です。

2.対応可能な範囲を確認する

ECコンサル・運営代行会社を選ぶポイントの2つ目は、サポートが可能な範囲を確認することです。

たとえば、商品登録やページ制作といった日々の実務作業だけを依頼したいのか、あるいは広告運用や販売戦略の立案といったコンサルティングの領域まで含めてサポートを依頼したいのかといった自社のニーズを明確にしましょう。

明確にした自社のニーズと、支援会社が提供するサービス内容が合致するか、契約前の打ち合わせの段階で詳細なすり合わせを行っておきましょう。

3.適切なサポートが受けられるか確認する

ECコンサル・運営代行会社を選ぶポイントの3つ目は、契約後も適切なサポートを受けられるか確認することです。

たとえば、以下のような視点を参考に確認してみましょう。

  • 定例報告会はどのくらいの頻度で行われるのか
  • 主な連絡手段は電話、メール、チャットツールのどれなのか、
  • 担当者と直接コミュニケーションをとる機会は十分にあるのか

円滑な連携がとれ、自社の要望に合ったサポートを受けられるかが、プロジェクトをスムーズに進めるために重要な視点です。

4.データの分析や改善提案が受けられるか確認する

ECコンサル・運営代行会社を選ぶポイントの4つ目は、支援会社からデータ分析や改善提案のサポートまで受けられるか確認することです。

自社からの依頼をこなすだけでなく、売上データなどをもとに現状を分析し、改善策を提案してくれるかどうかも、最適なパートナーを見極めるために重要な判断基準です。

アクセス解析や販売データから自社の課題を客観的に特定し、次の打ち手を論理的に提案してくれる支援会社を選びましょう。

5.コミュニケーションが取りやすいか確認する

ECコンサル・運営代行会社を選ぶポイントの5つ目は、コミュニケーションの取りやすさを確認しておくことです。

支援会社とのコミュニケーションの取りやすさは、プロジェクトを円滑に進めるために重要な要素です。

たとえば、コミュニケーションの質は以下のポイントを参考に判断しましょう。

  • 質問に対する返信の速さ
  • 説明の分かりやすさ
  • 業界や商材に対する理解度 など

長期的に信頼関係を築けるパートナーを選ぶためにも、契約前の打ち合わせの段階でしっかりと見極めましょう。

まとめ:最適なECモールを選んでEC事業を成功させよう!

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングには、それぞれに異なるコスト構造、市場規模、ユーザー層、独自の強みがあります。

最適なECモールを選ぶためには出店コストの安さだけでなく、自社の商材やターゲットユーザーなど、将来のビジョンを総合的に考慮した戦略的な判断が必要です。

しかし、重要なのは最適なECモールを選んだ後の、売上と利益を最大化する運営方法です。

ECモールの運営には、広告運用やSEO対策など、専門的な知識と経験が必要になる業務が多くあります。

自社にとって最適な出店先を選択し、計画的に複数サイト展開を進めていくためにも、プロの支援が必要です。

ECモール運営にお困りの方は、経験と実績が豊富なジャグー社にお気軽にご相談ください。

Jagooは、豊富な成功事例と失敗事例を踏まえて最短距離で進めるEC戦略・運用のプロフェッショナルです。
売上拡大・利益拡大はもちろん、継続し続けられる「仕組み化」に至るまで完全コミット。 楽天をはじめとする大手ECモール出身者が経営しているからこそ実現する、ただの作業代行ではない本気で勝ち抜くEC戦略をご提供致します。

よくある質問

ここでは、ECモールの出店に関して事業者の方から多く寄せられる質問とその回答をまとめました。

  • はじめてECサイトで出品する場合におすすめのECモールは?
  • ユーザーとのコミュニケーションがとりやすいECモールは?
  • 運営費用を抑えやすいECモールは?
  • 各ECモールを利用するユーザーの特徴は?

順に回答していきます。

それぞれのECモールの特徴を簡単に知りたいです。

各モールの特徴を簡潔にまとめると以下のとおりです。

Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
最適なケース・市場で認知度が高く検索ニーズの多い製品を販売したい場合
・ 価格の競争力のある製品を販売できる場合
・効率重視、または定期通販を検討している場合
・早期に高い売上(月商100万円以上)を目指したい場合
・特定の商材カテゴリ(食品、生鮮食品、生活雑貨、アパレル)を主力とする場合
・オリジナル製品を販売したい場合
・低コスト・低リスクでEC販売を始めたい場合
・月商100万円未満を目指す場合
・ 既に別モールで成功している際の次の展開先
主な特徴・出店形式は「出品型」
・商品登録が簡単
・価格競争になりやすい
・出店形式は「出店型」
・ページが自由に設計できる
・セール、イベントが多い
・リピーター獲得向き
・出店形式は「出店型」
・優良ストア
・優良配送ができていないと売上の創出がしづらい
・PayPay連携が強み
主な利用ユーザー層・20~30代男性のユーザーが多い
・目的買いをする傾向が強い
・利便性、配送スピードが重視される
・40~50歳女性ユーザーが多い
・回遊買いの傾向が強い
・イベントによるポイント獲得のために利用される
・男女ともに40~50代のユーザが多い
・コストを重視されれる
・PayPayユーザーが多い

はじめてECサイトで出品する場合におすすめのECモールは?

EC運営の経験が少ない事業者には、出品作業がシンプルな「Amazon」がおすすめです。

登録に必要なカタログが用意されている商品が多く、登録作業の負担が少ないからです。

また、物流サービスであるFBAを利用すれば、商品の保管から発送、ユーザー対応までを委託でき、事業の立ち上げをスムーズに進められます。

ただし、他の出店者との価格競争が激しくなりやすい点には注意が必要です。

ユーザーとのコミュニケーションがとりやすいECモールは?

ユーザーとの関係構築やブランディングを重視する場合は「楽天市場」が適しています。

「出店型」のモールであるため、店舗ページのデザインやメルマガの配信などを自由に行うことができ、ユーザーとの接点を多く持てるからです。

リピーターの獲得や店舗のファンづくりにつなげやすい仕組みが多いのも特徴と言えます。

一方、「出品型」のAmazonは、出品者とユーザーが直接コミュニケーションをとる方法が限定的なECモールです。

運営費用を抑えやすいECモールは?

初期費用や月額料金といった毎月発生する固定費を抑えたい場合は「Yahoo!ショッピング」がおすすめです。

初期費用や月額料が無料のため、最小限のリスクでEC事業を開始できます。

ただし、販売手数料は無料ですが、決済手数料やストアポイント、キャンペーンの原資負担などの変動費は発生します。

売上を伸ばすためには広告費も必要となるため、トータルコストを考慮して事業計画を立てましょう。

各ECモールを利用するユーザーの特徴は?

各モールを利用するユーザーには、以下のような特徴が見られます。

Amazon楽天市場Yahoo!ショッピング
ユーザー層・年代・性別問わず幅広い層が利用している
・特に20〜40代男性が多い傾向
・利便性・配送スピードが重視される
・半数以上が女性
・30〜50代が中心
・ポイントやイベントに関心が高い傾向
・PayPayユーザーが多い傾向
・40〜50代の男性が中心
・コストが重視される
購買傾向・目的買いが多い・お買い回りするユーザーが多い・お得商品探し
・効率の良い購入

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