楽天市場の出店は儲からない?出店方法やメリット・デメリットから黒字化する5つの戦略まで解説

楽天市場は国内No.1シェアを誇るECモールです。

楽天市場に出店すれば、自社の売上を爆発的に伸ばせる可能性があります。

しかし「出店費用が高いが本当に利益が出るの?」「黒字で運営できるの?」という声も聞きますよね。

出店しても利益が上がらなければ意味がありません。

そこで本記事では楽天の出店について、出店のメリットや注意点、出店の流れなどの基本的な内容から、儲からないといわれる理由や黒字運営をするための具体策まで完全解説します。

元楽天ECCだからこそ解説できるポイントや、出店から◯ヶ月で月商◯万を達成した成功事例の紹介もしていますので、ぜひ参考にしてあなたのお店に役立ててください。

代表取締役米原広兼

監修者
米原 広兼

ジャグー株式会社 代表取締役

2015年に楽天入社後ECコンサルティング部に所属
作業やアドバイスではなく実行支援の重要性を感じ2020年にEC支援会社のジャグーを創業。
支援企業の中でSOY受賞経験は9店舗。

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目次

出店前に知っておくべき楽天市場の特徴

楽天市場は、AmazonやYahoo!ショッピングと並ぶ3大ECモールの1つとして知られ、国内シェアNo.1を誇ります。世界的な知名度は低いものの、日本国内では楽天グループがプロ野球球団を持っていることもあり、認知度が非常に高いといえます。

楽天市場は「出店型」ECモールであり、店舗の独自性を出せる点がメリットです。他のECモールと比べてブランドの世界観を表現しやすく、ユーザーに独自の購買体験を提供できます。

また、楽天グループ株式会社は「楽天エコシステム(経済圏)」と呼ばれる70以上の多彩なサービスを展開しており、2023年時点でグループサービス利用者が18億人を超えています。

楽天市場への出店を通じて、楽天エコシステムとの連携によるビジネスチャンス拡大も期待できるのです。

楽天市場へ出店する3つのメリット

楽天市場へ出店するメリットは以下の3つです。

  1. 楽天の圧倒的な集客力を活用できる
  2. プロモーション機会が豊富にある
  3. サポート体制が充実している

順に解説します。

1.楽天の圧倒的な集客力を活用できる

楽天市場のEC通販全体シェア率(商品カテゴリ別)

商品カテゴリ楽天市場のシェア率
生活雑貨43.2%
アパレル40.5%
食品・生鮮品37.5%
健康食品33.6%
化粧品24.2%
家電製品・PC16.5%
インターネット通販全体28.9%
(出典:株式会社富士経済「通販・コマースビジネスの実態と今後2024」)

楽天市場は国内最大級のECモールであり、平均月間アクティブユーザー数は3,700万人を超えています。また、EC通販全体シェアの28.9%を占めており、商品カテゴリ別にみても多くの流通規模を獲得しており、圧倒的な集客率を誇ります。

集客力が高いため、まだ認知度の低いブランドや商品であっても、楽天市場への出店を機に、多くの人の目に触れる機会が得られるでしょう。集客力の高いプラットフォームに商品を掲載することで、認知度向上、ひいては売上増加へとつなげられるのです。

2.プロモーション機会が豊富にある

楽天市場には、多種多様な広告メニューが用意されています。商品ページへのアクセス数を増やすためのRPP広告や、特定の商品を視覚的にアピールするTDA広告など、自社のマーケティング戦略に合わせて、最適な広告タイプを選択できることがメリットです。

さらに「楽天スーパーSALE」や「お買い物マラソン」などの独自イベントも豊富に開催されています。イベントを効果的に活用できれば、多くのユーザーに商品を認知してもらい、購買意欲の高いユーザーにアプローチできるでしょう。

楽天市場では、戦略的な広告運用が売上拡大のカギを握るといっても過言ではありません。広告運用の詳細について下記の記事で解説していますので、合わせて確認してみてください。

関連記事:【2024年最新】初心者でもわかる楽天市場広告ガイド|元楽天ECCが徹底解説

3.サポート体制が充実している

楽天市場では、出店者に専任のECC(ECコンサルタント)がつきます。ECCは、楽天市場での売上向上/事業成功に導くためのパートナーとして、さまざまなサポートを提供します。

楽天のECCだからこそ知っている効果的なマーケティング手法のアドバイスや、他店舗の成功事例を踏まえた改善点の指摘など、最新情報や具体的なノウハウを得られるため、経験の少ない出店者でも安心して運用ができるのです。

さらに、楽天市場では「楽天大学」と呼ばれる、出店者のスキルアップを支援するための学習コンテンツも用意されています。ECに関する基礎知識から応用的なスキルまで、幅広いテーマのセミナーやワークショップが開催されており、担当者にECの経験が少なくても、実際に運用しながら必要な知識やノウハウを学ぶことが可能です。

楽天市場へ出店する際の5つの注意点

楽天市場へ出店する際の注意点は以下の5つです。

  1. 個人名義ではそもそも出店できない
  2. 他モールと比べてコストが高い
  3. 店舗開設に時間がかかる
  4. ユーザーの平均年齢が高め
  5. 取扱できない商材がある

順に解説します。

1. 個人名義ではそもそも出店ができない

楽天市場に出店できるのは、法人または個人事業主のみです。個人名義での出店はできないため、個人で出店する場合には、事前に税務署に開業届を提出して個人事業主となる必要があります。

個人事業主として開業届を提出する前に、楽天市場の資料請求を行うことは可能です。まずは資料を請求し、内容を十分に確認した上で、出店するか最終決定しても良いでしょう。

なお、楽天市場では実店舗がなくても出店が可能です。事務所や商品の確認を求められる場合もありますが、本業として商品を取り扱い、事業として運営していく意思があれば問題ありません。

2.他モールと比べてコストが高い

楽天市場への出店は、他のECモールと比較してコストが高い傾向にあります。これは楽天市場自身も認めている点であり、出店を検討する上で懸念材料となるでしょう。

しかし、実店舗を持つことに比べれば、初期費用やランニングコストは抑えられます。また、前述のとおり、楽天市場には圧倒的な集客力があり、売上を伸ばせる可能性があるのも事実です。

出店を成功させるためには、PDCAサイクルを素早く回し、効率的に売上拡大を目指しましょう。

楽天市場の集客力の高さを活かし、スピーディーな改善を繰り返せば、コスト以上の成果を得られる可能性が十分にあります。

3.店舗開設に時間がかかる

店舗を開設する場合、審査や手続きなどを含め、一般的に2〜3ヶ月ほどかかります。

出店までの時間を最短に抑えたい場合は、外部の専門業者への業務委託もひとつの手です。店舗構築や商品登録などの作業を外注すれば、社内リソースを節約しながら店舗開設を進められます。

ジャグー株式会社では楽天市場への出店立ち上げの支援も行っております。ご相談やご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

4.ユーザーの平均年齢が高め

楽天市場のユーザーは、40〜50代の女性が中心です。男性よりも女性の利用率が高く、10〜20代はAmazonを利用する傾向があるため、出店を検討する際は注意しましょう。自社の商品のターゲット層が、楽天市場のユーザー層と合致しているかどうかが重要です。

若年層をターゲットとした商品を販売する場合や、最新トレンドに敏感なユーザーを獲得したい場合には、楽天市場以外のECモールや、自社のオンラインストアをおすすめします。

画像出典元:ブランドデータバンク(bdb)|Amazon・楽天ユーザーを比較分析!消費傾向や価値観の違いとは?

5.取り扱いできない商材がある

楽天市場では、消費者保護の観点から、一部取り扱えない商材があります。出店前に「出店審査や取扱商材に関する注意事項」を必ず確認しましょう。

禁止されている商材は以下のとおりです。

区分
法令で販売・所持が規制されているもの・銃砲類、刀剣類
・麻薬、覚せい剤、向精神薬等の薬物
・盗品
・医薬品成分を含む健康食品、高度管理医療機器の承認を得ていないコンタクトレンズ
・ワシントン条約、種の保存法等の条約・法令により取引が規制されている動植物
・不正改造自動車・バイク
・PSCマークのないレーザーポインター、PSEマークのないモバイルバッテリー等、法令が定める規格・基準に適合していることが確認できない商品
・児童ポルノ
公序良俗、モラルに反するもの・使用済の下着、制服、水着、体操服等
・盗撮写真、盗撮ビデオ、盗撮機器
・犯罪方法やテロ行為の手引、その他犯罪性の高い商品、犯罪を誘発するおそれのある商品
・モザイク除去機器
・暴力団、不良集団、テロ組織、暴走族等に関係する商品
・グロテスクな商品、その他嫌悪感・不快感を与える商品
商品に関する契約などで譲渡・販売が禁止されているもの・預貯金や証券の口座、預貯金通帳、クレジットカード、キャッシュカード、ローンカード等
・開通済の携帯電話、PHS、ボケットベル
悪用されるおそれのあるもの・印影から印章を作成するサービス
・免許証、パスポート、健康保険証等の身分証明書
・個人情報、それらの情報が含まれた媒体(名簿、住民票等)、IDやパスワード
・官公庁・企業の入館証、社員証、役職や身分を示すバッジ、制服等
青少年の保護育成法好ましくないもの・アダルトグッズ
・性風俗店の宣伝広告、チケット等
・青少年の保護育成上好ましくないビデオ、DVD、写真集、ゲームソフト、書籍、雑誌
危険なもの・爆発物、高圧ガス等の危険物
・毒物、劇物
・スタンガン、催涙スプレー、警棒等、武器として使用されるおそれのあるもの
(護身目的の商品もご遠慮いただいております)
他人の権利・利益を侵害する可能性のあるもの・偽ブランド品、レプリカ、ブランド品のリメイク品や類似品、真正品であると証明できない商品
・「ヴィトン風」、「エルメスタイプ」、「○○調」等と表記して販売される商品
・CD・DVD・ビデオ・ソフトウェアの違法コピー等の著作権を侵害する商品
・無断で撮影したブロマイド、無許可でタレント画像等を使用した商品等、肖像権、パブリシティ権を侵害する商品
・他人の名誉、信用を毀損する商品
・スクランブルキャンセラー、コピーガードキャンセラー
その他
当社が不適切と判断したもの
・根拠のない「金運上昇」や「波動」等、迷信もしくは迷信に類し、または非科学的な表現を用いた商品
・宗教色の強い商品(墓石、仏壇等を除く)
・性的機能の強化・改善を目的とするいわゆる精力剤
・使用期限の切れた医薬品、医薬部外品、化粧品、動物用医薬品、動物用医薬部外品
・「消費期限」の切れた食品
・鯨、イルカの部位を用いた製品
・金地金商品(金の延べ棒、ゴールドバー、金のインゴット等)
(参考:出店審査や取扱い商材に関する注意事項|Rakuten出店案内)

楽天市場の出店プラン数は3つ

楽天市場の出店プランは、2024年7月時点では、以下の3つのプランが用意されています。

プラン名がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額費用25,000円65,000円130,000円
支払い方法年間一括払い半年ごとの2回分割払い半年ごとの2回分割払い
契約期間1年1年1年
登録可能商品数10,000商品まで50,000商品まで無制限
画像容量1.5GBまで100GBまで無制限
システム利用料パソコン: 3.5%〜6.5%
モバイル: 4.0%〜7.0%
パソコン: 2.0%〜4.0%
モバイル: 2.5%〜4.5%
パソコン: 2.0%〜4.0%
モバイル: 2.5%〜4.5%
(参考:プラン・費用|Rakuten出店案内)

初めて楽天市場に出店する場合、どのプランを選べば良いか迷うかもしれませんが、特別な事情がない限り「スタンダードプラン」での出店をおすすめします。手数料や利用できる画像容量などのバランスが良いため、どの出店者にもおすすめできます。システム利用料とは、パソコン経由月間売上高・モバイル経由月間売上高に対して、それぞれ発生する費用です。

また、目指す月商でプランを決めるのもひとつの手です。下記を参考に自社に合ったプランを選んでみてください。

  • 月商~100万円を目標とする場合:「がんばれ!プラン」
  • 月商~500万円を目標とする場合:「スタンダードプラン」
  • 月商500万円~を目標とする場合:「メガショッププラン」

なお、契約は1年単位となり、契約期間中のプラン変更はできません。また、取り扱う商品数(SKU)が多い店舗の場合、商品登録数や画像登録数も増加するため、容量の観点からも、始めからスタンダードプランを選んでおくと安心です。

楽天市場の出店にかかる費用一覧

楽天市場の出店にかかる費用は、月額出店料だけでなくシステム利用料や楽天ペイ利用料なども含まれます。各プランごとの費用は以下のとおりです。

プラン名がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額費用25,000円65,000円130,000円
システム利用料パソコン: 3.5%〜6.5%
モバイル: 4.0%〜7.0%
パソコン: 2.0%〜4.0%
モバイル: 2.5%〜4.5%
パソコン: 2.0%〜4.0%
モバイル: 2.5%〜4.5%
システム
サービス
利用料
楽天会員の購入代金×付与率(通常1.0%)

月間売上高×0.1%
R-Messe
利用料
(※1)
3,000円5,000円5,000円
楽天ペイ
利用料
月間決済高の2.5〜3.5%
※1 2024年8月時点でR-Messeは無料期間中
※金額はすべて税抜

初期費用と月額費用

楽天市場に出店する際には、初期費用として「初期登録費用」が60,000円かかります。新規契約時にかかる費用は以下のとおりです。

がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額費用25,000円×12ヶ月分=300,000円
※年間一括払い
65,000円×6ヶ月分=390,000円
※6ヶ月ごと2回払
130,000円×6ヶ月分=780,000円
※6ヶ月ごとに2回払い
初期登録費用60,000円60,000円60,000円
初回支払金額合計360,000円450,000円840,000円
※金額はすべて税抜

システムサービス利用料(販売手数料)

楽天市場では、出店プランに関わらず、以下のシステムサービス利用料(販売手数料)が共通でかかります。

楽天ポイント楽天会員の購入代金(税抜)×付与率(通常1.0%)
楽天スーパーアフィリエイトアフィリエイト経由売上の2.6〜5.2%
モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料月間売上高の0.1%
R-Messe(※1)月額固定費(税抜)
がんばれ!プラン:3,000円
スタンダードプラン:5,000円
メガショッププラン:5,000円
楽天ペイ利用料月額決済高の2.5〜3.5%
※1 2024年8月時点でR-Messeは無料期間中
※金額はすべて税抜

上記の費用は、商品の販売価格やカテゴリ、利用するサービスによって変動する場合があります。詳細な料金体系については、楽天市場の公式サイトを確認してみてください。

料金シミュレーション|月商300万

楽天市場の料金シュミレーションにおいて、月商300万円を目指す店舗にかかる月額費用を算出しました。以下の条件でシミュレーションを行っています。

  • 目標とする月商:300万円
  • 予想される客単価:〜3,000円
  • 取扱予定の商品ジャンル:食品
がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額出店料25,000円65,000円130,000円
システム利用料(PC)39,400円24,600円24,600円
システム利用料(モバイル)150,600円93,475円93,475円
楽天ポイント28,500円28,500円28,500円
楽天スーパーアフィリエイト23,400円23,400円23,400円
モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料3,000円3,000円3,000円
R-Messe3,000円5,000円5,000円
楽天ペイ利用料103,000円103,000円103,000円
合計375,900円345,975円410,975円
引用:プラン・費用|Rakuten出店案内)※金額はすべて税抜

料金シミュレーション|月商500万

同様に、月商500万円を目指す店舗にかかる月額費用を算出しました。以下の条件でシミュレーションを行っています。

  • 目標とする月商:500万円
  • 予想される客単価:5,000円
  • 取扱予定の商品ジャンル:ファッション
がんばれ!プランスタンダードプランメガショッププラン
月額出店料25,000円65,000円130,000円
システム利用料(PC)63,875円40,750円40,750円
システム利用料(モバイル)246,000円147,175円147,175円
楽天ポイント47,500円47,500円47,500円
楽天スーパーアフィリエイト39,000円39,000円39,000円
モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料5,000円5,000円5,000円
R-Messe3,000円5,000円5,000円
楽天ペイ利用料169,000円169,000円169,000円
合計598,375円518,425円583,425円
引用:プラン・費用|Rakuten出店案内)※金額はすべて税抜

楽天市場への出店に必要なもの

楽天市場に出店するには「個人事業主としての開業届」または「法人登記」が必須です。手続きを済ませた上で、楽天市場に資料を請求し、出店申請を行います。

実店舗がなくても、上記の届出が完了していれば出店が可能です。また、出店前の段階から、専任のECCサポートを受けられます。

出店申請にあたり、楽天市場へ提出が必要な書類は以下のとおりです。

<楽天市場への出店で必要なもの>

  • パソコン
  • カメラ(スマートフォンも可)
  • インターネットに接続する環境
  • 古物商許可証、医薬品販売業許可証、酒類販売業免許証など、販売に必要な許可証(該当する場合)
  • 登記簿謄本(原本)
  • 住民票、印鑑証明書(個人事業主の場合のみ)

審査の過程において、楽天市場から追加書類の提出を求められる場合があるため、事前に必要な書類をしっかりと確認しておきましょう。

楽天市場に出店するまでの5ステップ

楽天市場に出店するには下記の5ステップで進めましょう。

  1. Webから出店申込をする
  2. 楽天RMSアカウント作成後ショップを開設する
  3. 開店準備を進める
  4. 開店前審査を受ける
  5. 出店して運営を開始する

順に解説します。

1.Webから出店申込をする

楽天市場の公式サイトにある「出店申込」ボタンから手続きができます。資料請求後、会社情報や運営の責任者情報を記載した書類を作成します。

申込の際には、以下の書類が必要です。

  • 法律で決められた販売に必要な許可証(古物商許可証、医薬品販売業許可証、酒類販売業免許証など)※該当する場合
  • 商品の写真
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書が必要になる場合もあり)
  • 住民票、印鑑証明書(個人事業主の場合のみ)

上記の書類は、楽天市場への提出が必要となるため、事前に準備しておきましょう。また、楽天の判断で上記以外の書類の提出が必要な場合もあります。

2.楽天RMSアカウント作成後ショップを開設する

楽天による審査で承認されると、店舗運営に必要なシステム「RMS(Rakuten Merchant Server)」のアカウントを作成しましょう。 RMSとは、楽天市場の出店者が商品管理や受注管理、顧客管理、売上分析などを行えるシステムです。

手続き完了後、約2~4週間でRMSアカウントが開設されます。RMSアカウント開設後、ショップの作成に取りかかります。

3.開店準備を進める

RMSアカウントが開設されたら、開店準備を始めましょう。RMS内から、販売する商品の登録や決済、配送方法、ショップデザインについて設定します。
また、ショップデザインの設定にはHTMLの知識が必要です。HTMLに自信がない場合は、楽天市場が提供する「制作支援ツール」の活用をおすすめします。費用はかかりますが、初心者の方でも手軽にページ制作が可能です。

4.開店前審査を受ける

ショップ開設の準備が整ったら、楽天市場による開店前審査を受けます。審査では、主に以下の項目がチェックされます。

  • 楽天からの振込口座の登録
  • 楽天への自動振替設定口座の登録
  • 配送に関する設定
  • 商品登録
  • 看板画像の作成

開店前審査には、申請から完了まで2週間~1ヶ月程度の期間を見ておきましょう。

5.出店して運営を開始する

開店前審査に無事通過したら、運営開始です。目標とする売上金額を目指して、商品販売や顧客対応などの業務に取り組みましょう。

楽天市場での店舗運営は、集客や販売促進、顧客対応など、さまざまな業務を同時進行しなければなりません。

「立ち上げから売上を伸ばしていきたい」と思う方は、以下資料をご確認ください。

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楽天市場への出店者が多い3つの理由

楽天市場への出店者が多い理由は以下の3つです。

  1. 市場規模が大きい
  2. 楽天ブランドの信頼性が高い
  3. 充実したサポート体制がある

順に解説します。

1.市場規模が大きい

2023年の楽天グループ全体の流通総額は6兆円を超えており、さらに前述したとおりEC通販の全体シェア28.9%を占めています。

市場規模の大きさやユーザーの多さから、ビジネスチャンスを求めて多くの店舗が出店しているのです。そのため競合が多い点は否めませんが、多くのユーザーに自社商品を認知してもらえる可能性が高いといえます。

2.楽天ブランドの信頼性が高い

楽天市場は1997年のサービス開始後、25年以上続いている国内ECモールです。長年の実績と知名度からユーザーの信頼性も高く、ユーザーが安心して商品を購入できる体制が整っています。

楽天ブランドの信頼性の高さは出店者にもメリットであり、多くの出店者が楽天市場をECサイト出店の選択肢としているのです。

3.充実したサポート体制がある

楽天市場に出店する際は、専任のECCがパートナーとして伴走してくれるため、ECの知識が少ない人でも安心して運営を始められます。

ECCは各商品のジャンルに特化した人物が担当になります。取り扱う商材に合わせて専門性の高いアドバイスを受けられる点もメリットでしょう。
3.サポート体制が充実している」でも解説したように、楽天のサポート体制は他のECモールと比較しても非常に充実しています。安心して出店できる体制が、楽天市場への出店者が多い一因なのです。

楽天市場の出店は儲からないといわれる3つの理由

楽天市場への出店者が多い一方で「楽天市場は儲からない」という意見もあります。その理由として、以下の3点が挙げられます。

  1. ECモールのなかでも手数料が高いから
  2. 競合との差別化が難しいから
  3. 楽天独自のルール対応に追われるから

順に説明します。

1.ECモールのなかでも手数料が高いから

楽天市場へ出店する場合は、高い手数料を考慮した上での戦略的な運営が求められます。

他のECモールと比較して、販売手数料やシステム利用料などの手数料が高く設定されているからです。そのため、売上が伸びても手数料の負担となり、必ずしも黒字化できるとは限りません。

黒字化のためには「手数料を抑える」ではなく「手元に利益が多く残るように運営する」という視点が重要です。販売価格の設定や仕入れ値の見直し、広告費用の最適化など、さまざまな角度から収益構造を分析し改善を繰り返していけば、黒字化は難しくありません。

2.競合との差別化が難しいから

楽天市場では2023年時点で57,000店舗以上の出店があります。多くの競合店舗が出店しており、競合との差別化が難しい点も「儲からない」といわれる理由のひとつです。

多くの店舗が取り扱う商品では、価格競争に陥りやすく、場合によっては赤字覚悟の値引き販売を強いられる可能性もあります。価格競争に巻き込まれないためには、事前の競合リサーチや、自社ならではの独自性の創出、強みを活かしたブランディングなどが欠かせません。

競合との差別化を図りユーザーに選ばれるためには、楽天市場への出店・運営にしっかりとリソースを割き、販売戦略の考案や実行をしていく体制作りが重要です。

3.楽天の独自ルールへの対応に追われるから

楽天市場には、独自に定められたルールがあり、過去に何度も改定が行われています。改定のたびに担当者は対応する必要があります。

たとえば、2020年6月の改定では、スマートフォン版ECサイトに対する禁止タグの追加や、CSSの組み込みに関する制限などが加わりました。

また、近年では「SKUプロジェクト」と呼ばれる商品データの統一化に向けた取り組みや、「最強配送ラベル」の導入など、新たなルールが次々と導入されています。売上拡大のためには、新たなルールへ迅速に対応する必要があり、担当者は対応に追われています。

楽天への出店の際には、店舗運営だけでなく、独自ルールへの対応にもリソースを割かなければならない点を考慮しておきましょう。

「最強配送」と「SKUプロジェクト」の詳細については、下記の記事で詳しく解説していますので、合わせて確認してみてください。

関連記事:楽天最強配送とは?ラベルの獲得条件や導入のメリットとハードルを解説

関連記事:【2024年最新】楽天SKUプロジェクトとは?売上アップのための対応策を解説!

楽天市場への出店を黒字化するための5つの具体的な戦略

楽天市場への出店を黒字化するためには、下記のような具体的な戦略が必要です。

  1. 売上の構成要素を理解する
  2. アクセスのベースが上がる仕組みを理解する
  3. SEO対策とベネフィット訴求を徹底する
  4. ROASを意識した広告運用を行う
  5. 長期的な目線での運用を行う

順に解説します。

1.売上の構成要素を理解する

楽天市場を含め、ECサイトの売上は、以下の公式で計算されています。

売上 = アクセス数 × 転換率 × 購入単価

売上向上のためには、楽天市場の圧倒的な集客力を活用し「アクセス数」の増加が重要です。

アクセス数の増加のためには、ユーザーがどこからサイトに訪れるのかを示す「参照元」を分析しましょう。

主な参照元は以下のとおりです。

  • 検索経由
  • 広告経由
  • ランキング経由
  • 閲覧履歴/購入履歴経由
  • お気に入り登録経由
  • メルマガ経由
  • LINE/SNS 経由

参照元を分析し、意図的にアクセス数を伸ばせる施策に注力すれば、効率的かつ効果的な売上アップを目指せます。

2.アクセス数の増加メカニズムを理解する

アクセス数増加のためには、特定の商品ページへのアクセスを継続的に増やし続ける「ベースアップ」の仕組みを理解し、順に対策を行っていきましょう。

ベースアップの流れとしては、大きく3つの段階に分けられます。

段階施策概要
①ベースアップの事前準備検索対策楽天市場内検索やGoogle検索などからの流入を増やす
お気に入り登録対策ユーザーがお気に入り登録しやすい訴求を行い、再訪問を促す
アフィリエイト対策アフィリエイトを活用し、外部サイトからの流入経路を確保する
②集客の最大化広告運用の実施と効果の最大化楽天の広告メニューを活用し、ターゲットに効率的にアプローチする
ランキング入賞と継続売上アップ施策を打ち、ランキング上位を狙い、露出を増やす
③ベースアップ後の対策メルマガ対策メルマガを配信し、ユーザーに再訪問やリピート購入を促す
LINE/SNS対策LINEやSNSを活用しユーザーとのエンゲージメントを高め、ファン化を促進する

上記のように段階的な施策を行えば、計画的かつ継続的なアクセス数の増加を見込め、売上拡大を目指せるでしょう。

3.SEO対策とベネフィット訴求を徹底する

アクセス数を伸ばすためには、SEO対策が重要です。楽天市場では、全体の約4割のユーザーが検索窓を利用して商品を探します。

SEO対策をしっかりと行い、検索結果の上位を獲得できれば、アクセス数が増え売上向上にもつながります。楽天市場の検索アルゴリズムは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンとは異なるため、下記の記事を確認し対策を行ってみてください。

関連記事:【2024年最新版】楽天SEOとは?知っておくべきルールや具体的な対策10選を徹底解説!

また、アクセスしたユーザーの購買意欲を高めるには、商品ページの質にもこだわる必要があります。商品の特徴やメリットだけではなく、商品を購入して得られる ベネフィットがしっかりと伝わるように意識して作成しましょう。

ベネフィットが伝わる商品ページ作成のポイントは、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせて確認してみてください。

関連記事:楽天の商品ページ作成における7つの制作ステップやポイント13選を楽天出身者が解説!

4.ROASを意識した広告運用を行う

楽天市場には、多種多様な広告メニューが用意されています。効果的に広告運用を進められると、より多くのユーザーに商品を認知してもらえたり、購買意欲の高いユーザーへのアプローチができます。

黒字化を目指し広告運用を行う際は、 ROAS (広告費用対効果) を意識しましょう。 ROASとは、広告費用に対して、どれだけの売上があったかを表す指標です。

ROASを分析すれば、広告投資の費用対効果を把握し、より効率的な広告運用体制を構築できます。

楽天市場の広告メニューの詳細や、効果的な広告運用方法については、下記の記事で解説しています。合わせて確認してみてください。

関連記事:【2024年最新】初心者でもわかる楽天市場広告ガイド|元楽天ECCが徹底解説

5.長期的な目線での運用を行う

楽天市場への出店を成功させるために重要なのは、継続的に利益を上げられる、安定した収益基盤を築くことです。目先の売上だけを追いかけるのではなく、長期的な視点で集客を最大化し、継続的な利益を生み出す運用を行いましょう。

長期的な目線での運用のポイントは以下のとおりです。

〈集客を最大化するためのポイント〉

コントロールできる部分だけを考え抜く楽天市場のシステムやアルゴリズムなど、コントロールできない要素にとらわれず、自社で対応可能な範囲で最大限の努力をする
あくまでベースアップに主眼をおく一時的な売上増加に満足するのではなく、長期的な視点に立ち、アクセス数のベースアップを目標とする
分析を行い改善し続ける施策実施後は、アクセス数や売上などのデータを分析し、改善点を特定し、継続的に改善を繰り返していく

また、日々の店舗運営のなかでは、以下の考え方を念頭においておきましょう。

〈店舗運営における大切な考え方〉

新情報のキャッチアップ楽天市場のルールやシステムは頻繁に更新されるため、常に最新情報を収集し、対応していく
地道な積み重ね小さな改善をこつこつと積み重ねていくことで、長期的な成功につながる
まずやる、すぐやる完璧主義ではなく、まずは行動を起こし、改善すべき点はあとから修正していく

楽天市場での出店を黒字化するためには、上記のポイントを踏まえ、根気強く、そして戦略的に取り組んでいきましょう。

まとめ|楽天市場に出店してECサイトを成功させよう!

楽天市場には、圧倒的な集客力を活用でき、充実したサポートも受けられるため多くの企業が出店しています。他のECモールに比べてコストはかかりますが、しっかりと戦略を立て、運営リソースが確保できれば黒字化も可能です。

しかし「楽天市場への出店のメリットはわかったけど、自社にあった戦略がわからない」という担当者もいるのではないでしょうか。

ジャグー株式会社では、出店者様に対し、楽天市場出身者による専門的なサポートを行っています。売上の改善や社内運用の仕組み化など、戦略から販売までを一気通貫したEC支援をご提供します。

楽天市場への出店など、楽天運用に関するご相談があればお気軽にお問い合わせください。

ジャグーの楽天市場総合支援サービス
Jagooは、EC戦略・運用のプロフェッショナルです。これまで数多くの大手ブランドを支援してまいりました。
単なる作業代行だけではなく、売上拡大・利益拡大はもちろん、継続し続けられる「仕組み化」に至るまでコミットします。
ECの立ち上げ・運用は下記よりぜひご相談ください。

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